海岸を出発してから数日……未だに白いイルカの示す、ニュータイプが海底に存在するという海域に到着していなかった。
それはつまり、未だに俺達は白いイルカの群れに先導されるようにして移動しているという事になる。
そんな中、フリーデンから連絡があり、シーバルチャーに接触したいと提案された。
俺達の向かっている海域が具体的にどこにあるのかは、生憎と分からない。
そうである以上、生活物資や消耗品の類を出来るだけ余裕を持っておきたいと考えるのは当然の事だった。
ジャミルには俺の空間倉庫に十分な予備があると言ったのだが、海岸でジャミルが口にしたように、俺達に頼りっぱなしというのは避けたい。
そういう訳で、シーバルチャーに接触する事になったのだが……
「近付いてこないわね」
テンザン級のブリッジでミナトが視線の先に存在する数隻の船を見て、そう呟く。
そんなミナトの言葉通り、シーバルチャーの船は近付いて来たものの、一定の距離からこっちに近付いている様子はない。
それでも逃げるといったような真似はせず、一ヶ所に留まっていた。
「テンザン級を見て、襲撃されると思ったのか?」
「そう思っても無理はないけどね」
艦長のマリューが少し困ったように言う。
実際、このテンザン級は普通のテンザン級と違って強力なビーム砲が搭載されている。
具体的には、ヴァサーゴのメガソニック砲を解析してコピーしたのが搭載されているのだ。
しかも動力部もヴァサーゴとは違い、複数持つ。
それはつまり、メガソニック砲の威力も連射性能もヴァサーゴよりも上だという事を意味している。
元々ヴァサーゴのメガソニック砲は、このX世界においても最大級の威力を持つ。
あくまでも俺が知ってる限りだが、GXのサテライトキャノンには及ばずとも、それ以外にメガソニック砲を上回る武器は存在しない。
ディバイダーやパトゥーリアの有線ビーム砲も十分強力な兵器ではあるが、それでもメガソニック砲には及ばないのだ。
そんなメガソニック砲を装備し、防御力という点でもテンザン級は陸上戦艦の中でも最大級だ。
その大きさに比例して装甲も厚い。
……出来ればバリアの類が何か欲しかったんだが、そういうのは今のところ装備していないんだよな。
とにかく、最大級の攻撃力と防御力を持っているのが俺達のテンザン級だ。
また、動力炉を替えた事によって機動性も改修前よりも強化されている。
運動性は……この巨体なので、どうしても他よりも劣ってしまうのだが。
ただ、それも性能としての話で、ミナトの操縦技術を考えると……ぶっちゃけ、陸上戦艦でバレルロールをやっても俺は驚かない。
普通に考えてホバー移動をしている陸上戦艦ではバレルロールなど出来る筈がないのだが、ミナトの技術を考えると普通にそれを行えてもおかしくはない。
それだけミナトの操縦技術は突出している。
「ん? アクセル、フリーデンから連絡よ」
不意にミナトがそう言ってくる。
ただ、何を考えてフリーデンが……ジャミルがそのようにしたのかを予想するのは難しくはない。
「繋いでくれ。シーバルチャーが近付いてこない件についてだろうけど」
「でしょうね」
一言だけ告げ、ミナトがフリーデンとの通信を繋げる。
……操舵士のミナトが通信も担当してるとか、どうなんだ?
量産型Wがブリッジクルーとしているので、通信オペレータを出来ないという訳でもないだろう。
単純にやる事のないミナトが通信オペレータの仕事もしているといったところか。
『アクセル、その……何だ。シーバルチャーと連絡を取ったのだが、シーバルチャーが怖がっている』
サングラスをしているジャミルだが、それでも戸惑っているのは理解出来た。
けど、怖がっているか。
俺の予想が当たっていたらしいな。
「俺達はバルチャーで、オルクではないと向こうに言ってくれ。それで……」
『違う』
「……違う?」
それで問題はないだろうと言おうとしたのだが、それを遮ってジャミルが否定してくる。
『そうだ。アクセルは勘違いをしてるようだが、シーバルチャーが怖がっているのはアクセル達ではない。白いイルカだ』
「……は?」
本気か?
反射的にそう尋ねようとしたその言葉を何とか我慢する。
考えてみれば、それなりに納得出来る理由ではあるのだ。
白いイルカはニュータイプで、同時にそれが影響しているのか高い知性を持つ。
それこそ人間と比べても遜色ない知性を。
そんな白いイルカを怖がるのは納得出来たのだ。
しかし、そんな俺の予想はまたしても外れる。
『どうやらこの辺りで白いイルカは有名らしい。それも悪い意味でだ。何でも、嵐やオルクの襲撃の前に頻繁に見られるとかで』
「それは……なるほど。シーバルチャーならその辺は他人事じゃないか」
船で海に出ている以上、嵐というのは絶対に避けたい天気だろう。
オルクの襲撃に対しては、それこそ考えるまでもない。
そんな不吉の象徴たる白いイルカが側にいるのを見れば、シーバルチャーが怖がるのも無理はないか。
他の世界の話になるが、かつては船に女を乗せるのも絶対に駄目だと言われていた時代があった。
そのように海に生きる者というのは縁起や言い伝え、ジンクス……そういうのを大事にする。
それだけに、白いイルカを怖がってフリーデンに近づけないというのは分かる話だ。
「白いイルカは俺に従っている。そう言っても向こうは近付いてこないか?」
『恐らくそう簡単には信じて貰えないだろうな』
「分かった。なら、白いイルカにはシーバルチャーから見えない位置に移動して貰うよ。もしくは少し離れていて貰って、補給が終わったらまた戻ってきて貰えばいい」
『助かる』
そう言うと通信が切れ、俺は白いイルカに連絡を取るべく行動するのだった。
「いや、驚いたぜ。まさかあの白いイルカを間近で見るような事になるとは、思ってもいなかったしな」
白いイルカは俺の説得……というか指示にあっさりと従い、一度テンザン級やフリーデンから離れていった。
補給が終わった頃に戻ってくるらしい。
そんな訳で無事にフリーデンが補給作業をしていたのだが、こっちは特にやる事もないのでその様子を見に来た。
すると暇を持て余していたシーバルチャーの1人に、そう声を掛けられる。
「そこまで忌み嫌う存在じゃないんだがな」
「そうか? あの白いイルカに近付いたせいで散々な目に遭ったってのはかなりいるんだぜ?」
嫌そうな表情を浮かべてそう告げる男。
そんな男に何かを言い返そうとしたところで、不意にフリーデンとテンザン級からそれぞれ1機ずつMSが出撃する。
「おい、襲撃か!?」
「違う、模擬戦だ」
いきなりのMSの出撃に驚く男にそう告げる。
この模擬戦、実はこちらからの提案だった。
補給作業というのも、それなりに時間が掛かる。
それこそ10分20分で終わるようなことはなく、1時間、2時間といった具合に。
補給物資の数が揃っているか、品質の問題はどうかといったチェックに、値段の交渉や情報の交換といった具合に。
そんな時間をただ休憩しているのはどうかと思うし、補給の手伝いにもそこまで人手はいらない。
そういう訳で、恐らく俺が原作に介入した結果として原作よりも実戦経験は積んでいないだろうガロードの特訓をモニクに頼んだ。
本来ならシーマに頼んでもいいのかもしれないが、基地の側で模擬戦をやった時はシーマだったから、今回はモニクという事になる。
「って、2機ともガンダムかよ!?」
目の前の光景に叫ぶ男。
フリーデンとテンザン級には多数のガンダムが搭載されてるしな。
もしかしたら、シーバルチャーの間ではガンダムというのは珍しいのかもしれない。
ドーザもガンダムを見た瞬間、躊躇なく攻撃してきたし。
無理もないか。
海で移動する以上、基本的に使うMSはドーシート系のMSくらいだ。
レオパルドのようなガンダムは海中では使い物にならないし、空を飛んでいるMSも海中にいる敵を攻撃したりといったことは難しいし、何よりもシーバルチャーの目的は基本的にサルベージなのだから、空を飛んでいるガンダムはそこまで使い道がない。
……あ、でもキッドとかならフォートセバーンの時のようにレオパルドを海中に適用させたりといった事が出来るかもしれないな。
具体的にそれがいつになるのかは、生憎と俺にも分からないが。
「ああ、ガンダムだ。俺達はこう見えて腕の立つバルチャーだからな。……ちなみに、ガンダムが欲しいか?」
「は? いや、それは欲しいけど……もしかして、売ってくれるのか!?」
「売るってのは間違ってないが、俺達が売るんじゃない」
「どういう意味だ?」
「俺はこうしてバルチャーをやってるが、サン・アンジェロ市からそう遠くない場所にある連邦軍の基地を拠点として活動している。そこにはMSの生産工場もあって、MSも売ってる」
そこまで言うと、男も俺の言いたい事を理解したのだろう。
真剣な表情で口を開く。
「ガンダムも売ってるのか?」
「正確には、将来的に売り出すって感じだな。……見ろ。あっちの勝ってる方のガンダム」
模擬戦をやっている2機のGXのうち、モニクの機体を示す。
ガロードも操縦技術の成長度合いは高いものの、それでも現在の技術という点ではモニクに勝つ事は出来ない。
それでも一方的にやられるのではなく、何とか食いついている辺り凄いと思うが。
「あっちの勝ってる方のガンダムは、高機動型GXと呼ばれている。名前の通り、GX……普通のガンダムよりは機動力と運動性が高い。代わりに装甲は負けてるけどな」
UC世界とは違う、この世界特有のルナチタニウム合金が入手出来ない以上、そうなるしかないというのが正直なところだ。
SEED世界において、オーブがPS装甲の技術を盗み出せず、最終的には発泡金属という、防御力という点ではPS装甲に圧倒的に劣るが、その代わり運動性が高くなる装甲材を使ったのと同じようなものだ。
とはいえ、高機動型GXの場合はそこまで極端に防御力を捨ててる訳ではないが。
「高機動型GX……」
男は俺の言葉に興味を持ったのだろう。高機動型GXという単語を呟く。
「とはいえ、俺達の基地があるのは山の中だ。陸バルチャーならともかく、シーバルチャーが行くのは難しいだろうな」
「どうにかならないのか? 艦長がその件を知れば、きっと絶対に行きたいと言う筈なんだ」
「いや、俺にそう言われてもな。……そうだな。考えられる手段としては、サン・アンジェロ市には俺達シャドウミラーに所属しているバルチャーがやって来るから、その時に接触するとか。あるいはサン・アンジェロ市のバルチャーに頼んで代わりに買って貰ってもいい」
前者はともかく、後者の場合は代わりに買って貰う以上は信頼出来るバルチャーに接触する必要がある。
もし悪質なバルチャー……盗賊のバルチャーに接触して金を渡そうものなら、金だけを奪って姿を消す可能性がある。
あるいは高機動型GXを購入しても、それを渡さずに依頼人を殺すか。
優良なバルチャーに接触出来ても、代わりに購入するのだから中間マージンの類は必要となるので、普通に購入するよりも高額になるだろう。
俺の予定としては、ドートレスやジェニスを安く売り、オクト・エイプを高く売る、いわゆるハイローMIXを考えている。
そんな中で、高機動型GXはハイのオクト・エイプよりも更に高額な値段設定になるだろう。
本物のGXよりも性能は低いが、それでもガンダムだ。
それだけに、盗賊のバルチャーの手に渡ったりしたらどうなるか分かったものではない。
「なるほど。参考になった。……ちなみに、お前さん達はこれからどこに行くんだ? やっぱりセインズアイランドか?」
北米大陸から海に出来たのだから、シーバルチャー達にしてみればそんな風に思うのも当然なのだろう。
あ、でもセインズアイランドか。
以前ルマークというシーバルチャーと会ったんだが、その時に言っていたハンドメイドのMAってのはどうなったんだろうな。
出来ればセインズアイランドに寄ってルマークに会っておきたいところだけど。
「いや、目的地はセインズアイランドじゃないな」
「なら、どこだ? 何なら船長に言って案内してやってもいいぜ?」
そう告げる男だったが、一体何故そこまで親切にするんだ?
俺達が何らかのお宝を狙っており、そのお零れでも欲しいとか?
この男が……そしてシーバルチャーが何を考えているのかは分からないが、だからといってニュータイプのいる場所に行くのにこういう連中を連れていくのは少し不味い。
「いや、その心配はない。こっちはこっちで行きたい場所にちゃんと行けるから」
「海を甘く見るのはどうかと思うがな。俺達シーバルチャーは海の専門家だ」
「その辺についても問題ないから心配するな」
何だか妙にこっちの行き先を聞きたがるのを疑問に思いつつも、俺は適当にあしらうのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1940
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1756