鬼殺隊の本部……産屋敷家からそれなりに離れた場所に、俺達は来ていた。
俺、耀哉、あまね、柱の面々。
イザーク的なツンデレ要素のある実弥はともかく、本気で俺を嫌っているというか、怪しんでいる小芭内は来ないかもしれないと思ったのだが、小芭内も耀哉には深い忠誠心を抱いているから、耀哉がいる以上、ここに来ないという選択肢は存在しなかったのだろう。
それ以外にも、蜜璃の件があるのは明らかだったが。
とはいえ、蜜璃と多少なりとも接すれば、その性格というか……こういう場合は特性という表現の方がいいのか? ともあれ、その特性もはっきりとする。
蜜璃が他人を見れば、何らかの要素で気になる――男女の関係的な意味で――のは間違いないのだろうが、それはあくまでも一時的な事でしかない。
例えばその誰かを見てときめきを覚えても、それを次の日まで引きずるといったような事はないらしい。
とはいえ、それはあくまでも俺がそう思ってるだけで、もしかしたら違う可能性もあるだが。
「では、少し待っていて下さい。蝶屋敷の方に行って、指示を出してきますので」
そう言うと、しのぶは蝶屋敷に入っていく。
那田蜘蛛山の一件でかなりの人数が怪我をし、その治療で忙しいらしい。
それを思えば、蝶屋敷の主であるしのぶが色々と指示をしなければならない事も多いのだろう。
「出来れば、私も皆の見舞いに行きたいのだけれどね」
そう言う耀哉だったが、当然のように大勢から反対される。
柱は耀哉に対して絶対的な忠誠心を抱いているものの、他の剣士達がどう思っているのかというのは、また別の話だ。
基本的に鬼殺隊の剣士は鬼に身内を殺された者が多いが、だからといって全員が耀哉に忠誠心を抱いている訳ではないのだから。
鬼殺隊が全部で何人いるのかは、正直なところ俺にも分からない。
剣士以外にも隠や育手といった者達がいるし、日輪刀を作っている者達もいる。
他にも俺が知らないだけで、色々な部署があってもおかしくはないのだ。
そんな全員が耀哉に忠誠心を抱いているかは分からない。
ましてや、蝶屋敷にいるのは怪我人が大半だ。
怪我や病気をしている者の中には、誰かに八つ当たりをするといったような者も少なくない。
もし耀哉が八つ当たりされたりしたら……そうなった場合、恐らくそれを行った人物は柱によってどんな目に遭わせられるやら。
「アクセル達の国と交流出来たら、蝶屋敷にいる子達も今よりもっと早く治るのかな?」
「それは間違いないと思う。とはいえ、技術を具体的にどこまで輸出するのかは、政治班としっかり話す必要があるだろうけど」
基本的に治療に使う技術……それこそ機械や薬の類は、輸出するのに何の問題もない。
異世界間貿易において禁止されているのは、兵器の類なのだから。
これがマブラヴ世界くらいに世界の危機なら、兵器の輸出も問題はないけど、この鬼滅世界においては結局のところ日本の中だけでの話だしな。
勿論、それによって被害を受けている者は多いものの、鬼の対処は鬼殺隊だけで行っており、日本政府が手を出していないというのに、日本はまだ健在だ。
BETAに比べれば、危機としてはやっぱり低いんだよな。
「ふむ、なるほどね。蝶屋敷にいるしのぶ達の負担が小さくなるのなら、大歓迎だよ」
具体的に蝶屋敷で何人が働いているのかは分からないが、那田蜘蛛山の一件では結構な人数が怪我をしていた。
だとすれば、蝶屋敷で働く者達もかなりの人数になるだろう。
「正式に耀哉との契約が成立すれば、コバッタや量産型Wを貸し出してもいいかもしれないな」
「何だい、それは?」
俺の口から出た言葉に興味を持ったのか、耀哉がそう尋ねてくる。
柱の何人かも、興味深そうな視線をこちらに向けていた。
「コバッタというのは、色々な雑用を手伝ってくれる虫型の機械で出来た人形だ。雑用が得意なだけに、シャドウミラーでもかなり使われている。量産型Wは人間型の機械、人形だな。こっちはそれこそ鬼との戦いでも十分に戦力になるが、疑似記憶や疑似体験というのがあって、それを使えばすぐにでもベテランかそれ以上の働きは出来る」
「ほう、それは興味深いね。柱の皆はどう思う?」
「もし本当に鬼と戦えるだけの実力を持っているとなれば、かなり期待出来ますな!」
杏寿郎が声を張り上げてそう言う。
「それが本当に鬼を相手に出来るなら、だけどなァ」
「そのくらいに強いのなら、僕の訓練相手としてもいいかも」
実弥と無一郎のその言葉に他の柱達……そしてあまねも自分の意見を口にする。
「とはいえ、鬼との戦いはともかく、鬼殺隊の面々以外の前に出すとなると、ちょっと難しいかもしれないな」
「何でだい?」
「人造人間……人型の人形であるのはいいけど、頭部にはヘルメット……いや、かなり特徴的な兜を被っているような感じだからな。人前だと絶対に目立つ」
ここが平成とかそういう時代なら、コスプレって事で通せたかもしれないんだが、大正でコスプレというのは……ああ、でも仮面舞踏会とか、そういうのはあるんだったか? ……そういうパーティでもないのに、量産型Wがいればもの凄く目立つだろうが。
「ふむ、なるほど。……では、その量産型Wだったかい? それは具体的にどれくらいの医療技術を持っているんだい?」
「どのくらいのと言われてもな」
これが俺の知っている普通の医者を基準にするのなら、神の腕を持つと言われるような天才医師には及ばない程度と表現出来るのだろうが、生憎と俺は大正時代の医療技術がどれくらいなのかは分からない。
また、蜘蛛に近い姿に変えられた者を治療出来るしのぶの医療技術を考えると、余計にその辺りの判断は難しくなってしまう。
「俺の知ってる世界……この世界よりも100年くらい進んだ世界を基準にすると、天才には及ばないといった感じか」
「それは……もしかして、もの凄いのでは?」
「ああ、もの凄い。その上で量産型Wは人形だから、ある程度量産出来たりもする」
量産という言葉に耀哉が嬉しそうに笑みを浮かべるが……
「とはいえ、量産型Wはシャドウミラーにとっても重要な資源だ。他にも色々と取引をしている世界があるし、シャドウミラーとしての仕事もあるから、この鬼滅世界だけに回す訳はいかないぞ」
そう、釘を刺す。
「それに、さっきも言った通り量産型Wは人じゃなくて人形だ。頭部に兜を被っているから、それを見て蝶屋敷の患者がそれを受け入れられるかは……どうだろうな」
ただでさえ、病人や怪我人は神経質になっている者が多い。
そんな中で量産型Wが蝶屋敷の中を歩き回っていると、ストレスを感じるといったような者もいるだろう。
いっそ、木乃香を派遣して蝶屋敷に常駐して貰って、回復魔法を使うというのは……ありか? いや、木乃香はシャドウミラーの回復担当でもあると考えると、そういう真似はちょっと難しいな。
そんな風に会話していると、蝶屋敷からしのぶが少し急いだ様子でやって来た。
「遅れてしまってすいません。少し指示に手間取りました」
「構わないよ。皆の治療が優先だからね。それで、蝶屋敷の方はもう問題ないのかい?」
「はい、お館様。明日もとなると難しいでしょうが、アオイもいますから今夜くらいまでなら大丈夫かと」
「そうかい、それはよかった。ではそろそろ行こうか。しのぶ、アクセルがゲートを設置してもいいような場所というのはどこにあるんだい?」
そんな耀哉の言葉に、しのぶは俺達を蝶屋敷から少し――歩いて10分くらい――離れた場所に案内する。
そこは広場というか、特に何にも使われていないような場所らしく、雑草がそれなりに生えている場所だ。
「アクセルさん、ここはどうですか?」
「構わない。ゲートを設置するだけの広さは十分にあるしな。……耀哉、いいか?」
しのぶに答え、念の為に耀哉に聞いてみると、耀哉は無言で頷く。
それを確認すると、俺は広場の中央に移動し、空間倉庫からゲートを取り出す。
いきなりどこからともなく姿を現したゲート……コンテナに、多くの者が驚いている様子を見せるが、俺はそれを気にせずゲートを展開する。
コンテナが自動的に展開していくその様子に、再度耀哉達が驚いている様子だが、今の俺はそちらに注意を向けているような余裕はない。
ダンバイン世界では、結局オーラ力の影響か何かでゲートを設置出来なかった。
いや、正確にはゲートがホワイトスター側のリュケイオスとリンクして繋がらなかった。
その記憶があるだけに、どうかと思っていたんだが……
『アクセル代表? 久しぶりですね。ホワイトスターに連絡をしてきたって事は、元気な証ですね。まぁ、アクセル代表が元気ではない姿はちょっと想像出来ませんけど』
映像モニタとして空中にスクリーンが表示され、そこに映し出された相手の声を聞くと、安堵の息を吐く。
映像モニタに映し出されているのが誰なのかは、俺も知っている。
技術班の1人だ。
つまり、この通信で向こうが言ってるように無事にホワイトスターにあるリュケイオスとこのゲートが無事にリンクしたということを意味していた。
「ああ。色々とあったけど何とかな」
色々……本当に色々とあった。
リュケイオスでランダムに転移した世界ではなく、そこから別の世界に強制的に転移させられた後で、こうしてホワイトスターに連絡をする事になるとは思っていなかった。
取りあえずホワイトスターに繋がった以上、まずはレモンや政治班に鬼滅世界の事を説明して、後は何とかダンバイン世界のバイストン・ウェルの座標を確定させる必要があるな。
「それとこっちの世界で知り合ったお偉いさんやその護衛を連れていくから、エザリア達政治班とレモンに連絡を入れてくれ」
『分かりました。すぐに』
そう言って通信が切れる。
ゲートが無事に動いており、転移も問題なく行えると確認してから後ろを向き……そこで唖然としている面々を見て、どうした? と思う。
「何かおかしなことでもあったか?」
「いやいやいやいや、待て! 派手に待て! 一体今のとんでもなく派手なのは何だ!? 空中のあれは!」
天元が俺を見て叫ぶ。
あー、そうか。一応この時代でも簡単な電話の類はある筈だし、場合によってはかなり古いが通信機の類もあってもおかしくはない、
だが、鬼殺隊の通信というのは基本的に鎹鴉で行われているし、それ以前に空中に映像スクリーンが浮かび、そこに人が映し出されてリアルタイムで会話が出来るというのは、完全に予想外なのだろう。
「電話とかあるだろ? あれの発展系の技術だ。それに、この程度で驚いていると、ホワイトスターに転移したら驚き続ける事になってもおかしくないぞ?」
まぁ、映像モニタそのものはともかく、空中に映像スクリーンを作り出すというのは何気に技術力が高い。
この技術はどこの世界の技術だったか……ナデシコ世界だったか?
そんな風に思いつつ、ゲートに異常がないかどうかを確認していく。
「問題ないようだな。……じゃあ、耀哉達はこっちに来てくれ。ホワイトスターに転移する」
俺の言葉に、耀哉達がこっちに近付いて来る。
耀哉もさすがに緊張しているのか、あまねに手を引かれて歩く速度がどことなく遅いように思える。
そして柱達は、何があっても耀哉を守るといった様子を見せていた。
考えてみれば当然の話なのだが、ここには耀哉とあまね、そして柱が全員揃っている。
もしここで実は俺が何か危ない事を考えており、ここにいる耀哉達を纏めて葬るといったような真似をした場合、鬼殺隊は壊滅に近いダメージを負ってしまう。
耀哉の後継者としては輝利哉がいるが、輝利哉はまだ子供だ。
多分後継者として教育を受けてはいるのだろうが、この状況で両親や柱が全員纏めて消滅してしまえば、鬼殺隊を維持するのは不可能な筈だった。
とはいえ、別に俺は鬼舞辻無惨の手先という訳でもないし、そうである以上はそんな事をするつもりはないんだが。
耀哉を含めて全員が俺の周囲に集まったところで、口を開く。
「これからホワイトスターに転移する。このゲートで転移した場合、まず出るのは転移区画といったところだ。そこには場合によっては俺達以外にも転移してくる奴がいるけど、それを見つけた場合でもその相手に攻撃をしたりするなよ。転移区画にいるのは、俺達シャドウミラーと友好的な者達だけだ」
「……おィ、何で俺だけを見てそんな事を言うんだァ?」
視線が自分に向けられているのに気が付いた実弥が、不満そうに言ってくる。
「そう言われてもな。実弥は気が短いし、何より顔が怖い。どこのヤクザかって思うくらいにはな」
「……ふん」
俺の言葉に実弥が黙る。
実弥が傷ついているのは、鬼との戦いによるものなのだろうというのは分かる。
特に実弥は稀血という希少な存在で、それを使って鬼を殺しているのだ。
そして鬼に稀血の影響を与えるには、自分の身体を斬る必要がある。
注射器で血を抜いて、試験管的なのに入れておけないのか? と思うが、そうしてない以上は何らかの理由があるのだろう。
「さて、注意はこれでいいな。……行くぞ」
そう言い、俺はゲートを操作し、ホワイトスターに転移するのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1810
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1730