産屋敷家での話が終わると、早速俺は行冥を連れてホワイトスターに向かう事になる。
行冥の担当していた地域に関しては、ムラタが獪岳を連れて向かうという事に決まっており、詳細については隠がどうにかしてくれるらしい。
正直なところ、もっと複雑な手続きとかが必要なのかと思っていたのだが。
その辺は鬼殺隊という組織のフットワークの軽さが大きな意味を持つ。
鬼の中でも最強格である十二鬼月を倒したのだから、その勢いにのって鬼に攻勢を掛けたいところなのだろうが、残念ながら鬼との戦いにおいて基本的に鬼殺隊は受け身に回る事が多い。
鬼が実際に人を喰い殺すといったような真似をして、それで鬼殺隊に情報が入り、動き出すといった形なのだから当然だろう。
勿論、絶対に受け身といった訳ではない。
鬼が隠れている場所を見つけたりすれば、それこそ鬼殺隊から攻撃をするといった真似も出来るだろう。
しかし、そんなに簡単に鬼の隠れ家を見つける事が出来るのなら、それこそ鬼舞辻無惨がこの世界に生み出されてから今まで、鬼を殺しきる事が出来ないという訳がない。
そんな訳で、結局のところ一進一退といったところか。
いやまぁ、それはあくまでもこれまでの話であって、今後……俺達シャドウミラーが協力する事によって、その辺は大きく変わっていく可能性があったが。
「ふぅ……空気が変わったのが分かるな」
ゲートを使い、蝶屋敷のある場所からホワイトスターの転移区画に転移してくると、行冥はそんな風に呟く。
行冥にしてみれば、今のこの状況は色々と思うところはあるのだろう。
それは俺にも分かるが、今はまず出来るだけ早く移動する必要がある。
何しろ、現在多くの者達がこちらを見ているのだから。
普通に考えて、行冥はかなり目立つ。
その服装とかは、他の世界からやって来る者達にしてみれば注目するのに十分だろう。
行冥も、目が見えなくても周囲にいる者達から視線を向けられているのは気が付いているのか、少し周囲を気にしている様子を見せていた。
「いつまでもここにいるに訳にはいかないだろうし、そろそろ行くか。レモン……俺達の国の医者……医者? まぁ、医者的な存在に会いに行く事になるけど構わないか?」
レモンの場合は、医者という表現は相応しくない。
それこそ俺にとってレモンはやはり技術班を率いる者だという認識が強い。
「うむ。目が見えるようになるのなら、全て任せるので好きにして欲しい」
視力を取り戻す……いや、行冥は生まれた時から盲目だったらしいから、視力を取り戻すのではなく、視力を手に入れるといった表現の方が相応しいのか?
ともあれ、そんな感じである以上、行冥としては自分に理解が及ばないので、全てを俺に任せるといったような真似をするしかないのだろう。
「なら、行くぞ。行冥には少しでも早く目が見えるようになってもらって、鬼滅世界に戻って貰う必要がある」
柱の纏め役的な人物でもある行冥だけに、鬼滅世界に行冥がいなかった場合、正直なところ一体何が起きるのか分からない。
それこそ十二鬼月が現れたとかなれば、俺が転移した時にしのぶと義勇が投入されたように、柱が投入される可能性が高い。
そうである以上、やはりここは少しでも早く行冥の手術を終わらせて、鬼滅世界に戻す必要があった。
そうしてその場から俺と行冥は立ち去るのだが、シャドウミラーを率いる俺と、筋骨隆々の行冥という姿は多くの者にとって目を惹くのか……最後の最後まで、視線を向けられ続けるのだった。
「あら、お帰りアクセル。で、急に用件があるって話だったけど……どうしたの? 一応、私はオーラバトラーの分析とか、そっちの仕事もあるんだけど」
「悪いな。とはいえ、こっちの方も優先事項なんだよ。……この男は覚えているか?」
「ええ。鬼殺隊の人よね」
「そうだ。だが、この行冥は盲目でな。視力を持つ義眼を使う手術をして欲しい」
「ふぅん。……なるほどね。ねぇ、行冥だったかしら?」
「うむ」
「義眼の手術については、問題ないわ。けど、視力を手に入れる義眼には幾つか種類があるの。正直なところ、もう少し時間があればオーラマシンの技術を利用した義眼も用意出来たと思うんだけど、さすがに時間が足りなかったわね」
オーラマシンの技術を利用した義眼か。
具体的にどんな物なのか気になるな。
だが、オーラマシンが使うのはオーラ……気に近い性質を持つエネルギーだ。
そして呼吸も気と近い性質を持ち、オーラ力と似たような能力を持ってるのは……それこそ、しのぶがダーナ・オシーをあっさりと操縦出来た事を考えれば、そんなにおかしくはない。
であれば、オーラマシンの技術を使って呼吸の使い手である行冥の義眼を作るというのは、荒唐無稽な話でもない……のか?
とはいえ、オーラ力でオーラバトラーを動かすには、オーラコンバータが必要となる。
そのオーラコンバータはかなり巨大で、とてもではないが義眼に搭載出来るような物ではない。
あ、でもピグシーを始めとしたオーラマシンは、別にオーラコンバータは使っていなかったな。
だとすれば、別にオーラコンバータがなくても、義眼は作れる……作れる……作れる、か?
どう考えても無理なような気がするんだが。
とはいえ、レモンが出来ると言っているのだから、恐らく出来るのだろうとは思うのだが。
「そのオーラマシン以外の義眼、というのはどのような物が?」
「そうね。私のお勧めとしては、レーザーを発射出来るタイプの物があるわね」
「レーザー?」
大正時代の行冥には、レーザーと言っても分からないのか?
あるいは大正時代にもレーザーという概念は存在したものの、行冥は鬼殺隊の剣士ではあっても、科学者という訳ではない。
だからこそ、その辺については全く分からなかった……といった可能性も、必ずしも否定は出来ない。
「うーん、説明するのが難しいわね。簡単に言えば、相手にダメージを与えることが出来るように光を収束して放つ……と言えば分かりやすいかしら?」
笑みを浮かべて説明するレモンだが……義眼にレーザーか。
それはそれでありな気もするが、だからといって使いにくそうな気がしないでもない。
「レモン、一応聞くけど、そのレーザーは自分の意思で発射したりしなかったり出来るんだよな?」
「当然でしょう。使用者が使えないとなったら、それは意味がないじゃない」
「……ちなみにエネルギー源は?」
さっき話題に出たオーラ力を使った義眼なら、それこそオーラ力や気、呼吸をエネルギー源とするような事も出来るだろうが。
電気とか?
それは一般的に考えられる可能性だが、問題なのは大正時代にそこまで出来るかといった問題もある。
そうなると、ホワイトスターから専用の道具を用意する可能性もある訳で……それはそれで、少し難しいと思う。
「色々と候補はあるけど、一番簡単なのは太陽光かしら?」
「それは……皮肉だな」
「皮肉?」
「ああ。鬼を攻撃するのに太陽光でエネルギーを充電するというのは、どことなく皮肉に思えないか?」
「それを言うのなら、日輪刀に使われている金属……猩々緋砂鉄や猩々緋鉱石も同じではあるな」
行冥が俺の言葉にそう言ってくる。
その金属は、太陽の光が重要な意味を持つ金属らしい。
そう思い……太陽? とふと気が付く。
「なぁ、行冥。猩々緋砂鉄や猩々緋鉱石って金属は太陽が重要な意味を持つんだよな? なら、宇宙空間……具体的には常に太陽の光を浴びているスペースデブリ……宇宙に浮かんでいる岩塊とか、そういうのはどうなんだ?」
「む……どうなのだろうな。その辺は少し分からん」
行冥にしても、猩々緋砂鉄や猩々緋鉱石といった鉱石は地上でしか採掘出来ない代物だと思っていたのだろう。
実際に、その考えは間違っていない。
大正時代に宇宙に行くといったような真似はまず無理なのだから。
何気に宇宙に出たという点で早いのはマブラヴ世界なのだが、そのマブラヴ世界でも大正時代に宇宙に行くといったような真似は出来ていない。
だからこそ、行冥も宇宙について言われても理解は出来ないのだろうが……
しかし、ここには俺達がいる。
「レモン、他の国とかに見つからないようにして宇宙空間に行って太陽に近付き、その周辺に浮かんでいる小惑星とか持ってくるといった真似は出来るか?」
「出来るわ」
俺が行冥と話していた時から、恐らく何を言うのかを理解していたのだろう。レモンは即座にそう答えてくる。
さすが、俺と一番付き合いが長いだけの事はある。
「ただし、誰にも見つからないようにとなると……方法は色々とあるけど、一番手っ取り早いのはアクセルのニーズヘッグでしょうね」
「システムXNか」
「正解」
ニーズヘッグの装備されているシステムXNを使えば、確かに転移という手段を使って太陽の側まで移動出来る。
それこそ宇宙船を打ち上げるといったような手段で宇宙に行く場合は、隠しようがない。
そういう意味でも、システムXNを使った転移は最善の選択肢ではある。
そしてシャドウミラーの機体でシステムXNを搭載した機体となると……それこそ、俺のニーズヘッグを抜かすと、システムXNを装備した機体は……ファブニールか?
正確にはファブニールは外部武装追加ユニットといった存在なのだが、量産型のシステムXNが搭載されているので、ニーズヘッグと同様に転移で宇宙空間に出られるのは間違いない。
とはいえ、ファブニールは全高30m、全幅20m、全長50m、重量600tといったような、規格外の存在だ。
蝶屋敷のある場所がそう簡単に部外者に見つからないようになってるとはいえ、そんな代物がいれば、さすがに目立つ。
そうなると、やはりここは全高15m程度の小型機であるニーズヘッグで宇宙に向かった方がいいのかもしれないな。
それにダンバイン世界においては、オーラバトラーだけを使って結局ニーズヘッグを使うといったような事はなかった。
そういう意味でも、ニーズヘッグを使っておいた方がいいような気がする。
「ファブニールを使う訳にもいかないし、機動要塞とかもUC世界の月の周辺にある以上、使うのは無理だな。そうなると、やっぱりニーズヘッグで俺がやるしかないか」
「そうね。アクセルなら生身でも宇宙に出られるという有利さもあるし。それを思えば、やっぱりアクセルが行った方がいいわね」
レモンの言葉に確かにと納得する。
猩々緋砂鉄や猩々緋鉱石といった物が、具体的にどのくらい採れるのかは分からない。
分からないが、それでもホワイトスター以上という大きさの小惑星の類はそう多くないだろう。
そして俺の空間倉庫にはホワイトスターが入っていたのだ。
俺がニーズヘッグを使って太陽の近く――勿論限度はあるが――まで転移し、その辺に浮かんでいる小惑星や岩塊の類を手当たり次第に空間倉庫に収納し、再びシステムNXで転移して地上に戻る。
あるいは目立たないようにホワイトスターの方に転移してから、改めて鬼滅世界に行くといったような真似をしてもいいだろう。
そうすれば、ニーズヘッグの存在も目立たないだろうし。
「そうだな。俺がやるのが一番手っ取り早いな。日輪刀は多ければ多い程にいい。……ただ、問題なのはそれを作る刀鍛冶の方か。行冥、そっちの方はどうなんだ?」
「うむ。話している内容を完全に理解した訳ではないが……刀鍛冶の里の面々にはまだ余裕がある。しかし、余裕があるとはいえ、それには限度があるだろう」
だろうな。
刀鍛冶の里というのに、どれくらいの人数がいるのかは分からない。
だが、その里にいる者達だけで、鬼殺隊全員の日輪刀を作っているのだ。
ましてや、刀というのは宝具のような例外を除いて基本的に消耗品である以上、刀鍛冶達も、常に……とまではいかないが、新しい刀を作る必要が出て来る。
そうなると、幾ら猩々緋砂鉄や猩々緋鉱石を大量に持っていったとしても、刀鍛冶の数が足りず、結局のところ鉱石の方を持て余す事になってしまう。
であれば、日輪刀に関してはそこまで急激に欲しない方がいいか。
そう判断するも、素材となる鉱石は幾らあっても問題はない。
いや、それどころか、あればあるだけ色々と使い道があるだろう。
そうだな。取りあえず現在の一件が色々と一段落したら、ニーズヘッグを使って太陽の側まで移動してみるか。
とはいえ、俺は鉱石についての知識はない。
太陽に近い場所を漂っている岩塊の類を見つけたら、手当たり次第に空間倉庫に収納するといったような方法になるだろうが。
「そっちの話は置いておくとして……ともあれ、まずは行冥の手術だ」
話は決まったのでそっちは置いておき、今はまず優先するべき事を行う必要があった。
「そうね。まずは……現在の身体の調子を確認する必要があるわね」
レモンはそう言い、行冥を見る。
そんなレモンの視線に何かを感じたのか、行冥は思わずといった様子で数歩後退るのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1810
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1730