「コンピュータの類は……駄目か」
基地の中にあるコンピュータに何らかのデータでも残っていないかと期待したのだが、そもそもコンピュータそのものが動かない。
考えてみれば15年も電源を入れてなかったコンピュータだ。
そのまま動かないといったことは、そう珍しい話ではない。
あるいはコンピュータの故障ではなく、この基地が放棄される時にこの基地のデータが悪用されないようにとデータを消去したり、コンピュータを起動出来なくしていったりしたのかもしれないが。
「なぁ、こういうコンピュータはバルチャー的にどうなんだ? こういうのにも電子部品は使われているだろうし、それなりに商品になるんじゃないか?」
俺と一緒に行動している3人の男達。
ロッソがある意味で俺のお目付役として寄越した3人だったが、俺にしてみればこういうバルチャーとしての判断をする時に助かる。
「商品になるかならないかと言われればなりますが、そこまで大きな商品ではないですね。うちは基本的にMSとかそういうのが主ですから。コンピュータ1台程度では……」
そう言い、首を横に振られる。
商品にはなるものの、そこまで大きな取引にはならないので手間の方が掛かるという事か。
あるいはコンピュータが数十台、数百台くらいあれば、話は別なのかもしれないが。
この基地の規模を考えると、数十台くらいのコンピュータは集まりそうだが、だからといってそんな手間を掛けるよりは他を探した方がいい。
「分かった。コンピュータが起動すれば、データの類が得られただろうに」
「そうですね。他の基地の場所を知る事が出来れば、それは大きな商品です。情報屋に売るなり、あるいは私達で直接探索するなり」
そう言う男の言葉に、別の男が同意する。
「そうっすね。そもそも、最近はそう簡単に基地も見つからないようになってきてますし。その基地のデータでまだ見つかってない基地の位置が分かれば、大もうけなんすけど」
それは俺にも十分納得出来る言葉だった。
そもそも、現在は戦争が終わってから15年も経っている。
勿論、戦後すぐにバルチャーが活動を始めた訳ではないのだろうが、それでもバルチャーという存在が出て来てから結構な年月が経つ。
その間に多くの基地は探索されているというのは理解しやすい。
特にこの基地のように半ば地下基地的な存在になっているのならともかく、そうでない場合は真っ先にバルチャーによって漁られているだろう。
勿論、人口の99%が死んだこの世界だ。
人数に対して基地の数は多いだろうが。
それでもバルチャーが活動すればする程に未探索の基地が減っていくのは事実。
「コンピュータが使えないとなると、次に考えられるのは……やっぱり紙の書類か」
そう言いながら部屋の中を見回すが、棚にあるファイルとかはそこまで重要そうではない。
15年前の紙なので湿気でカビが生えていたり、あるいは色が変わっていたりするものの、それでもまだ十分に使えるのは間違いない。
間違いないものの、それでも今のこの状況では俺が欲しいと思う情報が書いてる書類の類はなさそうに思えた。
……まぁ、重要書類とかだったら、無造作に棚に置いておくとかはしないか。
それこそ基地から脱出する時に持ち出すなり、あるいは処分するなりといった真似をしてもおかしくはない。
「そっちも無理そうですね。こうなると、やっぱりMS……とまではいかずとも、何らかの動く機械が見つかればいいんですが。そうすれば、それなりに修理して売り飛ばす事も出来ますし。機械の種類によっては、かなりの価値がありますよ」
「機械ね。車とかバイクとか、そういうのがあればよさそうだけど。俺も1台くらいは欲しいし」
影のゲートによる転移があるが、それは迂闊に使えない。
かといって、少しの移動にもオクト・エイプを使うのもちょっと大袈裟だ。
そういう意味では、車やバイクの類があれば助かる。
「そうですね。車とかバイクはかなり需要があります。それに基地ですからかなり置かれていてもおかしくないです」
どうやら車やバイクはコンピュータよりもお宝らしい。
「そうなると、こういう場所じゃなくて倉庫とかを探した方がいいかもしれないな。こういうコンピュータとかがある部屋を探してもお宝は入手できそうにないし」
「そうですね。私達はアクセルさんの指示に従うので、アクセルさんがいいと思ったように行動すればいいかと」
そう言われ、このまま部屋にいても特に何かお宝の類はないだろうと判断して部屋から出る。
すると俺と一緒に行動している男が、部屋の扉に×を書いていた。
一体何を? と思った俺の視線に気が付いたのだろう。
ペンを握っていた男は少し照れた様子で口を開く。
「こうしておけば、この中には特に何もないというのを分かるので、仲間がまたここを探すという二度手間をしなくてすみますから」
「なるほど、そういう事か。なら、次に行くか。他の場所を探して何かいいお宝を見つけたいしな」
それこそ、やっぱりMSとか……戦闘ヘリとか、戦闘機とか、そういうのがあればいいんだけど。
とはいえ、この基地を破棄した時にそういうのは持っていった奴がいてもおかしくはない。
移動するにも何か乗り物があった方がいいのは間違いないのだから。
そうして俺達が基地の中を移動していると、通路の先から誰かがやって来るのが分かる。
「止まれ」
「……どうしました?」
突然俺が止まれと言った事に驚いたのか、3人の男はこちらを見てくる。
「敵……かどうかは分からないが、こっちに近付いてくる奴がいる。普通に考えれば、俺達よりも先に来ていたバルチャー達だろうな」
あるいはロッソとは違って話を通さずに基地の中に侵入してきた別のバルチャーという可能性もある。
その辺は実際に会ってみないと何とも言えない。
「なるほど。では、どうします? 接触しますか? 上手くいけば何らかの情報を入手出来るかもしれませんが」
「接触するかどうか、か。そうだな、接触してみた方が手っ取り早いか」
俺に向かって尋ねてきた男にそう返す。
俺達よりも先にここに来ていたバルチャーは、ロッソに恩を感じている奴だ。
そうである以上、その部下もロッソの仲間の俺達――俺は雇われのMS乗りだが――に対しても友好的に接すると思う。
「分かりました。ただ、一応言っておきますが攻撃をしてくる相手がいるかもしれないので、気を付けて下さい」
「俺はともかく、ロッソの部下のお前達に攻撃してくるのか?」
「可能性は否定出来ません。バルチャーを率いている人物が親分と友好的だからといって、その部下も同じく友好的とは限りませんから」
なるほど。寧ろそういう場合は、自分達を率いている男が友好的なのが気にくわない……といったような者がいてもおかしくはない。
そういう連中にしてみれば、表立って俺達と敵対するような真似は出来ないものの、この基地の中で不意に遭遇して敵だと思って攻撃したといったような真似は出来る訳か。
かといって、それに大人しくやられるつもりはないが。
「向こうが攻撃してきたら反撃するけど、こっちから攻撃するような真似はするなよ」
俺の言葉に3人が頷くのを確認してから、人の気配がする方に向かう。
すると数分も経たずに、やがて10人程の集団が姿を現す。
「どうだ?」
「先に到着していたバルチャー達です。通信で見た顔がありますから」
俺と一緒に行動している男がそう言ってくる。
向こうもまた、いきなり姿を現した俺達を警戒した様子だったが、少し話すとその警戒心は消える。
勿論、完全に警戒心が消えた訳ではなかったが。
「あんた達は、ロッソさんの部下だよな?」
向こうの1人が、そう尋ねてくる。
言葉に敵意や殺意の類がないのを確認し、俺は頷く。
「ああ、そうだ。この基地で何かお宝がないかと思って探していたんだが……今のところは特に何か大きなお宝は見つかっていない」
コンピュータの類は見つけたが、それは1つや2つでは大した稼ぎにならないって話だし。だからこそ、俺としては出来る限りきちんとしたお宝を見つけたかった。
「そうか、そっちもか。こっちも基地の中を探してるんだが、これといったお宝はないんだよな。ちょっとしたお宝程度ならあるんだが」
はぁ、と溜息を吐く男。
この様子を見ると、向こうでもどうやらあまりいい状況ではないらしい。
勿論、それはあくまでもこの辺りでの話だ。
こことは別の場所……倉庫とかでは、MSとかが見つかっている可能性が高い。
そのような状況である以上、個人としてはともかく、純粋なバルチャーとしてはそんなに悪い状況ではない……と思う。
「やっぱりこういう基地だと、主な戦利品はMSとかそういうのだよな。こういう建物の方には、あまりいいのがないようだし」
俺の言葉に、その通り! と男は頷く。
「そうなんだよ。だってのに、それでも念の為にこういう場所も探してこいって言われてよ。……どうせなら倉庫とかそういうのを探したいってのに。あんたもそう思わないか?」
「ああ、俺もそれは否定しない。ただ……お前に基地の施設の探索を命じた理由も分からないではないけどな」
そう言い、軽く壁を叩く。
俺達が来た時、既にこの基地の探索を始めていたバルチャーにしてみれば、ここは手つかずの基地だ。
いやまぁ、情報屋から買った情報である以上、当然ながら情報屋が……あるいは情報屋にこの基地の情報を売った奴が大雑把に調べているという可能性は否定出来ないが。
とにかく自分達が最初に到着した以上、最初の探索で少しでも多くの商品を見つけたいと思うのは当然だろう。
だからといって、俺やこの連中の様子を見れば分かるように、そう都合よく何らかの商品になるような物があるとは限らないのだが。
「とにかく……あんた達がそっちから来て、特に何も持ってないって事は、何もなかったんだよな?」
「ああ。俺達が探した限りでは、特にそういうのは見つからなかったな」
あるいは基地という事で隠し通路とかそういうのがある可能性も否定は出来ない。
スライムを使えばそういうのを見つける事も出来るんだろうが……まさかロッソの部下がいる状態で探すといったような真似が出来る筈もないしな。
「そうか。なら、俺達は戻るよ。あんた達とはぶつからないように言われているし」
そう言うと、男達は元来た道を戻っていく。
それを見送ると、俺もまた一緒に行動している3人に言う。
「向こうが戻る以上、俺達も戻るか。あの連中がやって来た以上、向こうにもお宝の類はなかったんだろうし」
「そうですね。本来ならブラフとしてやって来たのでは? と疑ってもいいんですが……親分に対しての態度を考えると、そういう真似をするようには思えませんし、問題ないと思います」
その言葉に俺達も元来た方に戻っていったのだが……不意に遠くで爆発音が聞こえてきた。
「これは爆発音? 一体何がどうなったか分かるか?」
そう聞くも、当然のように3人は首を横に振る。
俺と一緒に行動していたのだから、何が起きたのかというのを分かる筈もない。
爆発音は1回だけではなく、続けて何度も起きている。
それが何なのかは、考えるまでもなく明らかだった。
それはつまり……戦闘。
考えられる可能性としては、幾つかある。
その中で有力なのは2つ。
1つ目は、俺達が来た時にはもうここにいたバルチャーが、何らかの理由……ロッソの部下がかなりのお宝を見つけて、それを自分達の物にしたくて攻撃を仕掛けてきた場合。
だが、これはあのバルチャーがロッソを尊敬しているのを思えば、可能性は低い。
だとすると……2つ目の先にいたバルチャーやロッソ以外のバルチャーが遅れて基地に到着したが、先に俺達がいたから攻撃してきたというものだろう。
攻撃をするよりも前に、交渉をしないのか?
それこそ、ロッソのように。
そう思ったが、ロッソが基地を探索する許可を貰えたのは、バルチャーの中でも一目置かれているロッソだからだ。
その辺のバルチャーが基地を探索したいと言っても……多分、それが許可される事はないだろう。
あるいは許可されても、相応の見返りを要求されるか。
そしてバルチャーの中には盗賊稼業を行っている者もいる。
そのような者であれば、それこそ交渉をするよりも攻撃して倒してしまえばいいと考えてもおかしくはない。
勿論、これはあくまでも俺の予想だ。
もしかしたら間違っている可能性もあるが……それでも、可能性としてはかなり高いと思っている。
「取りあえず外に行くぞ。戦いになっているのなら、MSの戦力は必要となる」
「分かりました、急ぎましょう!」
男が俺の言葉に頷くと、すぐに走り出す。
……が、別に転移魔法とか瞬動といった特殊な移動方法を使わなくても、俺は素の状態で十分に高い身体能力を持っている。
3人を置き去りにして基地の通路を走り抜け……そして扉から出た俺が見たのは、予想通りの光景だった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1830
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1734