柱稽古は続く。
そんな中でも、炭治郎達は反復運動とやらによって更に強くなったらしい。
善逸は結構泣き言を口にしてはいたが、それでも禰豆子から励まされることによって、辛さを乗り越えていく。
伊之助は行冥の修行で一時的に危険な状態――心肺停止的な意味で――になったらしいが、それももう復活している。
そんな訳で、当初の目的の1つであった鬼殺隊の剣士の実力を底上げするというのは十分達成したものの……
「駄目だな」
エヴァのその一言が、地面に倒れている者達に向かって投げ掛けられる。
柱稽古の最終日……柱が全員でエヴァと戦ったのだが、その全員が最終的には倒されてしまった。
柱が全員という事は、元からエヴァに友好的だったしのぶや蜜璃、杏寿郎といった面々だけではなく、エヴァを敵視していた実弥や小芭内もまた参加している。
当初は嫌っているエヴァに訓練をつけて貰うのは嫌がっていたのだが、自分達だけがエヴァから訓練を受けていなければ、他の柱に実力的な面で置いていかれてしまう。
そう判断し、実弥や小芭内も渋々だがエヴァとの訓練を行ったのだ。
柱ともなれば、自分と同じくらいの実力の持ち主……もしくは自分以上の実力の持ち主は、そうはいない。
訓練をするとなれば、どうしても満足に出来ないのだ。
勿論、柱同士で訓練をすれば問題はないし、そういう意味では実弥と小芭内は2人いるので、柱同士の訓練も決して出来ない訳ではないのだが。
それでも、エヴァに訓練をして貰うのが最善だと判断し、こうしてエヴァとの訓練に合流していた。
そうした柱稽古の最終日の最終訓練が行われたのだが……その結果として、エヴァに負けたのだ。
いや、負けたのはともかくとして、柱稽古のもう1つの目的である柱の痣の発現が出来なかったのは残念だった。
「今回の状況を考えると、それなりに腕が上がったのは間違いない。そういう意味では、この訓練を行った甲斐はあっただろう」
エヴァのその言葉に、倒れていた柱達の何人かが反応する。
こうして改めて見ると、全ての柱を相手にしても圧勝出来るエヴァというのは規格外の存在なんだよな。
もっとも、俺がそう言えば俺はどうなんだと突っ込みを受けたりするんだろうが。
ともあれ、こうして柱稽古の最後の戦いが終わるのだった。
「10日後に決まったよ」
柱稽古が終わった打ち上げ……単純に言えばその宴会において、俺は耀哉と話していた。
そんな中で俺は耀哉から10日後と言われたのだ。
「何がだ?」
「鬼舞辻無惨を誘き出す為の会議だよ」
「それは……随分と急だな」
急だなと言ったものの、別に今日いきなり10日後として決めた訳ではないのだろう。
単純に今まで準備を進めていたのが、俺には詳細に知らされていなかったという事か。
とはいえ、前々から準備は順調に進んでいるという話は聞いていた。
そういう意味では、10日後に鬼舞辻無惨との接触が行われるのは、そうおかしな話ではないのだろう。
「本当はもう少し前に話をしようと思っていたんだけどね。柱稽古の邪魔をしたくなかったんだ」
「いや、俺は別に柱じゃないんだが。……まぁ、それはいいとしてだ。詳しい話を聞いてもいいか?」
「そうだね。後で柱の皆にも知らせるつもりだけど、アクセルには話しておいた方がいいか」
手にしていた茶碗から緑茶を一口飲んでから、耀哉は話す。
「まず、知っての通りこちらで用意した貿易商が向こうの貿易商と接触し、細々とした取引を行ってきた」
「信頼を高めるためだな」
「ああ。そんな中で、それとなく私の用意した貿易商は珍しい植物の収集や売買をしているというのを知らせた。その件については、シャドウミラーにお世話になったよ」
どうやらシャドウミラー側でその珍しい植物を用意したらしい。
実際に珍しい植物を集めていると言っても、それが口だけであれば説得力はあまりない。
しかし、実際に収集したという植物を見せれば、それに対する説得力は高まるだろう。
「で、それで向こうはこっちを信頼して、青い彼岸花がないのかを聞いてきた訳か?」
「そうなるね。勿論、すぐに見つかったというようには言わなかったけど、それらしき物が見つかったというのを少し経ってから報告したんだ。その結果として、担当した者が驚く程に食いついてきたそうだよ。丁度……そう、刀鍛冶の里の一件の少し前かな」
鬼舞辻無惨にとって、青い彼岸花というのは何よりも重要な代物だ。
それを思えば、その話を聞けば頭の中はそれだけになってもおかしくはない、か。
刀鍛冶の里において、俺が狛治と戦っていた時に鬼舞辻無惨からのちょっかいが何もなかったのは、てっきり玉壺や半天狗の方に集中していたからだと思っていたんだが、あるいは青い彼岸花の件で頭が一杯になっていたから、という可能性も否定は出来ないのか。
その割には、童磨との戦いではあっさりと介入して回収していったが。
あの時は、狛治が召喚獣となって鬼ではなくなったから、こっちに注意を向けてきたという可能性も否定は出来ない。
「刀鍛冶の一件があってから、それなりに時間が経っているが、鬼舞辻無惨はよくそれまで我慢出来たな」
「実際、向こうの貿易商からは少しでも早く売って欲しいと矢の催促だったよ。けど、そもそも現在青い彼岸花は運搬中だと言ってしまえば、向こうが幾ら早く欲しいと言ってきても、現物がないのだから何とも言えないだろう?」
狛治から聞いた鬼舞辻無惨の性格を考えれば、それこそすぐにでも青い彼岸花を寄越せと、襲ってきてもおかしくはない。
しかし、現在運搬中だと言われれば、鬼舞辻無惨としてはきちんと待つしかない訳だ。
もし苛立ちから耀哉の用意した貿易商を襲ったりした場合、青い彼岸花は入手出来なくなるかもしれないのだから。
……あるいは、耀哉の用意した貿易商を鬼にしてしまい、自分の思い通りに……いや、駄目だな。鬼になると日中は出歩けないという致命的な弱点がある。
それを思えば、耀哉の用意した貿易商を鬼にした場合、青い彼岸花を入手云々の前に貿易商が潰れかねない。
「そうして焦らしていて……青い彼岸花が届くのが10日後な訳だ」
正確には届くという設定なんだが。
ちなみに青い彼岸花その物は、既に完成しているとレモンが少し前に嬉しそうに教えてくれた。
あの嬉しそうな様子を考えると、一体青い彼岸花にどんな罠を仕掛けたのやら。
「そうなるね。それも……向こうからやって来るのは、恐らく貿易商ではなく鬼舞辻無惨だ」
「……そう思った理由は?」
「青い彼岸花の引き渡しを行うのは、夜にして欲しいという要望があったからね。勿論、夕食を食べながらゆっくりと話をしつつ、取引をするという可能性も否定は出来ない。だが、現在の鬼舞辻無惨の心中を想像すれば……」
「少しでも早く鬼舞辻無惨は青い彼岸花を手に入れたい、か」
俺の言葉に耀哉が頷く。
そうして頷いた耀哉を見ていて気が付いたのだが、周囲で宴会をしていた柱の面々はいつの間にか黙り込み、俺と耀哉の話を聞いていた。
鬼殺隊に所属している者達……それもただの剣士という訳ではなく鬼殺隊の柱だ。
当然ながら、鬼舞辻無惨に対して思うところが多いのは当然の話だろう。
「お館様……いよいよですな」
感無量といった様子で、行冥が涙を流しながらそう告げる。
行冥は柱の中でも実質的に筆頭とでも呼ぶべき存在だ。
また、同じように盲目だった者同士というのも、この場合は影響しているのかもしれない。
「ああ。行冥にも……いや、鬼殺隊の皆にも期待しているよ」
そんな耀哉の言葉に、話を聞いていた柱たちは感激した様子を見せる。
鬼殺隊の全員が耀哉に心酔している訳ではないのだが、柱に限っては全員が耀哉に心酔している。
そんな耀哉から期待していると言われれば、それに興奮するなという方が無理だろう。
「鬼舞辻無惨を殺せば、鬼は全ていなくなる。鬼舞辻無惨と戦い続けてきた私達の戦いにも、終わりの時が来ているんだろうね」
「お館様……」
しみじみとした様子で呟く耀哉に、それを見ていた行冥がそう呟く。
ちなみに他の者達もまた、行冥と同じようにしんみりとした視線を耀哉に向けていた。
「耀哉、そろそろ鬼舞辻無惨を倒した後の話もしておいた方がいいんじゃないか?」
「ん? ああ、そうだね。……皆、鬼舞辻無惨を倒したら、鬼殺隊は解散となる」
『……』
突然耀哉の口から出たその言葉に、柱達は沈黙する。
鬼舞辻無惨を倒せば、鬼はいなくなる。
それは知っていたが、それでも鬼殺隊が解散するという話をされるとは思わなかったのだろう。
「鬼殺隊が解散した後、やりたい事がある者は私もそれに協力しよう。しかし、やりたい事がない者、そして行くべき場所、帰るべき場所のない者に対しては、私が作る会社に迎え入れようと思っている。もしかしたら……本当にもしかしたらだけど、鬼舞辻無惨を倒すのに使った会社をそのまま使うか、それとも全く新しい会社を作るかは、まだ決めてないけどね」
「鬼舞辻無惨を罠に掛けた会社を使うという事は、貿易商をするという事でしょうか?」
しのぶのその言葉に、耀哉は頷く。
「そうなるだろうね。とはいえ、私が作る会社の取引相手は、恐らくシャドウミラー……もしくは、シャドウミラーと協力している他の世界となるだろうね」
その言葉は、柱達にとっても意外だったのだろう。
実弥や小芭内、無一郎といったように表情をあまり表に出さないような者達ですら驚いていた。
いやまぁ、実弥の場合は不機嫌そうな表情をする事が多いんだが。
「それは……派手に面白そうですね!」
「うむ! 俺も興味津々だ!」
天元と杏寿郎が揃って賛成の声を上げる。
この2人にしてみれば、異世界との接触というのは非常に興味深いのだろう。
……とはいえ、天元はともかく杏寿郎は家の方の問題もある。
杏寿郎の家は、代々産屋敷家に仕えてきた家だ。
その仕えてきた理由は、当然ながら鬼を倒す為となる。
他の柱達はあくまでも個人で鬼殺隊に入って耀哉に仕えていたのだが、杏寿郎の家だけは代々仕えてきた。
鬼舞辻無惨が死んで鬼がいなくなれば、杏寿郎の家でも色々と変わらなければならなくなる。
具体的にどうなるのかは、俺にも分からないが。
あるいは今までと同様に産屋敷家に仕えて、会社の運営にも協力していくのかもしれないな。
それはそれで杏寿郎らしいとは思う。
以前杏寿郎に聞いた話だが、杏寿郎には弟がいて、その弟は剣の才能はそこまでないものの、勉強という点では結構な才能を持っているとか。
会社を興すとなれば、剣士としての実力よりも勉強の方が重要になってくるのは間違いない。
「私は……どうすればいいのかしら」
「しのぶちゃんは、医療に関わるんじゃないの?」
迷った様子を見せるしのぶに、蜜璃がそう告げる。
実際、しのぶの医療技術……特に調薬技術は非常に高い。
その点を活かせば、それこそシャドウミラーの医療班にスカウトしたいくらいだ。
何しろシャドウミラーの医療班に所属しているのは、木乃香だけだし。
いや、木乃香の護衛として刹那も一応所属は医療班なのか。
他にも千鶴やあやかは回復魔法を使えるし、美砂もアーティファクトで回復は出来る。それ以外にも何だかんだと回復魔法を使える者は多いのだが、専門で医療班にいるのは木乃香だけだ。
……木乃香で回復が追い付かない場合は、そういう回復魔法を使える者が出て来るし、それ以外の場合でも最終手段としてレモンがいる。
うーん、そう思えばしのぶは医療班というよりも、技術班の方がいいのか?
勿論、しのぶは科学技術とかの方については全く知らないから、薬関係の技術に専念することになると思うが。
「それも考えてはいるのですけどね。ただ……」
蜜璃と話していたしのぶが、何故か俺の方に視線を向けてくる。
そしてしのぶと話していた蜜璃もその視線を追って俺を見て……
「きゃーっ! きゃーっ! きゃーっ!」
何故か急にきゃーきゃー言い始めた。
一体今ので何があったんだ?
そんな疑問を抱きつつ、他の面々に視線を向ける。
やはり耀哉が会社を作るというのは、かなり意外だったのだろう。
多くの柱が、それぞれ近くにいる者と話している。
「天元、お前はどうするんだ?」
「アクセルか。そうだな、お館様の話に魅力を感じてるのは間違いない。だが、俺がそういう会社で何か出来るかと言われれば、ちょっとな」
「戦いから離れられないのなら、ネギま世界の魔法界に行けばそこで拳闘士として戦ったり、古代の遺跡を探索してお宝を見つけたりとか、そういう真似も出来るぞ」
「剣闘士か」
何だか言葉のニュアンスが違ったようだったが、取りあえずその辺は今はスルーしておく。
「興味があるのなら、鬼舞辻無惨の件が終わったら声を掛けてくれ。もっとも、その時はネギま世界でも通じるだけの力を持たないと、どうにもならないが」
「……呼吸だけでは駄目だという事か?」
「神鳴流の連中を見れば分かるだろう?」
そう言うと、天元は黙り込むのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1815
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1731