「テンザン級の方は、ビーム砲を追加しておけばいいんですね?」
「ああ。威力そのものはそこまで強力じゃなくてもいい。取りあえずシャドウミラー基準での攻撃力はいらない」
技術班の男にそう言う。
シャドウミラー基準で高威力のビーム砲を搭載してくれと言ったら、それこそどんなビーム砲が搭載されるか分かったものではない。
下手をしたら、重力波砲並の威力を持った武器が搭載されてもおかしくはなかった。……いや、それともフレイヤ級か? フレイヤはビームじゃないが。
「分かりました。……でも、X世界から持ってきたGXのデータを見る限りだと、サテライトキャノンはコロニーですら破壊するだけの威力を持っているんでしょう? それを思えば、純粋に威力という点ではX世界の武器はこっちとそう負けてないと思いますけどね」
技術班の言葉には多少なりとも納得するだけの説得力があった。
サテライトキャノンの威力は、まさに一撃必殺と呼ぶに相応しいだけのものがある。
それに匹敵するような威力のビーム砲をテンザン級に搭載するというのは……うん、技術班であれば普通にやってしまいそうな気がしているな。
「それでも止めてくれ。テンザン級が狙われる可能性が高くなる」
そんな強大なビーム砲を持っているテンザン級。
敵がそれを知れば、そのような武器を持つテンザン級を最初に攻撃しようとしてもおかしくはない。
何しろそんなに強力なビーム砲をテンザン級が持っていると、その一撃によってあっさりと勝敗がついてしまうのだから。
極めて強力な威力を持つだけに、戦う敵にとっても放っておく訳にはいかないのだろう。
「分かりましたよ。ちなみに他にテンザン級の改修については?」
「ホバー移動の速度が速くなってくれると助かる」
「いっそ、ホバー移動を強化して、跳躍をしてみてはどうです?」
その言葉は、俺が以前ちょっと考えた事でもあった。
とはいえ、だからといってそれに頷くことは出来ない。
「いや、止めておく。跳躍をすると、テンザン級に乗ってる者達が被害を受ける可能性がある。特に格納庫の中ではな」
格納庫の中だけではなく、食堂、医務室……それ以外にも色々と同じように危険な状況になってもおかしくはない。
テスラ・ドライブで空中に浮かぶのならともかく、ホバー移動で跳躍をするといったような真似をした場合、大きな被害があってもおかしくはなかったのだ。
「そうですか? そうなったらそうなったで、面白いと思うのですが」
「……言っておくが、妙な真似をしたらレモンに言いつけるぞ。それに、このテンザン級にはマリューも乗るんだ。その辺りについてきちんと理解した上で改修するように」
「分かりました」
数秒前の態度は一体なんだったのか、即座に態度を変える男。
下手をしたらレモンにお仕置きをされる、あるいはマリューにお仕置きされると思ったのだろう。
「じゃあ、任せた。……最後に繰り返すけど、このテンザン級を指揮するのはマリューだ。それを本当に忘れるなよ?」
コクコクと、何度も頷く男。
もしこれでマリュー以外の……技術班とは全く関係のない者が艦長をするのなら、技術班は一体どういう改造をするのやら。
とにかく、テンザン級については技術班に任せて俺は魔法球から出るのだった。
「あら、アクセル?」
交流区画を歩いていると、不意にそんな声が聞こえてくる。
声のした方に視線を向けると、そこにはクスコとクリスの姿があった。
「買い物か?」
「ええ。色々と暇が出来たから、ちょっと見て回っているのよ」
クスコがそう言いつつ、手に持っている買い物袋を見せる。
どこかの店で購入した商品なのだろう。
「休日を楽しんでいるようで何よりだよ。……それで、他の面々はどうしたんだ? シーマとかモニクとか」
「シーマ達は上に出す報告書を書いてるわよ」
「あー……うん。なるほど」
クスコのその言葉は、俺を納得させるに十分だった。
シーマは階級という意味ではX世界に行っている面々の中で一番高い。
セイラと並んで、ルナ・ジオンの象徴とされているし。
モニクはモニクで、役人として有能なだけに上に報告する書類を書くのは当然なのだろう。
「で、クスコとクリスはその辺は問題ないのか?」
シーマとモニクが忙しいのは理解したが、それなら俺の目の前にいるクスコとクリスはどうなるのかという話になる。
そんな俺に対して、クリスは少しだけ申し訳なさそうな表情を浮かべていた。
クスコの方は、特に問題ないといった様子だったが。
クリスの所属は一応ルナ・ジオン軍ではあるが、基本的にはディアナでMSの開発やテストパイロットをしている。
そうである以上、X世界のMSについて色々と見たのを報告してもおかしくはない。
クスコもまた、ルナ・ジオンが誇るニュータイプの1人だ。
そうである以上、ニュータイプ研究所のアルテミスに色々と報告書を提出したりといったような真似をしなくてもいいのかと思ってしまう。
「私の方は後でそれなりにやっておくわ。クリスはもう終わったらしいわよ」
「そうなのか。……シーマ達がやってるのに、クスコは後回しにしてもいいのか?」
「色々と考えるところはあるんだけど、だからといってあまり適当なことは書けないでしょう? マリオンも今頃はオルテガと一緒にホワイトスターの観光を楽しんでるでしょうし」
「あー……あの2人はな」
俺が言うのも何だが、オルテガとマリオンの2人は馬鹿ップルといった表現が相応しい。
そうである以上、今頃どういうデートをしてるのかは考えるまでもないだろう。
その辺に突っ込むのは野暮というものだ。
「それで、そんな2人の件はとにかく……私とクリスという、アクセルを好きな女が2人揃っていて、ここでアクセルと会ったんだけど。このまま別行動という事はないわよね?」
意味ありげな視線を向けてくるクスコ。
クリスも言葉には出さないが、期待の視線を向けていた。
一瞬どうするかと思ったが、テンザン級やGXの改修、X世界で新たに入手したMSの解析を頼んできたし、今の状況で特にやるべき事はない。
いや、色々とやるべき事はあるんだが、それはどうしても今すぐにやらなければならないといったようなものではなかった。
「そうだな。俺も特にやるべき事はないし、3人でデートでもするか。……どこか見てみたい場所はあるか?」
「これから牧場に行ってみようって話をしてたんだけど」
クリスのその言葉に納得する。
ホワイトスターは幾つか観光名所と呼ぶべき場所があるが、牧場はその中の1つだ。
ワイバーンの試乗が出来るし、ちょっと珍しい動物の飼育も行っている。
また、牧場にある売店では色々な物が売られており、買い物を楽しむという点でも悪くはない。
「分かった。じゃあ、3人で行くか。ちなみに、ワイバーンに乗る予定は?」
「私はちょっと乗ってみたいわね」
即座にそう言ってきたのがクリスだったのは、ちょっと驚きだった。
この手の事に積極的なのは、寧ろクスコだと思っていたからだ。
「クリスが? ちょっと珍しいな」
「あら、そう? でもワイバーンには前からちょっと興味があったのよ。トニヤが乗って面白かったって話していたし」
「ああ、前回来た時の」
あの時はトニヤがワイバーンに乗って楽しんだのを覚えている。
その間、俺はサラと売店で買い物をしていたが。
というか、クリスはトニヤと仲良くなっていたんだ。
いつそういう機会があったんだと疑問に思ったが、女同士それなりに気が合ったんだろう。
「ええ。前回は私達はホワイトスターを楽しむような時間はなかったし」
そう言い、クリスの視線が俺に向けられる。
それが一体何を意味しているのかは、俺にも理解出来た。
トニヤがワイバーンに乗って遊んでいる時、クリスとクスコは……いや、この2人だけではなく、シーマとモニクの2人も共に、俺の家に行っていたのだから。
そしてレモン達と会って、色々と話をした。
その話が具体的にどういう話だったのかは、生憎と俺には分からない。
分からないが、それでもどういう話だったのかというのは予想出来る。
……幸いな事に、シーマ達とレモン達の話し合いは特に何か騒動が起きるでもなく、無事に終わったしな。
そんな風に考えながら道を歩いていると……
『私の歌を聴けぇっ!』
不意にそんな声が聞こえてくる。
しかもその声が聞こえてきた方からは、ワーワー、キャーキャーといった歓声まで。
それが一体何を意味してるのかは、考えるでもなく明らかだ。
あのフレーズからして、間違いなくシェリルだろう。
シェリルが路上ライブをするとか、一体何がどうなってるのやら。
銀河の歌姫と呼ばれていたマクロス世界は言うまでもなく、今のシェリルは色々な世界で歌手としてデビューしている。
とはいえ、特定の世界……シャドウミラーの存在が公になっている世界以外では、ライブとかはやっていない。
そういう世界では、基本的にCDを出したりダウンロード出来るようにしたりとか、そんな感じだ。
それでもシェリルの実力は本物だからか、どの世界であってもシェリルは非常に人気が高かった。
歴史上最高峰のCDを売り上げたり、ダウンロード数が1位になったりと、そんな話を聞く。
そんなスターが、何でいきなり路上ライブ?
交流区画にいる面々は、色々な世界から来ている者達だ。
自分達の世界でも当然のようにシェリルの曲は売られているし、ファンもまた多いだろう。
そんな大スターがいきなり路上ライブを行っているのだから、こうして歓声が聞こえてきてもおかしくはない。
「何、あの歌は?」
「いい歌ね……」
クスコとクリスがそれぞれ呟く。
「一応ルナ・ジオンでもシェリルの歌は売ってるらしいけど、知らないのか? それに、シェリル自体は以前ホワイトスターに来た時、俺の家で会ってると思うけど」
ルナ・ジオンを通して、地球や宇宙でもシェリルの歌は売られている。
UC世界の場合は、シャドウミラーの存在をはっきりとしている影響もあって、シェリルの歌やその美貌だけではなく、異世界人という点でも興味を集めているらしい。
クスコとクリスがそれを知らないのは少し驚きだったが。
「ちょっと見ていかない?」
俺の説明を聞いてか、あるいはここにまで届く歌に惹かれてかは分からないが、クリスがそう告げる。
クスコもそんなクリスの言葉に異論はないのか、素直に頷く。
「そうね。私もちょっと見てみたいわ」
2人が揃ってそう言うのなら、俺も反対はしない。
元々今日はクスコとクリスに付き合うつもりだったのだ。
そうである以上、2人が牧場に行く前にシェリルの路上ライブを見たいと言うのなら、それに反対するつもりはない。
そうして歌の聞こえてくる方に向かったのだが……
「やっぱりな」
そこに広がっている光景は、ある意味予想通りだった。
道路には多くの観客が集まっており、シェリルの歌に歓声を上げていたのだから。
正直なところ、俺達はやって来るのが遅かった。
遅かったが……だからといって、見られない訳ではない。
「クスコ、クリス」
「え? きゃっ!」
「ちょ、アクセル!?」
2人の腰を抱き寄せ、そのまま空中に浮かび上がる。
混沌精霊の俺にしてみれば、空を飛ぶというのはそう難しい話ではない。
実際、ネギま世界から来た魔法使いと思しき者達が箒に乗って空を飛んでいたり、普通に空中に浮かんでいたりしているのも何人かいるのだから。
だが、空を飛べるのはあくまでもそういう力を持っている者達だけだ。
クスコとクリスはUC世界の人間で、機械の助けを借りないと空を飛んだりは出来ない。
UC世界では特殊な存在のニュータイプも、別に空を飛べる訳じゃないし。
あ、でも空を飛ぶのとはまた違うが、精神で触れ合うとかそういうのはあるらしいな。
……もしかしてニュータイプ能力が強ければ、幽体離脱みたいな形で精神を身体から離すといった真似が出来るようになる……かもしれない。
あくまでも俺の予想だが。
「ほら、これならシェリルの歌を聴けるし、踊りも見る事が出来るだろう?」
そんな俺の視線の先では、シェリルが歌いながら激しく踊っている。
歌いながら踊るというのは、思っている以上に体力を使う。
しかし、シェリルもまたエヴァの訓練を受けている身だ。
魔力によって身体強化されたその姿は、常人とは比べものにならない。
それを示すかのように……そして空を飛んでいる俺を見たのも影響してるのか、シェリルの歌と踊りは一段と激しくなる。
なんと踊りの中に虚空瞬動まで入っていた。
もしかして、これを試したかったからホワイトスターで路上ライブをしたのか?
そうして三次元で踊っているシェリルは、まさに銀河の歌姫と呼ばれるに相応しい風格とカリスマを持っている。
「凄い……わね……」
「ええ。これが……シェリル・ノーム……」
俺に腰を抱かれたクスコとクリスの2人も、視線の先の光景に完全に目を奪われており、それはシェリルの路上ライブが終わるまで続くのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1930
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1754