サーバインは、その日のうちに早速改修作業を始める事になった。
ちなみに、ドラムロはともかくダンバインの方は現在かなり急いで組み上げている。
部品そのものはそれなりに用意されていたのだが、ダンバインは元々聖戦士……地上人が乗るというのを前提として開発された機体だ。
そして現在のところ、聖戦士はマーベル1人しかいない。
その為、ダンバインは1機が組み立て中ではあったのだが、それ以外はまだ部品の状態のままだった。
これがドラムロなら、ドレイクの部下が使う為に着々と製造されているらしいのだが。
とはいえ、それでも現在はまだ実物は見ていない。
機械の館はこのラース・ワウ以外の場所にもあるらしいから、もしかしたらそっちには完品がある可能性はあったが。
「今日は大騒ぎでしたね。アクセル王がオーラバトラーに乗ったと、色々な人が騒いでいましたが」
料理を俺とマーベルの座っているテーブルに並べていたメイドが、そう尋ねる。
このメイド、多分ギブン家の……もしくはそれ以外のどこかの家のスパイか何かなんだよな。
まだ決定的な証拠はないから、今は泳がせているが……俺がサーバインを動かしたというのを知れば、何か行動を起こしてもおかしくはない。
食事に毒を入れるとか。
俺の場合は気や魔力、それにこの世界だとオーラ力か、そういうのがなければ、効果は発揮しない。
だが、それは俺ならばの話だ。
マーベルは聖戦士と呼ばれるくらいに高いオーラ力を持っていても、人間であるのは間違いない。
まさか、オーラ力で毒を無効化するなんて真似は……出来ないよな?
いや、でもこのメイドが毒殺するとすれば、それはマーベルよりも俺を優先するだろうし。
「そうだな。サーバインというオーラバトラーはかなり高い性能を持つ。何しろ、ショット達はパイロットの事を考えないで、ただ最高の性能を誇る機体をということで、サーバインを作ったみたいだし」
「それを操縦出来るんだから、アクセルは色々とおかしいわよね」
「それ、褒められている気分はしないんだが?」
マーベルとしては、俺を褒めているつもりなのかもしれない。
だが、おかしいと言われて褒められてると思うのは難しいだろう。
「あら、そう? でも……そうなると、次は私ね」
「マーベル様、ですか?」
「ええ。アクセルがサーバインに乗ったから、次は私がダンバインに乗るのよ。ゲドを操縦出来たから大丈夫だとは言われてるんだけど、それでも本当かどうかはやってみないと分からないし」
「だろうな。計算上は大丈夫でも、気が付けば何故か失敗だったというのは普通にあるからな。その辺に関しては、自分を信じるしかないな」
そう言うものの、何だかんだとマーベルはゲドをかなり乗りこなしている。
最初のオーラバトラーたるゲドをそこまで乗りこなしているのだから、その発展系のダンバインであっても大丈夫だとは思うんだが。
「アクセルがやれたんだから、私も負けないようにしないとね」
自分に言い聞かせるように、マーベルが言う。
「その、マーベル様が乗るのはダンバインという機体なんですよね? そうなると、今まで乗っていたゲドという機体はどうなるんでしょう?」
「さぁ? 多分保管されるんじゃないかしら。アクセルはどう思う?」
「俺もその可能性が高いと思う」
ゲドはオーラバトラーとしては最初期……どころか本当の意味で最初に開発された機体だ。
乗れる者も少ないが、今はともかく将来的には何らかの手段で乗れるようになるという可能性も皆無ではない。
そうなると、いざという時の為に保管しておくというのはおかしな話ではないだろう。
その辺りの事情を説明すると、メイドは納得したように頷く。
「そういうものなのですか。では、マーベル様が乗っているゲド、将来的にという話ですが、そのまま忘れ去られるといったような事にはならないんですね」
「ええ、そうなるわね」
「それはマーベル様にとっても、悪くない話ですね」
こうして、会話をしながら食事は終わり……その日は、寝るのだった。
翌日、いつもであれば屋敷に来たメイドが俺を起こしに来るのだが、今日に限って起こしに来る様子はない。
風邪か何かか? と思ったが、その場合は代わりの者が来てもおかしくはない。
ともあれ、幾ら何でもおかしいと思って、ベッドから起き上がると……ちょうどそのタイミングで、扉がノックされる。
とはいえ、それに驚くようなことはない。
気配でそれがマーベルだというのは理解していた為だ。
「どうした、マーベル」
「よく私だって分かったわね」
俺の言葉に、扉を開けたマーベルが驚きながら言ってくる。
ちなみにマーベルは既に身支度をしており、それなりに前に起きたのは間違いなかった。
「気配でな。それで、どうした?」
「いえ、メイドが来ないからどうしたのかと思って」
「マーベルもそれか。実際、どうしたんだろうな。取りあえず、朝食はこっちで……ん?」
朝食を適当に食べようと、そう言おうとした俺は複数の気配が……それもかなり敵意を剥き出しにして屋敷に近付いてくるのを感じ、疑問に思う。
何だ? ドレイクが俺を切り捨てる決断をしたとか?
いや、それはまずない。
暗殺という手段を使うと、ドレイクは俺を止める事は出来ない。
つまり、俺に狙われた時点で終わりなのだ。
それを知っているドレイクが、俺に対してあからさまに危害を加えるといったような真似は、まずしないだろう。
それこそ、影のゲートを使えばすぐに逃げる事が出来ると理解しているのだから。
もし俺を排除しようとした場合、兵士の類を俺に向けるのではなく、こちらに敵意を探られないようにガロウ・ラン辺りを使って暗殺をするとか、そういう方法だろう。
とはいえ、俺が炎に包まれた状態でも全く問題なく生きているというのを知っているのだから、物理的な攻撃でどうにかするといったようなことは自殺行為だろう。
だとすれば、毒とか?
ただし、炎に触れても効果がないというのを知っている以上、毒も効果があるとは思わないような気がする。
そんな訳で、ここでドレイクが俺に敵対するといったような真似をするとは思えない。
とはいえ、そうなると一体誰がこのような真似を? とも思う。
フラオンの手の者か?
少し見た感じでは、フラオンは俺のことはすぐに忘れそうな性格をしていた。
だが、実はまだ覚えており、俺がドレイクに匿われているのを知ったとなれば……ここまで兵士がやって来たという可能性は否定出来ない。
「マーベル、一応、いつでも逃げ出せるような心構えでいてくれ」
「アクセル? どうしたの?」
「誰かは分からないが、殺気や敵意を抱いている奴がこっちに向かって来ている。俺が対応するが、どうしようもなくなったら逃げる必要があるから、そのつもりでいてくれ。その場合はギブン家辺りにでも行くか」
ギブン家のスパイと思われるメイドを放っておいたのは、こういう時の為という理由もあったんだが、タイミングが悪いな。こういう時に限って遅刻とは。
マーベルには一応そんな風に言ったが、多分そうなる可能性は高くないんだが。
それでも、いざという時に動揺して欲しくはないので、マーベルにはそう言っておいたのだ。
「分かったわ」
案の定、マーベルは真剣な表情で頷いてから部屋に向かう。
特に荷物らしい荷物の類はないと思うんだが。
マーベルも女だから、色々と街中で購入したりはしたのか?
別に俺とマーベルはずっと一緒に行動しているという訳でもないので、そんな風になっていてもおかしくはない。
そんな風に考えていると家の扉が乱暴にノックされる音が聞こえてきた。
「アクセル王、用事があるので少し出て来て貰いたい!」
聞こえてきたのは、聞き覚えのある声。
バーンか。
バーンは俺の事を疎ましく思っている者の代表のような立場なので、この時点であまりいい予感がしないのは間違いない。
さて、一体どんな用件で会いに来たのやら。
そんな思いで部屋を出る。
「こんな朝から、何の用件だ?」
扉を開けたところ、そこにいたのはバーン以外にも数人の兵士。
顔には見覚えがあったりなかったりするのだが、全員が俺に対して敵対的な感情を抱いているのは、間違いのない事実だ。
「少し聞きたいことがありまして。ムーラという人物はご存じですな?」
「ああ、うちのメイドだ。残念だが、今日は寝坊か何かしてまだ来てないが」
バーンがムーラというメイドの名前を出してきた時点で、今ここにムーラがいないのは、単なる寝坊ではないというのは容易に想像出来た。
恐らくは何らかの事件にでも巻き込まれたのだろう。
そう思ったのだが、バーンの様子を見る限りではどうやらそれだけではないらしい。
「それはそうでしょうね。ムーラは機械の館の何人かと共に、ゲドやオーラバトラーの部品を持って昨夜ラース・ワウから逃げ出したのですから」
「なるほど」
バーンに言われれば、その言葉は何となく納得出来た。
昨夜の食事の時に、妙にマーベルが乗っていたゲドについてとか聞いていたしな。
まさか、このタイミングで動くとは思わなかったな。
「何か他に聞きたい事、言いたい事はないのですか?」
俺が特に動揺している様子も見せない為か、バーンは少し苛立たしそうにそう言ってくる。
バーンにしてみれば、俺の家で働いていたメイドが逃げ出したのだからもっと動揺するとばかり思っていたのだろう。
「そう言われてもな。そもそも、あのメイドもドレイクがこの家で働くようにと寄越したメイドだぞ?」
それは、暗にその件で俺を疑うという事は、ドレイクを疑うという事だと、そう告げる。
バーンにもそれは分かったのだろう。忌々しそうな様子でこちらを睨み付けてきた。
「ですが、アクセル王の家で働いていたのは事実です。今回の件で何か思い当たる事はないのですか?」
「そう言われてもな。俺も昨日はサーバインの件で疲れていたし」
「ともあれ、一度城まで来て貰えますか? そちらで話を聞きたいので」
「俺だけか?」
「いえ、マーベル殿にも来て貰う必要があるでしょう。女同士、男のアクセル王が知らないような事情を知っている可能性もありますので」
「そうか? だそうだが、マーベルも来るか?」
俺とバーンが話している間に、マーベルもこっちに来ていた。
マーベルにしてみれば、この家で働いていたメイドのムーラがゲドやオーラバトラーの部品を盗んで逃げたなどという事は、ショックだったのだろう。
驚きの視線をこちらに向けていたが、俺の言葉で我に返ったのか頷きを返す。
「え、ええ。分かったわ。それでいいけど」
「では、話が決まったところで、早速行きましょう。馬車も用意してあるので」
そう言い、俺とマーベルはバーン達と共にラース・ワウに向かうのだった。
「アクセル王、今回の件は非常に迷惑を掛けてしまった。申し訳ない」
ラース・ワウで事情を聞かれるという事になっていたのだが、何故かそれよりも前にドレイクが出て来て俺とマーベルに頭を下げる。
どうやら、ドレイクが俺を切り捨てるつもりではないという、俺の予想は正しかったらしい。
「いや、構わない。事情を聞きたいと思うのは当然だろうし。けど、何でゲドとかオーラバトラーの部品を盗むような女をメイドとしてこちらに派遣してきたんだ?」
「いや、あの女は儂が直接選んで派遣した訳ではない。下の者に任せた結果だったのだが……このような言葉は、言い訳でしかないか」
首を横に振るドレイク。
これが本当かどうかは、俺にも分からない。
もしかしたら、ギブン家に通じていると知っている上で、俺に恩に着せる為に放っておいた……といった可能性も、十分にあるのだから。
まぁ、実は言ってる内容が真実であるという可能性も否定は出来ないのだが。
とはいえ、このままだとドレイクが増長する可能性もあるな。
少し釘を刺しておいた方がいいか。
「そうか。てっきりドレイクが俺との同盟を破棄して、敵対する気かと思ったんだが……そのつもりなら、こっちも相応の対処をすることになると言おうと思ったんだけどな」
トン、と。
かるく地面を蹴ると、影が槍となり……つまり、影槍となってドレイクのすぐ近くまで伸びていく。
「っ!?」
「お館様!」
瞬時に伸びた影槍に、息を呑むドレイク。
そして護衛として部屋の中にいたバーンは、長剣を引き抜いて俺に攻撃をしようとするが……次の瞬間、バーンの握った長剣はその根元からあっさりと影槍によって砕かれる。
「こんな風にな」
そう告げ、俺は軽く指を鳴らして影槍を解除した。
ドレイクにしてみれば、予想外の光景だろう。
しかし、そこに存在する殺意を無視するといったような真似は出来ない。
それでも俺に狙われるということがどのような意味を持つのか……それは、今の一連の流れで、これ以上なく理解出来た筈だった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1400
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1648