シーマの操縦する高機動型GXとガロードの操縦するディバイダー装備のGXの模擬戦は、まだ続いていた。
ただし、その勝率はシーマが圧倒的に有利ではあったのだが。
「結構持ち堪えるようになってきたな」
「そうね。ただ……ちょっとこれは驚きだけど」
「これはちょっとどころの驚きじゃないでしょ」
俺とマリューの会話に、ミナトがそう突っ込む。
まぁ、その言葉も理解出来ない訳ではない。
MSの操縦というのは、普通そう簡単に操縦技術が上がるようなものではない。
訓練をすれば、少しずつ……本当に少しずつ上がっていくのだ。
しかし、それと比べるとガロードの操縦技術の上昇はかなり急だった。
それこそこの短時間でシーマに勝つ……とまではいかずとも、負けるまでの時間がかなり長時間になるくらいには。
「ある意味、それは納得出来るんだけどな」
この世界の原作の主人公がガロードだというのは、今までの話の流れからするとほぼ間違いない。
あるいはこの世界の作品が実は第2作目という事があった場合、その舞台は15年前の戦争である以上、もしかしたら前作の主人公がジャミルだったのかもしれない。
ニュータイプパイロットとして軍から英雄的な扱いを受けていた。
そうである以上、あくまでもガンダムが出てくる原作があるとすれば、ジャミルが主人公であってもおかしくはない。
もっとも、その前作は最終的に宇宙革命軍がジャミルの操縦するGXに脅威を覚え、コロニー落としを強行した事でBADENDになってしまったと思うが。
ともあれジャミルが主人公の件はともかくとして、今はガロードの話だ。
ガロードがニュータイプではないが、この世界の状況的にニュータイプの敵が出てくるのは間違いない。
であれば、UC世界的に言うとオールドタイプであるガロードがニュータイプに対抗するのは難しい。
実際、カリスを相手にしての戦いでは一方的にボコボコにされていた訳だし。
しかし、ガロードが主人公である以上はニュータイプに対する何らかの手段を持っている可能性が高い。
それが、この順応性とでも呼ぶべき能力なのだろう。
とはいえ、これはあくまでも俺の予想でしかないが。
実際には俺が知らないだけで全く別の何らかの能力をガロードが持っている可能性は否定出来ない。
「あ、またシーマが勝ったみたいね」
ミナトの言葉通り高機動型GXの持つビームライフルの銃口がガロードのGXのコックピットに突きつけられている。
「そろそろいいか。何だかんだで1時間くらいは模擬戦をやっていたしな。シーマ、ガロード、そろそろ終わるぞ」
『もうかい? あたしはまだ出来るけど……まぁ、坊やの方が限界に近いし、しょうがないかね』
『ぼ……坊やって呼ぶな……俺だってまだ……』
『ガロード、模擬戦は、もう終わりだ』
強がりを言おうとしたガロードだったが、それに待ったを掛けたのはジャミル。
ジャミルから見ても、ガロードがこれ以上模擬戦を続けるのは無理だと判断したのだろう。
「そういう訳だ。それに……あまりここで頑張りすぎると、妙な事を考えたりする奴が出てくるもしれないしな」
そう言いつつ、外の様子を映し出しているモニタを見る。
そこには陸上戦艦が複数ある。
基地での取引をしていた者達が、模擬戦をやると聞いて見に来た。
あるいは基地に向かっている途中で、こうして模擬戦をやってる光景を見て足を止め、様子を見ていた。
そんな感じで、結構な数のバルチャー達……普通の商人もいるのかもしれないが、とにかくそういう風に多くの者達がこの光景を見ていたのだ。
俺達と取引をする許可を貰った者達だけあって、そう簡単に馬鹿な真似をするとは思えない。
思えないが、それでも今の戦いを見れば高機動型GXやディバイダーを装備したGXを欲しいと思ってもおかしくはない。
……実は高機動型GXは基地のMS生産設備で作る事が出来るから、そのうちハイエンド商品として売り出すつもりではあるのだが。
GXはジャミルが乗っていたガンダムとして、かなり有名な機体だ。
ただし、フラッシュシステムとサテライトキャノンという、GXの代名詞を取り外してしまえば、その機体は普通の汎用機でしかない。
高機動型とはいえ、それでも戦闘機形態になったエアマスターには機動力では及ばないし、純粋な火力という点でもサテライトキャノンがなくなった事からレオパルドには及ばない。
しかし、レオパルドよりも高い機動性や運動性を持ち、エアマスターにも匹敵するだけに火力を持つという風に考えれば、オクト・エイプの上位互換と呼ぶに相応しい高性能汎用機であるのは間違いない。
ノモアはこの高機動型GXをどうやって売り出すんだろうな。
誰にでも高機動型GXを売るというのは、正直なところ最悪の結果になってしまいかねない。
そうなると、やはりここはしっかりと信頼出来ると判断出来るような相手だけに売るとか、そういう風にしたい。
誰にでも売るとなれば、それこそシャギアやオルバの組織が高機動型GXを購入したり、あるいは直接購入するのではなくても買った相手から奪取するといった真似をしてもおかしくはない。
純正な性能となれば、高機動型GXはヴァサーゴにもアシュタロンにも及ばないだろう。
だが、高機動型GXを研究して量産型MSを開発するという事になれば、厄介だ。
「あのディバイダー。やっぱり少し興味あるわね」
模擬戦が終わり、高機動型GXもガロードのGXもそれぞれ母艦に戻ったのを見ていたマリューが、小さく呟く。
シーマとの模擬戦で、ガロードはディバイダーを存分に使いこなした。
最初こそ、まだ完全に使いこなすといったような事は出来なかったものの、シーマとの模擬戦を重ねるうちに、ディバイダーの使い方に順応していったのだ。
模擬戦の中でシーマを相手に長時間粘れるようになったのは、間違いなくディバイダーを使いこなしていたからだ。
「マリューが興味を持つのは分かるけど、あのディバイダーは複合兵装だけあって使いこなすのは難しいし、パイロットの戦闘スタイルも重要になってくると思うぞ」
恐らくだが、ガイア、オルテガ、マッシュの黒い三連星の3人はディバイダーを量産しても使わないだろう。
あの3人の戦闘スタイルを考えれば、ディバイダーは……ビーム砲として使う分には、あまり好みではない筈だ。
追加スラスターとして使うのなら、それなりに使い道もあるが。
ただ、そういう真似をするのなら普通に機体の方を改修してスラスターを追加したりした方がいい。
「そうね。その点、シーマならディバイダーを使いこなせると思うわよ?」
「それは俺も否定しない。……というか、シーマに使いこなせないなら、殆どの奴に使いこなせないと思うし」
UC世界からやって来た面々は精鋭揃いだが、そんな中でシーマはトップクラスの能力を持っている。
そうである以上、もしシーマに使いこなせないのならそんな武器はあまり意味がないだろう。
「そういう意味では、そこまで複雑な武器じゃないのよね。あるいは、いっそ威力が高いディバイダーを武器だけにして、後方からの援護射撃をするとかにしてもいいかもしれないわね」
「中距離援護用、あるいは遠距離援護用の武器か。……それはいいかもしれないな。テンザン級は後方からメガソニック砲で遠距離射撃が出来るけど、MSのように自由に動き回るのがディバイダーを使ったら……」
ディバイダーの威力そのものは、メガソニック砲に劣る。
しかし、テンザン級のメガソニック砲はどうしても陸上戦艦である以上はMSとかに比べると機動性や運動性で劣る。
もっとも、陸上戦艦の攻撃というのは基本的にMSではなく敵の陸上戦艦を攻撃したり、軍事基地とかを攻撃したりするようなものなのだが。
「敵の実力次第では効果的な攻撃になるかもしれないわね。ただ、純粋に武器として使うのならミサイルとかを追加しても面白いかもしれないわね」
そんな風に、暫くディバイダーについて話すのだった。
「ん? ウィッツとロアビィが戻ってきた? そう言えばそろそろ約束の時間だったか。きちんと時間通りに戻ってきたのはさすがだな」
時間を守るのは当然と思うのだが、バルチャーの中にはそういう認識がない奴もいる。
俺がオクト・エイプに乗ってフリーのMS乗りとして活動していた時、約束の時間になっても……どころか、約束の日にも待ち合わせ場所に来なかった奴がいた。
勿論、バルチャー全員がそう考えていると言ってる訳ではない。
というか、バルチャーの大半はきちんと時間を守る。
そう考えると、平気で遅刻したあのバルチャーが特別だったのだろう。
もっとも、途中で他のバルチャーやフリーのMS乗りに襲われたといったような理由で遅れたのなら、俺も素直に納得出来ただろう。
しかし、あの時は特にそういう理由がある訳でもなく遅れたという話だったし。
それもあって、結局その後はもうそいつと組む事はなかったのだが。
……というか、聞いた話によるといつも通りに待ち合わせ場所に遅刻したら、そこには既に誰もいなくなっていて、そこを盗賊のバルチャーに襲われて死んだとか何とか噂で聞いたし。
ともあれ……これからどうするのかジャミルに聞くか。
通信で聞いてもいいんだが、今は何となく直接フリーデンに行って話を聞きたい。
特に何か理由がある訳でもないのだが。
敢えて理由があるとすれば、ガロードがどうなったのかちょっと気になるといったところか?
シーマとの模擬戦でボコボコにされたガロード。
模擬戦なので機体にダメージはないものの、ボコボコ具合ではカリスと戦った時よりも上だろう。
シーマの能力を考えれば、それも当然かもしれないが。
もしかしたら、落ち込んでいる可能性もある。
ただ、一応最後の方ではシーマとそれなりにやり合えるようになっていたしな。
そんな風に考えながら、俺はフリーデンに向かうのだった。
「ん? これはまた……一体どうしたんだ? 何だか妙に雰囲気が違うけど」
フリーデンにやって来た俺が顔を出したのは、遊戯室。
実はジャミルと面会したいと言ったのだが、現在ジャミルはサラと共にフリーデンの経営について話していて、時間が取れなかったのだ。
フォートセバーンで確保して、返却しなかったポーラ・ベアーの部品とか、修理した機体を売るとか、そういう感じで。
ジャミルはバルチャーの中でも優良な者達だ。
だからこそ、MSを売るにしてもきちんとした相手に売りたいのだろう。
これが金儲け至上主義であったり、誰に売るとかは全く考えていないような奴だったりした場合、それこそ盗賊のバルチャーになりたい相手にMSを売ったりする可能性もあった。
あるいは、MSを売らずに自分達の戦力にして他人を襲おうとするか。
その辺りの理由はそれぞれ違えど、ジャミルの場合はそういう悪辣な相手に売ろうとはしない。
顔見知りか、あるいは紹介状を持っているのか、もしくは村や街の防衛用か。
そういうのについて話しているので、取りあえず時間を潰す為に遊戯室にやってきたのだが……そこにいたウィッツとロアビィは、どこかいつもと雰囲気が違ったのだ。
「ああ、アクセルか。いや、ちょっとな」
「色々とあったんだよ、色々と」
そう言ってくる様子を見ると、その言葉通り色々とあったのは間違いないだろう。
今回の休暇でどんな事があったのかと聞いても、この様子だと恐らく話したりはしないだろう。
なら、無理に聞く必要もないか。
何があったのかは分からないが、この2人もフリーのMS乗りとしてずっとやってきたんだ。
もしその何かがフリーデンや俺達に何か不都合があるようなら、こうして隠したりはしないだろう。
ビリヤードとかをしていたり、木彫りの熊を手に取ったりしていない以上、よっぽどの事があったのは間違いないだろうが。
「そっちでも色々とあったようだが、こっちでも色々とあったぞ。具体的には、ガロードのGXを解析して高機動型GXを生産出来るようになったりとか」
「マジかよ」
「へぇ……それはまた……」
高機動型GXについては、ウィッツやロアビィにとっても完全に予想外だったのだろう。
数秒前の物思いに耽っていた状態から、普段通りの様子に戻った。
この辺、さすがMS乗りだよな。
まぁ、MS乗り云々というよりも、ガンダムを量産出来るようになったというのが大きいのだが。
「とはいえ、売るにしてもかなり高価になると思うけどな。具体的には、MSを欲しいと思ってる者であってもちょっと躊躇してしまうような金額に」
実際にはその辺を決めるのはノモアなので、もしかしたらそこまで高額にならない可能性もある。
とはいえ、ノモアもその辺については色々と考えている筈だ。
俺とそう違わない考えになるのは間違いないと思う。
「高機動型GXってことは、機動力が高いのか?」
「武器の方はどうなんだ? サテライトキャノンはフラッシュシステムで登録しないと使えないんだろう?」
ウィッツとロアビィは、高機動型GXという機体に興味津々らしい様子を見せるのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1930
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1754