「うわぁ……」
目の前の光景に、素直に驚きの声を上げる。
現在俺の目の前にあるのは、電車。……いや、電気で走ってる訳じゃないんだから、電車じゃなくて蒸気機関車、いわゆる汽車か?
電車とかそういうのに興味がない俺でも、この手の蒸気機関車が非常に貴重なのだと理解出来る。
平成の時代には鉄道が好きな、いわゆる鉄道オタクという者達がいるのだが、そういう連中にしてみれば今の俺の立場が羨ましいだろう。
もしシャドウミラーやホワイトスターの存在が一般に開放されたら、蒸気機関車観戦ツアーとかやってみてもいいかもしれない。
その手のオタクというのは結構な金持ちだったりする事が多いので、かなり高額であっても大勢が申し込んできそうな気がする。
ただ、シャドウミラーやホワイトスターの件が一般的になるのがいつなのかは分からないけど。
ああ、でもSEED世界とかマクロス世界とかギアス世界とか、一般的に知られている世界はあるから、そっちで試してみてもいいかもしれないな。
本当の意味で一般的になった場合、鬼滅世界でも時間が経過しすぎて昭和に……もしくは平成になって蒸気機関車が引退をしてしまうという可能性も否定は出来ない。
ならいっそ、どうにかして蒸気機関車を買い取ってホワイトスターで……駄目だな。
博物館に置くとかならともかく、さすがにホワイトスターで運用するといった真似はかなり難しい。
ホワイトスターにいればあまり実感はないが、あそこは一種の衛星基地的な存在なのだ。
大規模なコロニーであると言ってもいいかもしれない。
一応ホワイトスターの中だけで完全に完結しているものの、それ以上に空気が汚れるといったような事があった場合、色々と面倒な事になるだろう。
勿論、それに対処しようと思えば技術班ならどうとでもしてくれそうな気はするのだが。
ただし蒸気機関車に手を入れるという方向ではなく、空気の清浄能力を高めるとかそんな感じで。
鉄道を愛する者達にしてみれば、蒸気機関車の外見をしていても石炭とかで走るのではなく電気で走っているというのは許容出来ないと思う者もいるだろうし。
「アクセル殿? どうしたのだ?」
「いや、俺達の世界ではこういう蒸気機関車というのはもう走ってないから、かなり珍しいんだよ」
「ふむ、そうなのか。俺達の世界においては最新鋭の技術なのだがな。……ともあれ、乗り込むとしよう。この汽車が原因なのは間違いない」
「分かっている。もしこの件がなければ、それはそれでこの汽車に乗るのを楽しめたんだがな」
耀哉が杏寿郎に命じた一件。
それはこの汽車の乗客が多数行方不明になっているというものだった。
……鬼が1人2人を食うのはともかく、汽車の中にいる乗客の中でも、現在行方不明になっているのは最低でも八十人以上。それだけの乗客を食うというのは、かなり豪快なやり方なのは間違いない。
というか、多分これって鬼殺隊を引き寄せる為の罠だと思うんだが。
当然ながら、鬼もここまで大規模な事件を起こせば鬼殺隊が介入してくるのは予想出来るだろう。
実際に鬼殺隊の剣士が何人か調査の為に汽車に乗ったのだが、そちらも当然ながら行方不明になっている。
こうなったのは、多分十二鬼月が倒されたのが関係していると思えた。
あるいは、炭治郎が鬼舞辻無惨を見つけた事か、もしくは赫刀の実験をした事か。
……こうして考えると、何だか結構思い当たる事が多いな。
「アクセル殿、弁当を買っていこう。ここで売られている弁当は美味いと評判なのだ」
「それはいいけど、炭治郎達を待たなくてもいいのか?」
炭治郎達も今回の一件に参加する事になっている以上、一緒に行動した方がいいと思うんだが。
「汽車に乗っていれば、そのうちやって来るだろう。何か俺に聞きたい事があると言っていたしな」
「聞きたい事?」
俺と杏寿郎が蝶屋敷に行った時、炭治郎から何か聞きたい事があると言われたらしい。
その件については結局有耶無耶になったらしいが……一体何を聞きたいんだろうな?
炭治郎が、というのがこの場合気になる。
この世界の主人公である炭治郎だけに、当然ながらそこには何らかの秘密があってもおかしくはない。
「うむ。そんな訳で、こうして外にいても目立つだけだから、汽車の中に行こう。弁当を買ってな」
炭治郎達がいずれやって来るのなら、俺もここで特に待つ必要はないだろうと判断し、杏寿郎と共に弁当を購入する。
駅で売ってる弁当だけに、これはやはり駅弁と考えてもいいんだろう。
大正時代の駅弁というのは、それなりに興味がある。
……ちなみに、以前ペルソナ世界でTVを見ている時に駅弁特集というのをやっていたのだが、日本で初めての駅弁というのは明治時代に売られたらしい。
梅干し入りのおにぎりが2つに沢庵という、かなりシンプルな弁当だったらしいが。
それを思えば、大正時代の今は結構な弁当になっていてもおかしくはない。
そんな風に期待したのだが……うん。まぁ、そこまで不味いという訳でもないが、俺が知ってる平成とかの駅弁と比べるとどうしても見劣りしてしまうよな。
とはいえ、味そのものは決して悪くないのは事実だ。
現に俺の隣に座った杏寿郎は、美味い美味いと言いながら駅弁を食ってるし。
そうして弁当を食っている杏寿郎は、当然ながら周囲から目立つ。
俺もまた外国人であるという事で目立っているが、杏寿郎の場合は髪の色も日本人離れしてる。
それでいて性格からかかなり堂々としており、自分に悪いところは何もありませんといったような様子を見せていた。
そんな杏寿郎が大量の弁当を食っているのだから、それで目立たない筈がない。
そんな風に考えていると、やがて炭治郎達が汽車の中に姿を現した。
「ここにいたんですね、煉獄さんとアクセルさん。てっきり……あ、こら伊之助!」
炭治郎が俺を見つけて安心した様子を見せつつ、いつものように猪突猛進と叫んで壁に体当たりしそうな伊之助を止めていた。
「先生、出来れば駅で待っていて欲しかったんですけど」
そして何故か疲れた様子の善逸の姿。
「何かあったのか?」
「えっと、まぁ……はい。炭治郎達が汽車を知らないで、伊之助は汽車を生き物だと思って体当たりしたりするし、その騒ぎを聞きつけた駅員に日輪刀を持ってるのを見られて警察を呼ばれそうになるし……」
なるほど。それで善逸が疲れた様子を見せていたのか。
この3人の中で誰が一番常識的なのかと言われれば、多くの者が炭治郎と言うだろう。
だが、炭治郎は常識的で善人でもあるが、山で炭焼きをしていただけに人間的な常識はともかく、都会的な常識という点では劣る。
伊之助は……うん。壁に向かって体当たりしようとしているのを炭治郎に止められているのを見れば分かるが、問題外だ。
というか常識のある者なら猪の被り物をしてこうした公の場に出て来るような真似はしないだろう。
そういう意味では、汽車を知っている善逸はこの3人の中では一番都会的な常識の持ち主なのだろう。
ちなみに炭治郎の背中にはいつものように禰豆子の入っている箱が背負われており、それも一般的に考えた場合はかなり奇異な光景だろう。
伊之助のエキセントリックさから、他の客達も気にした様子はなかったが。
「ほら、炭治郎達もいつまでも立ってないで座れ。杏寿郎に聞きたい事があるんだろ?」
「あ、はい。では失礼しますね」
杏寿郎の隣に座っていた俺は炭治郎に場所を譲ると、その後ろの席に移動する。
……色々な意味で、本当に色々な意味で俺達は目立っているので、俺達の周囲には誰も座っていない。
おかげで席は選び放題だった。
いやまぁ、こうして避けられているのを考えれば決して笑っていられるような状況ではないのだろうが。
「ヒノカミ神楽? それが溝口……いや、竈門少年の家に伝わっているという呼吸の名前か」
「はい。それで炎系統ということで煉獄さんに話を聞かせて貰いたくて」
「知らん!」
前の席から聞こえてくる会話を聞くともなしに聞いていたものの、杏寿郎はばっさりと言ってるな。
「ちょっ、先生! 伊之助を止めるのを手伝って下さい! この馬鹿、窓から顔どころか上半身を出したりしてるんですよ!」
少し離れた場所にいた善逸が、伊之助を押さえながらそんな風に言ってくる。
その言葉に視線を向けると、確かに伊之助が窓から上半身を出して興奮し、騒いでいる。
多分大丈夫だと思うが、木の枝とかそういうのがあった場合、下手をすれば頭蓋骨骨折とか、首の骨の骨折とか、そんな風になるぞ?
あ、でも今の炭治郎達は常中を使って身体能力を上げているのか。
だとすれば、木の枝とかにぶつかってもそういう風にならない可能性は……うん、それでも止めた方がいいな。
これから鬼と戦うのに、ここでいらない怪我をする必要はない。
杏寿郎が呼吸について炭治郎に説明しているのを聞き流しつつ、俺は善逸のいる席に向かう。
「速い、速いぞこれは! すげえ、すげえ、すげえ! 俺は外に出てこいつと競争するぞ!」
「その辺にしておけ。これから鬼と戦うのに、無理をしてここで体力を減らしても意味はないだろ」
そう言い、伊之助の身体を引っ張る。
「ぐぇっ!」
「ふぅ、ありがとうございます、先生。……でも、本当に汽車の中に鬼がいるんですか?」
善逸が周囲の様子を確認しつつ、そう尋ねてくる。
以前の善逸なら、鬼が出るかもしれないと聞けば怯えていただろう。
だが、今回はこの汽車に鬼が出る可能性が高いというのを知った上でここに来ているし、何よりも……
「その可能性が高いな。けど、エヴァと戦う事を考えれば、鬼程度どうということはないだろ?」
「そうですね」
「当然だ!」
一瞬の躊躇もなく、善逸と伊之助が俺の言葉に同意する。
そう、エヴァという絶対的な強者との模擬戦を続けてきた善逸達にしてみれば、鬼が出て来ると言われてもエヴァよりはマシだろうと、そう思ってしまうのだ。
エヴァに訓練を頼んだ背景にはその辺の理由もあったのだが、予想していた以上の効果を発揮しているらしい。
とはいえ、短期間で80人以上の乗客が行方不明になっており、更には鬼殺隊の剣士も数人行方不明になっている。
ここまで大掛かりな事をしてる以上、多分今回の事件の黒幕は普通の鬼ではなく十二鬼月の可能性が高い。
エヴァに慣れていれば、それこそ十二鬼月だからどうした? といったように思ってもおかしくはないが。
「随分と返事が早かったな。それだけエヴァとの訓練は厳しかった訳か」
「それはそうですよ! 師匠ったら酷いんですよ!? 何かあれば氷を飛ばしてきますし!」
「まぁ、エヴァだしな」
エヴァは氷の魔法の専門家だ。
他に影のゲートとかも使ったりするし、風系の魔法も使えるものの、それでもやはり一番得意なのは氷なのだ。
そう考えれば、エヴァもこの3人……カナヲを合わせて4人を相手にした場合、本気で訓練をしていたのだろう。
「それで納得しないで下さいよ。……それにしても、シャドウミラーの人ってあんな師匠と訓練をしているんですね。強くても納得出来ます」
「そうだな。シャドウミラーは生身の戦いでも強い奴が多い」
実際には、シャドウミラーの実働班はPTとかの人型機動兵器の操縦こそが本領であって、生身の高いはそこまで重要視されている訳でもないのだが……それでもそこまでの実力を発揮出来るのは、それだけシャドウミラーが精鋭揃いだからこそだろう。
何しろ実働班でも何でもない技術班の技術者ですら、普通に虚空瞬動とか使いこなしているし。
とはいえ、技術班のそれはあくまでも茶々丸やエキドナ、セシルといった面々から逃げる為に習得した技術なのだが。
ただ、そんな技術班の面々でも鬼殺隊の剣士を倒す……ことは難しいかもしれないが、逃げ切るといった真似は容易に出来るだろう。
基本的に鬼殺隊の剣士は空を飛んだりするような真似は出来ないのだから。
「そう考えると、シャドウミラーって凄いですね。……そう言えば、最近見るようになった神鳴流でしたっけ? その連中もかなり凄いらしいですね」
どうやら善逸も神鳴流を見た事があったらしい。
基本的に蝶屋敷から出ずに訓練とかをしていたと思うんだけど……どこで会ったんだ?
とはいえ、別に蝶屋敷から出ないのは別にそのように決められている訳ではない以上、普通に外に出ようと思えば出られる。
事実、赫刀について調べている時に炭治郎達を呼んだ事があったし。
もしくは単純に鬼との戦いや鬼殺隊の剣士との模擬戦で怪我をした神鳴流の剣士が蝶屋敷で治療をして貰う為にやって来たところに遭遇したのかもしれないが。
「そうだな。神鳴流は元々鬼だけではなく、妖怪とかそういうのを倒す為に作られた流派らしい。そういう意味では鬼殺隊の剣士と比べても決して劣っているとは言えないんだろうな」
そう言う俺の言葉に善逸が頷き……そのタイミングで、不意に誰かが車両の中に入ってくるのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1810
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1730