フォートセバーンが降伏した。
そうフリーデンから連絡が来た時には、既にドートレスも全滅に近い状況になっていたのだ。
「それで、俺達にも一緒に来いと?」
「うむ。このような経験はないのでな。アクセルから色々と聞きたい」
フリーデンのブリッジにおいて、ジャミルがそう言ってくる。
なるほど。その言葉は俺にも理解出来た。
軍人として活動していた時、ジャミルはニュータイプのエースパイロットという扱いだったが、それでも結局パイロットだけである以上は基地が降伏したのを占領するといった経験はあまりない。
戦後はバルチャーとして活動しているが、それでも敵のバルチャーが降伏するといった事はあるだろうが、街が降伏するといった経験はないだろう。
盗賊をしているバルチャーの拠点で降伏するという事はあったかもしれないが。
どうしてもそういうのを経験する可能性はそう多くはないし、ジャミルの様子を見るとそういう経験をした事はないのだろう。
それに比べると、俺達……というかシャドウミラーは多くの世界で数え切れない程の戦いを経験してきている。
だからこそ、こういう時は俺達に手伝って欲しいと思うのは当然だが……
「俺が一緒に行くのはいいが、その手の仕事はあまり俺向きじゃないな」
こういう仕事こそ、政治の仕事だろう。
だが、X世界に来ているシャドウミラーのメンバーは、俺、マリュー、ミナトの3人だけだ。
いやまぁ、影のゲートを使えば魔力の消費は激しいものの、一度基地まで戻ってゲートを使ってホワイトスターに行き、政治班の面々を連れてくるといった真似も出来るのだが……そのような真似をすると、シャドウミラーの政治班で問題が起きる可能性が高い。
シャドウミラーの政治班は全員が有能な人物なのは間違いないが、数が少ないのだ。
それでもホワイトスターで仕事をしている時は、魔法球を使えば1時間で2日分の休みがある。
受信機もあるので、魔法球に入る事による加齢を気にする必要もないし。
しかし、フォートセバーンの降伏となればここに直接来ないといけない。
そうなると、出来ればそれは遠慮したかった。
……政治班を率いているエザリア辺りに、思い切り苦情が来てもおかしくはないし。
どうしても駄目なら、あるいはそうやってもいいのかもしれないと思ったが、幸いな事にテンザン級にはモニクがいる。
「取りあえずモニクに頼るか」
「彼女に?」
俺の口から出た名前が意外だったのか、驚いた様子を見せるジャミル。
ジャミルにしてみれば……いや、フリーデンにいる者達にしてみれば、モニクは腕利きのMSパイロットであると同時に、交渉役としても高い能力を持っているといった認識か。
ロアビィにしてみれば、何度も口説こうとして失敗している相手というのが付け加えられるが。
そんな認識のモニクだが……
「モニクはシャドウミラー所属ではなく、UC世界の所属だ。それはいいな?」
「ああ。私達の世界と色々な意味で似ている世界だろう?」
ジャミルのその言葉に、ブリッジクルーの面々が興味深そうな視線を向けていた。
ティファやガロードはカリスと会う為にここにいないし、ウィッツとロアビィは遊戯室でゆっくりとしている筈だが、もしここにいれば同じように興味深い視線を向けてきていただろう。
「ああ。そんな感じだな。ニュータイプがいたり、MSがあったり、ガンダムがあったり、連邦軍があったり」
ガンダムの存在する世界には何個か行ってるが、連邦軍系の方がそれぞれ微妙に名前が違う。
SEED世界では連合軍だし、W世界では統一連合だし。
あ、でも連合という風につくのは一緒か。
まぁ、SEED世界の場合は大西洋連合、ユーラシア連合、東アジア共和国が一緒になっての意味での連合軍で、W世界は地球が統一された上での連合軍と名前は似ていても意味は大きく異なるが。
それに対して、UC世界とX世界は双方共に連邦軍だ。
その連邦軍と戦ったのが、ジオン公国と宇宙革命軍という違いはあるが。
「モニクはジオン公国を率いていた人物の直属の機関に所属していたエリート中のエリートだ。そういう意味では、今回のように降伏した相手とのやり取りとかについても詳しいと思う」
俺の場合……それこそ相手を殲滅するのは得意なんだが、こういう風に降伏した後の処置とかはあまり得意じゃないんだよな。
エリート中のエリートであるモニクなら、そういうのも得意だろう。
ジオン公国時代だけではなく、ルナ・ジオンにおいても役人としてその辣腕を振るってるらしいし。
「ほう、では彼女に協力して貰えば……」
「そうなるな。ただ、問題なのはフォートセバーンをどうするかという事だ。ドーラットを今のままトップにつけておくのは、色々な意味で危険だろう。下手に権力を持っている分、人工ニュータイプの研究を進める可能性が高いし、何よりパトゥーリアのような兵器を作る可能性もある」
これでパトゥーリアが単純なニュータイプ用MAなら、俺もそこまで危険視はしなかっただろう。
だが、パトゥーリアはニュータイプを生体部品として使うMAだ。
幾ら高性能なMAであっても、さすがにこれは認められない。
だからこそ、まずはドーラットを何とかする必要があるのだが……今の状況ではそんなに簡単な事ではない。
ジャミルの降伏勧告によって、ドーラットがどういう事をしたのか、どういう人物なのかというのは、それなりに知らされた。
しかし問題なのは、フォートセバーンの住人がそれを信じるかという事だ。
ジャミルが降伏勧告で公開した情報は全て嘘だ。
フォートセバーンの住人がそんな風に思ってもおかしくはない。
何しろフォートセバーンはドーラットによって快適な生活を暮らしてきたのだから。
実際には本当に快適かどうかは微妙だったが、それでもこのX世界において他の場所で生きている者達と比べると、楽な生活だったのは間違いない。
そういう意味では、そっち方面で有能ではあるんだよな。
だからといって、そのままにする訳にはいかない。
「話は分かった。では、モニクを呼んで貰えないか? アドバイスが欲しい」
その言葉に頷いて、ブリッジからテンザン級に通信を入れて貰う。
「マリュー、フォートセバーンの降伏について色々とアドバイスを聞きたいから、モニクにフリーデンに来るように言って貰えないか?」
『モニクを? 分かったわ。けど……大変になるわよ?』
「だろうな。それに関しては俺もそう思うよ。今のこの状況において、いつまでも俺達がフォートセバーンにいる訳にもいかないし」
『SEED世界のような体制にする?』
マリューのその提案は、なるほどと納得出来ることもある。
SEED世界のような体制。
それはオーブ以外の国には量産型Wを派遣して監視させるというものだ。
量産型Wは人造人間である以上、籠絡されたりといった事はない。
ましてや、個人としても十分な強さを持っているので、力で何とかしようとしてもある程度の抵抗は出来る。
そして政治で何かおかしなところがあれば、即座に指摘する。
政治家にしてみれば、それは決して嬉しくはないだろう。
政治家として何らかの旨みを得ようとしても、それが問題あった場合は即座に止められるのだから。
量産型Wを無視して強引に自分の利益になるように行動した場合は、すぐにオーブからメギロートを始めとした部隊が出撃する。
実はUC世界においても、月では同じような事をしてるのだが。
その双方の共通点として、シャドウミラーの強い影響力があるというのが大きい。
X世界は戦後復興期であり、村単位、街単位で独立していて、国という枠組みが存在しない。
あるいは俺達がいる北米以外では国があるのかもしれないが。
そんな訳で、フォートセバーンにおいて同じような真似をしても、手間ばかりが掛かって利益はない。
そこまで手間を掛けるなら、いっそドーラットを殺して量産型Wを市長にした方がいいだろう。
実際にそのような真似をしたら、フォートセバーンの住人の多くが反対するだろうし。
下手をすればレジスタンスを生み出すかもしれない。
ただ、量産型Wが政治に関与している世界というのは、政治家や大企業のトップにしてみれば面白くないのかもしれないが、一般市民にとって非常に快適な暮らしとなる。
政治家が犯罪をせず、税金を誤魔化したり裏金を貰ったりといった事は出来ず、そのような金は全てきちんと政治に使われる。
そうなると福祉や治安も改善され、犯罪率も下がる。
犯罪組織も、下手な真似をすればすぐにメギロートがやって来るのだから、迂闊な真似は出来ない。
事実、SEED世界やUC世界の月においては、犯罪の発生率が非常に低下しているらしい。
UC世界の月は、その話が広がる事によって移住希望者は未だに増え続けているとか。
だが、そのような流れになるのは当然の話だろう。
月は犯罪率が低く、税金も他と比べると破格なまでに安い。
月以外は税金が高く、戦後という事もあって元軍人や逃亡した軍人といった者達が多い。
それだけではなく、ジオン軍の残党も潜んでいる。
MSを持って潜伏している相手がいるし、1年戦争において自分の家や故郷が破壊された者も多い。
だからこそ、UC世界において月は天国と呼ぶに相応しい場所だった。
……まぁ、量産型Wやコバッタが多数街中にいるので、何らかの犯罪をしようという者にとっては堅苦しい場所だが。
「止めておく。そうするには、こっちに色々と手を出す必要があるし。それはちょっと旨みが少ない」
持ち出しという点なら、UC世界も大量にあるのだが。
ただ、UC世界とX世界では事情が違いすぎる。
人口という意味ではマブラヴ世界よりも衰退しているこのX世界に大量に持ち出しをしてまで復興したいかと言われれば、その答えは否だ。
自然環境はマブラヴ世界よりも悪くないので、他の世界からの移住先として考えれば、そんなに悪い話ではないのかもしれないが。
『そう? 取りあえず話は分かったわ。すぐにフリーデンにモニクを向かわせるから、ちょっと待っててちょうだい』
そうマリューが言うと、通信が切れる。
「そんな訳で、もう少ししたらモニクが来ると思う。モニクが来たら色々と話を聞けばいい」
「ああ、助かる。だが……今のマリューとの話について、もう少し詳しく聞かせて貰えないか?」
「マリューとの話? ああ、UC世界についての話か?」
「うむ。シャドウミラーがこの世界に援助をするというのは考えられないのか?」
「生憎と今のところそういうつもりはないな。ジャミルに言うのはどうかと思うが、このX世界にはそこまでする理由がない」
UC世界の方も最初はそこまでやるつもりはなかった。
しかし、UC世界においてはその点で非常にこちらにとっても有益な事になった。
そういう意味では、X世界も実は将来的に利益になる可能性はあるのかもしれないが……正直なところ、そこまでやりたいとも思えない。
この先に一体どうなるのかは分からないが。
トニヤと男……シンゴだったか? その男は俺に不満そうな視線を向けてくる。
だが、サラとジャミルは特に何も言う様子はない。
そんな微妙な沈黙を破ったのは、トニヤ。
「ちょっと、アクセル。幾ら何でもそういう言い方はないじゃない?」
「そうだな。ちょっと言いすぎたかもしれない。だが……今の状況でX世界にそこまで大きな投資をする理由がないのも事実」
「ならば、何か条件をクリアすれば投資すると?」
俺の言葉の意味を理解したジャミルがそう言ってくる。
サラの方もジャミルと同様に俺の言葉の意味は理解していたのだろう。
ジャミルの言葉に俺がどう返すのと視線を向けていた。
「そうだな。まず最低限でも国と呼ばれる規模は必要だ。そしてその国が俺達と友好的な相手なら、こちらも色々と便宜を図ったりする……かもしれない。その辺は条件次第だな」
実際、UC世界にここまで投資というか、シャドウミラーから色々と持ち出して国を作っているのは、セイラとの接触で見た、シャアが地球に小惑星を落とすのを止めるというのも目的だったが、それだけではない。
セイラはもしシャアの件が無事に終わったら、恐らく……本当に恐らくだが、国を俺に譲る気だ。
とはいえ、実際には国そのものを貰ってもどうかと思うから、ルナ・ジオンがシャドウミラーの下部組織、あるいは属国という立場になるというのが正しいのかもしれないが。
つまり将来的に大きなリターンがあるのは半ば確定している。
実際、1年戦争の件でもルナ・ジオンから得られたMSやMA、技術……かなりのリターンは既に受け取っているのだから。
まぁ、国云々と言っても鬼滅世界を始めとして、国じゃなくて会社とかそういう存在を相手にしていたりする事も多いんだが。
ただ、X世界で企業というのは……例えば、バルチャーを纏め上げてバルチャー連合とか、そんな組織があれば取引をしてもいいかもしれないな。
そんな風に思いつつ、モニクが来るまで色々と話をするのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1930
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1754