「へぇ……これがX世界のガンダムね。もっとも、ベルフェゴールを見ていたから、そこまで驚くような事じゃないけど。ただ、こうして見るとベルフェゴールや……ヴァサーゴだったかしら。アクセルが使っているガンダムに比べると、随分と正統派ね」
GXのデータを見ながら、レモンがそう言う。
ホワイトスターにある魔法区画。
そこに置かれている魔法球の中で、俺はレモンにGXのデータを渡していた。
もっとも、以前にもGXのデータは渡しているので、そういう意味ではこれが二度目のデータとなる。
前回に比べると圧倒的に詳細なデータなので、レモンがここまで嬉しく思うのは納得出来たが。
他にもポーラ・ベアーやヴァサーゴやベルティゴ、パトゥーリア、テンザン級……といった風に持ち帰った機体は色々とあったのだが、そんな中でレモンが一番気に入ったのはGXだったらしい。
そこまでGXを気に入るのは正直疑問だったが。
レモンの事だから、パトゥーリアやベルティゴ辺りを気にするかと思っていたのだ。
「その言い方だと、俺が正統派のガンダムを好んでないように思えるんだが」
「あら。ベルフェゴールやヴァサーゴみたいな、ちょっと普通とは言えないようなガンダムに乗ってるんだから、そんな風に思ってもおかしくないじゃない?」
「UC世界では、ガンダムピクシーやガンダム7号機とか、ガンダムらしいガンダムに乗っていたぞ」
そう言いつつも、俺の本当の意味での相棒がニーズヘッグという、見るからにラスボスといった機体であるのを考えると、正義の味方といったようには思えない。
「で、このGXだけど……サテライトキャノンを抜きにして設計すればいいのよね?」
「ああ。それと装甲材とかの方もX世界で普通に使われている奴を使うようにしてくれ」
「分かったわ。そっちの方は問題ないと思う。以前アクセルが持ってきたMSを解析したから」
それくらいの事は、特に驚かない。
シャドウミラーの技術班は天才と呼ぶべき者達が揃っている。
その上で、レモンはそんな技術班を率いている万能の天才とも呼ぶべき女だ。
「サテライトキャノンをなくした代わりに、どういう装備をつけるかは……スラスターとかを頼む」
「あら、ビームガトリング砲とかじゃなくてもいいの?」
「汎用機として使う以上、ビームガトリング砲があるのはちょっとな。シーマとかのように腕の立つパイロットならいいけど、そういうのじゃない普通のパイロットが操縦するとなると、ビームガトリング砲の砲身が邪魔になる」
一定以上に腕を持つパイロットなら、ビームガトリング砲があっても問題ないだろう。
だが、そういう奴ではない……平均的な技量しかないMSパイロットの場合、砲身が邪魔になる。
「そう? 重力波砲は……当然だけど駄目でしょう?」
「ああ。他にもエナジーウィングとか、そういうシャドウミラーの技術は使わないようにしてくれ。使えるのは、あくまでもX世界の技術だ」
「そうなると、やっぱり普通のビーム砲とか、そういうのかしら」
レモンがその気になれば、他にも色々と独創的な装備を製作する事は可能だろう。
だが、X世界の技術だけを使うとなると、一般的な武器しか作れない。
しかもそれだけではなく、時間もない。
外の1時間がここだと48時間になるので、そういう意味では結構な時間があるのは間違いないものの、それでもやはり総合的に考えた場合は下手に特徴的な武器を作ろうとすると、十分に練られたものにはならない。
「その辺でどうにかしてくれ。……それと、人工ニュータイプの方のデータはどう思う?」
「一応ファイルの中身はコンピュータに保存しておいたけど、見ていて楽しいものじゃないわね」
「量産型Wに使えたりしないのか?」
個人的に人工ニュータイプはあまり好ましい技術ではない。
しかし、量産型Wに使うのなら、それはそれで問題ないと思っていた。
だが、レモンは俺の言葉に首を横に振る。
「シナップス・シンドロームがあるのが問題よ。量産型Wが定期的に行動出来なくなるというのは、ちょっと困るわ。痛覚とかその辺を鈍くすればいいのかもしれないけど……痛みというのは、必要よ」
レモンの言葉は理解出来た。
例えば、世の中には無痛病というものがある。
これはその名の通り痛みを感じないという病気なのだが、それだけに腹部をナイフとかで刺されてもそれが致命傷になるとは思えず、普通に活動して、結果的に死んだりする。
純粋に1度の戦いでどうこうという事になれば、無痛病というのはメリットになるのかもしれないが。
「結局はシナップス・シンドロームが問題か。レモンの力があっても、それはどうにもならないのか?」
「難しいでしょうね。あのファイルを読んだ限りでは、人工ニュータイプとして成立させる上でシナップス・シンドロームは必要不可欠なものよ。もしシナップス・シンドロームが起きないようにするのなら、人工ニュータイプとしての力も失うでしょうね」
はぁ、と。
息を吐きながらレモンは桃色の髪を掻き上げる。
憂鬱そうな様子なのは、レモンが見てもシナップス・シンドロームに思うところがあるのだろう。
「そうなると、シナップス・シンドロームを消し去る事は出来ない訳か。カリスの治療をレモンに任せようと思ったんだけどな」
「カリス? ああ、人工ニュータイプの。……そうね。完全にシナップス・シンドロームを消すような真似は出来ないけど、多少なりとも苦しみを和らげたりは出来るわ。あるいは専用の痛み止めを調合してもいいし」
「助かる。具体的にどういう風になるのかは分からないが、準備だけは進めておいてくれ。後は……そうだな。ベルティゴとパトゥーリアはデータを取ったらUC世界に持っていこうと思ってるけど、構わないか?」
「それ、いいの? 元々その世界独自の技術の発展を阻害させない為に、出来るだけ他の世界の技術は持ち込まないようにするというのが、アクセルの考えだったでしょう?」
「そうなる。まぁ、ニーズヘッグを使ってる時点でどうかと思うけど」
UC世界でルナ・ジオンを建国した後に起こった戦い。
その時、俺は普通にニーズヘッグを使っていた。
とはいえ、技術的な格差が大きすぎてUC世界の人間にはニーズヘッグの全てを理解するといった真似は出来なかっただろうが。
「なのに、ベルティゴとパトゥーリアを持っていくの?」
「ああ。ニュータイプ研究は少しでも進んだ方がいい。X世界のニュータイプは正確にはUC世界のニュータイプとは違うが、それでも参考になるだろうし」
例えば、ベルティゴが使うビット。
これはUC世界において、エルメスが使っていたビットと同じ名前だ。
それだけではなく、性能も同じだ。
ただし、エルメスのビットはMSの半分程の大きさがあるという点や、宇宙でしか使えないという点は大きなマイナスだった。
そんなエルメスのビットと比べると、ベルティゴのビットはかなり小型で地球上でも使えるという点で、エルメスのビットよりもかなり進化している。
そういう意味では、ベルティゴのビットを研究するというのは、ジオン……特にニュータイプの研究に積極的だったキシリアが持つニュータイプ技術を進展させるという意味では大きい。
また、それを抜きにしても無線誘導のビーム砲台の研究は進めた方がいい。
ただ、ルナ・ジオンのニュータイプ研究をやっているアルテミスにおいて、一番実績を持っているのはブラウ・ブロを開発したシムスだ。
そうである以上、シムスはニュータイプ用の兵器は無線ではなく有線のビーム砲で進めていくという感じになってもおかしくはない。
とはいえ、有線だからといって無線よりも劣っている訳ではない。
実際にシムスが開発したブラウ・ブロにおける有線ビーム砲は、それを動かす専門のパイロットがいればオールドタイプでも使えるという利点がある。
ニュータイプがいれば、その能力は非常に高いだろう。
だが、UC世界においてニュータイプというのは、まだ本当に一握りでしかない。
それならオールドタイプでも使える有線ビーム砲の開発を進めるというのは間違っていないと思う。
ルナ・ジオン軍において現在量産されているMSは、一般兵士用のガルバルディβ。エース用のギャン・クリーガーとなる。
まぁ、他にもビグロやヴァル・ヴァロを使ったMA部隊とか、地上ではアプサラスがそれなりに使われていたりするし、水陸両用MSがあったりとするんだが。
他にも1年戦争の時の量産型MSだったヅダとかも、まだそれなりに使われていたりする。
ともあれ、それらのMSが使われているものの、量産型MSにおいて一般兵士用のガルバルディβ……あるいはその次世代機において全てが有線ビーム砲を装備していたら、どうなるか。
勿論、ブラウ・ブロの場合は有線ビーム砲を操縦する専門のパイロットが必要だった事を考えると、AI制御とかそういう風に工夫する必要があるだろうから、実際にはガルバルディβやギャン・クリーガーで有線ビーム砲を採用するといった真似は難しいだろう。
もし本格的に一般兵用の量産機にも有線ビーム砲を採用するとすれば、ガルバルディβの次……あるいはその更に次といった機体になる可能性が高い。
だが、もしそれが成功した場合、一般兵士であっても敵のエースを倒す事は不可能ではなくなる。
そういう意味では、有線ビーム砲の可能性はまだ大きいのだ。
……MSサイズにするという点では、ジオングで一応達成されているし。
「ニュータイプ用の兵器、ね。……ベルティゴのビットは、シャドウミラーでも使われているファントムとかの改良にも役立つかもしれないわね」
「そうか? ファントムは今の時点でもうかなり完成されてると思うけど」
「アクセルの場合は、T-LINKシステムを使ってるからでしょう? それ以外の……T-LINKシステムを使わない場合は、まだ改良の余地があるのは事実よ」
AI制御的な面か。
ただし、ベルティゴのビットはあくまでもニュータイプ能力があってこそのものだ。
それを参考しても、そこまで大きな意味があるとは思えないんだが。
レモンにしてみれば、その辺は問題なく何とかなるのかもしれないが。
「ビットの件は任せる。脳波誘導兵器の類が強化されるというのは、こっちにとっても悪い話じゃないしな。それに、その手のデータはあればあっただけいい」
今は使い道がなくても、この先に使い道が出てくる可能性は十分にある。
そのようないざという時の為に備えておくというのは、大事だろう。
「ちなみにGXにビットを付けたりとかはしないよな?」
「しないわよ。そもそも、X世界のビットはあくまでもニュータイプ……それもX世界のニュータイプじゃないと使えないんでしょう? なら、わざわざ使えない兵器を装備する必要はないわ」
レモンのその言葉に安堵する。
レモンの事だから、使い物にならないような兵器を用意するとは思えなかったが、それでもレモンは技術班を率いる人物だ。
それだけに、場合によっては自分の好奇心を満足させる為にGXにビットを装備させてもおかしくはない。
ただ、ビットを自由に動かすとなると……それこそ今のこっちのメンバーでは、ティファくらいしかいない。
そうなると、ガロードとティファの2人乗りの復座にするか?
あ、でも炎獣のリスがいるのを思えば、2人と1匹の復座か。
それはそれでありかもしれないが……ただ、ティファの性格を考えると、実戦に出るのは難しいと思う。
実際、アルタネイティブ社の件で俺が合流した時も、ティファは戦いで死んだ者の嘆きを感じて倒れたらしいしな。
もっとも、それはサテライトキャノンを使って多数の敵を纏めて殺したのが原因だって話だが。
「取りあえず、UC世界に持っていって有効そうなのは持っていくか。……パトゥーリアも、有線ビーム砲の研究をするのなら参考にはなるだろうし」
「でも、パトゥーリアはニュータイプを生体部品として使うんでしょう? そういうのをアルテミスに持っていったら、色々と不味いことになるんじゃない?」
「理不尽な研究とかは出来ないようになってるから問題はないだろ。そもそもそういう研究をしていた連中は農場送りになっているし」
農場で作られる野菜は、結構な評価がされている。
物によっては、それこそ贈答用にされたりもしているらしい。
「農場送りの件はともかく、X世界の兵器をUC世界に持ち込む件でちょっと思い出したんだけど、アドゥカーフ・メカノインダストリー社って知ってる?」
「アドゥカーフ・メカノインダストリー社? えーっと、それは確かSEED世界の兵器メーカーだろう? それがどうした?」
「どこで情報を聞いたのかは分からないけど、UC世界の兵器メーカーと共同で兵器の研究がしたいという話があるらしいわ」
「アドゥカーフ・メカノインダストリー社が? ……何か以前も同じような事があったような気がするけど」
「そう? とにかく、アドゥカーフ・メカノインダストリー社はSEED世界でもMAの研究や開発に優れている会社よ。UC世界のMIP社が似てるんじゃないかしら。ともあれ、アクセルがUC世界に他の世界の兵器を持ち込むのなら、アドゥカーフ・メカノインダストリー社の件も考えてもいいんじゃない?」
そんなレモンの言葉に、なるほどと少し納得するのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1930
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1754