ドーザ・バロイの率いるシーバルチャー……いや、問答無用で襲ってきたのを考えると、正確にはオルクなのか?
そんなドーザ一行を倒した俺達は海岸に向かう。
『まさかアクセルに敵の大将を奪われるとは思わなかったな』
ウィッツからの通信が入ってくるものの、そういうウィッツもドーザの艦隊の船を1隻撃破しているのを見た。
他にもガイアやシーマによって船は撃破されており、既にドーザ達の乗っていた船もMSも海の藻屑と化している。
未知のMSでも使っているのなら、それを確保しようと思っていた。
しかし、実際にはドーザの部下達が使っていたのは俺が知ってるMSだけで、わざわざ集める必要があるとは思わなかった。
勿論、撃沈された船の中では危険を察知して素早く船から飛び降りたことにより、生き残った奴も結構いる。
いるのだが、だからといってわざわざそいつらを助けるような真似はしない。
海中にいるドーザの部下達を殺すような真似もしないが。
ここは俺達が海水浴をしていた場所からもそんなに離れていないし、場合によっては近くをシーバルチャーや漁船……もしくは他のオルクが通る可能性もあった。
もし何とかそういう連中と接触出来れば助かるだろうが、それが出来ず、陸にも泳いで到着しなければ死ぬだけだろう。
個人的には、X世界の人間はただでさえ少ないのだから、出来れば殺したくはない。
もし海を漂っているのが漁師とか、セインズアイランドに向かう途中で事故った相手とかなら、俺も普通に助けただろう。
しかし、相手はオルクだ。
イルカ漁をしてるだけなら、まだ見逃したかもしれない。
しかし、ガンダムに目が眩んで攻撃してきた相手を生かしておいても……全く何の役にも立たない訳ではないかもしれないが、俺達にとっては役に立たない。
単純作業の労働力という点でも、コバッタやバッタ、メギロート、量産型Wといった面々がいる。
いっそ、どこかの地面を掘らせて、それを埋めさせて、また掘らせて……というのを繰り返すか?
何かで読んだが、これが結構きついらしい。
俺を含めてシャドウミラーの面々の場合は、魔力や気によってあっさりと地面を掘る事が出来るので、あまり意味がないが。
しかし、気や魔力の使えない一般人にしてみれば……うん。取りあえずこれを考える必要はないか。
そんな風に考えたり、通信をしながら海岸に向かう。
ちなみにボートに乗っていたティファは、ガロードのGXが持ち上げていた。
そうしてティファの方を見ていると……うん?
ガロードのGXに運ばれているティファが、何故か下を……正確には海中を気にしているのが見えた。
一体何だ?
そう思って海面を映像モニタに映し出すと、そこにはこちらに向かってくるイルカの群れがあった。
正確には、MSの飛ぶ速度にはついてこられないので、必死に追ってきているイルカの群れという表現の方が正しいが。
「なぁ、ちょっといいか? 飛行速度を落として欲しい」
オープンチャンネルで、この場にいる全員にそう通信を送る。
『速度を落とすのかい? 何でだい?』
最初にそう聞いてきたのは、シーマ。
何故わざわざここで速度を落とすような事をするのかと、そんな風に疑問に思っているのだろう。
他の面々もシーマが聞いたということでそれに同意するように聞いてくる。
「ティファが海を気にしているからちょっと調べてみたんだが、ドーザが追っていたイルカの群れが俺達を追ってきている」
『え? ……おやまぁ……』
俺の言葉を聞いたシーマも確認したのだろう。
予想外の展開にシーマの口からも驚きと呆れの混ざった声が出る。
「ああやって俺達を追ってくる以上、イルカの群れにも何かあるのは間違いない。それが気にならないか?」
『イルカだよ? ただ、偶然こっちに向かってるだけじゃないかい?』
「かもしれないが、今の状況を考えるともっと別の意図があるかもしれない」
『アクセルがそう言うのなら……』
俺の言葉に納得した訳ではなく、俺が言ったから取りあえず納得したといった様子のシーマ。
他の面々もシーマと同じような様子だったが、ガロードのGXの手の中にいるティファは、ガロードから俺の話を聞いたのかボートの上でこっちに向かって頭を下げてくる。
どうやらやっぱり、あのイルカの群れは何らかの意味があるようだな。
イルカが追いつくくらいに速度を落とす……というか、空中で停止すると、イルカ達がこっちの側にまでやって来た。
もしイルカが偶然俺達を追ってきたのなら、俺達を追い越してどこかに行くか、もしくは進路を変えてどこかに行くだろう。
だが、イルカの群れは真下に来るとグルグルと俺達……というか、ヴァサーゴの下で円を描くように泳ぐ。
何だってヴァサーゴ?
この場合、もし何らかの理由で俺達を追ってきたとしても、その場合はヴァサーゴではなくティファの乗っているゴムボートを持つガロードのGXの下じゃないのか?
そんな疑問を抱くも、こうしてヴァサーゴの下を泳いでいるのは変わらない。
『アクセル、どうするんだい?』
「そう言われてもな。俺はてっきりティファに用件があるんだとばかり思っていたんだが」
シーマの問いに、少し戸惑いながらそう告げる。
もしかして何か間違っているのでは? 具体的にはティファがこのヴァサーゴに乗ってると思ってるとか。
そんな風に思って少しヴァサーゴを移動させてみるが、当然のようにイルカの群れはヴァサーゴを追ってくる。
ん? 群れの先頭にいる、他のイルカを率いている個体……白いイルカだな。
アルビノか何かか?
そう思ったが、空は常夏と呼ぶに相応しいくらい、雲がない。
フォートセバーンの環境が嘘のように、夏らしい天気だった。
同じ北米でもこの違いは、コロニー落としの影響だったりするんだろうか。
そんな風に思っていると、再びシーマから通信が入る。
『どうするんだい?』
「取りあえず……何人かは先に海岸に戻って、事情を説明してくれ。このイルカの群れは俺に何かの用事があるみたいだから、このイルカの群れを引き離さないようにしてゆっくりと海岸まで戻るから」
そう告げると、ウィッツと黒い三連星がすぐ海岸に向かって移動した。
ウィッツと黒い三連星ってのは、説明が決して上手い訳じゃない筈だ。
そうなると、誰かしっかりと説明出来る奴を向かわせた方がいいな。
「モニク、頼めるか?」
『ええ、ドーザについてもこっちの方で説明しておくわ』
何を頼むかといった事を言ってないのに、頼むというだけで俺が頼みたい内容を理解し、モニクの乗っている高機動型GXは海岸に向かう。
こういうのって、将来的にあれとかそれとか、そういうので話が通じるようになりそうだな。
いやまぁ、レモン達には普通にそれで通じたりするんだが。
モニクが先に進んだので、俺は特に急ぐ事はない。
ゆっくりと進めばいい。
何も連絡がない状況で俺達が戻ってくるのが遅かった場合、心配は……心配は……うーん、どうだろうな。
アクセルだから大丈夫という事で納得されてしまいそうな予感がするのは、決して俺の気のせいではないだろう。
それにしても、あの白いイルカ……見るからに特別な個体のような気がするんだが、それは俺の気のせいって訳じゃないよな?
そんな風に考えつつ、イルカの群れが置いていかれない程度の速度で飛び……やがて、海岸に到着する。
当然だが、イルカは浅い場所まではやって来ない。
そんなイルカを見つつ、ヴァサーゴをテンザン級の格納庫に着地させる。
「海の上で戦ったから、整備をしっかり頼む」
量産型Wに指示を出すと、海岸に戻る。
するとそこでは、テンザン級とフリーデンのクルーが揃って海岸にいた。
いやまぁ、イルカがかなり近い場所まで来ているのを考えれば、人が集まってもおかしくはないのかもしれないが。
「アクセル、あのイルカはどうするの?」
ミナトのそんな質問に、どう答えるのか迷う。
イルカが俺を追ってきたのは間違いない。
間違いないが、だからといって俺が具体的にどうすればいいのかというのはちょっと分からない。
「アクセルさんを……呼んでいます」
そんな声を発したのは、ティファ。
イルカが何を考えているのか、何故かティファには分かるらしい。
ティファがイルカを助けに行ったんだから、イルカの意思が理解出来てもおかしくはないのかもしれないが。
あるいはX世界のニュータイプは動物の気持ちも分かるのかもしれないな。
もしフォートセバーンからカリスを連れてきたら、カリスもまたあのイルカの気持ちを分かった……のか?
そんな風に思いつつも、俺を呼んでいるのならという事でそっちに向かう。
海中を歩いて移動すると、遅い。
なので空を飛んで白いイルカのいる方に向かう。
「キュウ、キュウ」
白いイルカは俺の方を見てそんな風に鳴く。
鳴くが、俺はニュータイプではないので何を言ってるのかが分からない。
ただ……気のせいか? 俺に向かって頭を下げているように思えるんだが。
「彼女は貴方と会えたことを喜んでいます」
「……彼女? いや、このイルカの事なんだろうが」
この白いイルカは雌だったのか。
とはいえ、俺に会って喜ぶ?
その反応は少し違うものの、何となく覚えがあった。
カリス。
だが、そうなるともしかして……
一度白いイルカをここに残し、一度海岸に戻る。
「ティファ、もしかしてあのイルカ……」
「はい。私と同じです」
ざわり、と。
話を聞いていた者達の多くが、ティファの言葉を聞いてざわめく。
私と同じというのは、勿論人間であるという訳ではない。
自分と同じ、ニュータイプであるという事だろう。
話を聞いていた者達もそれを理解したからこそ、ざわめいたのだ。
「ティファの言葉である以上、疑うつもりはないが……本当か?」
疑うつもりはないと言っておきながら、それでも本当か? と尋ねたのは、イルカがニュータイプだという点からだろう。
これが例えばこの辺で活動している漁師がニュータイプだったら、まだ納得出来た。
だが……相手はイルカだ。
その時点で、え? と思ってしまってもおかしくはないだろう。
しかし、そんな中で少し考えを変える。
人間がニュータイプになるのだから、イルカがニュータイプになってもおかしくはないのだろうと。
イルカは比較的知能が発達しているという話を何かで聞いた覚えがある。
そうなると、もしかしたら……そう思ってもおかしくはない。
「本当です」
俺の言葉に迷いも躊躇もなく、きっぱりと断言するティファ。
ティファがここまで言うからには、やはりあのイルカがニュータイプであるというのは間違いないのだろう。
「あのイルカは……人を憎んでいました。ですが、貴方と会ったことにより、その気持ちは消えた訳ではないにしろ、表に出すような事はなくなりました」
ティファの説明は、何となく納得出来た。
ようは、カリスが俺に従ったのと同じようなものなのだろう。
それでもあの白いイルカが何を考えているのかというのは、完全には分からない。
分からないものの、それでも今の状況を思えば何となく納得出来た。
「取りあえずあのイルカと接してくればいいのか?」
「お願いします」
ティファは俺の夜の生活についてマリューやミナトを見たことによって察していた筈だが、今はそのことで照れているような場合ではないと理解しているのだろう。
いつものように俺から視線を逸らしたり逃げたりせず、真剣な表情で頷いてくる。
そんなティファの様子に頷き……ふと、こちらもGXから降りてきたガロードが複雑な視線を俺に向けているのに気が付く。
考えるまでもなく当然の事なのだが、ガロードはティファが好きだ。
ティファがガロードをどう思っているのかは……好意を抱いているのは間違いないだろうが、それが友情か恋心なのか、はたまたそれ以外なのかは分からない。
ガロードも自分がティファに向かってどう思われているのかは気になるのだろう。
そのようなガロードにしてみれば、俺と顔を合わせる度に頬を赤く染めるティファというのは、そのままにしておけない事だろう。
実際には俺とマリュー、ミナトの夜の生活を見たからこそティファは俺を見ると頬を赤く染めるのだが、ガロードにしてみればそれは分からない。
ティファがガロードに事情を説明していれば話は別だが、ティファの性格を考えるとそういう事はなさそうだし。
その辺についても、ガロードと話した方がいいのかもしれないな。
そう考えつつ、俺は白いイルカの方に向かう。
白いイルカは、他の普通のイルカ達を従えたまま俺を待っていた。
こうして俺だけを待っているのを見ても、そこに高い知性があるのは間違いない。
そんな白いイルカは、俺が近付くと水面から顔を出し、そして頭を下げる。
偶然なのか、それとも人はそういう風にすると分かっていて頭を下げたのか。
その辺りは分からなかったが、そんな白いイルカに手を伸ばすと……
「キュウ」
白いイルカは鳴き声を上げ、俺の手にそっと口の先端を触れさせる。
そして俺は、この白いイルカがニュータイプであることを理解するのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1940
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1756