シーバルチャーとの取引は無事に終わった。
正直なところ、俺と話していた男はあからさまにこっちの事情に探りを入れてきていたので、そう考えると何かトラブルがあってもおかしくはないと思ったんだが。
「その辺、どう思う?」
テンザン級の食堂で、俺はモニクと2人でお茶を楽しんでいた。
モニクと2人だけなのは、ガロードと模擬戦をやったご褒美が欲しいと言われ、その要望が2人のお茶会だった為だ。
ちなみに模擬戦は最終的にはモニクが勝ったものの、何度かガロードも勝利している。
モニクはかなり才色兼備で、仕事が出来る女でありながら、MSパイロットとしても高い技量を持つ。
そんなモニクに勝てるという事は、ガロードの操縦技術もかなり上がってきたのは間違いないだろう。
ニュータイプではないにしろ、さすがこの世界の原作の主人公といったところか。
「そうね。最初に考えられるとすれば、自分達の縄張りを荒らされるのが面白くなかったとかかしら?」
「陸バルチャーの俺達に、シーバルチャーの真似事をされるのが面白くないと?」
「ええ。だってそうでしょう? 今は私達が向かう場所がどこか、あのシーバルチャー達にも分からない。けどいつかは……本当にいつかはの話だけど、もしかしたらあのシーバルチャーが私達が探している場所を見つけるかもしれないでしょう?」
「なるほどな。俺達が向かっているのがニュータイプと関係のある場所とは分からない以上、何らかのお宝を積んだ船が沈んでいる情報を入手したと思ってもおかしくはないか」
シーバルチャーにしてみれば、自分達の稼ぎを奪おうとしているといったように思えたのかもしれないな。
とはいえ、こっちもまさかニュータイプについて調べていると言える訳もないし。
「それを言うのなら、シーバルチャーも陸バルチャーが仕事をする連邦軍の基地を探索するとかしてみたら面白そうだけどな」
「それは……難しいでしょう?」
モニクの言葉に、だろうなと俺も頷く。
基本的にシーバルチャーが装備しているMSはドーシートとドーシートⅢ。
どちらも水陸両用MSだ。
しかし、水陸両用MSという名ではあるが、当然ながら陸上での行動はジェニスやドートレスよりも劣る。
特にドーシートⅢは、ドーシートの水中適応能力をより強化した機体だ。
当然だが水中に対する適応を強化したという事は、陸上での適応を下げたということになる。
つまり、シーバルチャーが陸上での戦いで使えるMSはドーシートくらいになる。
……まぁ、勿論シーバルチャーが陸上で行動をする場合、絶対にドーシートを使わなければならない訳ではないので、ジェニスやドートレスを使うといった事になるかもしれないが。
「そうだな。難しいと思う。……けど、あくまでも向こうはシーバルチャーで、オルクじゃなかったのは助かったな」
もしこれでオルクだったら、取引の途中で襲撃してくるといった真似をしてもおかしくはない。
勿論そんな真似をした場合、こっちも即座に反撃するような事になるだろうが。
「シーバルチャーというのは特別な能力が必要となるが、それはあくまでも海でしか役に立たない訳か。もっとも、オルクは普通に港街とかを襲ってるらしいけど」
「私達を見つけても、オルクなら間違いなく襲ってくるでしょうね。それはそれで厄介だけど……いえ、寧ろ海の平穏を守るという意味ではそっちの方がいいのかしら?」
「モニクにしては過激な意見だな。……ガロードに負けたのが気になってるのか?」
「そんな事ないわよ。ただ、正直あそこまでMSの操縦技術が上がるとは思っていなかったけど」
少しだけ不機嫌そうな様子で、モニクは皿に手を伸ばしてクッキーを手に取る。
どうやら俺が思ったよりもかなりガロードに対して思うところがあるみたいだな。
まぁ、それはそれでしょうがないのかもしれないが。
そんな風に思っていると、クッキーを食べて多少は落ち着いたのか、再びモニクが口を開く。
「シーバルチャーの協力は、出来れば欲しいんだけどね」
「そうなのか?」
「そうよ。考えてもみて。白いイルカが私達を案内するのは海域でしょう? その海域に一体何があるのかは分からないけど、恐らく……いえ、ほぼ間違いなくニュータイプに関係する何かは海底にある筈よ」
「……そうなるか」
もし海上に何かがあって、そこにニュータイプに関係する何かあるのだとしたら、それこそ先にシーバルチャーやオルク達がそこを探索してるだろう。
あるいはニュータイプでなければ駄目で、普通のシーバルチャーやオルク達がそこを探索しても意味がなかったという可能性も否定は出来ないが。
出来れば、俺達としてはそうなってくれた方が一番助かる。
「それにしても、折角のデートなんだから仕事の話ばかりをするのはどうかと思うわよ? もう少し、こう……恋人っぽい事をしてもいいんじゃない?」
そう言うモニクだったが、本人にそういうのをしたいといった様子は見えない。
あるいはそう思っていても単純に俺が気がつけないだけか。
というか、これって一応デートだったんだな。
お茶会という風に認識していたんだが。
お茶会という名のデートといったところか。
「そう言われてもな。どこかの店で一緒にお茶を飲むのならいいけど、テンザン級の食堂だし。まぁ、他に人はいないけど」
テンザン級に乗ってるのは、俺、マリュー、ミナト、シーマ、モニク、クスコ、クリス、マリオン、ガイア、オルテガ、マッシュ。
後はエルフ達がそれなりの人数。
それ以外は量産型Wとコバッタだ。
つまり、人員の大半は量産型Wとコバッタになる。
そうである以上、食堂を一度に利用する者の人数というのはそう多くはない。
暇潰しに来る奴とかは多いが。
ロアビィがフリーデンに作ったように、遊戯室の類でもあればそこに人が集まるのかもしれないが。
「そうね。どうせならデート権はセインズアイランドだっけ? そこに行ってからにすればよかったわね」
残念といった様子でモニクが呟く。
いや、セインズアイランドに行くかどうかというのは、まだ決まってないんだがな。
俺は行きたいと思っているが、俺達の基本方針はジャミルが決めている。
そうである以上、ジャミルがセインズアイランドに行かないと判断すれば、それは仕方がない。
もしそうなったら、俺だけがちょっと顔を出してくる……といったような真似をしてもいいかもしれないが。
「俺はモニクとこうして話をするのは嫌いじゃないけどな」
「……ちょっ、いきなり何を言うのよ。全くもう」
モニクにとっては不意打ちだったのだろう。
俺の言葉を聞いて、頬が薄らと赤くなる。
元々モニクは決して男慣れをしていた訳ではない。
出身は一般家庭なので、小さい頃からそれなりに男と接触する機会はあっただろう。
だが、ギレン直轄の組織に所属するというのは、エリートだ。
それもただのエリートではなく、エリート中のエリートと呼ぶに相応しい。
そんな場所に所属されるようにするには、当然ながら相応の成績が必要となる。
いや、相応の……優秀な成績というのは、あくまでも前提条件だろう。
そうである以上、それにプラスして何かが必要になる。
名家なら血筋、金持ちならコネといった具合に。
そんな中でモニクは出世競争に勝ち抜いたのだ。
モニクが恋をする余裕とかがあったとは思えない。
もっとも、何で見たのか忘れたが恋というのはするものではなく、落ちるものであるらしい。
自分の経験から考えると、それは決して間違っていないように思えた。
そういう意味では、モニクがこの状況になって俺に恋をしたのは……ある意味で最善に近い結果だったのかもしれないな。
自分で言うのもなんだが。
「アクセル? どうしたの?」
「いや、何でもない。ルナ・ジオンの中でもエース級の面々をX世界に連れてきて、UC世界の方で何か問題が起きてないといいと思っただけだ」
誤魔化す為に口にした言葉だったが、これは実際決して間違いという訳ではない。
1年戦争は連邦軍の勝利という形で終わったものの、ルナ・ジオンの仲介によって終戦した形だ。
それだけに、ジオン側にもまだ結構な戦力が残っている。
連邦軍としては、本来なら徹底的にジオンから金や技術を奪いたかったのだろう。
しかし、ルナ・ジオンが仲介している中でそんな真似をすれば、最悪ルナ・ジオンがジオン側につく可能性もある。
だからこそ連邦軍は、そこまで大きな要望は出来なかった。
それでもジオニック社を始めとする技術メーカーから人を引き抜いたり、アナハイムに売ったりといった真似をしていたが。
……もっとも、既に有能な技術者はかなりの数がルナ・ジオンの技術メーカーであるディアナに引き抜かれていたが。
とはいえ、有能な技術者の全員がルナ・ジオンに来た訳ではない。
中にはルナ・ジオンを信じられず、あるいはザビ家に強い忠誠心を持っている、もしくはもっと別の理由によって引き抜きに応じなかった者もいる。
そういう連中は、連邦に引き抜かれたり、アナハイムに引き抜かれたり、ジオン共和国を率いるガルマに従ったりといった感じになっている。
客観的に見た場合、連邦に引き抜かれた技術者というのはルナ・ジオンに引き抜かれた技術者に次ぐ勝ち組だろう。
アナハイムは……どうだろうな。
基本的に企業ではあるものの、アナハイムはルナ・ジオンの傘下になっている。
契約上で、開発したMSは最低でも1機ルナ・ジオンに譲渡するようになっていた筈だ。
この場合の譲渡というのが、金を支払って購入するのか、無料で受け取るのか。
生憎とその辺は俺にも分からない。
ただ、セイラの性格を考えるときちんと相応の金は支払って受け取ると思われる。
ただし、それは別に優しさからそうする訳ではない。
MSというのは1機を作るだけでも相応の金額が必要となる。
それこそガンダムのような高性能機なら尚更だろう。
だが、そんな中でMSを無料で譲渡しろと言った場合、アナハイムは間違いなく不満を抱く。
その不満が最終的にルナ・ジオンに対する敵対行為になる可能性は十分にあった。
……もっとも、金を支払ってもルナ・ジオンが気に入らないと思う者は相応の態度を取るだろうが。
「UC世界の方は問題ないわよ。……いえ、正確には問題はあるんだけど」
「具体的には?」
「未だにキシリアがどこにいるのか分からないわ。それ以外にもジオン共和国から出た国に戻ってくるようにという指示を聞かない者もいるし」
そう言い、モニクは複雑な表情を浮かべる。
キシリアの件については、モニクはギレン直轄であった以上、思うところはないのだろう。
嫌悪感の類はあるのかもしれないが。
しかし、ジオン軍の軍人達が行方を眩ませているのは、ギレンに対する忠誠心からというのがある。
実際、俺が接触したデラーズはギレンに強い忠誠心を……それこそ盲信と呼ぶに相応しい思いを抱いていた様子だったし。
だからこそ、そちらに関してはモニクも思うところがあるのだろう。
ギレンは何だかんだといって高い能力とカリスマ性を持っていた人物なのだ。
……キシリアの行動を読めず、最後には暗殺されてしまったが。
政敵であっても妹だからと考えていたのが油断だったのか、それともキシリアがギレンの目を上手く掻い潜ったのか。
その辺は俺にも分からないが、現状においてはギレンの信奉者とキシリアがUC世界において厄介な存在なのは間違いない。
「ジオン共和国の方でも、苦労してるのか?」
「そのようね。どうやらジオン共和国内部にもそれぞれの内通者がいるらしいわ」
内通者か。
キシリアは俗にキシリア機関と呼ばれる諜報組織を持っていたので、情報の重要さは理解しているだろう。
だが、デラーズを始めとした他の有象無象達には、内通者を用意出来るのか?
ガルマが死んでいて、ザビ家の者が誰もいなければ、ザビ家に忠誠を誓っている者がデラーズと通じてもおかしくはない。
だが、現在のジオン共和国を治めているのはガルマだ。
ザビ家の中でも人気という点では突出していた人物。
そんなガルマがいるのだから、ザビ家に忠誠を誓っている者達は当然のようにそちらに忠誠を誓うだろう。
「ジオン共和国を治めているのがキシリアなら、政敵だったギレンの信奉者が内通者になってもおかしくはないが、ガルマの場合はそう簡単に内通者を用意する事は出来ないと思うけどな」
「それでもいるのは間違いないわ。それもちょっとやそっとじゃなくて、結構な人数でしょうね」
そう告げるモニクは、何らかの確信を持ってそのように言ってるように思えた。
それが一体どのような確信を持って言ってるのかは、生憎と俺には分からない。
分からないが、それでもモニクの言う事であれば信じてもいいだろうと思える。
「キシリアにしろ、それ以外のジオン軍残党にしろ、実際に動き出すまではまだ結構な時間があるか。さすがに今すぐに動くって事はないだろうし」
「そうね。戦後という事で連邦軍もジオン軍の残党を警戒してるわ。動くのなら、もう数年は後になるでしょうね」
そう告げるモニクの言葉に、俺は同意するように頷くのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1940
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1756