「それで、結局禰豆子の何が知りたいんですか?」
炭治郎のその言葉に、俺は素直に疑問を口にする。
「俺が知ってる限り……といっても、鬼殺隊から話を聞いた程度だが、鬼というのは人を食わないとどうしようもなくなると聞く。なのに、禰豆子は何で人を食わない? 具体的には、人を食わない状況でどうやって体力の回復とかしてるんだ?」
人にしろ動物にしろ、体力の回復や怪我の治療をする為には、何らかのエネルギー源が必要だ。
ネギま世界の回復魔法であれば話は別……いや、結局回復魔法を使う者の魔力を消費しているんだから、エネルギー源の類は何にでも必須だ。
だが、禰豆子の場合は人を食わない。
だというのに、飢えたりせずに普通に活動している。
それは明らかに普通の鬼……俺が鬼殺隊の面々から聞いた鬼とはかけ離れている。
「あ、はい。禰豆子の場合はアクセルさんの言う通り人を食べたりといった真似はしません。その代わり、眠ります」
「……眠る事で、その辺はどうにか出来るものなのか?」
「どうでしょう。禰豆子以外の鬼で、完全に人を食べないといったような鬼は知りませんから」
ん? 何でわざわざ完全にという言葉をつけたんだ?
これだと、まるで炭治郎が普通に人を食う鬼以外の特殊な例を知ってるように思うんだが。
とはいえ、今のこの状況においてその辺は追及するべき事でもないか。
「そうなると、禰豆子は鬼としてはやっぱり特殊なんだな」
「はい。禰豆子自身が頑張ってるのもありますが、鱗滝さんがそういう風に暗示を掛けてくれましたので。それと人の味方をするようにと」
「なるほど。……なら、例えばだ。本当に例えばの話だが、普通の鬼を捕まえてその暗示を使った場合、その鬼は禰豆子のように人を食わなくなるとかあるのか?」
「うーん、それは……詳しいところは分かりませんが、多分難しいんじゃないでしょうか?」
少し考えた炭治郎だったが、それでも結局そんな風に言ってくる。
「具体的には何で駄目なんだ?」
「暗示はそこまで強力じゃないらしいので。禰豆子の場合は、あくまでも禰豆子が人を食わない鬼だから、それを暗示でより強固にしたという話です」
「だとすれば、普通の鬼では暗示を使っても人を食わないようにするのは無理か」
「はい。そうなりますね」
俺の言葉に頷く炭治郎。
これで暗示を使って人を食わないようにする事が出来るのなら、鬼を捕らえて暗示を使えば、上手い具合に利用出来ると思ったんだが。
とはいえ、俺がこうしてすぐに思いつくんだから、当然ながら鬼殺隊でも試してはいるだろう。
あ、でも鬼殺隊の面々は基本的に鬼に対する殺意が非常に高い。
そうである以上、鬼殺隊にしてみれば鬼というのは殺すべき相手であっても、捕らえる相手ではないと考えていてもおかしくはなかった。
それ以外にも、鬼は基本的に高い再生能力を持つ以上、そもそも捕らえるといった真似が難しいという一面もある。
とはいえ……それはあくまでもこの世界の技術での話だ。
シャドウミラーが協力する以上、鬼の1人や2人を確保するのはそう難しくないと思う。
実際にそれは試してみないと何とも言えないが。
「人を食わず、それどころか暗示の効果であっても人の味方をする、か。禰豆子はつくづく鬼としては特別だな。こう言ってはなんだけど、もしかしたら炭治郎の一族には鬼に対する何かがあるのかもしれないな」
「あ……それは俺も感じていました。那田蜘蛛山で十二鬼月と戦った時も、その……家に伝承されている舞が呼吸として使えましたし」
「舞が? だとすれば、明らかに炭治郎の家は鬼……というか、呼吸ということは鬼殺隊と何らかの関係があるんじゃないか?」
家に伝わる舞が呼吸となれば、そう考えるのも当然だろう。
妹の件、俺が転移した時にそこにいた件、そして家に伝わる呼吸の件。
……恐らく、本当に恐らくだが、この鬼滅世界の原作となる作品の主人公は炭治郎の可能性が高い。
となると、これからも炭治郎からは目を離すような真似は出来ないな。
ペルソナ世界の戦いでなくなった俺の原作知識に、この世界の事があったかどうかは分からない。
分からないが、もしかしたらあった可能性があるとなると、正直なところ痛い。
もし原作知識があれば、この世界の主人公が誰なのかがすぐに分かっただろう。
あるいはダンバイン世界でも、すぐにショウが主人公であると認識出来た筈だ。
ダンバイン世界では、マーベル、ショウ、トッドの誰が主人公なのか、なかなか分からなかった。
何しろショウはリムルに説得されてギブン家に……それこそ、テロリストと大差ない勢力に亡命したのだ。
だからこそ今のうちに主人公と思われる炭治郎を見つけられたのは大きい。
そう思わせておいて、実は善逸や伊之助が主人公って可能性もあったりするのか?
一番主人公の可能性が高いのは炭治郎だが、他の2人も気をつけておくか。
とはいえ、炭治郎は無惨と遭遇しているという件もあるしな。
「どうでしょう。でも、うちの父さんは身体が弱くて、とてもじゃないですけど鬼殺隊の剣士をやるというのは無理でしたよ?」
「父親が無理でも、その父親、もしくはもっと祖先に鬼殺隊の剣士がいた可能性は否定出来ないぞ」
鬼殺隊という組織が、具体的にいつ出来たのかは分からない。
だが、無惨が鬼になったのは平安時代である以上、かなり長い歴史があるのは間違いないだろう。
であれば、鬼殺隊にいた者の子孫が今は鬼殺隊と全く関係ない場所で生き残っていても、不思議ではない筈だ。
「それは……」
「耀哉に聞いてみるか? 鬼殺隊を率いてるんだから、その辺の知識も相応にあるだろうし」
「そ、そんな……お館様にそのような真似なんて……」
炭治郎は柱合会議で耀哉を見てるので、その存在感というか、カリスマ性を目にしている。
だからこそ、俺が耀哉に話してみるかと言ってみても、耀哉に手間を掛けさせるという意味で、素直に頷けないのだろう。
「なら、輝利哉……耀哉の子供に頼んでみるか? 俺はそれなりに親しいし」
UC世界に一緒に行くくらいの友好関係ではあるので、頼めば恐らく調べてくれるだろう。
輝利哉は耀哉の後継者だ。
それはつまり、鬼殺隊の歴史についても学んでいるということであり、炭治郎が新たに習得したという呼吸についても何らかの記録が残っている可能性が高い。
「え? その……いいんですか?」
「俺としては全然構わない。というか、寧ろ望むところだ。俺が鬼殺隊に協力しているのは、鬼殺隊が持つ特殊な技術や日輪刀に興味があるから、というのが大きい。そういう意味で、炭治郎が新たな呼吸を習得出来るというのなら、俺にとっても悪い話じゃない」
炭治郎の新たな呼吸が一体どのようなものなのかは、分からない。
だが、分からないからこそ調べる価値があるというのも、また事実。
「ありがとうございます!」
「頑張レ」
伊之助が、そんな炭治郎を見て小声で応援の言葉を口にする。
先程まではかなり落ち込んでいたし、今も決して完全に立ち直ったといった様子ではないのだが、それでも多少は前向きになったらしい。
「伊之助……ああ! アクセルさん、お願い出来ますか?」
「任せろ。後で輝利哉に頼んでおく。ただ、その場合炭治郎は治療が終わった後……場合によっては治療中にでも産屋敷家に呼ばれる事になるかもしれないが、それは構わないか?」
「はい、構いません」
一瞬の躊躇もなく、炭治郎は頷く。
実弥との一件があっただけに、産屋敷家という場所にトラウマとまではいかないが、苦手意識の類があってもおかしくはないのだが。
この前向きなところも、ある意味で主人公らしいと言えばらしいのか。
「師匠、俺はどうすればいいんですか!?」
「どうすればと言われてもな。炭治郎とかと違って、お前の傷が治るまでは時間が掛かる。まずは全快することだけを考えておけ。薬を飲むのが嫌だとか言って騒げば、しのぶやアオイ達からの好感度はマイナスになるぞ」
「ぐ……わ、分かりました……」
アオイから善逸が薬が苦いといって飲むのを嫌がっており、それでアオイや他にも働いている者達の手を煩わせているという話は聞いている。
1回2回ならともかく、何度もそのような真似をされれば、当然だが鬱陶しくなったり、苛立ちを覚えたりして、好感度的にはマイナスだろう。
善逸が女にモテたいと思うのなら、取りあえずアオイ達の好感度を上げる方がいい。
もっとも、アオイは生真面目な性格をしているので、善逸との相性はかなり悪そうだが。
「伊之助は……そうだな。治ったら俺の仲間が鍛えてやってもいい」
「イイノ?」
「ああ。もっとも、伊之助がどんな風に戦うのかが分からない以上、それによっては誰が鍛えるのかといったのが変わってくるだろうけど」
場合によっては、ムラタ辺りに鍛えさせても面白いかもしれない。
ムラタは本人が強くなる事を優先しているが、人に教えるという行為で、より自分の技術に対する理解が強まったりもする。
そういう意味では、ムラタに修行を任せるといった方法も決して悪いものではないはずだった。
何となく伊之助とムラタの相性も悪くない気がするしな。
「あ、その……アクセルさん。俺の件もそうですけど、アクセルさんの組織って鬼殺隊とは違うんですよね?」
「違うな」
「なら、禰豆子を人間に戻す方法とか……分からないですか?」
「人間に戻すか」
それが炭治郎の一番の目的なのは、間違いない。
とはいえ……どうだろうな。
「戻せるかどうかと言われれば、可能性はない事もないといったところか」
「え……本当ですか!?」
「いや、何で聞いておいて、そこまで驚くんだよ」
炭治郎にしてみれば、駄目元で俺に聞いた可能性も高いのかもしれないが。
とはいえ、実際に治せるかどうかというのは、本当に調べてみないと分からないのは事実だ。
レモン辺りならどうにかしそうな気もしないでもないが……ただ、禰豆子の今の状況は、病気や怪我、あるいは耀哉のような呪いの類ではない。
人から鬼という種族に変わってしまっているのだ。
それを人間に戻せるかとなると……うーん、どうだろうな。
勿論技術チートの代名詞とも呼ぶべきレモンの事だ。
すぐに鬼から人に戻すのは無理でも、時間を掛ければ普通に出来る可能性は十分にある。
そう思うが、それはあくまでも時間があればの話だ。
魔法球を使えばどうにかなる……いや、ホワイトスターにあるバルシェム生成チェンバーは、取り外す事が出来ないようになっていたと思う。
それに耀哉の治療の件も考えると、迂闊な真似はしたくない。
何より、難病や重病を治療する能力があるというのは、シャドウミラーにとって大きな……非常に大きなアドバンテージだ。
事実、それによって今までシャドウミラーは多くの利益を得てきた。
「ともあれ、それはあくまでも可能性があるという話であって、確実ではない。それに色々と調べる必要もあるし、場合によっては鬼を人に戻す為の実験台として、他の鬼を捕まえる必要も出てくる」
もしレモンが鬼を人にする技術を発見しても、まさか実験もなしに禰豆子に使う訳にもいかないだろう。
何匹……何人? かの鬼で試して、その技術が問題なかったら初めて禰豆子に使うといった形になる。
それにこう言ってはなんだが、鬼を複数捕まえることが出来た場合、シャドウミラー的にも得る物は大きい。
鬼の身体を思う存分調べる真似が出来るのだから。
そうすれば、結果として鬼の弱点とかを見つけられるかもしれない。
「鬼を捕まえる、ですか。……難しいですね」
悩む様子の炭治郎。
まぁ、炭治郎達は鬼殺隊の剣士として働き始めてから、まだそんなに経っていないらしいし、無理もないか。
それでいながら、いきなり十二鬼月の鬼と戦う事になった辺り、主人公候補だけの事はある。
「まずは鬼について知るのが一番大事だ。しっかりと情報があれば、それだけ有利になるしな。ただ、鬼殺隊は鬼に恨みを持ってる奴が多いから、捕まえるのは難しいんだよな」
少なくても、実弥や小芭内辺りは鬼を捕らえるという行為に反対するだろう。
その2人程ではなくても、柱の中で鬼を捕まえるのに反対する者は多い。
しのぶ辺りなら、鬼について調べるといったようなことを言えば、賛成するかもしれないが。
それと、義勇も禰豆子については思うところがあるみたいだし、賛成してくれるかもしれない。……もっとも、極度の口下手の義勇が鬼を捕まえるのに賛成するといったような事を皆に説明出来るかと言われれば、それは疑問だが。
「分かりました。難しいですけど、怪我が治って鬼を倒すように命令が来たら、その時に試してみます。出来れば、それで成功すればいいんですけど」
「炭治郎なら、恐らく出来るだろう。それに……俺の組織からも誰か手伝いを派遣するから、今までよりはやりやすくなってる筈だ」
そんな俺の言葉に、炭治郎は嬉しそうに頷くのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1810
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1730