ロッソの率いるロッキー級がサン・アンジェロ市を出発してから3日。
予定通りならそろそろ連邦軍の基地が見えてきてもおかしくない頃合いだったが、生憎と今のところはまだ情報屋から聞いたその基地を見つける事は出来ていなかった。
「悪いな、アクセル。本来ならこういう時はお前さんじゃなくて俺の部下から向かわせるのがいいんだろうが……」
「気にするな。俺はお前に雇われたMS乗りだ。なら、無茶な要求じゃない限り、それには従うよ」
この場合の無茶な要求というのは、例えば俺1人で敵対しているバルチャーを全て倒してこいとか、そういうのだ。
俺に支払う報酬が勿体なくなったとか、そういう時に使われるらしい。
あるいは、地球では珍しいオクト・エイプを欲してMSで敵に向かって攻撃をしろというのではなく、生身で偵察してこいとか。
もっと酷いのになると、食事の中に毒が入っていて、それでフリーのMS乗りを殺して報酬を支払わず、MSも奪う……というのは、実際にあった話らしい。
勿論そのような真似をするのは真っ当なバルチャーではなく、村や街を襲う盗賊かバルチャーか分からない連中だ。
ロッソはそういうのとは違う真っ当なバルチャーだし、そのような真似をしないので、部下から慕われているのだろう。
「それに、空を飛べるMSが俺のオクト・エイプしかないんじゃな。……ジェニスが使いやすいのは分かるが、空を飛べるMS……とまではいかないが、戦闘ヘリとかそういうのは所有してもいいんじゃないか?」
戦闘機の類は、VTOL機のような物ではない限り滑走路が必要となる。
そういうのが必要ないのがヘリの類なんだが……生憎とロッソはヘリを持っていない。
「戦闘ヘリか。ああいうのは前の戦争でも使われたが、MSに比べてすぐ壊れたからな。見つけるのも難しいし……整備もMSとかと勝手が違うし、壊れやすい上に予備部品も少ないんだよ。あれば便利なのは分かってるんだな」
そう告げるロッソの様子を見ると、俺もこれ以上は突っ込めなくなる。
ロッキー級は比較的小型の陸上戦艦だけに、搭載MS数もそこまで多くはない。
そんな場所に戦闘ヘリを搭載しようものなら、これもまた当然ながら余計な手間が増えるだろう。
「話は分かった。取りあえず、俺は偵察に出てみるよ」
ここまで来ても基地が見つからない以上、空から探すのが一番なのは間違いない。
だからこそ、ロッソは空を飛べるオクト・エイプを持つ俺にこの話を持ってきたのだ。
「悪いな、頼む」
そうして言葉を交わし、俺はブリッジを出て格納庫に向かうのだった。
空を飛ぶオクト・エイプ。
そのコックピットの中から映像モニタに表示される画面を眺めていたのだが、当然ながらそこには目的の基地は映っていない。
森が広がっているだけに、基地があってもそれらに隠されているのか?
前の戦争によって、終戦後は数年もの間太陽の光が降り注がなかった筈だが、それでもこの辺りの森は生き延びていたらしい。
そういう意味では、このX世界の植物は他の世界の植物よりも強い生命力を持っているのかもしれないな。
「にしても……見つからないな。まさか、情報屋に騙されたとか……っと」
情報屋に騙されたのではないか。
そう言おうとした俺に向かって、森の中からマシンガンの弾丸と思しき攻撃が放たれる。
その攻撃を回避すると、当然ながら俺はそちらに向かう。
このような状況で俺を攻撃してきたのだ。
当然だが、その報いは受けてもらう。
そんな風に思いながら森の中に入ると、そこには3機のジェニスの姿があった。
とはいえ、ジェニスであるというのは分かるが、それぞれが好き勝手に改造をしているので、外見は大分違って見えたが。
俺が最初にオクト・エイプと一緒に貰ったジェニスも、サン・アンジェロ市に来た時に貰ったジェニスも、それぞれ同じように改造されていたが。
バルチャーが自分のMSを改造するのは、珍しい話ではない。
とはいえ、バルチャーが改造するのは機体性能云々ではなく、外見を変えるという事だ。
バルチャーとして自分の存在を誇示するのは必須な事でもあるのだから仕方がないが。
自分の存在を目立たせる事により、自分の撃墜した敵を倒したのは他の機体ではなく、間違いなく自分であると周囲に誇示する為だろう。
それ以外にも、単純にきちんとMSの改修を出来るだけの技量を持つメカニックの数が多くないというのもあるかもしれない。
当然の話だが、MSの操縦とMSの整備となればMSの操縦の方が簡単だ。
MSの整備をするとなると、相応の勉強が必要になるが……戦後であるX世界でその勉強が出来る者はそう多くはない。
だからこそ、外見を変える程度の改造しか出来ないMS乗りも多いのだろう。
とはいえ……だからといって俺に攻撃をしてきた相手を見逃すような真似はしないが。
森の中に突入した俺に対し、3機のジェニスのうちの2機はヒートホークを装備し、残り1機は後方からマシンガンでの援護を行う。
多分、向こうにしてみれば俺が森の中に突入してきた時点で馬鹿な真似をしたと判断したのだろう。
実際、その判断はそれ程間違っている訳ではない。
ただし、それはあくまでもオクト・エイプに乗ってるのが普通のパイロットである場合に限るが。
オクト・エイプを操縦しつつ、生えている木々の間を縫うようにしてジェニスとの間合いを詰めていく。
ヒートホークを持っている2機は、まさか俺が突入してくるとは思っていなかったのか、動揺で機体の動きが鈍くなる。
そうして間合いを詰めると、2機のジェニスは我に返ったのか、ヒートホークを振り下ろしてくる。
その攻撃を回避し……同時にマシンガンを撃ってくる1機の動きに注意しながら、ビームサーベルを素早く振ってヒートホークを持っているジェニスの腕を肩から切断する。
そのまま更に素早くビームサーベルを振るい、残りの四肢と頭部を切断。ヒートホークを持っていた2機のジェニスを胴体だけにする。
とはいえ、ジェニスは胴体にバルカンを装備しているので胴体だけにしたからといって完全に安心は出来ないのだが。
とにかく、これで残りはマシンガンを持った1機。
その1機は、瞬く間に2機のジェニスが倒されたのを見て俺に勝てないと判断したのか、即座に逃走を選択するが……
「逃がすと思うのか?」
そう呟き、ジェニスとの間合いを詰める。
あるいはジェニスが飛行可能なMSなら、このまま俺から逃げる事も出来たかもしれない。
しかし、ジェニスには飛行能力はない。
あるいは、本当に腕の立つメカニックがいた場合は、ジェニスを飛行可能にするような改造が出来た可能性もあるが。
そんな改造がない以上、地面を走って逃げるジェニスを逃がす訳がない。
森の木々を縫うように移動しながら間合いを詰めると、ビームサーベルを振るって両足を切断する。
その衝撃で胴体が地面に倒れ……
「っと」
ジェニスのパイロットは自分がどうなったのかは分からなかったのだろう。
しかし、それでも半ば破れかぶれといった状態になりながらも、マシンガンのトリガーを引く。
その弾丸は殆どが明後日の方向に飛んでいったものの、中には俺の方に向かって飛んでくる攻撃もあった。
その攻撃を回避しつつ、マシンガンの銃口が完全にオクト・エイプから外れたと確認してから、両腕を肩の部分から、そして頭部を切断する。
「さて……って、逃げるのが早いな」
3機のMSを倒したのを確認すると、最初に倒した2機のMSは胴体のコックピットが開いており、既に脱出したのは明白だった。
さすがこのX世界でバルチャーとして生き残ってきたMS乗りだ。
自分が生き残る事に関しては、かなり勘が鋭いらしい。
まぁ、MSを置いて行ったのならそれでいい。
電子部品とかは予備部品として使えるだろうし、腕のいいメカニックがいれば切断した場所を再接続して修理出来るだろう。
情報を聞くには1人いれば十分だし、最後の1人が乗っているジェニスはコックピットが地面の方を向いているのでどうしようもない。
胴体部分が完全に動かず、エネルギーが止まっているのを確認すると、取りあえず胴体はそのままにしておく。
コックピットから出ると、周辺に散らばってる四肢や頭部、ヒートホークを持っていた2機の胴体を空間倉庫に収納し……最終的にこの辺りに残っているのは、マシンガンを構えていたジェニスの胴体だけとなる。
そこまでやってから再びオクト・エイプに乗り込み、最後の1機の胴体を引っ繰り返す。
すると数秒後、チャンスだと思ったのかコックピットが開き……そうになるのを、オクト・エイプの足で踏みつけて止める。
「聞こえているな? 現在コックピットにはビームライフルの銃口を向けている。お前が逃げようとしたら、すぐに撃ち殺す」
そう言うと、外部スピーカーから聞こえた声で俺の本気を理解したのだろう。
パイロットはそれ以上逃げ出したりするような事はないまま、大人しく両手を挙げて降伏の意思を示す。
にしても、世界が違ってもこういう降伏の合図が同じなのは何でなんだろうな。
ある程度までの時間の流れは一緒だから……というのが大きいんだろうが。
そんな風に思いつつ、俺はコックピットから出る。
当然のように、そんな様子を見た敵のパイロットはその隙に逃げようする様子を見せるものの、空間倉庫から取り出した銃を1発撃ち込むと、それで静かになる。
銃で狙われていると知れば、さすがに逃げようとはしないだろう。
いやまぁ、実は俺の射撃の腕がヘッポコだというのを期待して逃げ出すといった選択肢もない訳ではなかったが、それでも失敗した時のことを思えば、ここで逃げ出すような真似をしないのは納得出来た。
「安心しろ。大人しくこっちの質問に答えれば、殺すような真似はしない」
その言葉に安堵した様子を見せるパイロットの男。
別に殺してもいいんだが、ここでこの男1人を殺したところで、経験値的には全く美味しくないしな。
それよりは殺さないと保証して、素直に情報を話して貰った方が得だ。
勿論、情報収集中に妙な動きをしたりすれば、話は別だったが。
動きの止まった男の近くまで移動すると、銃口を向けたまま話し掛ける。
「取りあえずそこから降りてこい。言うまでもないだろうが、ここで逃げるなんて真似は考えるなよ。そうした場合、俺はこのトリガーを引く。これでも射撃にはちょっとした自信がある。弾丸が外れるとは思わない事だな」
PPにより、俺の射撃の数値は300をオーバーしている。
また、射撃だけではなく技量や命中の数値も300オーバーだ。
これらの数値は、MSとかに乗ってる時にも有効だが、生身でも有効だ。
俺の生身での高い戦闘力は、このステータスによるものだったりするんだよな。
「わ、分かった。俺は反抗しない! だから命だけは助けてくれ!」
「素直に情報を口にすれば助けてやる。お前達もここにいたという事は、この辺にあるという連邦軍の基地に来たんだろう? 俺も情報屋からその情報を買ってここに来たんだが、生憎と基地はどこにもない。その辺についての情報は持ってないか?」
「その……基地のある場所は分かる。ただ、それを教えれば本当に助けてくれるのか?」
へぇ、正直なところ駄目元だったんだが、どうやら本当にこの男は基地のある場所を知っていたらしい。
これはちょっと予想外だった。
「ああ、そうだ。お前が素直に基地のある情報を話したら、すぐに逃がしてやる。MSは……まぁ、諦めて貰う事になるけどな」
「そりゃあそうだろうよ。こんな状態にされたら、どうしようもねえだろ」
四肢と頭部を切断されたジェニスを見て、パイロットの男は情けなさそうに言う。
とはいえ、空を飛んでいる俺に向かって最初に攻撃をしてきたのはこいつらだ。
そうである以上、俺としてもそんな相手に反撃しない訳がない。
「納得したのならいい。それで、連邦軍の基地はどこにある?」
「この森を迂回すると丘があるんだが、その丘の向こう側だよ」
丘の向こう側?
そんな場所にあるのなら、空を飛んでいる時に見つけられてもおかしくはない。
そう思った俺の様子に、自分の言葉が疑われていると判断したのだろう。
男は慌てたように口を開く。
「う、嘘じゃねえよ! ただ、丘の向こうだけど半分くらい地下に埋まってるんだ! だから空からだと見つけにくいんだと思う!」
なるほど、地下か。
UC世界のジャブローもそうだったが、地下というのが基地を作るのに向いている。
いやまぁ、下手をすれば地上部分を破壊されてそれで生き埋めになったりするので、そういう意味では危険なんだが。
「な? この情報は本当なんだよ。だから逃がしてくれ!」
「そうだな。ただし……この情報が嘘だった場合、どうなるか分かってるな? 俺のMSの操縦技術は知ってる筈だ。俺から逃げられるとは思うなよ?」
念の為にそう脅すと、男は必死になって何度も頷くのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1830
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1734