ゆかりとのデートから数日……その間にも鬼滅世界と政治班の間で色々と細かい交渉を行い、その結果としてまずシャドウミラーから第1陣が鬼滅世界に向かう事になった。
そのメンバーは、ムラタ、荒垣、凛、綾子、美砂、円の6人に俺。
神鳴流を使うムラタとペルソナを使う荒垣、Fate世界の魔術を使う凛と、半サーヴァントの綾子、ネギま世界の魔法を使い、拳闘士としても活躍している美砂と円。
他にも何人も候補はいたのだが、まずは第一陣という事でこのメンバーが選ばれた。
政治班の凛がいてもいいのか? と思ったが、こうして来ている以上は大丈夫なのだろう。
俺の場合は……まぁ、取りあえず何があっても死なないだろうというのもあったし、耀哉からの要望もあったらしい。
何でも以前実弥の日輪刀の色が変わった件で、日輪刀を作っている鍛冶師達がもの凄く気にしているらしい。
俺としてもあの状況の日輪刀は気になっていたので、その辺は問題なかった。
「さて、ではアクセル。お願いね。……いえ、この場合は凛に頼んだ方がいいのかしら」
政治班を代表して転移区画まで見送りに来たエリナが、何故かそんな事を話す。
しかし、凛はそんなエリナの言葉に当然だといった様子で頷く。
「ええ、任せておいて。アクセルはしっかりこっちで押さえておくから。……それに、大正時代は私にとっても悪い時代じゃないしね」
後半は誰にも聞こえないように言ったのだろうが、少なくても混沌精霊の俺と半サーヴァントの綾子にはしっかりと聞こえていた筈だ。
とはいえ、凛のその言葉にも納得出来るところはある。
何しろ凛は機械の類と相性が悪い。
それこそ呪われているのでは? と思うくらいに。
精密機器の類は、それこそ凛が触れただけで壊れてもおかしくはないくらいに。
一応それでもホワイトスターで普通に生活出来ているのを考えると、触れたからといって必ず壊れるといった訳ではないのだろうが。
それでも気を遣うのは間違いなく、そういう意味ではやはり凛にとって今回の一件は渡りに船といったところだろう。
俺の監視役という意味もあるのは、エリナとのやり取りではっきりするが。
「ともあれ、まずは鬼滅世界に行くぞ。向こうでも俺達を待っている筈だ。このメンバーなら問題ないと思うが、相手は鬼だ。表現としての鬼じゃなくて、文字通りの意味での鬼。人を食うような相手だけに、説得の類は基本的に効果はない」
禰豆子のような例外もいるのだが、禰豆子の存在は奇跡的なものだ。
そうである以上、他の鬼に対しても禰豆子と同じように感じろというのは難しいだろう。
「分かっている。ましてや、敵は血鬼術とかいうのを使うのだろう? 一体どのような相手なのか……楽しみだな」
ムラタが獰猛な笑みを浮かべ、そう告げる。
ムラタにしてみれば、倒すべき敵……それも倒しても全く問題のない敵がいるというのは、非常にありがたい話なのだろう。
だからこそ、鬼滅世界の面々をホワイトスターに招待した時、即座に顔を出して自分が行きたいと言ったのだ。
この辺りの嗅覚の鋭さは、さすがと言うしかないな。
「荒垣、お前の準備はいいか?」
今回鬼滅世界に派遣される者の中で、唯一シャドウミラー所属ではないのが、荒垣だ。
勿論ペルソナの調査であったり、身体に問題ないかを調べるといったような事で、荒垣がホワイトスターに来るのは珍しい話ではない。
明確にシャドウミラー所属ではないとはいえ、半ばシャドウミラー所属という感じなのは間違いない。
今回の一件も、ペルソナが鬼に効果があるのかどうかといったのを調べる為のオファーに荒垣が即座に反応した形だ。
……実は、もし荒垣が参加を渋るようなら本人の希望もあってゆかりが参加していた可能性も高かったのだが。
あるいは荒垣にとってゆかりは後輩でもあるし、戦友でもある。
その辺を考えて、自分が行く事にしたのかもしれないな。
とはいえ、ゆかりにしてみれば出来るのなら自分が行きたかったと思っている以上、不満を抱くという一面があったのも間違いないが。
「分かってるよ。俺も問題ねえ。だが……鬼か。まさか、刈り取る者みたいなやつじゃねえよな?」
「さすがにそんな強力な鬼って訳じゃない。俺が戦ったのは十二鬼月とかいう鬼の中でも幹部だったが、荒垣ならペルソナを使えば……あるいはペルソナを使わなくても勝てると思う」
ペルソナの調査をする関係で、荒垣もそれなりに戦闘訓練は積んでいる。
シャドウミラーの実働班程ではないにしろ、その実力は既に一般人とは言えないレベルになっていた。
俺が戦った鬼であれば、恐らく荒垣も無傷という訳にはいかないかもしれないが、倒す事は出来る筈だ。
「なるほど。それを聞いて安心したよ」
「ねぇ、アクセル君。その鬼なんだけど……私たちの魔法とかも効果はあると思う?」
俺と荒垣が話している中、そう声を掛けてきたのは美砂だ。
「効果があるのは間違いない。ただ、具体的にどのくらいの効果があるのかは、実際に戦ってみないと何とも言えないな。ただ、アーティファクトは使い勝手がいいと思う」
美砂のアーティファクトは、セイレーンの瞳。
歌に魔力を乗せて様々な補助や相手に対する妨害を行ったり出来る能力を持つ。
いわゆる、バフやデバフって奴だな。
対象が歌を聴いた相手なので、効果範囲はかなり広い。
円のアーティファクトは純炎の涙。
炎を自由に扱う効果を持ち、例えば円が手を動かせばその軌跡に沿って炎が生み出されるといった能力を持つ。
また、純炎の涙は両手両足に腕輪や足輪という形で、それを使えば自由に空を飛んだりも出来る。
双方共に、性能的にはかなり高いアーティファクトと言ってもいいだろう。
「綾子の場合は……普通に身体能力で鬼に勝てるだろうしな」
「あはは。そう言って貰えると私としても嬉しいよ。とはいえ、油断をしたりといったような真似はしないけどね」
そんな風に会話を交わしているうちに予定の時間になり……俺達は転移するのだった。
「ふむ、ここが鬼滅世界か。見たところ、それなりに腕の立つ者はいる様子だが」
鬼滅世界にあるゲート。
蝶屋敷からそこまで離れていない場所に設置されているこの場所には、鬼殺隊の剣士が何人かいた。
俺達が今日この時間ここに来るというのは、既に前もって知らされている。
だからこそ、案内役として何人かが待っているのは当然だった。
そんな中、ムラタが興味深そうに視線を向けているのは、待っていた者達の中の1人。
黒髪で気の強そうな顔立ちをしている男で、何故かこちらに敵意を向けているのが分かる。
だからこそ、ムラタもその男に興味を持ったのだろう。
「ムラタ」
敵意を持っている男に1歩踏み出そうとしたムラタを、俺は止める。
ムラタにしてみれば、別に敵意を向けてくる相手を殺すといったようなつもりはなかったのだろう。
ただ、ちょっと話をしてみたいと思った程度かもしれない。
それでも、今の状況でそのような真似をするのは、色々と不味いのは事実。
「アクセルさん、ようこそおいで下さいました」
鬼殺隊を代表してそう言ってきたのは、俺にとっても既に馴染みのある人物となった輝利哉だ。
鬼殺隊を率いる耀哉の後継者で、更にこの鬼滅世界においては耀哉の体調が呪いの影響で悪いというのを考えると、ここで輝利哉が出て来るのは当然だろう。
あるいは耀哉の妻のあまねが出て来てもいいのかもしれないが……ここは輝利哉の後継者としての顔を立てたといったところか。
「ああ、出迎えご苦労。約束通り、最初にこの世界で活動する者達を連れてきた。全員がかなりの腕利きだけに、鬼との戦いでも間違いなく有利になる筈だ」
「ありがとうございます。では、まずは産屋敷家の方へ……」
「ちょっと待って下さい!」
輝利哉の言葉を遮るように、誰かの声が周囲に響く。
いや、誰かというのは考えるまでもなく、声を出した人物が誰なのかは明らかだった。
何しろ他の剣士達が後ろに下がっている中で、その人物だけが1歩前に出ていたのだから。
そして当然というか……やはり、その人物は俺にとっても予想通りの相手。
俺達に向け、敵意を向けていた黒髪の男。
「獪岳!」
剣士の1人が輝利哉の言葉を遮った男に向かってそう叫ぶ。
どうやら獪岳というのが、あの男の名前らしい。
周囲の剣士達からも、苛立ちや呆れの混ざった視線が獪岳に向けられていた。
「こんな連中がいなくても、鬼殺隊だけで鬼には勝てます!」
叫ぶ獪岳。
すると、先程までは獪岳に向かって苛立ちや呆れの視線を向けていた者の何人かが、獪岳の言葉に頷く様子を見せる。
なるほど。鬼殺隊の中には必ずしも俺達を歓迎している奴だけではないという訳か、
いや、考えてみれば当然だろう。
今まで自分達だけで鬼と戦ってきたのに、急にそこに誰とも知らない集団が割って入ってきたのだ。
そして鬼殺隊と協力して鬼と戦うというのだから、それを不満に思う者が出て来るのは当然の話だ。
鬼殺隊の多くは耀哉に対し強い忠誠心を抱いているものの、それでも許容出来る事、出来ない事があるといった感じか。
「な……」
とはいえ、輝利哉にしてみれば鬼殺隊のこんな反応は予想外だったのだろう。
獪岳がまさかこのような真似をするとは思っていなかったといったところか。
俺達の出迎えに、輝利哉と共に配置されたのだ。
獪岳もまた、鬼殺隊の中ではそれなりに腕が立つのだろうが……
「ムラタ」
「おう」
俺の言葉に、ムラタは獰猛な笑みを浮かべて1歩前に出る。
獪岳の存在に最初に目を付けていたのはムラタだ。
そうである以上、獪岳の相手はムラタに任せた方がいいだろう。
「ちょっ、アクセルさん!?」
俺の行動を見た輝利哉が、焦ったように言ってくる。
この辺がまだ耀哉に及ばないところだよな。
これが耀哉なら、それこそ笑みを浮かべて一連の出来事を見守るといったような真似をすると思うんだが。
「俺達がどんな存在なのか、見せておいた方がいい」
実際、この展開は決して悪いものではない。
俺にしてみれば、獪岳がこのような舞台を整えてくれた事には感謝すらしている。
鬼殺隊の面々は、自分達が鬼と戦っているからこそ、自負心を持つ。
しかし、その自負心も行きすぎれば選民意識となってもおかしくはない。
獪岳を見た限り、そんな感じ……いや、違うな。俺達が活躍すると自分が目立たないから面白くないといった感じか?
いわゆる、承認欲求というのが高い奴らしい。
それでもこの場にいるという事は、相応の実力を持っているのは間違いないんだろうが。
「この場にいる者達に告げる。俺達はシャドウミラー。これから鬼殺隊と協力して鬼を倒す。だが、当然ながら会ったことのない俺達の実力を疑う者もいるだろう。だからこそ、提案する。俺達がどのような存在なのか……そしてどれだけの力を持っているのかを示す為に、模擬戦を提案したい。こちらからはムラタ……そこの男を出す。鬼殺隊からは、最初に不満を露わにした、そこの獪岳という男」
ざわり、と。
俺の言葉を聞いた者達が、驚きからざわめく。
まぁ、この話の流れでいきなり模擬戦だしな。
納得が出来ない奴がいても、おかしくはない。
「ちょっと、アクセルさん。一体何を考えてるんですか!?」
そう、この輝利哉のように。
「落ち着け。これから協力していく上で、俺達シャドウミラーの実力は見せておく必要がある。いずれやらなきゃいけないんだから、今ここでそれをやってもおかしくはない」
「それは……」
この状況でも説明すれば、ある程度は納得してくれるのが輝利哉の長所だよな。
普通なら混乱して、とにかく騒動を収めようとか考えてもおかしくはないのだから。
「ムラタ」
「何だ?」
俺の言葉に、ムラタは視線を向けてくる。
既にやる気になっているその様子は、それこそここで止めようとした場合、ムラタに斬られてもおかしくはない。
「倒すのはいい。けど、殺すなよ」
「承知」
そんな俺達のやり取りを聞いていた獪岳は、苛立ちながらも日輪刀を抜く。
刀身の色は黄色。
黄色は……何の呼吸だ?
「彼は雷の呼吸の使い手です。かなりの技量の持ち主ですよ。ただ、基本となる壱ノ型が使えないという事で、甘く見られる事が多いようですが」
壱ノ型が使えない、ね。
これまた微妙な奴が出て来たな。
呼吸だけの話ではないが、この世に存在する全てにおいて、基本というのは非常に重要だ。
基本を疎かにして小手先の技術で目立つといったような者もいるが、そのような者は最初はともかくとして、いずれは基本がきちんとしているような相手に抜かれてしまう。
それを思えば、獪岳は基礎がそこまで鍛えられていないにも関わらず、こうして輝利哉の護衛というか、俺達を迎える役目を任されているだけあって、天才肌の実力者ではあるのだろう。
ただ、他の剣士達の様子を見る限りでは、獪岳は腕はそれなりに立つが、そこまで実力を認められているとは言えないようにも思えるが。
あるいはこのような状況が、獪岳の強烈な承認欲求を持つ事になったのかもしれない。
そんな風に思いながら、俺は模擬戦の開始を宣言するのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1810
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1730