遊戯室で微妙な雰囲気のウィッツとロアビィと話していたものの、高機動型GXについては十分に興味を惹いたらしく、そちらについて積極的に会話をしていたのだが……
「アクセル、ジャミルが呼んでるぜ」
遊戯室にいる俺を、ガロードが呼びに来た。
サラとやっていた書類仕事とかは終わって俺と会う時間が取れたのだろう。
とはいえ、だからといってガロードを呼びに来させるとは思ってもいなかったが。
「ガロード、もういいのか?」
「いいって、何がだよ?」
そう尋ねている様子は、特に強がっているようには見えない。
「いや、シーマとの模擬戦でボコボコにされただろう? カリスの時の事を考えると、ガロードはまだかなり落ち込んでるかと思ったんだが」
「なるほど、そういうことか。何でだろうな。模擬戦で負けたのは悔しいけど、カリスの時程に落ち込んだりって感じではなかったんだよ」
恐らくガロード本人も、自分が何故そのように思っているのかが分からないのだろう。
少し戸惑った様子で呟く。
けど……なるほど。シーマに負けたのは間違いないが、そこまで悔しくはないか。
これで負けに慣れたとか言うのなら、こっちも色々と突っ込むようなことがあっただろう。
しかし、ガロードの様子を見る限りでは特に何かそのように思っているようには見えない。
だとすると、負けは負けでも自分がもっと強くなる事が出来るような負けだったと、そんな風に思っているのか?
実際、シーマとの模擬戦において、ガロードは急速に強くなっていった。
そう考えると、シーマとの模擬戦で自分の成長を理解し、そこまで悔しくないと思ってもおかしくはない。
……実際、あの模擬戦でガロードの技量は間違いなく上がっている。
それこそ現在はきちんとしたMSの訓練をせずにバルチャーとなって適当に乗っている者が多いこのX世界においては、間違いなく上位に位置するだけの実力を持っているだろう。
勿論、普通なら……その辺にいる多少MSに乗れる程度の実力の持ち主であれば、シーマと模擬戦をしてもガロードと同じように急速に操縦技術を上げるといった真似は出来ない。
そのような真似が出来るのは、ガロードがそれだけの才能を持っていたからだ。
シーマとの模擬戦で、ようやくその才能が開花したといったところか。
このX世界の主人公である以上、それだけの実力を持ってるのは当然かもしれないが。
そもそもの話、ニュータイプでも何でもないガロードがこのX世界の原作の主人公であるという事は、ニュータイプ能力を持った敵と戦ってもどうにか出来るだけの何かが必要となるのだから。
「アクセル? どうしたんだよ?」
「いや、ガロードもあの模擬戦で強くなったと思ってな。多分、ウィッツやロアビィと戦っても勝てるんじゃないか?」
「ああ? 何だと、アクセル?」
「へぇ……そういう事を言っちゃうんだ」
「ちょ……おい、アクセル!?」
俺の言葉にプライドを刺激されたのか、ウィッツとロアビィは好戦的な笑みを見せる。
そんな2人に絡まれ、俺の名前を呼ぶガロード。
「じゃあ、俺はジャミルに用事があるから」
「アクセル!」
遊戯室から立ち去る俺の背中に、ガロードの声が投げ掛けられる。
悪いな。まだウィッツとロアビィは休暇中の何かを完全に吹っ切った訳ではないらしい。
そうである以上、ウィッツとロアビィがガロードと模擬戦を行えば、多少は気分転換になるだろう。
同時に、ウィッツとロアビィと模擬戦をやってガロードの技量が更に上がるという事にでもなれば、悪い話じゃないし。
そんな訳で、俺はガロードをその場に残して艦長室に向かう。
途中で何人かのフリーデンのクルーとすれ違うが、向こうも俺が誰なのかというのは分かっているらしく、誰だと言われるような事はない。
もし言われても、ジャミルに連絡して貰えばそれでいいのだから、特に問題はないのだが。
そんな風に思いつつ、艦長室が見えてくると……不意に艦長室の扉が開く。
ジャミルか? と思ったものの、艦長室から出て来たのはジャミルでもサラでもなく、ティファ。
その手にはスケッチブックを持っており、右肩にはリスの炎獣を乗せている。
ティファがジャミルの部屋に……か。
そこに多少なりとも思うところがあったものの、今は取りあえず気にしないでおくか。
俺はそう思ったが、ティファの方は違う。
ティファは俺の存在に気が付くと、いつものようにビクリとし……しかし、通路ではどこかに隠れたりといったような事も出来ないので、頬を赤くしながら俺とすれ違う。
あの様子だと、まだ俺に慣れるにはかなり時間が掛かりそうだな。
とはいえ、ティファが見た俺とマリュー、ミナトとの夜の光景を考えると、そう簡単にこっちと接するのは難しいだろう。
ティファは小さい頃からニュータイプとして研究されてきた。
そうである以上、教育の類も殆ど受けてはいないのだろう。
教育という点では、それこそガロード達も同様かもしれない。
それだけに、性に対する知識がないのは大きい。
ネットとかが発達していれば、思春期になってそういうのを検索したりといった真似も出来るのだろうが、残念ながら戦後世界のX世界ではそういう真似は出来ない。
そうなると、大人が直接そういう知識を教える必要がある訳だ。
……トニヤの性教育とか、ガロードにしてみればもの凄いやる気になってもおかしくはないような気がする。
少し、本当に少しだけ羨ましく思いながら、艦長室の扉をノックする。
「ジャミル、いいか?」
『ああ、入ってくれ』
扉の向こうから聞こえてくる声に、扉を開ける。
フリーデンは陸上戦艦の中でも決して大きな方ではない。
そうなると、当然ながら艦長室もそこまで広くはなかった。
それでもフリーデンのクルーが使っているよりは広い部屋だが。
パイロットは基本的に個室を使っているものの、クルーの中には部屋数の関係上、1つの部屋を数人で使っていたりもするらしい。
それに比べれば、艦長室はかなり快適なのは事実だ。
テンザン級の方だと、部屋が結構……いや、かなり空いてるんだけどな。
エルフを含めたシャドウミラー組、UC世界組は全員が普通に個室を使っているし。
コバッタは格納庫であったり、専用の部屋で充電や待機をしていて、量産型Wもそれは同様だ。
いっそフリーデンのクルーの何人かの部屋をこっちで用意してもいいのかもしれないな。
基本的に俺達はフリーデンと行動を共にするつもりなので、そういう意味では別に無理にフリーデンで寝なくてもいい。
そう思うが、それだと緊急事態の対処が難しいか。
夜に突然盗賊のバルチャーの襲撃を受けるとか、あるいはシャギアやオルバの襲撃を受けるとか。
そうなった時、テンザン級からフリーデンに移動するのは難しい。
車とかで移動するにしても、戦いの最中だと当然ながらフリーデンやテンザン級も動いている訳で……下手をすれば、攻撃に巻き込まれる。
いや、もっと最悪の場合は、フリーデンやテンザン級に乗り込めず、ぶつかって死ぬという可能性もある。
うん、そう考えるとやっぱり部屋を貸すのは危険の方が大きいな。
「アクセル、ちょうどいいところに来てくれた。これを見てくれ」
ジャミルがそう言い、俺に向かって今まで自分が見ていた紙を渡してくる。
「これは……竜、か?」
そう言いながらも、それが竜でないのは俺にも理解出来た。
正確には、それは竜に似た岩か何かの絵。
「ティファか?」
艦長室から出て来たティファとすれ違った時、ティファがスケッチブックを持っていたのを考えると、この絵はティファが描いたものに間違いはないだろう。
というか、フォートセバーンの絵の時も思ったけどティファって普通に絵が上手いな。
教育がされていないという事は、つまり独学でここまで上手い絵を描けるようになった訳で……素直に凄い。
ニュータイプ能力に目が行きがちだが、画家としての才能もあるんだろう。
「そうだ。……これが次の目的地なのだが、問題なのはここがどこなのか分からない事だろう」
「あー……うん。それはな」
フォートセバーンの時は雪があったのでまだ分かりやすかった。
この絵も竜に近い外見をしているので、それなりに見つけやすいのは間違いない。
それこそ性教育の話でもないが、ネットが使えればこういう独特な形をした岩というのはそれなりに見つけやすいんだけどな。
せめてもの救いは、フォートセバーンの時の雪と同じように水が描かれていた事だろう。
「川……はないとして、湖と海のどっちかだな」
「ああ。恐らくは海だろう。だが……海と言っても広い」
ジャミルのその言葉に同意する。
北米大陸全体を囲んでいる海を、隅から隅まで探すというのは現実的に無理だ。
フォートセバーンの時は街が描かれていたので、そういう意味では分かりやすかったんだよな。
しかしそのような真似が出来ない以上、それこそ色々な村や街に行って情報を集めるか、人海戦術か。
「探すとしたら人海戦術だな。この絵が北米なら、シャドウミラーの力を使えば見つけるのは……それなりに時間は掛かると思うけど、何とかなると思う」
「本当か? だが、どうやって?」
「シャドウミラーには、空を飛べる無人機が多い。それを使えば、情報収集は出来る」
シャドウは人型で目立つから無理。
メギロートも、虫型だが大きさ的に目立ってしまう。
そうなると、やっぱりバッタで探す方がいいか。
幸いにも、バッタは結構な数がいる。
使おうと思えば、数千機程度ならすぐにでも用意出来るだろう。
「頼めるか?」
そう説明すると、ジャミルはすぐにそう言ってくる。
本来なら、ジャミルもそう簡単に頼んできたりはしないだろう。
しかし、ティファが絵を描いたという事は、ニュータイプに関係してるのは間違いない。
そうである以上、ニュータイプを守るという決意を持っているジャミルが、自分のプライドとニュータイプの発見のどちらを優先するのかは考えるまでもない。
これで下らないプライドを重視するような奴なら、俺の手は借りないと言ってもおかしくはないのだが。
「ああ。任せろ。ただ……基本的に探すのは北米大陸となる。もしこの竜の形をした岩が南米や欧州、ユーラシア大陸といったような場所にあった場合、さすがに見つけるのは難しいぞ」
絵で描かれている場所が具体的にどこなのかというのが分かれば便利なのだが。
正確にどこだとピンポイントで示す事は出来ずとも、大体この辺りといったような感じで示せれば、色々と便利なのは間違いない。
そういう真似が出来ないのは、今までのやり取りではっきりしてるのだが。
ティファのニュータイプ能力がもっと成長すれば、いつかはそういう真似も出来るようになるかもしれない。
「それでもいい。ただ、これは私の勘でしかないが、ティファの描いたこの岩があるのは北米だと思う」
「ニュータイプの勘か」
「違うな。元ニュータイプの勘だ」
俺の言葉をそう言い直すジャミル。
ジャミルとしては、自分がニュータイプであったのはともかく、ニュータイプの力を取り戻したいと思っているのだろうか。
ノモアから受け取った資料を解析し、ジャミルの検査をしっかりとやれば、レモン辺りならニュータイプ能力を復活出来そうな気がするんだが。
「ジャミル、もしニュータイプ能力を取り戻せるとしたら、取り戻したいか?」
「……何?」
ジャミルにとっても、俺の口から出たのは予想外の言葉だったのだろう。
数秒の沈黙の後で、そう聞いてくる。
「もしもの話だ。ただ、これはもしもだが、絶対に不可能という訳ではない。しっかりと検査をしないと何とも言えないけど、シャドウミラーならもしかしたらお前のニュータイプ能力を取り戻せるかもしれない」
「冗談ではないようだな」
サングラスをしていても、ジャミルが強烈な視線を俺に向けているのが分かる。
ジャミルにしてみれば、俺が口にした内容はとてもではないが冗談で言えるような内容ではないのだ。
「ああ。ただし、これはあくまでもそう出来るかもしれないというだけで、実際にどうなるのかは分からない。あるいは……こっちは本当にもっと可能性が低い話だが、ジャミルの場合は元ニュータイプである以上、人工ニュータイプの技術を使えばどうにかなる可能性は十分にある」
人工ニュータイプも天然のニュータイプも、結局のところ能力としては同じなのだ。
そうである以上、元ニュータイプという特殊な存在のジャミルは、人工ニュータイプの技術でどうにかニュータイプ能力を取り戻せる可能性があった。
あるいは、カリスのように人工ニュータイプになっても、最大の難点であるシナップス・シンドロームがなくなるか、あるいはかなり軽いものになるといった可能性もあるだろう。
勿論、必ずしもそうなるとは限らない。
あくまでも予想だ。
場合によっては、今でも僅かにあるというニュータイプ能力が完全になくなる可能性もあるし、カリスよりも酷いシナップス・シンドロームになるかもしれない。
その辺は前例がないだけに、実際にやってみないと何とも言えないんだよな。
「いや、私は今のままでいい」
ジャミルは悩みつつも、最終的にはそう答えるのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1930
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1754