転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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3293話

「……正気ですか?」

 

 基地の司令官をやらせるという言葉に、ノモアはそんな風に言ってくる。

 出来ればそこは正気ではなく本気かと聞いて欲しかったんだが。

 ノモアの立場になってみれば、そう風に思うのも当然かもしれないが。

 

「ああ、正気で本気だ。とはいえ……その辺の話はまた後でだな。まずは基地についての話よりも、ジャミルと降伏について話をしてくれ」

 

 ここまでは俺がメインで話をしていたが、本来ならこの会談はフォートセバーンの降伏についての話だ。

 そして俺達の中ではジャミルが一番偉い事になっている。

 戦力的には俺達の方が立場が上でもいいのかもしれないが、この世界の主人公のガロードや、そのガロードやティファが乗っているフリーデンを率いているのはジャミルだ。

 そう考えれば、ここはジャミルを表にだして行動した方がいい。

 

「ここで私を出されてもな。……仕方がないか」

 

 完全には納得していない微妙な表情でジャミルがそう言う。

 ノモアとカリス、それ以外にも何人かが降伏についての話を始めるが……条件そのものは、特に揉めたりする様子もなく決まっていく。

 これで俺達が一介のバルチャーではなく国として行動していたのなら、降伏したフォートセバーン側と細かい話を決める必要があるのだが。

 幸い、俺達は国ではなくバルチャーだ。

 ジャミルが条件を決める事が出来る全権を持っているし、俺達はそれに基本的には異を唱えない。

 そしてジャミルは別にフォートセバーンを自分達で占拠をするつもりはなく、カリスに市長をして貰い、量産型Wがそのフォローをするという事は既に決まっている。

 そうである以上、ジャミルが求める条件は殆どない。

 賠償金を貰うとしても、カリスが市長をして友好的な街になるので、出来ればそのような真似はしたくない。

 賠償金代わりにMSを……というのも出来ない。

 そもそも、現在のフォートセバーンにはMSが殆ど残ってないし。

 撃破したり、鹵獲したりといったように俺達との戦いでかなりの被害が出ている。

 寧ろこっちで確保した中でもまだ動くポーラ・ベアーを少し返した方がいいのかもしれないな。

 とはいえフォートセバーンは俺達……シャドウミラーに実質的に従属することになる以上、オクト・エイプを防衛戦力として渡してもいいかもしれないな。

 あるいはポーラ・ベアーを分析して、基地で製造出来るようにしてみるとか?

 ポーラ・ベアーは寒冷地仕様のMSなので、フォートセバーンで使うのは最善なんだろうが。

 そんな風に話している間にも、ジャミルとノモアの話し合いは次々に進む。

 どうやらフリーデンで確保したポーラ・ベアーを何機か返却するらしい。

 実際にはフリーデンに搭載出来る以上の数を確保しているというのもあるだろうし。

 ジャミルから頼まれれば、空間倉庫に収納してもいい。

 しかし、ジャミルにしてみればそれよりも自分達に友好的なカリスが治めるフォートセバーンの戦力を整えた方がいいと思ったのだろう。

 

「アクセル、私達が確保したポーラ・ベアーも……そうね。半分くらいは返却しようと思うのだけど、構わない?」

 

 交渉に参加していたモニクが聞いてくる。

 フリーデンがポーラ・ベアーを返す以上、俺達だけが全てを奪ったままなのは外聞が悪いと思ったのだろう。

 折角確保したのにという思いがあるが、それ以外にもポーラ・ベアーを大量に確保してもという思いもある。

 ポーラ・ベアーは寒冷地仕様のMSだ。

 オクト・エイプという、空を飛べる汎用機がある以上、こっちとしてもポーラ・ベアーを大量に確保しておく必要はない、か。

 

「分かった。それでいい」

「ありがとう」

 

 モニクが柔らかな笑みを浮かべる。

 普段は凛とした表情をしている事が多いモニクだけに、その笑みにはかなりの破壊力がある。

 もっとも、その笑みを浮かべたのも一瞬で、すぐにまた交渉に戻っていったが。

 そうして30分程も経過すると、大体の話し合いは終わる。

 途中で何度かアドバイスを求められ、それに答えるといった感じだった。

 

「では、これで話は纏まった」

「うむ」

 

 ノモアとジャミルは握手をし……そしてノモアの視線が俺に向けられる。

 ノモアにしてみれば、降伏についての話し合いよりも俺に色々と聞きたい事があったのだろう。

 それは分かる。

 分かるが……その件について話すよりも前に、まずカリスに確認しておくことがあった。

 

「カリス、ベルティゴについてだが……俺が鹵獲した以外に、予備機はあるか?」

「予備機……ですか。ノモア市長、どうです?」

「もう市長ではないのだがな。……そうだな。実際に確認してみなければ分からんが、予備部品を集めればもう1機……上手くいけば2機のベルティゴを作れるかもしれん」

 

 1機どころか2機と聞いて驚く。

 驚くが、ノモアから事情を説明されれば納得も出来た。

 元々ベルティゴというのは、ライラック作戦においてパトゥーリアの護衛をしていた。

 その数は10機以上。

 だが、ライラック作戦の失敗によってベルティゴはその多くが撃墜された。

 それらを全てではないにしろ、可能な限り集めていたのだがノモアだ。

 うん、こうしてみるとやっぱりノモアは有能なんだよな。

 パトゥーリアの上にフォートセバーンという街を作り、その傍らでベルティゴの部品を確保していた。

 全てをノモアだけでやった訳ではなく、ノモアの部下であったり、途中から加わった者達もいただろう。

 それでもノモアがいたからこそフォートセバーンという街が出来たのは間違いのない事実なのだ。

 

「そうか。なら、俺が確保したベルティゴはこっちで貰ってもいいな?」

「はい、予備部品でそれだけのベルティゴが出来るのなら構いません。ただ……そのベルティゴが出来るまでは、フォートセバーンの戦力が……」

「そっちに関しては、すぐに用意する。オクト・エイプを……そうだな。取りあえず20機程度納品させる。それも修理した奴じゃなくて、新品だ」

 

 俺の口から出た言葉に、話を聞いていたノモアが驚く。

 カリスではなくノモアが驚く辺り、ノモアにしてみれば余程意外だったのだろう。

 

「アクセル、それは一体どういう事だ? 何故宇宙革命軍のオクト・エイプをそれだけ新品で用意出来る?」

「簡単な話だ。お前がこれから行く……かもしれない基地には、MSの生産設備があった。それをちょっと改修して、ドートレス以外の……それこそ宇宙革命軍のMSでも製造出来るようにしただけだ」

「だけ……? だけだと? 私がここでどれだけ苦労をしたと……」

 

 ノモアは何もないここにフォートセバーンを作った。

 それはつまり、MSの生産設備とかはなかったということを意味している。

 パトゥーリアの開発……というか、ライラック作戦の事を考えると、開発ではなく修理か。

 その修理にも15年以上掛かっているのは、やはりMSの生産設備がなかったからというのが大きいのだろう。

 パトゥーリアはMAなので、MSの生産設備があっても修理できるかどうかは、正直なところ分からない。

 分からないが、それでも何もない状態で修理するよりはマシだろう。

 

「落ち着け。ノモアが基地の司令官になれば、その辺りもノモアが仕切る事になるんだし。……いや、その前にまずは聞いておきたい。ノモアはフォートセバーンの市長ではなくなったが、これからどうする? 俺が提案したように基地に来るか、それとも別の道を選ぶか」

 

 別の道を選んだ場合は、最悪殺すという選択肢を選ぶ必要もある。

 しかしノモアの心があくまでも宇宙革命軍にある場合、連邦軍ではないにしろ宇宙革命軍以外の勢力に協力するのは絶対に嫌だと思った場合は……まぁ、そういう結末になるだろう。

 そう思っていたのだが、ノモアはあっさりと口を開く。

 

「その基地に行こう」

「へぇ……まさかこうもあっさり決めるとは思わなかったな」

「そうするのが一番いいと判断しただけだ」

 

 この様子を見ると、もしかして断った場合にどうなるのかを理解していたのか?

 とはいえ、基地の司令官については、断ったら絶対に殺すといったつもりではなかったのだが。

 場合によっては殺していたのは間違いないけど。

 

「そうか。基地の司令官をやってくれるのは俺にとっても嬉しい限りだ。さて、ここでもう1つ選択をして貰う事になる」

「……まだ何かあるのか?」

 

 もうこれで終わったと思っていたらしいノモアだったが、生憎とまだこれで終わりという訳ではない。

 

「ノモアが基地の司令官をする上で、カリスと同じく量産型Wが補佐につく。だが、この量産型Wの補佐の役目をどうするのかというのがある」

「どういう意味だ?」

「まず1つめ。魔法によって俺達に危害を加えることが出来ないように行動の制限をした場合、量産型Wは純粋にお前の補佐として活動するだろう。そして2つめ。魔法による行動の制限をしない場合、量産型Wはお前の補佐をする事になるのは間違いないが、お前が何か妙な行動をしないかという監視の役目がある」

 

 その言葉に、ノモアの表情が微妙に歪む。

 この場合、どっちがいいのかということを頭の中で考えているのだろう。

 

「なお、基地では量産型Wの他にコバッタやバッタ、メギロートといった無人機も働いているが、後者を選んだ場合はこれらもノモアの監視をする事になる。妙な真似をした場合……どうなるのかは、言わなくても分かるだろう? 出し抜こうとしても、まず不可能とだけ言っておく」

 

 実際、基地のライフラインを司っていると言っても間違いではない、量産型Wやコバッタ、バッタ、メギロートが監視役になってるのだ。出し抜くといった真似は……出来る奴もいるだろうが、ノモアではまず不可能だろう。

 

「それは、最初から選ばせる気がないように思えるが?」

「そんな訳はない。監視の目を気にしないのなら、後者でも問題はない。……あくまでも俺達に敵対しない限りは、だが」

「もしその魔法で行動を制限するとなった場合、具体的に私はどうなるのかね?」

「別に特にこれといった変化はない。ただ、それが俺達に危害を加えるという事だと、それが出来なくなるだけだ。それ以外は普通に行動出来る」

「……なるほど。ちなみにだが、実際にその魔法を使っている者はいるのかね?」

「ああ、いる。シャドウミラーの政治班の中でもNo.2として働いている奴とかな」

 

 正確には魔法ではなくマジックアイテムなのだが。

 とにかく、ノモアは俺の説明を聞いて驚きを露わにする。

 まさか自分と同じ立場の者が、政治班のNo.2という地位にいるとは思ってもいなかったのだろう。

 レオンは色々と特殊な例だったのは間違いないのだが。

 そういう意味では、出来ればノモアにも特殊な例になって欲しいと思う。

 

「で、どうする?」

「受け入れよう。アクセルの話を聞いてる限り、嘘は吐いていないようだ。……出来れば私の同類に会ってから決めたかったが、そのような余裕はないのだろう?」

「そんな感じだな。基地に連れて行く前に、どういう態度でこれから俺達に接するのかというのは決めておきたいし」

 

 正直なところ、最終的に鵬法璽による縛りを受け入れるというのは分かっていた。

 だが、もう少し悩んだりするとばかり思っていたのだ。

 いやまぁ、面倒が少なくなったのだからこっちとしては問題ないのだが。

 ……鵬法璽、出来ればあまり使いたくないとうのが正直なところなんだが。

 鵬法璽の威力は絶大だ。

 その能力によって、これで一度契約をした場合は魔力という点では圧倒的な存在である俺であっても恐らく破る事は出来ないだろう。

 実際に本当にどうにか出来るかどうかは分からない。

 分からないが、それでも鵬法璽を見ていればそのように思ってしまうだけの圧倒的な迫力があるのだ。

 だからこそ鵬法璽を乱用した場合、何かあればすぐ鵬法璽を使えばいいという風に頼りにしてしまう可能性が高かった。

 エヴァからも、以前鵬法璽はあまり使わない方がいいと言われているし。

 ただ、今回は鵬法璽を使ってもいい場面だと思う。

 ノモアが市長……政治家として有能なのはフォートセバーンを見れば間違いない。

 だが同時に、その心の中は今も宇宙革命軍に所属する者であり、パトゥーリアを見れば分かるように自分が作った人工ニュータイプを犠牲にする事も平気で受け入れる。

 そのような者だけに、何の縛りもなく自由にするといったような真似は到底出来ないのだ。

 出来ればレオンのように、鵬法璽を使われても前向きに行動して欲しいと思う。

 

「それで、アクセル。その魔法というのはいつ使うのだ?」

「やると決めたら早い方がいい。……ただ、これはある意味でシャドウミラーの最重要機密でもある。どこか俺とノモアの2人だけになれる部屋はないか?」

「分かった。この部屋の近くに幾つか部屋がある。そこに行こう」

 

 ノモアが立ち上がり、そう言ってくる。

 俺はそれに頷き、ジャミルに視線を向ける。

 

「そういう訳で、ちょっと外す。すぐに戻ってくるから、適当に話でもしていてくれ」

 

 そう告げ、俺はノモアと共に部屋を出るのだった。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:1930
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1754
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