アシュタロンがいなくなったのを確認すると、次にどうするべきかを悩む。
ここはやっぱり、地上にいる敵を攻撃した方がいいのか?
GXが青いジェニスに襲われているのを見れば、そっちに手を出した方がいいような気がしないでもない。
あの青いジェニスは、他のMSと違って火炎放射器を装備していないというのもあるが、それを抜きにしても動きがいい。
結構な腕利きが乗っているのだろう。
ガロードもMSの操縦はそれなりにこなせるようだが、それでも今はまだGXの性能に助けられて、何とかやり合っているといった感じだ。
「その前に、回収すべき物は回収しておくか」
呟き、俺が向かったのは地上。
目当ての物は、そう時間を掛けずに見つかった。
ヒートワイヤーによって切断された、アシュタロンのアトミックシザーズ。
正確には、アトミックシザーズの先端部分。
これがヴァサーゴの改修に役立つのかは分からない。
だが、もし使えないようならキブツに入れてしまえばいいだけなので、そういう意味では俺には特に問題ないんだよな。
アトミックシザーズの先端を見つけると、コックピットから出て空間倉庫に収納する。
そして再びヴァサーゴで空中に浮かぶと……
「何だ、あれ?」
ヴァサーゴの映像モニタに表示された映像を見て、そんな風に呟く。
それは、木々を押しのけるようにして、フリーデンのいる方に進む陸上戦艦の姿だった。
それも、初めて見る陸上戦艦だ。
少なくても基地には置いてなかったし、他のバルチャーと接触した時でもあんな陸上戦艦を見た事はない。
とはいえ、その陸上戦艦の狙いは理解出来るが。
多分、あの陸上戦艦は湖の側に隠れていたのだろう。
火事を嫌って近付いて来たフリーデンを待ち伏せする為に。
しかし、フリーデンは俺やティファの行動によって湖に行く事はなかった。
それはつまり、あの陸上戦艦……正確にはそれに乗っているザコットは湖で待ちぼうけさせられてしまったのだろう。
だからこそ、今のこの状況において湖にいてもフリーデンは来ないと判断し、こちらに向かってやって来たといったところか。
とにかく、未知の陸上戦艦だ。アシュタロンは入手出来なかったが、あれは入手しておきたい。とはいえ、陸上戦艦を鹵獲するのはそれなりに面倒なんだよな。
MSならコックピットを押さえてしまえばパイロットが1人だから問題ないが、陸上戦艦の場合はブリッジを押さえても砲座とかに人がいると、それを無視してこっちに攻撃してくる可能性があるし。
「フリーデン、湖の方から来ている敵に気が付いてるか?」
『はい。レオパルドをそちらに向かわせています』
即座にサラからの通信が返ってくる。
どうやら、フリーデンの方でも気が付いていたらしい。……当然か。
陸上戦艦が近付いてくるのだから、それに気が付かない筈がない。
「相手はMSもいるから、レオパルドだけだと厳しいだろうし、俺もそっちに向かう」
『ありがとうございます、助かります』
レオパルドは、W世界のヘビーアームズと似た系統のガンダムだ。
もっとも、足裏にローラーがあるので、純粋な機動力という点ではヘビーアームズよりも上だが。
動く弾薬庫的な機体である以上、雑魚を殲滅するにはかなり有利なのは間違いない。
間違いないんだが……こうしてフリーデンを助けている以上、報酬は欲しい。
その報酬として、あの未知の陸上戦艦やジェニスは出来るだけ確保しておきたかった。
「ロアビィ」
『うん? おや、アクセル。どうしたんだい、こっちに来て』
「あの陸上戦艦と……MSもだな。その対処だよ」
『ありゃりゃ。俺だけで十分なんだけどねぇ……ま、助けて貰えるのなら助けて貰いましょ』
そう言うロアビィの操るレオパルドの側に、ヴァサーゴで移動する。
「あの陸上戦艦は俺がやる。MSの方は任せるが、それでいいか?」
『おや、こっちが随分と楽だけど、いいのかい?』
少しだけ意外そうな表情のロアビィ。
ロアビィにしてみれば、火力の高いレオパルドを使う自分が陸上戦艦を攻撃すると思っていたのだろう。
ぶっちゃけ、純粋な火力という事ならメガソニック砲のあるヴァサーゴの方が上なのは間違いない。
とはいえ、それはあくまでも一撃の威力での話だ。
断続的に攻撃を行うという点では、レオパルドの方がヴァサーゴよりも上……か?
武器の数という点ではレオパルドの方が上なのは間違いないと思う。
「ああ。ロアビィのレオパルドに任せると、あの陸上戦艦が破壊されてしまうかもしれないしな」
『はぁ? それってつまり、アクセルはあれを撃破するんじゃなくて、鹵獲しようとしてるっての?』
信じられないといった視線を向けてくるロアビィだったが、俺は特に気にした様子もなくロアビィの言葉に頷く。
「そうなるな。今回助けに来たのは、あくまでも俺達の善意だ。フリーデンに雇われているからとか、そういう理由からじゃない。そうである以上、こっちとしては何らかの手段で報酬を確保しておく必要があるしな」
『へぇ……まぁ、アクセルがそれでいいのなら、こっちはそれで構わないよ。俺が楽になるだけだし』
「じゃあ、そういう事で」
ロアビィとの交渉が纏まると、俺はすぐにレオパルドの側から移動する。
向かうのは、当然のようにフリーデンに向かっている陸上戦艦。
向こうも当然ながらこっちの存在に気が付いたのだろう。
陸上戦艦からの迎撃が始まる。
放たれるのは砲弾や対空砲座による銃弾。
それらが纏まってこっちに放たれるも、その程度の攻撃を回避するのは難しい話ではない。
陸上戦艦と行動を共にしていたMS……ジェニスも、次々とこちらに向かって銃弾を撃ってくる。
フリーデンを追い詰めていた火炎放射器装備のMSとは違い、こっちは普通に攻撃が可能になっているらしい。
個人的には、普通の攻撃をしてくるよりも火炎放射器を装備している方が魅力を感じる。
普通の装備のMSはこれまでで結構入手してるし。
特徴的な装備のMSを入手すれば、基地にある生産工場でそれを装備したドートレスやオクト・エイプが生産出来るかもしれない。
もしオクト・エイプが火炎放射器を装備した場合、空を飛びながら地上を燃やすという……ある意味でもの凄く恐ろしいMSになりそうだな。
もっとも火炎放射器というのは派手な割にMSとかに対してはそこまで効果的ではない。
相手が生身とかなら、もの凄く有効な兵器だが。
「っと!」
空を飛ぶオクト・エイプを想像していたところ、ちょうどそのタイミングで砲弾が飛んでくる。
その攻撃をスラスターであっさりと回避し、陸上戦艦との間合いを詰める。
瞬間、地上から放たれたビームガトリング砲が、陸上戦艦の上に乗ってこっちを攻撃していた敵を撃破した。
それが誰の攻撃なのかは、考えるまでもなく明らかだろう。
それでも一応確認すると、やはりそこにはレオパルドの姿があった。
続けて他のジェニスに向けて攻撃をしていくが、当然ながら向こうも呆気なく撃破されるといった事はなく、戦艦の上から移動してレオパルドの攻撃を回避する。
その判断そのものは正しい。正しいのだが……しかしレオパルドの攻撃を回避するという事は、ヴァサーゴを攻撃出来なくなるのだ。
その為にヴァサーゴも陸上戦艦との間合いが急速に詰まっていく。
牽制の為に、クロービーム砲を撃つ。
放たれたビーム砲は陸上戦艦のブリッジのすぐ横を通りすぎる。
向こうにしてみれば、もし今の一撃が少し横に逸れていたらそれだけでブリッジは撃破されていた可能性が高い。
それを分かったからか、ヴァサーゴに放たれる攻撃はより一層強くなる。
今の一撃が実はわざと外したというのを、向こうは気が付いているのか?
いや、それはないか。
もし気が付いているのなら、すぐに降伏してきてもおかしくはないのだから。
そういうのがないという事は、恐らく偶然攻撃が外れた……あるいは俺の射撃能力が低くて攻撃を外したといったように考えてもおかしくはない。
となると、やっぱり直接ブリッジに攻撃をして寸止めをする必要があるか。
そう判断し、今までよりも一層速度を上げてブリッジに向かう。
瞬く間に近付いてくる陸上戦艦。
向こうも俺に近付かれればどうしようもないと理解しているのだろう。
攻撃はより一層激しくなってくるが……
「甘い」
こちらに向かって放たれた砲弾をビームサーベルで斬り捨てる。
そして……ヴァサーゴは、ブリッジの前に到着した。
ビームサーベルをブリッジに突きつけ、通信を送る。
「降伏しろ」
『てめえ……』
降伏を要求する俺に対し、ザコットと思しき男は悔しそうに呟きを漏らす。
「繰り返す。降伏しろ。もうお前達が勝利するのは無理だ。このまま降伏しないのなら、ブリッジを潰す。……どうする?
『……降伏、する』
心の底から悔しそうに呟くザコット。
一言一言を噛みしめるかのような態度は、それだけ降伏するのが悔しかったのだろう。
だが、フリーデンを攻撃したのはこの連中だ。
そうである以上は、攻撃されるという覚悟もあっての話だろう。
もっとも、恐らくだがザコットがフリーデンを攻撃したのはGX……ガンダムを目当てにしてだ。
しかし、実際にはフリーデンにGXは乗っていなかった。
エアマスターとレオパルドがいたので、そういう意味ではガンダムを確保するというザコットの狙いは間違っていなかったのだろうが。
「バルチャーサインを使って、無条件降伏したと知らせろ」
そう指示をすると、やがて陸上戦艦から発光弾が上がった
発光弾を組み合わせて使う、バルチャーサインだ。
詳細な意思疎通は出来ないものの、それでもある程度は自分の意思を示せる。
バルチャーなら知っていて当然の事だ。
オープンチャンネルとかでもいいと思うんだが、発光信号だからこそオープンチャンネルの通信が届かない場所からもしっかりと把握出来るのだろう。
こうしてザコットが無条件降伏した以上、MSを使っての戦闘も終わるだろう。
……もしかしたら、もうとっくに戦闘が終わっている可能性もあるし。
ザコットのMS隊は、それなりに訓練されていて腕もそこまで悪くない。
しかし、それはあくまでもこの世界として考えた場合だ。
シーマを始めとした他の者達の操縦技術を考えれば、その技量差は歴然だ。
ああ、そう言えばガロードと戦っていた青いジェニスだけは、他のMSよりも動きがよかったな。
そんな風に思いながら、フリーデンに通信を入れるのだった。
「へぇ……あれはエニルだったのか」
「アクセル、知ってるのか!?」
戦いが終わり、現在は降伏したザコット達をどうするのかといった相談がされている。
本来なら俺が出るべきなんだが、こういう場合は交渉担当のモニクの出番だろうと判断して、任せた。
そうして、俺はフリーデンの外で焚き火をしながら今回の戦闘に参加した面々と話をしていたのだが……そこでガロードの口から出た名前は、俺にとっても予想外の名前だった。
ウィッツやロアビィは面白そうな視線を俺に向けてくるし、黒い三連星の面々は呆れの視線を向けてくる。マリオンは苦笑を浮かべ、シーマ、クスコ、クリスの3人はジト目を向けてきた。
いやまぁ……うん。俺が言うのもなんだが、自分の好きな男が他の女について話すのに思うところがあるのだろう。
実際、エニルについてどういう女なのかシーマ達は知らないんだろうが、美人で男好きのする身体をしてるのは間違いなかったのだから。
ただ、俺が知ってるのはそれだけなのも事実。
結局のところ、俺とエニルの付き合いはゲートを設置した時の探索でフリーのMS乗りとして勧誘された時に会って話をしたくらいなのだから。
基地の探索も、結局エニルは約束があるからと断っていたし。
今にして思えば、エニルが言っていたバルチャーというのはザコットの事なんだろうな。
「ああ。サン・アンジェロ市で以前ちょっと話した事がある程度だけどな」
ガロードに説明するようにしながら、シーマ達に事情を話す。
シーマ達は、俺に複数の恋人がいるというのは知っている上で、告白してきた。
しかしそれでも、自分達がいるのに新しい別の女が出て来る……というのは、面白くないのだろう。
「サン・アンジェロ市でも、それなりに腕は立つって噂は聞いたな。で、ガロードはどうやってエニルと知り合ったんだ?」
シーマ達の視線を逸らす為に、そう尋ねる。
ちなみにザコットは降伏したものの、エニルは降伏するような真似をせずこの場から逃げ出したらしい。
一応フリーのMS乗りだから、そういう真似をしても問題はないのだろうが……それでも、ザコットに雇われている中でそういう真似をするのは、後々悪影響が出そうな気がする。
ガロードとの戦いを見る限り、腕利きのMS乗りなのは間違いないから、その辺はどうにでもなるのかもしれないが。
なるのかもしれないが……取りあえず今度会ったら、ちょっと話してみた方がいいのかもしれないな。
そんな風に思いつつ、俺は話をするのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1910
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1750