「うわぁ……あれ……全部が何だっけ? ああ、バッタとかいう無人機なのか?」
ガロードが空を見上げながらそう言ってくる。
ガロードの視線の先にある空を、地上にいる者達の多くが見上げていた。
空を飛んでいるのは、無数のバッタ。
ジャミルから頼まれた、ティファの描いた竜に似た岩のある場所を探す為に出撃したバッタの群れだ。
X世界の者達にしてみれば、こんな光景は見た事がないだろう。
15年前の戦争を経験した者にしてみれば、もしかしたら似たような光景を目にした者がいる可能性はある。
ただ、その戦争で空を飛んでいたのはMSか戦闘機だろう。
それに対して、今の空を覆っているのはバッタだ。
MSでも戦闘機でもないその姿は……もっとも地上からはそうやってしっかりと見る事が出来るかどうかは、人による。
高度が高い為に、何かが飛んでいるというのは分かっても、実際にそれがどのような形をしてるかどうか判断するのは難しい。
それにバッタはMSとか戦闘機と比べても明らかに小型だし。
「ああ、バッタだ。戦闘力という点では、かなり性能は低いけどな」
「なら、バルチャーに攻撃された場合はどうするんだ?」
「基本的には逃げるように言ってあるな。それでも逃げ切れないようなら、戦闘を許可するように指示は出してる」
ある意味、これはX世界だからこそ出来る事だったりするんだよな。
国やそれに準じる勢力は……フォートセバーンの例を考えればない訳ではないものの、基本的には街や都市といった規模だ。
連邦のように全世界を統治しているとかなら、バッタを撃墜した後でそれを分解し、そこにはX世界とは全く違う技術があると思えたりしてもおかしくはない。
そうなれば当然のようにバッタを解析し、その技術を得ようとするだろう。
何しろX世界においても完全に自己判断出来る無人機の類はなかったらしいし。
しかし、現状のX世界の状況を考えると、街や都市の規模でバッタの残骸を入手しても、それを解析出来るとは正直思えない。
この先……未来の事を考えれば、必死になってその辺りを研究したりし、それが実を結ぶ事もあるかもしれないが。
「これでティファの描いた場所、見つかればいいんだけどな」
しみじみと呟くガロードに、そうだなと頷くのだった。
「駄目だ、こっちにもあの竜の形をしたような岩はない」
バッタが飛び立ってから数日……現在俺は、ヴァサーゴに乗って海岸線上を移動していた。
その狙いは、当然ながらテンザン級のブリッジに報告したように、ティファの描いた竜の形をした岩を見つけることだ。
本来ならバッタが情報を持ってきてくれるのをゆっくりと待っているつもりだったのだが、ガロードが待っているのは嫌だ。自分も動きたいと言った事で風向きが変わった。
そうした結果、俺達も現在はこうしてMSで竜の形をした岩を探す事になったのだ。
とはいえ、それでも探索のメインがバッタである事に変わりはない。
数千機という数を用いてのバッタの探索と、MSを使った10人程度での探索。
そのどちらが効率的なのかは、考えるまでもないだろう。
それでも少しでも早く竜の形をした岩を見つけたいというガロード。
ジャミルからは、別に無理をして出る必要はないと言われていたのだが、こうして出撃したのはちょっとした気分転換的な意味もある。
『これで、バルチャーでも出て来てくれれば、楽しいんだけどな』
俺と一緒に行動しているガイアが、そんな風に言ってくる。
普段なら、オルテガとマッシュの3人と一緒に行動をしているガイアだったが、今日は何を思ったのか俺と一緒に行動する事にしたらしい。
「言っておくが、普通の……善良なバルチャーもいるんだ。そういう連中に攻撃をしたりとかはするなよ」
バルチャーというのは、盗賊もいるがまともなバルチャーもいる。
バルチャーという事で一括りにして、善良なバルチャーに向かって攻撃するような真似をしたら、後々面倒な事になるのは間違いない。
『分かっている。そんな間抜けな真似をすると思うか?』
「ガイアならあまりそういう心配はしてないけど、もしかしたら……と、そう思う事もあるだろう?」
これがオルテガ辺りなら、調子に乗って間抜けな真似をしてもおかしくはない。
まぁ、今日のオルテガはマリオンと一緒に行動している筈なので、もし何かあってもマリオンがオルテガを止めてくれるとは思うが。
もし盗賊のバルチャーにマリオンが攻撃されるような事があった場合は、オルテガがどう行動するのか分からないが。
オルテガは粗暴な性格をしているだけに、恋人のマリオンを傷付けた相手がいた場合、その報復は苛烈なものになる筈だ。
そうなった時、相手は後悔しても遅い。
『ふむ、そうだな。俺達の過去を知っていれば、アクセルが心配してもおかしくはないと思うが……』
そう言うガイア。
実際、ガイア、オルテガ、マッシュの3人は、能力的にはともかく素行的には決して優良な軍人という訳ではなかった。
それでも軍人でいられたのは、それだけ優秀だったからだ。
まぁ、それはあくまでもジオン軍にいた時の事であり、ルナ・ジオンに来てからは特に問題らしい問題は起こしてないらしいが。
ルナ・ジオンにしてみれば、ガイア達黒い三連星はセイラやシーマ程ではないにしろ、青い巨星と同等レベルの知名度は持っている。
そうである以上、ガイア達が何か問題を起こしたりすれば、色々と問題になる。
連邦軍……特に増えてきているというタカ派にしてみれば、もしガイア達が何かをやらかしたのを知れば、それを理由にルナ・ジオンを責めるといった真似をするだろう。
……もっとも、そのような真似をすれば連邦軍や連邦政府の方で問題を起こした者達を責めるような真似をするだろうが。
「それにしても、ティファの描いた絵の場所……今度は何があると思う?」
『さぁ、どうだろうな。フォートセバーンの例を考えれば、また敵対するニュータイプがいるんじゃないか?』
「それは……出来れば止めて欲しいけどな」
またノモアのような元宇宙革命軍の研究者が街を作って、そこと戦いになるというのは、出来れば遠慮したい。
あ、でもパトゥーリアやベルティゴの件を思えば、そういう未知の機体を入手出来るというのは大きいのかもしれないが。
ただ、この世界の原作という事を考えれば、同じような展開を続けるか? といった思いもある。
話の流れから考えると、恐らくあの竜の形をした岩も原作では出て来たんだろうし。
けど、その場合は原作であの竜の形をした岩はどうやって見つけたんだろうな。
当然ながらこの世界とは違って、原作では俺は存在しない。
そうなると、大人しく足で探して移動したのか、あるいは偶然その岩についての情報を持ってる奴と接触出来たのか。
その辺りについては生憎と分からない。
あるいは……本当にあるいは、ジャミルがまだ残っているニュータイプ能力を使って竜の形をした岩を見つけたのか。
もしかしたら、原作ではティファが絵だけではなく、大体の方角であっても岩のある方を示したのかもしれないな。
そんな風に考えたのが、あるいはフラグだったのか……
『アクセル、バッタの1機から連絡があったわ。竜の形をした岩を発見したそうよ』
ミナトからの通信。
どうやらバッタを多数空に放った甲斐はあったみたいだな。
「分かった。すぐ他の連中にも連絡をしてくれ。俺もすぐそっちに戻る。……ガイア、聞いていたな?」
『分かった。テンザン級に戻ろう。……だが、バッタが見つけたのなら、俺達が出た意味はなかったな』
「そうかもしれないが、それは今だから言える事だろう? あのままテンザン級で待っていても、最終的にはバッタが見つけてくれた可能性が高い。けど、その時に自分達も探していればもっと早く見つけられたのにとか、そんな風に思うよりはいいんじゃないか?」
結局のどころ、どっちにしても色々と思うのは間違いない。
あるいはバッタではなく、俺達が直接竜の形をした岩を見つける事が出来ていれば、もう少し違ったのかもしれないが。
そんな風に会話を交わしながら、早速竜の形をした岩に向かっているテンザン級とフリーデンに合流するのだった。
「なるほど、これが。……こうして見ると、確かにティファの描いた絵のままだな」
視線の先にある岩を見ると、そんなウィッツの言葉を証明するかのように、描かれた竜の形をした岩そのものだった。
ニュータイプ能力を使ってこの場所の絵を示す事が出来る辺り、ティファは凄いのだろう。
「ウィッツのエアマスターなら、高い機動力を持ってるんだ。バッタよりも先にここを見つけてもよかったと思うけどな」
「うるせえ。そんな簡単にいくかよ。それを言うなら、アクセル達は俺達よりも多い人数で探していたのに見つけられなかったんだろう?」
「バッタは一応俺の所有物だが?」
「けっ、ここでそれを言うのはどうなんだよ」
「まぁまぁ、ウィッツもアクセルも喧嘩しない。探していた場所は見つかったんだから、問題ないだろう?」
俺とウィッツの言い合いにそう言葉を挟んできたのは、ロアビィだ。
ロアビィのレオパルドは、機動力という点では何気に俺達が使っているMSの中では一番劣っている。
ヴァサーゴ、オクト・エイプ、高機動型GX、ディバイダーを装備したGX。
これらは全部空を飛べるのだが、それに対してレオパルドは足の裏にローラーがあるだけだ。
いやまぁ、それでもローラーで移動する分だけ、普通に歩いて移動するよりは大分速い。速いのだが……それでもやっぱり空を飛べるMSの機動力には追い付かないのだ。
もっとも、レオパルドは機動力が低い――あくまでも俺達のMSと比べてだが――が、それに対抗して強力な火力を持つ。
そういう意味では、多少足が遅いからといってそれをどうこうとは思わないが。
あくまでも機体の特徴として、そうなっているんだろうし。
とはいえ、俺は機動力や運動性の高い機体を好むので、俺自身がレオパルドに乗るのはちょっと遠慮したい。
「ロアビィが言うのなら、この辺にしておいてやるよ。……けど、結局こうしてここに来たけど、これからどうするんだ? 周囲を見ても、特に何かがある訳じゃないぞ?」
ウィッツが周囲を見ながら、そう告げる。
そう、竜の形をした岩がある場所は見つけたものの、この辺には都市の類は勿論、村や街といったものも存在しない。
そうなると、一体何故ティファがここを示したのかということになる。
「人が多く住んでなくても、1人とか2人とかで住んでいそうな場所はないか? こういう場所に住んでるとなると、ティファみたいに特殊な力があってもおかしくはないと思わないか?」
周囲を見回しながらそう言うロアビィだったが、生憎と人が住んでいるような場所……家どころか小屋のような物もどこにもない。
こう考えると、本当に何でティファがここを示したのかが分からないな。
他に考えられるとすると……
「この辺りに住んでる訳じゃなくて、どこか他の場所に住んでいて、ここで魚を獲って生活をしているとか」
ここを示す以上、港とかの類はない。
そうなると、いわゆる海女とかそういう系統の漁師がいるのかもしれない。
そう思って周囲をよく見てみるが、やはりそこには誰かがいるようには思えなかった。
「うーん、本当に何もないな。そうなると……海か?」
もしかしたら、セインズアイランドのように発展している島がこの辺にあって、ティファはそこを指していたのかもしれない。
ただし、それはそれで疑問が残るが。
もしセインズアイランドのような場所があってそこを指し示しているのなら、ティファの絵はここを描くのではなく、セインズアイランドのような場所を直接描けばいい。
しかし、実際にはそのような真似をしなかった。
それはつまり、この辺りに何かがあるのをティファが感じた可能性が高い。
「けどよ、こうして海を見ても特に何もないぜ?」
ウィッツが海を見ながらそう言う。
実際、俺達もそうだがウィッツもまた空を飛んでこの竜の形をした岩を探していたのだ。
そうである以上、もしセインズアイランドのような島があるとしたら、空から見つけられるだろう。
ミラージュコロイドのような光学迷彩を使っていたら、見つけるのは難しいかもしれないが。
「ふふん、でもまぁ……そうだな。折角海に来たんだ。ここはパーッとやりたくないか? こう、モヤモヤしたのを吹き飛ばすような」
ウィッツと同様に海の方を見ていたロアビィだったが、何故かいきなりそんな事を言い出す。
「モヤモヤ?」
「あ、いや。何でもない。とにかくだ。折角海に来たんだ。色々と楽しむのは当然だと思わないか?」
ちょっと無理をしているような感じがするけど、ここは特に突っ込んだりしない方がいいか。
「そうだな。こうして海に来たんだ。楽しむのもいいかもしれないな」
そう告げると、ロアビィはニンマリとした笑みを浮かべるのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1930
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1754