刀鍛冶に案内された俺がやって来たのは、宇宙で拾った岩塊を置いた所からそう離れていない場所だった。
そこには刀鍛冶達が俺の持ってきた岩塊の中にある猩々緋鉱石……あるいはそれとはもっと別の金属を取り出そうとしていたり、あるいはそれで入手した金属を使って日輪刀を作る為に、それなりに立派な鍛冶場が用意されている。
とはいえ、あくまでもこの鍛冶場は臨時の物であって刀鍛冶達が住んでいる場所にある設備と比べれば劣るのかもしれないが。
いっそ、鬼滅世界の刀鍛冶達が使っている鍛冶場の設備ではなく、シャドウミラーで設備を用意すれば効率的に金属を取り出したり日輪刀を打ったり出来るんじゃないだろうかと思わないでもない。
ただ、問題なのはそれを刀鍛冶達が受け入れるかどうかだよな。
ひょっとこのお面を被っているという時点で、真剣な様子ではないと思えそうだが、実際には自分の仕事を真面目にやる職人らしい。
このらしいというのは、あくまでも集めた情報からのものなので、直接確認した訳ではないのだが。
それにしても……俺がやって来たというのを知ると、多くの刀鍛冶達が集まってきた。
その理由は、俺が日輪刀を持つとその刀身の色が変わるというのが大きい。
自分達で直接それを見てみたいと思ったのだろう。
刀鍛冶達にしてみれば、自分達が作った日輪刀が自分達では全く理解出来ない反応を示すのだ。
それに興味を持つなという方が無理だった。
とはいえ……
「ここまで注目する事なのか?」
「注目することなんですよ」
俺の呟きを聞いた刀鍛冶の1人が、即座にそう言ってきた。
表情は分からないが、言葉は真剣なものなのは間違いない。
「日輪刀を作っている者達にしてみれば、そうなのかもしれないな。……じゃあ、日輪刀を渡してくれ」
俺の言葉に、刀鍛冶の1人が日輪刀を渡してくる。
それを受け取り、日輪刀を抜く。
だが……
「うん?」
日輪刀の刀身は、特に色が変わっていない素のままの状態だ。
日輪刀というのは、握っている者の呼吸に相応しい色に変わるという話だったが……いやまぁ、これは多分俺が呼吸に適性がないという事の証明なのだろう。
それ自体は、特に驚くべき事ではなかった。
何しろ俺は人間ではなく、混沌精霊なのだから。
こういう風になるのは、予想出来ていた。
「おい、これはどういう事だ? 刀身の色が全く変わってないぞ?」
日輪刀の様子を見ていた刀鍛冶の1人が、不思議そうに呟く。
他の刀鍛冶達も、俺の握る日輪刀を不思議そうに眺めていた。
……それでも、以前俺が日輪刀を握った時に色が変わったというのを疑う発言が出て来ないのは、この件を知らせたのが柱だからだろう。
あるいは、柱から話を聞いた耀哉からかもしれないが。
刀鍛冶達にとって、柱も耀哉も信頼すべき相手なのは間違いない。
それだけに、実は俺が握って炎の呼吸とはまた違う赤い刀身になったというのは、実際にそういう事があるとして判断されているのだろうが。
「アクセルさん、あんたが以前色を変えた時はどうやったんだい?」
刀鍛冶の1人がそう尋ねてくるが、あの刀身の色が変わったのは……
「風柱の実弥が放った日輪刀の一撃を素手で掴んだ時だな」
「それは……」
俺が日輪刀の刀身の色を変えたのは知っていても、それが一体どうやって行ったのかまでは分からなかったのだろう。
刀鍛冶は驚きの表情をこちらに向けてくる。
とはいえ、その気持ちは分からないでもない。
刀鍛冶達も鬼殺隊の一員だ。
そうである以上、鬼殺隊にとって柱というのがどのような存在なのかは十分に理解出来ているのだろう。
そんな柱の一撃を俺が防いだ……それも同じ日輪刀で防いだのではなく、素手で掴んだというのだから、驚くなという方が無理だった。
「で、では……その時はどうやって握ったのですか?」
それでも俺が日輪刀の刀身を握ったというのをすぐに受け入れ、こうして質問してくる辺り、日輪刀を打つ刀鍛冶らしい。
「どうと言われてもな。……ああ、なるほど」
あの時の事を思い出す。
実弥が日輪刀を動かせないように、しっかりとその刀身を握っていたのだ。
それはつまり、日輪刀にかなりの力が加わっていた事を意味している。
その時の事を思い出し、日輪刀を握る握力を少しずつ強めていく。
実弥の一件の時は、力を入れすぎると日輪刀の刀身を折ってしまうのではないかと思って、そこまで力を入れてはいなかった。
……それでも混沌精霊の力は強力で、実弥は日輪刀を動かせなくなっていたが。
あの時に赤くなった刀身は、数時間くらい赤くなり続けていた。
一体何がどうなってそうなったのかは、正直なところ分からない。
分からないが、それでもあの時くらいに力を入れていけば……そんな俺の予想を裏付けるかのように、日輪刀の刀身が赤くなっていった。
今更、本当に今更の話なんだが、実弥との一件で俺が掴んでいたのは日輪刀の刀身だったが、今は柄を握っている。
つまり日輪刀で掴む場所はどこでもよかった訳か。
刀身の色が赤くなるが、その赤は杏寿郎が使っている炎の呼吸の赤とは明らかに違う。
やっぱりこれは普通の呼吸云々といったようなものではない……のか?
『おおおおおおおお』
日輪刀の刀身の色が変わっていくのを見ていた刀鍛冶達が揃って驚きの声を上げる。
鍛冶師達が驚いている間に、やがて日輪刀の刀身は炎の呼吸とはまた違う赤に変わる。
「取りあえずこんな感じだな。……で、刀鍛冶としてはどう見る?」
近くにいた刀鍛冶の1人に尋ねるが、その刀鍛冶は分からないといったように首を横に振ってから、口を開く。
「触ってもいいですか?」
「ああ、構わない。刀身は赤くなってるけど、別に熱を持ってる訳じゃないし」
その言葉に刀鍛冶はそっと日輪刀の刀身に手を伸ばし……そっと触れるとすぐに指を放す。
そして熱くないと理解したからだろう。再び刀身に手を伸ばし、赤く染まったその場所に触れる。
「本当ですね。全く熱くない。いえ、でも……炎の呼吸の刀身ともまた違った何かがあるような」
「うむ、そうだな。これは……一体何が起きてこのような事に? アクセル王が柄を握れば……いや、最初は柄を握っても何も起きなかった。だとすれば、ある程度力を入れればそうなるのか?」
「力を入れるだけでこうなるというのなら、今まで鬼殺隊の剣士が何故このような真似を出来なかったのだ? 日輪刀を使う上で、当然ながら武器を握る際は力を込めている筈。であれば、同じような事があってもいい筈だ」
そんなやり取りを聞いていた俺だが、ふと疑問に思って口を開く。
「ちょっといいか?」
日輪刀を炎の呼吸とはまた違う意味で赤く染めた俺の言葉だからだろう。
話していて刀鍛冶達が、揃って俺に視線を向けてくる。
全員がひょっとこのお面を被っているが、そのお面の下から強烈な視線を俺に向けているのだろうという事は容易に理解出来た。
普通ならこんな視線を多数向けられれば、何も言えなくなったりするだろう。
だが幸いな事に、俺はこの程度の視線を向けられるのには慣れている。
その為、刀鍛冶達の視線を気にせずに本題を口にする。
「ちょっと思いついた事があるんだが……その前に聞きたい。俺が……というか、シャドウミラーがこことは違う異世界の存在だというのは知ってるか?」
「話は聞いてる。完全に理解出来た訳じゃないが、ようは外国と同じようなものだと考えればいいんだろ」
刀鍛冶の1人がそう言う。
うーん、それはある意味で間違ってはいない。
シャドウミラーが日本とは違う国であるというのは、間違いのない事実なんだし。
とはいえ、これから俺が言うのはあくまでも俺達がこの鬼滅世界とは別の世界の者だから、というのが大きい。
「取りあえずそういう認識でいいと思う。で、日輪刀の刀身の色が今までにないように変わった原因だが……俺達がこの世界の人間じゃない、お前達に分かりやすく言えば、この国の人間ではないから、という事はないか?」
別の世界、この国の人間ではない。
その言葉が刀鍛冶達の頭に染み渡ると、戸惑った様子を見せる。
普通に考えて、今の俺の言葉で納得出来るかどうかというのは微妙なのだから当然だろう。
ただし、今の状況で考えられる一番可能性が高い原因としては、それくらいしか思いつかないのも事実。
「あ、そう言えば現在アクセル王の部下の人達が来ていますよね? その人達にも日輪刀を握って貰ったらどうでしょう? もしアクセル王の予想が正しいのなら、その人達も同じような感じになると思いますし」
刀鍛冶の1人がそう言うと、他の刀鍛冶達も納得し……そして、取りあえず行冥の代わりに鬼退治に行っているムラタ以外の者達を集める事になるのだった。
「ねぇ、アクセル。一体何があるの? 一応、訓練の途中だったんだけど」
不満そうな様子で凛が呟くが、それは他の者達もそう変わらない。
実際に言葉に出したりはしないものの、何故自分達を呼んだのかといった様子だ。
現在ここにいるのは、凛、綾子、美砂、円、荒垣の5人。
それぞれが担当の鬼殺隊の剣士達を鍛えていたところで、いきなりこうして連れてこられたのだから、不満に思ってもおかしくはない。
「悪いな、凛。それに他の者達も。実はちょっと日輪刀で不思議な事が起きた。俺が日輪刀を握ったら、色が変わったってのは聞いてるか?」
「ああ、それなら聞いた事があるよ。けど、日輪刀を握ればその人にあった呼吸の色になるんだろう? なら、アクセルが握って色が変わってもおかしくないんじゃないかい?」
綾子のそんな疑問に、他の面々も同意するように頷く。
特に荒垣なんかは、何で自分がこんな場所に……といったような面倒臭そうな表情を浮かべていた。
「それが、どうやら違うらしい。刀身が赤くなるのは炎の呼吸の使い手の証なんだが……」
「なら、余計にアクセルにピッタリじゃない」
凛がそう言うと、他の者達も頷く。
まぁ、正直なところシャドウミラーで炎や赤と言われて最初に思い浮かべられるのは俺だ。
そう考えると、凛の言いたい事も間違ってはいないのだが……
「残念ながら今回は違う。炎の呼吸で赤くなるのと、俺が握って赤くなるのは、同じ赤でも色合いが違った」
「そうなの? でも、それならアクセルだからで納得出来るじゃない」
「ぐ……」
凛の口から出た指摘は、残念ながら俺にとっても否定が出来ないのは間違いない。
俺が色々な意味でトラブルを引き寄せやすい性格をしており、今回の日輪刀の一件もその体質が影響しているのでは? と、そう思われてもおかしくはないのだ。
「ほら、凛。その辺にしておいてあげなさいよ。アクセル君が何も言えなくなってるじゃない」
美砂のその言葉に、離れた場所で話を聞いていた荒垣がどこか同情した視線を向けてくる。
いや、別に同情されるような事じゃないと……と、そう思いたい。
「ともあれ、だ。日輪刀の色が赤く変わるのは、俺が鬼滅世界の人間じゃないからという可能性を考えた。もっと具体的には、異世界からやって来たからこそ日輪刀を握った時に赤くなるんじゃないかとな」
「ああ、なるほど。それを確認する為に私達が集められたのね」
円が納得した様子でそう言う。
「そうなる、もし異世界から来たからという理由なら、それこそ俺以外の奴でも同じような事になる筈だし。そんな訳で、ここにいる全員に日輪刀を握って貰う。……ああ、ちなみにだが、日輪刀を抜いた事がある奴はいるか?」
ここにいる5人は、それぞれ鬼殺隊の剣士を相手に模擬戦を行っているのだ。
そして鬼殺隊の剣士は当然のように日輪刀を持っている。
であれば、訓練をつけている際に何らかの表紙で日輪刀を握るといったような事があってもおかしくはない。
そう思ったのだが、俺の問いに頷く者は誰もいなかった。
この様子だと、全員日輪刀を握った事はないらしい。
俺にとってはその方が助かるのは間違いないが……
「綾子も日輪刀を抜いてないというのは、ちょっと意外だな」
綾子の武器は物干し竿だ。
そういう意味では日輪刀と同系統の武器でもある。
そうである以上、綾子が試しに日輪刀を抜いてみるという展開は、俺にとってそうおかしな話ではないと思えた。
「物干し竿の方が強い武器なんだし、別に日輪刀を使わなくてもいいと思ってね。それに……この武器にも愛着はあるし」
そう言う綾子だったが、物干し竿はその名前の通り刀身の長い武器である以上、持ち歩く時は俺の空間倉庫に入っていることが多かったりする。
綾子にも空間倉庫のような能力があれば、そういう真似をしなくてもいいんだが。
半サーヴァントである以上、綾子も何らかの特殊な能力や宝具を持っていてもおかしくはないんだから、空間倉庫に似た能力や宝具を使えるようになったら物干し竿は本格的に綾子に渡してもいいかもしれないな。
そんな風に思いつつ、全員で移動するのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1810
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1730