転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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3009話

 ハイパー化。それは、今まで俺も2度経験している。

 ジェリルとバーンの2人に起きた現象だ。

 バーンもまたハイパー化した事から、これは聖戦士だけではなく、バイストン・ウェルの人間であってもハイパー化が可能であるという事を意味していた。

 ハイパー化というのは、オーラバリアによってオーラバトラーが巨大化するのは事実だが、それと同時にハイパー化を起こした者にもダメージがあるという……一種の諸刃の剣とでも呼ぶべき現象なのは間違いない。

 そしてヴェルビンの映像モニタに表示されているのは、大きくなったり小さくなったりしている、ビルバインの姿。

 それを見た瞬間、俺はゴラオンのブリッジの前からビルバインのいる方に向かう。

 ハイパー化したビルバイン……ハイパービルバインといった存在は、明らかに厄介な……厄介すぎる存在となる。

 そうである以上、まだ完全にハイパー化していない今のうちに撃破してしまうのが、一番手っ取り早い。

 そう判断し、間合いを詰めながらマジックソードライフルを使って連射する。

 何発も放たれたエネルギー弾が、ビルバインに命中する。

 命中するが……ハイパー化の現象によってか、その攻撃はビルバインに届く前に消滅する。

 そして、今の攻撃が切っ掛けとなったのか、ビルバインは一気に巨大化した。

 ちっ、先制攻撃をしたのは失敗だったか?

 

「全機、注意しろ! ショウの乗るビルバインがハイパー化した! 近付くな!」

 

 オープンチャンネルでそう叫ぶ。

 その通信が聞こえたのか、連合軍のオーラバトラー隊は素早くビルバインから離れる。

 ジェリル、バーンという2人のハイパー化を見ているだけに、その危険性は承知の上だろう。

 あるいはどちらか片方のハイパー化しか見ていない者であっても、その危険性は十分に理解出来た。

 だが……ハイパー化についての情報を知っているのは、あくまでも連合軍の者達だけだ。

 いや、あるいはシーラからイギリスの女王を通してゴラオン隊にもその辺の情報が流れている可能性は否定出来ないが、それでも話を聞いているだけと、実際に自分の目で見たのとでは事情が大きく違っていた。

 その為に、ゴラオン隊のオーラバトラー隊はハイパービルバインから離れることはない。

 とはいえ、ハイパービルバインに乗っているのはショウだ。

 連合軍のオーラバトラー隊ならともかく、ゴラオン隊のオーラバトラー隊なら攻撃される事はない……と、普通ならそう思う。

 だが、ジェリルとバーンの一件を知っている俺としては、ハイパー化というのは半ば暴走している状況である以上、その辺を完全に安心するような真似は出来ない。

 そんなハイパービルバインを見ながら、ふと疑問を抱く。

 俺が知ってる限りの情報だが、ショウは戦いに向かう時はチャムというミ・フェラリオと一緒にコックピットにいた筈だ。

 そんなチャムが、現在のビルバインの中にいたとして……耐えられるのか?

 諸刃の剣であり、自滅することが必須のハイパー化だ。

 実際、俺がジェリルを倒した時は既に機体が半ば崩壊しつつあり、ジェリルもまた自分のオーラ力で大きなダメージを負っていたように見えた。

 そんな状況でチャムが生き残る? ……まずないな。

 チャムと直接会ったことは数少ないし、話した事もあまり多くはない。

 そういう意味ではそれこそエルやベルの方が何度も話しているだろう。

 それでもチャムがショウのハイパー化に巻き込まれて死んだというのは、ちょっと思うところがない訳でもなかった。

 俺がチャムについて考えてると、やがてハイパー化が完了したのだろう。

 巨大になったビルバインは、俺の姿を見つけると……オーラキャノンの発射態勢に入る。

 って、マジか!?

 その攻撃が危険だというのは理解していたが、それよりも驚いたのは、俺の周囲にはゴラオン隊のオーラバトラーがそれなりにいる。

 連合軍のオーラバトラー隊は、先程の俺の通信で距離を取ったものの、ゴラオン隊のオーラバトラー隊が俺の指示を聞く必要はない。

 本来なら……ハイパー化をする前の冷静なショウであれば、当然のようにヴェルビンの周囲に味方がいるというのは知っていた筈だ。

 しかし、ハイパー化というのは半ば暴走状態だ。

 ジェリルやバーンを見れば分かるように、冷静な判断力は期待出来ない。

 つまり……

 

「ちぃっ!」

 

 ビルバインのオーラキャノンの砲口が光った瞬間、ヴェルビンのマジックコンバータを全開にして、その場から退避する。

 すると次の瞬間、ヴェルビンのいた場所は強烈な光によって覆い隠された。

 嘘だろ?

 それが、俺の正直な感想だ。

 オーラキャノンの威力が高いのは知っていた。

 そしてショウが聖戦士の中で最強の存在であるのも知っていた。

 更にはショウが乗っているビルバインは、バイストン・ウェルの中でも最大の国力を持つナの国が開発した新型であるのも知っていた。

 あるいは、ハイパー化というのはオーラ力が強く影響してくるのだから、チャムが何らかの影響を与えている可能性も否定は出来ない。

 それら全てを総合的に考え……それでも、今の威力はおかしいだろうという結論になる。

 ビルバインが持つオーラキャノンは、背中に背負っている形で撃つ時にガンキャノンみたいな感じになり、撃つ。

 そしてガンキャノンは、両肩に低反動キャノンを背負っていた。

 それはつまり、オーラキャノンは2つ一緒に発射出来るという事になる。

 ただし、オーラキャノンというのはオーラソードライフルと違って、実体弾の兵器であり、オーラノバ砲のようなビーム兵器――正確にはビームではないのだが――ではない。

 だが、ビルバインが撃ったオーラキャノンは、間違いなく実体弾ではなくエネルギー系の攻撃だった。

 それも、オーラキャノン片方だけの威力でオーラノバ砲並の威力を持ち、それが2門同時に撃つという……ハイパービルバインになったからといって、それはやりすぎだろうと突っ込みたくなるような、そんな様子。

 その上、ヴェルビンは今の攻撃を何とか回避したものの、ヴェルビンの近くにいたゴラオン隊のオーラバトラーはその全てが纏めて撃破……いや、消滅している。

 当然、今のオーラキャノンの威力を考えれば、それだけですむ筈もない。

 ボチューンやボゾン、ダーナ・オシーといったオーラバトラーを消滅させながらも、威力は殆ど落ちなかったハイパービルバインのオーラキャノンは、当然ながらそのまま突き進み……ナムワン2隻を撃沈する。

 当然ながら、そのナムワンは俺達連合軍のナムワンではなく、ゴラオン隊に所属するナムワンだ。

 ハイパー化の影響か、完全に我を見失ってるな。

 とはいえ、そんな風に考えている間にも、ハイパービルバインは再びオーラキャノンの発射準備に入る。

 

「どういう攻撃か分かれば、対処するのも難しくはない!」

 

 そう叫び、オーラキャノンの射程範囲から出る。

 再び発射されたオーラキャノンは、再度ゴラオン隊のオーラバトラーと、今度はグリムリーを2隻撃破する。

 これ……もしかして、ショウの攻撃を回避し続けているだけでゴラオン隊が壊滅するんじゃないか?

 そう思ったのだが、やはり事態はそう上手くはいかないらしい。

 ハイパービルバインは、オーラキャノンでは俺を倒せないと判断したのだろう。

 オーラキャノンではなく、オーラソードを構えてこっちに移動してくる。

 圧倒的な……それこそヴェルビンを片手で握り締めることが出来るくらいの巨体であるにも関わらず、ハイパービルバインの移動速度は並のオーラバトラーを上回っている。

 これもまた、最強の聖戦士であるショウの実力だからこそのものなのだろう。

 厄介な……本当に厄介な攻撃。

 巨大なオーラソードは、見て分かる程に強力なオーラ力をその刀身に纏わせ、ヴェルビンに振り下ろされる。

 以前の戦いでオーラ斬りとかチャムが言っていたが、こうなるとハイパーオーラ斬りだな。

 その一撃を、俺はオーラソードで受ける。

 普通に考えればまさに大人と子供……いや、象と蟻……それはちょっと言いすぎか。象と犬くらいの大きさの差はあるヴェルビンとハイパービルバインだが……

 

「ぐっ……」

 

 巨大なオーラソードの一撃を受け止め、そのままオーラソードの刀身で受け流す。

 強烈な衝撃が機体を揺らすのを感じ、これは受け止めるといった選択肢はなしだなと判断した。

 俺の乗っているのがヴェルビンだったからこそ、今の一撃を受け流すことは出来た。

 しかし、もしこれが他のオーラバトラー……それこそ、ライネックとかだったら、間違いなく機体の方が今の一撃を受けられなかっただろう。

 サーバインやズワウスであっても、受け止めることは出来たかもしれないが、機体に何らかの故障が出たのは間違いない。

 ヴェルビンだからこそ受け流しに成功したものの、ハイパービルバインの攻撃は受けるよりも回避した方がいいな。

 そう判断し、ハイパービルバインから距離を取りつつ、複合兵装のオーラキャノンを撃っていたのだが……

 

「弾切れ!?」

 

 数発撃ったところで弾切れになり、思わず叫ぶ。

 だが、考えてみればこれは当然だろう。

 元々複合兵装の盾はその内部にオーラショットやオーラバルカンの弾丸を内蔵しているのだが、その弾数は決して多くはない。

 ましてや、ドレイク軍との戦いが終わって一段落する暇もなく、そのままゴラオン隊との戦いになったのだ。

 その戦いの中でオーラショットも使ってきたし、弾切れになってしまうのも仕方がない。

 

「なら!」

 

 とはいえ、ヴェルビンの射撃武器は複合兵装だけではない。

 マジックソードライフルを構え、次々に射撃する。

 放たれたエネルギー弾は、ビルバインに次々と着弾。

 とはいえ、その一撃は決して致命傷になるようなものではない。

 ないのだが……それでもハイパービルバインにしてみれば、その攻撃は厄介だと感じたのだろう。

 苛立ちを露わに、真っ直ぐこちらに向かって突っ込んでくる。

 本来のビルバインの大きさなら、マジックソードライフルの攻撃を回避するような真似も出来たのだろう。

 だが、今の状況でそれは出来ない。

 結果としてショウは、攻撃を回避するのではなく命中を最小限にし、攻撃を受けることを前提として、その攻撃そのものを少なくするといった方針で行動する事にしたのだろう。

 そして、事実その行動は俺にとっては一番やって欲しくない事だった。

 攻撃を回避しながら、マジックソードライフルを連射していく。

 そうして、奇妙な追いかけっこが続き……

 

「うおっ!」

 

 その追いかけっこが続く中、不意に背後からの攻撃に驚きながら回避する。

 攻撃をしてきた相手を確認すると、そこにいたのは……ゼラーナ。

 ちっ、ゼラーナはまだ生き残っていたのか。

 素直にそう思う。

 ドレイク軍や俺達連合軍を構成している軍にとって、ゼラーナというのは仇敵なのだ。

 ヨルムンガンドの面々にしてみれば、キッス家が代々仕えてきたギブン家が指揮を執っており、更にはキブツの娘のキーンもゼラーナにいる。

 そうである以上、ヨルムンガンドのオーラバトラー隊の中でもキッス家の面々はともかく、ドレイク軍から出向している者達やビショット軍の生き残りの者達にしてみれば、キーンがいるというのは関係がなく、それこそ集中して狙われてもおかしくはなかっただろう。

 そんな状態だけに、ゼラーナは何気に結構な被害を受けてはいる。

 受けてはいるものの、そんな状況であってもヴェルビンに向かって攻撃をし、ハイパービルバインの援護をするくらいは出来たのだろう。

 咄嗟にゼラーナの攻撃を回避するが、そのタイミングを待っていたかのようにハイパービルバインがこちらに向かって突っ込んでくる。

 巨大なオーラソードが振るわれ、今度はそれを受け止めたり受け流すのではなく、普通に回避する。

 そうしながら、マジックソードライフルで射撃を行うものの……ハイパービルバインに命中してはいるもののそれが具体的にどれだけのダメージを与えているのかは分からない。

 とにかく今の俺に出来るのは、ハイパー化が切れてショウが自滅するまで待つか、その一歩手前の自滅する寸前でハイパー化に呑まれる寸前の状況に対して攻撃をするか。

 どちらにせよ、今はヴェルビンの機動力を使って敵の攻撃を回避し続ける必要があった。

 そうして数分が経過し……俺の予想通り、ハイパービルバインの攻撃は見るからに雑になってくる。

 ハイパー化した直後は、まだショウの意識がしっかりとしていた為か、かなり精密な動作を行っていたのだが、今のハイパービルバインの動きは、とてもではないが最強の聖戦士であるショウが操縦しているとは思えない。

 そろそろか?

 ハイパービルバインとゼラーナ、双方からの攻撃を回避しつつそう考え……ショウもまた、現在の自分が限界に近いと判断したのだろう。

 今までよりも一段上の速度で、オーラソードを構えて突っ込んでくる。

 ここだ。

 そう判断すると、俺はそんなハイパービルバインのオーラソードを回避し……

 

「え?」

 

 何故か、そう何故かは分からないが、ヴェルビンのいた場所に対して、ハイパービルバインはオーラソードを振り下ろそうとするも、そのまま突っ込んでいき……その巨大なオーラソードが振り下ろされたのは、ゼラーナのブリッジに向かってだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1800
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1728
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