「さて、そろそろ炎獣と遊ぶのもいいだろう?」
そう言い、指をパチリと鳴らすと炎獣は姿を消す。
それを見て何人かの口から残念そうな声が出たものの、それは取りあえずスルーしておく。
今は炎獣と遊ぶのではなく、俺がしっかりと魔法を使えるということを認識して貰う必要があったのだから。
そういう意味では、炎獣はもう十分役目を果たしたのは間違いない。
「うむ。それが本当に魔法なのかどうかは分からん。分からんが、それでもアクセルが私達には理解出来ないような力を使えるのだというのは理解出来た」
ジャミルが少しだけ落ち着いた様子でそんな風に言ってくる。
普通、魔法をその目で見れば驚いたりすると思うんだが。
なのに、特に驚いた様子もなく落ち着いた様子だというのは少し疑問だ。
「驚いたな。魔法をその目で見たんだし、もっと驚くかと思ってたんだが」
「この世界において、不思議な事は幾らでもある。かつて、私は時を見た。それと比べれば、魔法があると言われてもそこまで驚くような事はない」
時を見た、ね。
以前に似たような事を聞いた覚えがあるな。
まぁ、今はそれよりもっと別の事を考えた方がいいのは間違いないか。
「取りあえずジャミルはそこまで驚かなかったが、魔法があるというのは認識出来たと思う。これもシャドウミラーが接触している世界にそういう世界があり、その世界で手に入れた技術だ」
「少し、よろしいでしょうか?」
炎獣を愛でていた時とは打って変わって真面目な様子でサラが声を掛けてくる。
話を聞く前に、何を言ってくるのかは何となく予想出来たので、その機先を制するように口を開く。
「魔法というのは技術だ。習得しようと思えば誰でも習得出来る。とはいえ、技術である以上、一定以上の魔法を使うには才能が必要になるが」
このX世界で例えるのなら、MSの操縦が分かりやすいだろう。
ある程度真面目に習えば、誰でもMSに乗る事も普通に歩いたりする事も難しくはない。
しかし、MSを使った戦闘でエース級の活躍をするには、当然ながら才能が必要だ。
魔法を使うのも、これが分かりやすい説明となるだろう。
本当に才能がある奴なら、初めて乗ったガンダムでザクを倒すといったような真似も出来るが、当然ながらそんな真似が出来るのは一握りだけだ。
普通なら初めてMSに……しかも最新鋭のガンダムに乗っても、それを自由に動かすような真似は出来ず、ザクを倒すなどという真似は出来ないだろう。
取りあえずガンダムに乗っていてればルナ・チタニウム合金によって高い防御力を持っているので死なないだろう。
とはいえ、動けない場合は最悪敵のザクに鹵獲されてしまうかもしれない。
……いや、今はそういう事を考えている場合じゃないか。
「才能ですか。その才能というのは、すぐに分かるのですか?」
「どうだろうな。実際に魔法を使ってみれば分かるかもしれないが」
エヴァ辺りに見せれば、もしかしたら才能の有無というのは分かるもしれない。
俺の場合は……うん。スライムによって麻帆良に侵入してきた魔法使いを吸収して、それで魔法を使えるようになった変わり種だしな。
X世界において、俺の真似をしろというのはまず不可能だろう。
しかも今となっては、混沌精霊になったおかげで基本的に魔法の詠唱は必要ないし。
召喚魔法の時は刈り取る者以外を召喚する時は、詠唱が必要だが。
「それでは、すぐに才能が分かるという訳ではないのですね」
俺の説明に残念そうな様子を見せるサラ。
もしかして、サラは魔法に興味があったのか?
とはいえ、このX世界においても魔法というのは使えれば便利なのは間違いない。
MSを相手に魔法でどうこうというのは、相応の技量の持ち主でなければ意味はないだろう。
しかし、人と戦うといったような事も珍しくはないのだ。
であれば、そういう時に魔法を使えればかなり便利なのは間違いない。
ましてや、基本的にこの世界に魔法は存在しない。
それだけに、人と戦う時に魔法というのは大きなアドバンテージとなる。
さっきオルテガも魔法を習いたいといったような事を言っていたのだが、勉強しなければいけないと言った瞬間にオルテガは魔法を諦めた。
だが、サラの性格を考えれば勉強は進んでやるだろう。
俺がサラと会ってから、まだそこまで時間は経っていないし、その性格も完全に理解している訳ではない。
それでも短い時間でもサラと接していれば、その性格を十分に理解出来てしまう。
「ああ。ただ、魔法を習得するには勉強は必須だ、それをどうにか出来れば、いずれは魔法を使えるようになる……かもしれないな」
実際ダンバイン世界において、ガラリアは魔法的な力を使った事がある。
それを思えば、このX世界においても魔法は使えると思う。
……ただ、ネギま世界の魔法というのは基本的に精霊から力を借りる魔法だ。
その上でこのX世界は前大戦において、多数のコロニーが落とされており、それは自然に大きな被害を与えている。
そのようなことになっている以上、精霊の力を借りる魔法をX世界で使うというのは少し……いや、かなり難しいだろう。
逆に言えば、このX世界で自由に魔法を使えるようになれば、他の世界でも殆ど問題なく魔法を使えるということになる。
まぁ、サラを含めてX世界の面々が他の世界に行く事があるのかと言われれば、ちょっと難しいだろうとは思うが。
何しろこのX世界には国とかがないし。
「そうですか。ありがとうございます」
魔法についての質問は終わったらしく、サラは感謝の言葉を口にして頭を下げてくる。
「魔法が使いたくなったら言ってくれ。こっちも対応はさせて貰うから。……取りあえず魔法についてはこれでいいとしてだ。俺達についての話もこれで理解出来たと思ってもいいよな?」
「うむ。まだ完全にアクセル達を理解したとは言わんが、それでもある程度は理解出来たと思う。それで質問なのが、アクセル達はこれからどうするのだ?」
「どうするか……か。正直なところ、まだどうするのかと決まってはいない。ただ、出来ればフリーデンと行動を共にしたいとは思う」
「……私達と?」
これはジャミルにとっても予想外の言葉だったのだろう。
サングラスをしていても、驚いていると分かる様子でジャミルがそう言ってくる。
「ああ、そのつもりだ」
「何故、と聞いてもいいか?」
何故、か。
フリーデンがこの世界の原作で中心となる存在で、恐らくはだがガロードがこの世界の主人公だからというのは、まさか言う訳にもいかない。
この世界が実は原作ありきの世界だというのは、もしそれを聞いたらジャミルやサラにとって面白くはないだろうし、何よりも例えこの世界が原作ありきの世界であったとしても、俺に原作知識がない以上はそれを言う必要もない。
そうなると、もっと別の理由が必要となる。
幸い、その別の理由というのは特に考えるまでもなくはっきりとしていたので、俺はその理由を口にする。
「フリーデンにはティファがいる」
そう言ってティファを見ると、ティファは俺を視線が合った瞬間、机の後ろに隠れる。
炎獣を愛でている時は机から出ていたんだが。
とはいえ、隠れつつもティファの俺を見る目に恐怖や嫌悪といった色はない。
つまり、隠れはするものの、決して俺を嫌っている訳ではないのだろう。
それがせめてもの救いか。
「……ティファの力か?」
「ああ。とはいえ、ティファを調べるとか、そういうつもりはないから安心してくれ」
ティファを調べると言えば、ガロードは間違いなく敵に回る。
ジャミルも恐らくは。
それでもティファの負担にならない程度の検査はいずれやりたいとは思っているのだが、それはティファが俺を怖がらなくなってからだな。
「ならば、何故?」
「ティファを狙ってやってくる奴は多い。そういう奴の中には、ニュータイプ能力を研究してる奴もいるだろうし、俺達にとって未知の技術を持っている者もいる筈だ」
これは原作云々というのを説明しない為の理由ではあるが、同時に真実でもある。
それを示すかのように、今回の一件でティファを助ける為に行動をした事によってヴァサーゴを入手している。
ベルフェゴールの後継機で、フラッシュシステムが搭載されていない……あるいは搭載されていてもGXと同じく機体の操縦系にフラッシュシステムが関わっていないので、ニュータイプではない俺でも普通に操縦して万全の性能を発揮出来る。
そういう意味で、今回の収穫が大きかったのは間違いない。
出来ればオルバが乗っていたアシュタロンの方も欲しかったのだが。
ティファの乗っているフリーデンと行動を共にしていれば、もしかしたらまたオルバが襲ってくる可能性がある。
出来れば部品取り用にヴァサーゴの予備機とかも欲しいんだが。
まぁ、部品がなくなったら基地に戻ってそこで部品を製造すればいい。
普通に考えれば、そんな風にMSを運用するのはコスト的な問題で大赤字となってもおかしくはない。
しかし、幸いなことに俺は基地を1つ所有している。
それもその辺にある基地ではなく、UC世界のジャブロー程ではないにしろ、地下にかなり広がっているような基地だ。
連邦軍にとっても、間違いなく重要な基地だったと思われる場所。
そこにあるのはドートレスの生産工場だったが、ヴァサーゴがベルフェゴールの後継機という事は、分類上連邦軍系のMSとなる。
そうである以上、ドートレスの生産工場である程度はヴァサーゴの部品を製造出来る筈。
もしその生産工場でも無理なら、ホワイトスターに戻って技術班に頼めばいい。
……技術班が妙な真似をしなければ、俺にとっても非常に楽なのだが。
その辺はレモンにしっかりと見て貰っておけば大丈夫だろう。
未知のMSを入手してもある程度補給とか部品とかはどうにでもなる。
シャドウミラーの力があってこその事だが。
「その未知の技術が目当てな訳か。アルタネイティブ社との戦いで入手したMSのように」
「そうなるな。特にあのMS……ヴァサーゴは俺が使っていたベルフェゴールの後継機らしい。しかもありがたい事に、フラッシュシステムは搭載しているが、ベルフェゴールと違って機体制御や武器制御ではなく、もっと別の事に使われているらしい」
そう言った瞬間、サングラスを掛けていても分かる程にジャミルの表情が厳しくなった。
何か思い当たる事があるんだろうが、この様子だと詳しく聞こうとしても多分無理だな。
「そういう意味で、俺がフリーデンと行動を共にする事には意味がある。それに……そっちも、俺達が一緒に行動するとなるとメリットは大きいと思うぞ?」
「むぅ……」
俺達が一緒に行動することによるメリットは、本当に大きい。
最大のメリットは、言うまでもなく戦力だろう。
俺はベルフェゴールからヴァサーゴに乗り換えてMSの性能を最大限に発揮出来るようになった。
そしてシーマを始めとする異名持ちやニュータイプが揃っている……それこそ精鋭中の精鋭のMSパイロット。
特にシーマ達の実力がどれだけのものなのかというのは、アルタネイティブ社との戦いの時にしっかりと見て理解している筈だ。
それ以外にも、テンザン級は陸上戦艦の中で最大級だ。
搭載出来るMS数や最大出力もフリーデンを上回っている。
それでいながら、機動性も決してフリーデンには劣っていない。
そういう意味では、戦力として非常に大きな意味を持つし、搭載量が多いという事は、連邦軍の基地を探索した時に見つけたMSやその部品、あるいは武器……といった諸々を厳選しなくてもよくなる。
そんなメリットを理解しているからこそ、ジャミルも俺の言葉に悩んでいるのだろう。
「艦長……」
そんなジャミルを、サラが心配そうに眺めていた。
サラにしてみれば、ジャミルがどのようなことを考えるのか分からないので、何とも言えないのだろう。
このままジャミルを悩ませておくのもいいが……さて、どうしたものか。
「すぐに決められないのなら、取りあえずお試し期間として考えてはどう?」
と、モニクがそんな事を口にする。
なるほど、いわゆるお試し期間か。
協力体制を取る以上、お互いに色々と知っておかなければならない事も多い。
期間を限定しておけば、その間にお互いの流儀や性格なんかも理解出来る。
……少し不安なのは、ウィッツとロアビィがどうなるかだな。
原作知識はないが、2人ともガンダムを使っている以上は原作キャラの可能性が高い。
そしてフリーデンに雇われているというのを考えると、多分戦力の補強として雇われたんだろうが……俺達がフリーデンに協力すれば、当然ながら戦力不足になるという事はない。
そうなと、ウィッツとロアビィがどうなるのか。
それが心配だった。
しかし、その対策を考えるよりも前に、ジャミルは口を開く。
「分かった。では、取りあえずそのようにしよう」
こうして、俺達は暫くフリーデンと行動を共にする事になったのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1910
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1750