「ちょ……あれ、あれ!」
俺がガイアと話している中、不意にそんな声が響いた。
X世界における国作りについての話をしている最中に不意に響いた声に、ガイアは不愉快そうな表情で声のした方に視線を向ける。
するとそこには、海の方を指さしているガロードの姿があった。
一体何だ?
そう思ってガロードが指さしている方向を見ると……
「ティファ?」
そう、呟く。
俺の見間違えじゃない限り……そしてどう考えても見間違えじゃないんだが、ガロードの指さした方向にいたのはティファだった。
ただし、ティファは単純に海で泳いでいるのではなく、ボートに乗っていたのだ。
……よくボートなんてあったな。
あるいは今回海に来るという事で、いざという時の為にジャミルが用意させたのかもしれないが。
とにかく、ティファがボートに乗っていた。
これで砂浜の近くをボートで移動しているのなら、ティファにしては珍しい遊びをしていると思ったものの、今のティファはそんな様子ではない。
ティファの乗っているボートは、明らかに沖に向かって移動しているからだ。
しかも、ティファの表情はボートで走るのを楽しんでいるのではなく、真剣な……もしくは深刻な表情だった。
表情については、混沌精霊の俺の視力だからこそ確認出来たのだが。
他の面々は、ティファが移動しているというのは知っているが、一体何故ティファがそのようなことをしているのかまでは分からないだろう。
俺が見ても、ティファが真剣な様子なのは理解出来るが、一体何故そのような表情を浮かべているのかというのは分からない。
「クスコ、何か感じたか?」
「うーん……敵が来たというのはあまり感じないわ。ただ、ちょっと……妙な感じがするわね。でもこれ……マリオン?」
「はい。私もそう思います」
既にクスコは日焼け止めを塗っていた時のように、ビキニの上部分を解いてうつ伏せに寝転がっているといった状態ではない。
解いていた部分を結び、普通に立ち上がる。
……桃色の髪と白い肌、女らしい曲線を描いた肢体と、水着を着ていても正面から見ると目のやり場に困るような格好だったが。
そんなクスコに声を掛けられたマリオンは、オルテガとイチャついていたのは間違いないが、特に水着を脱いだりといったようなことはしていなかったので、特に変わりはない。
オルテガとイチャついていた時とは表情が違い、どこか戸惑った様子すら見せていた。
その戸惑っている理由が、妙な感じというのに関係しているのは間違いないだろう。
「で、結局どうしろと?」
「ティファ!」
俺の言葉に真っ先に反応したのは、ガロード。
そのまま真っ直ぐフリーデンに向かう。
この状況で一体何をしようとしているのかは、考えるまでもないだろう。
「アクセル、俺達はどうする?」
先程まで話していたガイアが、そう尋ねてくる。
ガイアもまた、UC世界の人間だ。
それもUC世界最高のニュータイプであるセイラが治めているルナ・ジオンに所属する。
そんなガイアだけに、本人はオールドタイプではあってもニュータイプの判断が突拍子もないというのは経験上知っているのだろう。
だからこそ、この状況で俺達にどうするかと聞いてきたのだ。
「出撃するぞ。ティファが何を感じたのか分からない。分からないが、フォートセバーンの件からすると、ニュータイプの存在を感知したのかもしれない」
もともと、ここにやって来たのもティファが描いた絵の場所だからというのが大きい。
そうである以上、ここにやって来てティファが動いたとすれば、それはニュータイプに関係する筈だ。
まさかここでもまたフォートセバーンの時のように、人工ニュータイプの研究をしている元宇宙革命軍の研究者がいる……なんて事はないだろうし。
そうなると、俺達がここで遭遇するのはカリスのような人工ニュータイプという可能性は低かった。
かといって、海岸沿いならともかく沖の方に向かっているのは……
これが海岸沿いなら、漁師の中にニュータイプが混ざっていてもおかしくはない。
まぁ、その辺は実際にティファを追ってみれば理解出来るか。
そんな風に考えつつ、俺はテンザン級の格納庫に向かうのだった。
「アクセル・アルマー、ヴァサーゴ、出るぞ!」
そう言い、出撃する。
同時にフリーデンからはディバイダーを装備したGXとエアマスターがやってくる。
レオパルドは、地上用のMSで空を飛ぶ事が出来ない以上、フリーデンに残るしかない。
テンザン級からは、俺を追うようにシーマとモニクの高機動型GXが、そしてオクト・エイプも姿を現す。
クリスとクスコ、マリオンの3機はいざという時の為にテンザン級に残っており、黒い三連星のオクト・エイプがこっちを追ってきた。
ティファの行動を考えると、テンザン級やフリーデンが攻撃を受けるとは思えない。
思えないが、それでも何かあった時の為に防衛戦力を残しておくのは当然だった。
ティファとは全く関係なく、バルチャーが……いや、待て。バルチャー?
もしかしてティファが察知した新たなニュータイプというのは、シーバルチャーにいるのか?
もしくは、オルクにいる可能性も十分にあった。
シーバルチャーというのは、基本的には海で活動するバルチャーだ。
盗賊のバルチャーがいるように、シーバルチャーの中にも盗賊……いや、海賊のようなバルチャーは存在している。
しかし、そんな海賊のシーバルチャーよりも厄介なのは、オルクだった。
こちらは完全な海賊……それもより攻撃的な海賊といった感じの奴で、遭遇した場合は戦うしかない。
もしティファが感知したのがそのような存在であった場合、正直なところかなり面倒な事になってしまうだろう。
というか、それなら何故ティファが1人でボートに乗って移動する?
ガロードとかに声を掛ければ、GXに乗って移動出来るだろうに。
ティファもその辺がちょっとな。
自分がニュータイプだと理解しているので、だからこそ自分だけで何とかしないといけないと思っているようなところが少しあるように思える。
そんな風に考えていると、進行方向に数隻の船が見えてきた。
その船もティファが乗ってるような、数人が乗るのが精々なボートといったようなものではえなく、しっかりとした船だ。
そんな船がこの場にいるという事は、ティファが目指していたのはあの船……恐らくはシーバルチャーか?
シーバルチャーに接触したいだけなら、ジャミルに言えば何とかなったと思うんだが。
海中にはそのシーバルチャーの船の所属と思われるMSがそれなりにいて、動き回っている様子がレーダーで確認出来る。
この辺りに沈没船があったりするのか?
『おい、アクセル!』
不意に飛び込んできたガイアの通信。
何だ? と思うと、シーバルチャーの船からミサイルが、そして海中にいたMSが浮かび上がって来て、こちらもまたミサイルを撃ってきたのだ。
「こっちを敵と認識したのか!」
クロービーム砲を薙ぎ払うようにして使い、俺に向かってきたミサイルを纏めて迎撃する。
問答無用でミサイルを撃ってきたという事は、敵だと考えた方がいいのか?
そう思ったが、同時にMSが複数……それもガンダムも含めた高性能MSが自分達の方に向かってくるのだから、気の短い奴にしてみれば先手を打つといった事を考えてもおかしくはない。
それでもこうしていきなり攻撃をしてきたのはどうかと思うが、こっちが有利である以上、こっちが攻撃するよりも前に攻撃した方がいいだろう。
「こちらバルチャーのアクセルだ。そちらと敵対するつもりはない」
その通信が聞こえたのだろう。敵の攻撃が一瞬止まる。
そしてすぐに映像モニタに1人の男が映し出される。
黒人系で、髪がもじゃもじゃとなっており、手入れされてるような様子はない。
『このドーザ・バロイに通信を送ってくるなんて、お前達は一体何だ?』
今の言葉から考えても、ドーザ・バロイと名乗った男の自尊心が強いのは理解出来た。
「通信で言ったように、俺達は陸バルチャーだ」
『その陸バルチャーが、何故この俺に敵対するような真似をする?』
「別に敵対するような真似はしていない。俺はただ、お前達の進路上に俺達の仲間がいるから、ちょっと保護させて欲しいだけだ」
言葉を交わしながら、まさかティファが感知した新たなニュータイプというのは、このドーザの事じゃないよな? と半ば確信する。
少し話してみて分かったが、この男は自尊心が強い。
しかし、純粋な能力は……まぁ、映像モニタ越しではニュータイプかどうかというのは、まだ分からない。
そう考えると、もしかしたら……本当にもしかしたらの話だが、実はドーザがニュータイプであるという可能性もない訳ではない。
限りなく低いが。
『ああ? ふざけるな。こっちはイルカの捕獲で忙しいんだよ! そんな事に構ってられるか!』
俺の言葉に怒声を放つドーザ。
だが……イルカ? 何故イルカ?
いやまぁ、イルカやクジラを狙う漁師がいるというのは知っている。
イルカは食べた事はないが、クジラ料理は何度か食べたし、調理技術もあってか普通に美味いと思った。
だからこそ、ドーザが漁師であればイルカ漁をしていてもおかしくはないと思う。
思うのだが、それはあくまでもドーザが漁師であればの話だ。
MSを多用しているのを見れば分かるが、ドーザはあくまでも漁師ではなくシーバルチャーだ。
そんなシーバルチャーが、何故漁師の真似事をする?
基本的にシーバルチャーというのは、戦争中に沈んだ軍艦……あるいは民間の船もそうだが、沈没船をサルベージしてそれで入手したMSを始めとしてた諸々を売って金に換えるという仕事だ。
海賊のシーバルチャーなら、オルクのように襲撃をしたりといった真似もするが。
このドーザは、もしかして腕の悪いシーバルチャーで、沈没した船を見つけられず、それでイルカ漁をしてるのか?
「イルカ漁は何の為に?」
『Dナビだよ、Dナビ。その材料として、イルカの脳が必要なんだ』
俺の言葉に自慢そうに言う。
Dナビ……DはドルフィンのDか?
それ事態は別に責めるような事ではない。
クジラも普通に食べるし、イルカも……俺は食べた事はないが、イルカ漁をしている地域もあるというのを何かで見た事があるから、それは十分に美味いのだろう。
だが、脳みそだけが必要というのは、ちょっとどうかと思う。
思うが、言ってみればそれだけだ。
問題なのは、ドーザのその行動は俺には納得出来たが、他の奴にも納得出来るかどうかという事だろう。
『それで、こっちの情報を色々と教えたんだ。情報料を支払って貰わねえとな』
「情報料か。何が欲しい?」
『決まっている。それは……ガンダムだよ!』
その言葉と共に、一斉に水中のMS……ドーシートやドーシートⅢだと思うが、それらがミサイルやビーム砲を放ってきた。
いや、正確にはあれはミサイルではなく対空魚雷か。
そんな風に考えつつ、それらの攻撃を回避していく。
通信をしていた俺を狙ってのものだったのだろう。
他にも多数のMSがいるのに、攻撃はヴァサーゴだけに集中していた。
どうやら俺と通信をしながら部下に攻撃準備を整えるように指示を出していたといったところか。
敵の攻撃のうち、対空魚雷はクロービームで薙ぎ払って纏めて迎撃し、ビーム砲は回避する。
向こうにしてみれば、こちらがガンダムであるというのは知っているのだ。
そうである以上、この程度の攻撃が通用するとは思っていないだろう。
「全機、攻撃開始!」
こちらの交渉を向こうから断ってきた以上、大人しくしている必要はない。
というか、普通に考えればこっちはガンダムが5機だ。……エアマスターは戦闘機形態なので、向こうにしてみればガンダムと数えてはいないかもしれないが。
それ以外にも、オクト・エイプが3機。
これだけの戦力に対して攻撃を仕掛けてくるのは、正直なところ意味が分からない。
あるいはそれだけガンダムという存在に目が眩んでいるのか。
その気持ちは分からないでもない。
X世界において、ガンダムというのは一種の力の象徴だ。
それこそガンダムを1機持っているだけで相当大きな顔をする事が出来るといったような。
そんなガンダムを複数持っている俺達を見て、その上であのドーザとかいう奴は自分の実力に自信を持っている。
いや、自信過剰という方が正しいのかもしれない。
Dナビとかいうのが、その自信の理由なのかもしれないが……正直なところ、幾ら特殊なレーダーを持っていても、その程度でどうにか出来ると思われるのはちょっと不満だ。
その勘違いを後悔させてやろう。
自分の命を代価として。
海へと降りていくヴァサーゴに対し、ドートレスが対空魚雷を撃ってくる。
あっさりと回避しつつ、急いで海中に潜ろうとするところを、コックピットに向かってストライククローの一撃を放つ。
クローの先端が海水に浸かったものの、コックピットはストライククローによって潰される。
そのまま海面近くをドーザの乗っている船に向かって進み……危険だと判断したのだろう。必死になってミサイルを撃ってくるものの、スラスターを使って回避していく。
そうしてドーザの乗っている船に近付きながらビームサーベルを引き抜き……次の瞬間、ドーザのいるブリッジがビームサーベルの横薙ぎの一撃によって消滅するのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1940
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1756