鬼舞辻無惨のいる場所が分かったかもしれない。
そう判断すると、俺は影のゲートで移動する事を提案する。
「鬼殺隊の剣士が人をやるといったようなことになった場合、それには時間が掛かる。俺が影のゲート……転移魔法を使えば、発信器のある場所にすぐにでも……あ」
すぐにでも行ける。
そう言おうとした瞬間、再び発信器の反応が消えた。
「また消えた?」
スクリーンを見ていた炭治郎が真剣な表情でそう呟く。
具体的にどのような技術が使われているのかという事は分からないだろうのが、それでも実際に目の前にあったスクリーンの中から光が……発信器の光が消えたのはしっかりと確認出来たのだろう。
「アクセル殿、これはどういうことなのだ?」
杏寿郎が不思議そうに尋ねてくるが、俺がそれに答えられる内容は多くない。
「取りあえず分かったのは、鬼の中に転移の血鬼術を使う奴がいるという事だろうな。そして……考えられる可能性としては、その転移を使う時はこの世界に存在しないどこかを経由するなりなんなりして移動するんだろう」
これは俺にも分かりやすい。
俺の使っている影のゲートにおいても、転移をする際は影を媒介としている。
影に入った瞬間には既に転移先に出ているが、それでも一瞬……本当に一瞬は俺の姿はその世界から消えているのだ。
あるいは転移をしないで影の中で待機するといったような真似も出来ているのを考えると、俺はその時はその世界のどこにもいないということを意味している。
それと同じような事が、恐らく転移の血鬼術でも行われているのだろう。
そしてこの転移の厄介なところは、恐らくその場に自分がいなくても転移が可能だという事だろう。
もしかしたら猗窩座を迎えに来て一緒に転移したという可能性もあるが、血鬼術という色々な意味で特殊な技術について考えると、自分がどこにいても自由に相手を転移させることが出来るといった可能性も否定は出来ない。
少し考えすぎか? と思わないでもなかったが。
「そして、もしかしたらだが、自分がその場にいなくても特定の相手を自由に転移させることが出来るかもしれない。正直、もしこれが俺の思った通りの能力であった場合、かなり危険だ」
「具体的には?」
「そうだな。例えば鬼と戦っている時に不意に強制的に転移させられるといった可能性がある。後は、特定の相手を自分で思ったとおりに転移出来るという事は、当然ながらその相手のいる場所がどういう場所か認識出来る可能性もある」
「前者はともかく、後者は……待て。それはつまり、転移の血鬼術を持っている鬼は好きな場所を見る事が出来るのか? そう、例えばお館様のいる屋敷とか」
真剣な……それこそ視線に強力な圧力があると思われるかのような様子でこちらを見てくる杏寿郎。
当然だろう。杏寿郎にしてみれば、もし俺の予想が正しかった場合、いつ産屋敷家に鬼が送り込まれてもおかしくはないのだから、
しかもそのような場合は、どうでもいい雑魚の鬼ではなく十二鬼月が送られてくる可能性が高い。
「安心しろ……とはちょっと言えないな。だが、実際に今まで産屋敷家や蝶屋敷のような場所に鬼が現れた事はないんだろう? なら、もしそんな事が可能であったとしてもそう簡単には出来ない理由があるという事になる」
この場合、最大の理由としては転移を使っている鬼が自力でその場所を探す必要があるといった可能性か。
日本は狭いようで広い。
そんな日本のあらゆる場所を見て鬼殺隊の本拠地を探すというのは、そんなに簡単な事ではない。
「実際に今までそんな事はなかったんだろう? なら、絶対に安全とは言えないが、それでもすぐに危険だという事ではない筈だ」
ただし、運が悪ければあっさりと産屋敷家が見つかってしまう可能性があったが。
そうならないようにする為には、その転移を使う鬼を出来るだけ早く倒す事だろうな。
個人的には捕獲して転移の血鬼術をレモン達に分析して貰って、似たような事が出来るようになればいいんだが。
「それは……本当であればいいのだが、その可能性を考えるとどう対処するのかしっかりと考えておく必要があるな」
杏寿郎は耀哉に心酔している。
いや、それは杏寿郎だけではなく、柱の全員がそんな状況だ。
「対処か。転移の血鬼術が一体どういう手段を使っているのかが分かれば、対処出来るかもしれないが……ただ、安心しろ。この件を解決したら耀哉は治療と解呪をする為にホワイトスターに行く事になっていた筈だ。それを思えば、ホワイトスターにいる間は安心出来るぞ」
「おお! ……だが、お館様がこちらに戻ってくるとその辺に対処する必要が出て来るな」
そう言う杏寿郎だったが、耀哉の能力を考えればその辺を既に予想していてもおかしくはない。
あるいは前から転移の能力を持つ血鬼術がいるという前提で、何らかの対処をしている可能性も否定は出来なかった。
具体的にどういう対策をしているのかは、俺にも分からないが。
「とにかく、鬼殺隊の剣士……じゃなくて、隠でもいいから反応のあった場所は調べてみた方がいいかもしれないな。猗窩座が一度でもそこに転移したのなら、反応のあった場所には何らかの意味があるかもしれない」
猗窩座が一旦転移した場所だけに、何らかの理由はあるかもしれない。
あるいは、転移する血鬼術を使っている奴の能力の限界というのもあるかもしれないな。
一度に転移出来る距離が限られているという可能性は決して否定出来なかった。
「うむ! 出来るだけ早く指示しておく。アクセル殿には感謝しかないな!」
「俺達にとってもこれは取引の一面が強い。それだけに、こっちも色々と利益はあっての行動だから気にするな」
これは杏寿郎を思っての発言という訳ではなく、純粋に事実だ。
現在のところシャドウミラーからの持ち出しは多いものの、その大半はキブツがあればどうとでもなるような物だ。
コバッタや量産型Wに素材といった具合に。
まぁ、全てが全てといった訳ではないので、多少の損失はあるのかもしれないが、それを上回る利益として猩々緋鉱石や猩々緋砂鉄、日輪刀、鬼殺隊の剣士が着ている制服の布といった諸々を入手しているし、鬼についても多少は確保出来てる。
何よりも近い将来呼吸を教える為の人物……育手をこちらに派遣するという話も進んでいる筈だ。
「お互いに利益があるというのは嬉しい事だな。……ともあれ、鎹鴉からの伝言もあるし蝶屋敷に戻るとするか」
「うむ! 竈門少年との約束もあるしな」
「炭治郎と?」
そう言えば汽車で移動している時に、杏寿郎と炭治郎が色々と話していたな。
多分その件なんだろう。
炭治郎の家に伝わる呼吸……ヒノカミ神楽。
それに対して、代々産屋敷家に仕えてきた煉獄家に何らかの情報が残っていてもおかしくはない。
一応輝利哉にその辺を調べるように頼んでいた筈だったが……あの件、どうなったんだろうな。
ともあれ、今度こそ映像スクリーンは消して空間倉庫に収納する。
この映像スクリーン、耀哉に頼んでどこかに出しっぱなしにしておいた方がいいかもしれないな。
そうすれば、猗窩座が次にどこかに出て来た時にすぐに分かる。
そしてすぐに分かれば、俺から猗窩座に会いに行くといった真似も出来るだろう。
会いに行った結果が、戦いになる可能性は高いのだが。
ただし、戦いになったらなったでこっちにとっては悪い話ではない。
先程のように何らかの賭けを持ち掛け、俺の血を飲ませて召喚の契約を結べばいいのだから。
そんな風に考えつつ、俺は影のゲートを使って蝶屋敷に戻るのだった。
……ちなみに、影に沈む感触に善逸と伊之助が騒がしかったが、特に問題はなかったのでよしとしておこう。
「アクセルさん、その……ちょっといいですか?」
蝶屋敷に戻り、杏寿郎が産屋敷家に行っている間、俺達は蝶屋敷で待っている事になった。
耀哉の性格を思えば。俺が直接会いに行っても特に問題はなかっただろう。
それは事実だが、炭治郎の俺を見る目が気になったのでこうして蝶屋敷に残ったのだが……予想通り、縁側に座ってお茶を飲んでいると炭治郎が話し掛けてきた。
「どうした?」
「その……あの上弦の参から受け取った、鬼舞辻無惨の血についてですが……」
「欲しいのか?」
「はい」
おお、躊躇も何もなくいきなりこんな風に言ってくるのは驚いた。
というか、やっぱり俺の予想は当たっていたんだな。
猗窩座とのやり取りでの炭治郎の様子から考えて、炭治郎は鬼舞辻無惨の血を必要としていた。
原作では鬼舞辻無惨の血をどうやって入手したのかは分からないが、可能性としては杏寿郎を主力にして炭治郎達はフォローに徹して猗窩座を倒す、あるいは追い払って入手した……のか?
この世界の原作については何も知らないし、もし知っていてもペルソナ世界で原作知識は全て消滅してしまっている。
だとすれば、この世界の原作でここは一体どういう流れだったのか……それは正直なところ分からない。
そうである以上、原作についても無理にこれ以上考えても意味はないだろう。
また、何故炭治郎が鬼舞辻無惨の血を必要としているのかは、それこそ炭治郎に聞けばいい。
「何でだ?」
「禰豆子を人間に戻す為です」
「……なるほど」
炭治郎にとって、禰豆子は唯一残っている家族だ。
そうである以上、禰豆子を人間に戻そうと考えるのは当然の話だし、その為に鬼舞辻無惨の血が必要なら、それこそ何だってするだろう。
「けど、鬼舞辻無惨の血で禰豆子が人間に戻るのか? この血を飲ませても、それに意味があるとは思えないんだが」
「そんな風には使いません。実は……その、すいませんけど蝶屋敷の外に出ませんか?」
「は? まぁ、いいけど」
炭治郎の言葉に頷き、そしてすぐにそうする理由を察知した。
聴覚が異様に鋭い善逸への対策か。
だとすれば、これから炭治郎が俺に言おうとしている件は、善逸も知らないという事なのだろう。
具体的にどういう内容なのかは分からないが、炭治郎の性格を考えればそれが悪い事ではないだろうというのは容易に予想出来た。
「ここまで離れれば、蝶屋敷にいる善逸にも聞こえないだろ」
「気が付いていたんですね。……実は、俺には鬼の協力者がいます」
「そうか」
「信じられないのも無理はありません。でも……え? あれ? 素直に信じるんですか?」
俺が普通に頷いたのが信じられなかったのか、炭治郎は驚きに視線を向けてくる。
「そう言っても、禰豆子がいるんだし今更だ。その鬼の協力者は、人を食ったりはしないんだろう?」
炭治郎の性格を考えれば、人を食う鬼を協力者にするとは思えない。
つまりその鬼は、禰豆子と同じく人を食わなくてもいい鬼なのだろう。
人を食わない禰豆子の存在だけで、鬼殺隊はかなり騒動になった。
だが、そんな鬼が他にもいると知れば……一体どうなるんだろうな。
「当然です。正確には人を食べる必要はないですが、お金を払って血を分けて貰っているそうですけど」
「なるほど。血が売れるとなれば、売る方にしても金になるからいいか。一種の献血みたいなものか」
「献血?」
聞き慣れない言葉に炭治郎が不思議そうにしたが、献血……正確には輸血とかその辺の技術っていつくらいから広まったんだ?
「気にするな。それで、鬼舞辻無惨の血はその協力者に渡すのか?」
「はい。珠世さん……協力して貰っている人ですが、医者なんです。その人が禰豆子を人に戻す為には十二鬼月の血が……鬼舞辻無惨から大量の血を貰っている者の血が必要だと」
自然と珠世という鬼を人と称しているが……いやまぁ、それは別にいいか。
「なるほど。鬼舞辻無惨の血によって鬼になった以上、人に戻すにはその鬼舞辻無惨の血が必要になる訳か」
「はい。珠世さんに渡せば、その血を研究して禰豆子を人に戻せるかもしれないんです! なので、お願いしますアクセルさん! 鬼舞辻無惨の血を分けて下さい!」
そう言い、深々と頭を下げる炭治郎。
もし俺が駄目だと言えば、それこそ戦ってでも奪い取るといったような行動をしかねないくらいに必死だ。
とはいえ、俺もそんな事をするつもりはない。
禰豆子はそれなりに俺に懐いているし、そんな禰豆子を人間に戻すのなら俺がそれに協力しない訳がない。
空間倉庫から鬼舞辻無惨の血の入った試験管を取り出す。
それを見た炭治郎の顔には希望が浮かぶ。
「分かった。血を渡そう。ただし、この血を全部という訳にはいかない。俺達シャドウミラーも、この血の分析をする必要があるしな。だから……そう、半分だ。この血の半分だけお前に渡そう。それで手を打たないか?」
「構いません! 半分でも十分です!」
炭治郎は勢いよく頷く。
血を半分であっても、それで十分満足出来るのだろう。
「なら……」
鬼舞辻無惨の血が入っている試験管の蓋を取り、空いている試験管に鬼舞辻無惨の血を半分入れる。
そうして半分だけ鬼舞辻無惨の血が入った試験管を、炭治郎に渡す。
炭治郎はそんな俺に向かって勢いよく頭を下げ、大きな声で感謝の言葉を口にするのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1810
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1730