メンテ親父から色々と情報を聞くと、次に俺が向かったのは情報屋だ。
サン・アンジェロ市は相応に大きな街だけに、情報屋の類もそれなりにいる。
当然だが情報屋全員と知り合いという訳ではない。
情報屋とはいえ、その技量――という表現がこの場合相応しいのかどうか微妙だが――には違いがある。
中には情報屋というのは名ばかりで、ろくに裏付けもされていない街中の噂を情報として売っているような者もいた。
当然の話だが、俺が向かったのはそういう腕の悪い情報屋ではなく、しっかりとした情報を持っている情報屋だ。
とはいえ、当然の話だが腕のいい情報屋が売っている情報というのは、金額も高い。
……腕の悪い情報屋もそれなりにやっていけるのは、情報が正確ではなかったり、古かったりする代わりに、情報の料金そのものは安いからという一面もあるのだろう。
あるいは情報屋が本職ではなく、趣味でやっているとか。
この戦後世界で本職以外に趣味で情報屋をやるような余裕がある者はそう多くはないと思うが。
「お、アクセルじゃねえか。どうしたんだ? まだ探索してない基地の情報はないぞ。探索が少ししかされてない基地の情報ならあるけど」
今までにも何度か利用しており、金払いのいい客という事もあってか、情報屋は俺をきちんと覚えていた。
フリーのMS乗りではなく、きちんとバルチャーとして活動する為の仕事を紹介してくる辺り、俺がもうフリーのMS乗りではなくテンザン級に乗ってバルチャーとして活動しているのは知ってのだろう。
当然か。俺は以前サン・アンジェロ市にテンザン級に乗って来ているし、今回もテンザン級に乗っている。
元々テンザン級は陸上戦艦の中でもトップクラスの大きさや性能を持つが、それだけにコストも高い。
だからこそ、連邦軍もそこまで大量に作る事はなく……ましてや、そうして製造されたテンザン級も、結構な数が宇宙革命軍との戦闘で破壊された。
そういう意味では、今この状況でテンザン級というのは非常に少ないのだ。
バルチャーをしている者の多くが憧れるというのは、伊達じゃない。
そんなテンザン級に俺が乗っているというのは、この情報屋程の腕があれば調べるのは難しくはないだろう。
ましてや、俺達はドートレスやオクト・エイプを売るといったような商売もしてるのだから。
いや、MSを売る事そのものは、バルチャーとしては珍しくない。
珍しくないどころか、バルチャーとしては一般的な商売なのだ。
だが、俺達が普通のバルチャーと違うのは、扱うMSの数と質。
普通のバルチャーは、それこそ基地を探索したり、あるいは敵対するバルチャーやフリーのMS乗りを倒して入手したMSを修理したり整備したりして売っている。
つまり、場合にもよるが基本的に一度で扱えるMSの量はそこまで多くはない。
しかし俺達は違う。
基地にMSの生産設備があり、それを修理して使えるようにしたのが大きい。
基地に放置されていた、戦後15年整備もされていない……新品でも中古品でもない、いわゆる新古品と呼ばれるようなMSとは違い、正真正銘の新品だ。
出来たばかりだけに、経年劣化による部品の損耗とかもない。
ましてや、連邦軍で使われていたドートレスだけではなく、高性能なオクト・エイプも売りに出している。
そういう意味では、買う方にしてみれば非常にありがたい存在だろう。
……もっとも、それは他のバルチャーにしてみれば俺達が邪魔に思えるという事を意味してもいるのだが。
基地に攻め込んでくる奴がいないといいんだが。
もしいた場合は、それこそ俺達にとって有益な資源となるだけなんだが。
「いや、俺が今日来たのは基地の情報についてじゃない。ジャミル・ニートってバルチャーを知ってるか?」
「ああ、知ってる。腕のいいバルチャーだろ? それも盗賊とかそういう真似はしない、本当の意味での生粋のバルチャー」
分かっていたが、やっぱりジャミルの評判はいいみたいだな。
だからこそ、アルタネイティブ社の時にはロッソを始めとして、名前の知られているバルチャーが無条件で助けに入ったんだろうが。
「そうか。で、実はそのジャミルがこの近くにいるらしいが、それについて何か知らないか?」
「知ってるぞ。というか、ちょっと前に入ってきた情報だけどな」
情報を知る事が出来るかどうかといった風に迷っていたのだが、そんなのは全く気にした様子もなく、情報屋はそう言ってくる。
いや、でも考えてみれば無理もないのか?
ガロードとオルバがいて、どういう理由なのかは知らないがサン・アンジェロ市を飛び出していったんだ。
一体何があってGXを売ろうとしたのかは、分からない。
だが、ガロードがティファに惚れているのだけは間違いない。
つまり、ティファの身が危険……フリーデンが攻撃を仕掛けられているような場合、ガロードが飛び出していってもおかしくはない。
そして腕利きの情報屋なら、その辺りの情報を知っていてもおかしくはないか。
「それで、どういう情報だ?」
「言っておくが、この情報は高いぞ? 少し前に入ってきたばかりの、新鮮な情報だからな」
「情報料はしっかりと払う」
実際、俺が持っているこの世界の金はあまり使い道がない。
ゲートを設置する前なら、まだそれなりに使い道もあったのだが。
だが、今は何か欲しい物があればゲートを使ってホワイトスターから、あるいはホワイトスターと繋がっている異世界から入手する事が出来る。
そのような状況だけに、この世界の金は使い道がない。
……フリーのMS乗りとして活動していた時に情報料を惜しまなかったのは、情報の重要さを知ってるからというのもあるが、この世界の金はそこまで必要じゃなかったというのもある。
そんな訳で、情報屋が納得するだけの金額を渡す。
「ヒュー。さっすがアクセル。情報の重要さを理解しているな。客が全員お前さんのような人なら、俺達も色々と楽なんだが」
渡された金額に満足そうな様子を見せる情報屋。
そんな情報屋に向かって、改めて尋ねる。
「それで、ジャミル達が現在いる場所は?」
「ジャミル・ニートかどうかは分からないが、アルプス級に乗っているバルチャーをザコットが襲撃してるらしいぞ」
ザコット? 聞いた事があるようなないような……あ、思い出した。
って、おい? それはちょっと不味くないか?
俺の記憶が確かなら、ザコットというのはエニルが雇われているバルチャーの筈だ。
以前ちょっとその辺の話をエニルから聞いた覚えがある。
ゲートを設置した基地を俺が入手した時の騒動において、エニルも最初に集められた腕利きのMS乗りの1人だった。
結局その時は他に仕事があるからという事で断っていたんだが……もしかして、フリーデンへの襲撃にエニルも混ざっていたりしないよな?
ちなみにアルプス級というのはフリーデンの艦種だったりする。
俺が乗ってるのがテンザン級と呼んでるのと同じだな。
フリーデンというのは、いわゆる艦の愛称といったところか。
そう考えると、俺の乗っているテンザン級や、そして基地にも何らかの名前をいい加減に付けた方がいいんだけどな。
「それで、戦いになっている場所は?」
そう聞く俺に、情報屋はとある場所の名前を口にする。
「とはいえ、これは俺が情報を入手した時の話だ。戦いの中で戦場が移るのは、そう珍しい話でもない。もしかしたら、もう別の場所に移動して戦っているかもしれない」
「かもしれないな。とにかく、今はまずその場所に行ってみる」
正直なところ、ザコットが何を考えてフリーデンを襲っているのかは分からない。
ロッソを始めとして、ジャミルと友好的な……そして影響力があったり、高い戦闘力を持つバルチャーはかなり多い。
ジャミルを敵にするという事は、そういう連中をも敵に回すという事なんだが。
ロッソとかを敵に回してもどうにかするだけの自信があるのか?
いや、俺が知ってる限りではザコットはそこまでの力はない筈だ。
だとすれば、単純にジャミルの人脈を知らないとか、そんな感じか?
ただし、ガロードがサン・アンジェロ市に来て、よりによってGXを売ってるとなると……フリーデンの戦力は殆どない。
俺が初めてフリーデンに近付いた時のように、フリーデンにも武装はある。
あるのだが、それは自衛とかに使えるような貧弱な武装でしかない。
とてもではないが、エニルを含めてMSを戦力として擁しているザコットを相手に勝つ事は出来ないだろう。
あるいは逃げるといった真似が出来るかもしれないが。
「おう、まあ気を付けてな。……そうそう、アクセルが拠点にしているっていう基地なんだが、俺も含めて何人かそっちに顔を出してみたいって奴がいるけど、どうだ?」
「今はまだ止めた方がいいな。基地の整備中だし、自動迎撃装置もある」
「あるのか? それはお前が壊したって聞いたが」
誰から聞いた?
そう言おうとしたが、考えるまでもなく明らかだろう。
あの基地で逃げていった奴の誰かが情報屋に情報を売ったのだろう。
ロッキー級やMSはその大半を俺が奪ったのだ。
逃げた連中は少しでも金が必要であり、その時点で金になる物となると、あの基地での一件を情報屋に売るといったようなことが一番手っ取り早い。
この情報屋も、そういう感じで情報を購入したのだろう。
「壊したのは間違いないが、修理した。何しろ俺の拠点となってる場所にはMSの生産工場があるんだ。他にも色々とバルチャーにとって美味しい諸々がある。それを知れば、バルチャー……半ば盗賊のバルチャーとかが襲ってくる可能性が高いだろ」
何しろ、上手くいけば新品のMSを……それも高性能な量産型MSとして知られているオクト・エイプを入手出来るかもしれないのだから。
俺が初めてサン・アンジェロ市にやって来た時に絡んできた奴、あるいはガロードを襲ってGXを入手しようとした奴。これは同一人物なんだが、MSを欲しているこういう奴にしてみれば、オクト・エイプを奪えるかもしれないというのは魅力的だろう。
もっとも、自動迎撃装置以外にも量産型Wやコバッタが護衛をしているので、そう簡単に侵入は出来ないのだが。
「そうかもしれないな。だが……そうなると、もしかして近付く奴は問答無用で襲ってくるのか?」
「いや、俺の仲間だという識別信号が出ていれば問題ない」
「それ……普通に考えて、そう簡単に入手出来ないんじゃないか?」
「他には、俺達の誰かと一緒に行動するとか」
これが一番手っ取り早いだろう。
精霊の卵のエルフ達は、基地にあった陸上戦艦を使って行動している。
MSを売り歩いたりとかな。
そういう連中と上手い具合に話を纏められれば、基地まで一緒に来るといった事も出来る……かもしれない。
この世界で一体シャドウミラーがどれだけ大規模にバルチャーとして活動するのかは分からないが。
ただ、あの基地には陸上戦艦が結構な数あり、精霊の卵のエルフ達は全員が相応の技量を持つパイロットで、基地にはMSの生産設備がある。
そう考えると、シャドウミラーはかなり大規模に行動出来るのは間違いなかった。
出来れば北米だけではなく、南米、オーストラリア、ヨーロッパ、アジア……といった方にも勢力を伸ばしたいとは思ってるんだが。
もしかしたら、俺が見つけた基地のようにテンザン級やベルフェゴールのようなガンダムが多数保存されている基地とかがある可能性も否定出来ないし。
「なるほど。……なら、今度ちょっと顔を出しに行ってみてもいいか?」
「それは構わないけど、言っておくが妙な場所に入ったりしたら即座に殺されるぞ?」
これは大袈裟でも何でもない。
ブラックホールエンジンを使った発電施設や、オクト・エイプの生産もしているMS工場、そして何よりホワイトスターに繋がっているゲート。
あの基地には、この世界の者に……フリーデンの面子のような信用出来る相手以外には、出来るだけ知らせることが出来ない機密がたくさんある。
俺が懇意にしていた情報屋だからといって、許されるといったことはまずないだろう。
「そ、それは……」
情報屋は言葉に詰まる。
多分、基地に来て情報屋として売り出せる情報が欲しかったんだろう。
それは分かるが、だからといってそれを許したら色々と不味いし。
「それでもいいのなら、サン・アンジェロ市に寄った連中に頼んでみたらいい」
話を終えると、俺は情報屋の前から去る。
フリーデンのいる場所も分かったし、そっちに向かうとしよう。
幸いなことに、情報屋から聞いた座標はサン・アンジェロ市からそこまで離れていない。
……情報屋と話している暇があったら、とっととそっちに向かった方がよかったのかもしれないな。
ただ、情報屋との話はこっちにとっても色々と利益があるのは事実だ。
実際に色々と情報を入手出来たし。
情報屋もその辺は分かっていて、お得意さんの俺にサービスをしてくれたといったところか。
そんな風に考えながら、俺はテンザン級に戻るのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1910
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1750