ゼットとの話を終えたところで、ちょうどミュージィからの……正確にはリムルからの使いが来て、マーベルが一緒でもいいという事になった。
そんな訳で、俺とマーベルはその使いとしてやってきたメイドに連れられて、リムルの部屋……正確には客室なのだろうが、その客室に向かう。
「ようこそいらっしゃいました」
俺とマーベルを見て、そう告げるリムル。
さて、一体何の為に俺を呼んだんだろうな。
悪しきオーラ力というのが関係しているんだろうけど。
「アクセル王は食べるのが好きだという事でしたので、軽い食事を用意しました」
「悪いな、助かる」
リムルが用意したのは、サンドイッチ的な感じ……というか、まさにサンドイッチだった。
バイストン・ウェルにサンドイッチという料理があったのか? とも思ったが、考えてみればショットやゼットがいるんだから、そっちから何らかの情報が伝わっていたとしてもおかしくはない。
サンドイッチなんかは、難しくない料理だしな。
いやまぁ、本当に美味いような店で売るようなサンドイッチとなれば、色々と細かいところを気にする必要もあるのだろうが、サンドイッチのいいところは適当に作ってもそれなりに美味いといったところだろう。
それでもリムルが用意した料理だけに、これはなかなかに美味い料理なのは間違いない。
何しろ、恐らくはドレイクに雇われている料理人が作ったんだろうし。
……悪しきオーラ力とかで、俺を邪魔に思ったりして毒殺を狙ってくるなんて真似をする可能性も否定は出来ないが。
いや、リムルの性格から考えて俺を殺すといったような真似はまず出来ないと思ってもいい。
ともあれ、俺とマーベルはソファに座ってリムルと向き合う。
ちなみに、リムルの隣にはミュージィの姿がある。
俺が1人でリムルと会わないようにしたように、リムルもまた自分だけで俺と会わないようにしたのだろう。
「アクセル王とは一度ゆっくりと話してみたいと考えていましたから、この機会にと」
「そうか? 俺は女を喜ばせるような話ってのは、そう得意じゃないんだけどな」
話をしてみたいと思っていたのは多分間違いないだろうが、その具体的な理由は悪しきオーラ力の件だろう。
これは話の取っ掛かりといったところか。
「それでも、色々と面白い話を聞かせて貰えると思いますから」
そう言い、話を促してくるリムル。
ミュージィやマーベルもまた、俺の話に興味があるのか好奇心に満ちた視線を向けてくる。
そうなると、これは話さないといけないな。
マブラヴ世界については、以前他の奴に話した覚えがある。
となると、珍しいのはマクロス世界といったところか?
ただし、バイストン・ウェルというファンタジー世界にいる以上、宇宙とかそういうのを認識出来るかどうかは微妙だ。
そうなると、SEED世界についても宇宙だったりコロニーだったり、遺伝子操作されたコーディネイターだったりといった具合に分からないか。
そうなると……ペルソナ世界かネギま世界といったところか?
「そうだな。ペルソナ世界といった世界がある。そこでは日付が変わる頃になると、世界が変わる。シャドウといったモンスターが徘徊するような世界にな。その時間は影時間と呼ばれていて、その影時間に適応出来ない奴は棺桶になる」
「棺桶になる? 棺桶に入るんじゃなくて?」
マーベルはアメリカ人だからこそ、棺桶には詳しいんだろう。
日本だと火葬だし。
「ああ、棺桶になるんだ。それで数時間が経過すると、また普通の時間に戻るんだけどな」
そう言えば、今更の話だが、影時間に棺桶になっているのを開けたらどうなるんだろうな。
実は棺桶の中に人が入っていて寝てるとか?
それはそれで面白そうな気がする。
とはいえ、影時間の件はもう終わった。
もうペルソナ世界では影時間が起きる事はないのだから、その辺は調べようがないんだが。
「棺桶に……それで、シャドウというのは、どのような存在なのですか? 恐獣のような相手でしょうか?」
「そうだな。恐獣と言っても色々と種類があるように、シャドウにも色々な種類がある」
実際、恐獣が具体的にどれくらいの種類がいるのかは分からないが、シャドウはもの凄い種類がいたんだよな。
絶対にとは言わないが、恐らくシャドウの方が種類は多いだろう。
「恐獣もかなりの種類がいると思うのですが」
「いるかもしれないが、具体的にどれだけの種類がいるのか、調べている学者とかがいないと正確な数は分からないしな」
あるいは、バイストン・ウェルの中にはそのような学者も捜せばいるのかもしれない。
だが、少なくても俺はそのような存在がいるというのは聞いた覚えがなかった。
そうしてペルソナ世界の話をするが、地上出身のマーベルも俺の話を興味深そうに聞いている。
マーベルは禅を好むように日本文化に興味を持っている。
それだけに、ペルソナ世界の日本は興味深い場所なのだろう、
実際には、マーベルが好むような日本文化らしいのはないんだが。
そういうのは、京都とかそういう場所に行けばあるんだろうけど。
「日本の場合、電車が1分の遅れもなく動いているというのが驚きよね。アメリカだと数分どころか、場合によっては10分単位で遅れたりする事も珍しくないのに」
「電車、ですか? それはどのような?」
マーベルの言葉を聞いたリムルは、興味深そうに尋ね。
バイストン・ウェルにおいて、電車や地下鉄といったものは当然のように存在しない。
あれば便利なんだろうが、村や街から離れると普通に恐獣とかが存在するしな。
だからこそ、もし線路を作ったりしてもあっさりと恐獣とかに破壊されてしまうだろう。
「なるほど、地上界にはそのような乗り物が……発展しているのですね」
しみじみと呟くリムル。
そうして、不意にこちらに視線を向けてくる。
「アクセル王。地上がそこまで発展しているのは、悪しきオーラ力を持たない者が多いからではないでしょうか?」
「どうだろうな。そもそも、俺はその悪しきオーラ力ってのがよく分からないし。ただ、地上には地上で悪人は多い筈だぞ」
文明がバイストン・ウェルよりも発展しているからこそ、余計に悪人が多くなるのかもしれないな。
もしくは、本来なら発揮されなくてもいいような悪事の才能に目覚める奴がいるとか。
少なくても、このバイストン・ウェルにおいては地上で行われているような……振り込み詐欺といったような事はない。
あ、いや。今の地上は1980年代だったか? だとすれば、振り込み詐欺とかそういうのはないか。
それでも他にも色々とバイストン・ウェルでは誰も思いつかない……もしくは思いついても行おうとはしないような、そんな犯罪があるのは間違いない。
であれば、地上の方にリムル曰く悪しきオーラ力の持ち主がいるのは、間違いないんじゃないか?
「そうなのですか? ……ですが、それであれば尚更、このバイストン・ウェルに地上人を呼ぶのは危険です。どうかアクセル王からお父様に言って今夜の儀式を中断してもらえませんか?」
唐突に何を言うのかと思えば、そんな事か。
いや、この会談の理由がそれだったのだろう。
実際、今のドレイクに強く何かを言える者というのは非常に限られている。
それを出来る1人が俺なのも間違いはないが、リムルの言葉に対して首を横に振る。
「悪いがそんな真似は出来ない」
「何故ですか? もし地上人を呼び出す事になれば、それは呼び出された方にしてみれば強引にバイストン・ウェルに連れてくるようなものですよ!?」
そのリムルの言い分は理解出来る。
実際にマーベルの件もそうだったが、地上人を呼ぶというのは拉致や誘拐してくるのと変わらない事実なのだから。
だが、俺にはそれを止めるつもりはない。
というか、もしここで止めたとしてもドレイクは全く話を聞くような事はないだろう。
ドレイクにしてみれば、俺にはマーベルという聖戦士がいるのに、自分にはショットやゼットといった技術者はいるが、聖戦士はいない。
これがドレイクにとっては決して許容出来ない。
「もし俺がドレイクに何を言っても、ドレイクがそれを聞くとは思えない。それに、俺はドレイクの同盟者だぞ? そうである以上、ドレイクの陣営が強化されるとなれば、それを否定する事は出来ない」
「ですが、それで無理矢理バイストン・ウェルに連れてこられる人に対してはどうするおつもりですか?」
「そうだな。その事に思うところがないと言えば嘘になる。だが、それはそれだろう」
この世界の原作を知らない以上、俺がどれだけこの原作に介入しているのかは分からない。
分からないが、それでもドレイクと同盟関係である以上、その戦力を充実させる行為を否定するような真似は出来ない。
召喚されてくる相手は若干哀れに思わないでもなかったが、今の状況を考えれば下手にここで召喚されなくても、他の国で地上人を召喚するといったような真似をする可能性はあった。
特にクの国ではオーラバトラーの開発が積極的に……それこそ国王までもが開発に関わっている程だ。
それを思えば、ここでドレイクに召喚された方がまだマシじゃないか。
「ですが!」
「悪いが、リムルがどう言っても俺がドレイクに反対するような真似をするつもりはない」
リムルが何かを言いたそうにするのを、途中で止める。
リムルとしては、何とかして俺を自分の思い通りに動かしたいのだろう。
「客観的に見て、ドレイクは優秀な領主だと思うが、何が不満なんだ? 少なくても、このアの国においてはドレイクよりも優秀な領主がいるとは思わないぞ」
ドレイクの同盟者としてラース・ワウに住むようになってから、色々と情報を集めている。
そんな中で得られた情報によると、アの国の領主は無能……とまでは言わないが、そこまで有能な人物は多くない。
それこそ、平均よりも若干上下する程度の者が大半だ。
唯一そんなドレイクに近い能力を持っているとすれば、それはギブン家だろう。
ゲドを奪ったり、ダンバインの開発に関わった技術者を引き抜いたり、更に独自にダーナ・オシーとかいうオーラバトラーを開発したり。
そういう感じで、オーラマシンに関する技術でもルフト領に並ぶとまではいかないものの、そう遠くない場所にいる。
ぶっちゃけ、まだオーラバトラーの独自開発に成功していないクの国よりも、オーラバトラーの技術では進んでいるのだ。
とはいえ、言ってみればそれは半ば猿真似でしかない。
そういう意味では、ルフト領はこのアの国どころか、バイストン・ウェル全体で見てもトップクラスの技術力を持っている。
勿論、それはあくまでもショットやゼットがいるからこそだ。
だが、その2人を取り立てるといったような真似をしたのもドレイクである以上、その判断はそう難しい話ではない。
「それは……」
俺を悪しきオーラ力の持ち主であると断言し、父親のドレイクのやる事に反論しているリムルであっても、俺の言葉に反論は出来ないらしい。
実際にルフト領が栄えているのは事実なのだ。
俺はエルフ城から直接このルフト領に、それも影の転移を多用して移動したので、他の領地が具体的にどのような状況になっているのかは、自分の目で見ていない。
だが、それでも今の状況を思えばルフト領よりも発展している領地はないだろう。
だからこそ、クの国の国王たるビショットも、アの国の領主でしかないドレイクと友好的な関係を築いている。
「ですが、お父様は悪しきオーラ力を持っています」
いや、俺達の前だけならともかく、ミュージィもいる中でそんな事を言ってもいいのか?
一瞬そう思ったが、ミュージィはリムルのそんな言葉を聞いても特に驚いている様子はない。
単純に表情に出していないだけなのか、それともリムルの言動には慣れているのか。
その辺は俺にも分からなかったが、リムルとの話を続ける。
「前々から思っていたんだが、お前が言う悪しきオーラ力ってのは、一体何なんだ? 具体的に言ってくれ」
「自分が本来持たなくてもいい物を欲し、その為であれば何をしてもいいと思っている。野望を持っている者の事です」
「野望……野望、か」
野望という言葉だけを聞けば、それは悪い言葉のように思える。
だが、野望も欲望だ。
人は欲望を持っているからこそ、人。
食欲、睡眠欲、性欲……そんな欲を持たない人間がいた場合、それは人と言えるか。
それこそ、植物か何かじゃないか?
いや、植物も子孫を残すという欲がある以上は、植物でもないな。
それこそ岩とかそんな感じだろう。
「野望を持つのはそんなに悪い事か? 実際、ドレイクがどんな野望を持ってるのかは分からないが、その野望のおかげでルフト領が発展してるのは事実だ」
どんな野望を持ってるか分からない、か。
そう言いはしたが、ドレイクがどんな野望を持ってるのかは何となく予想出来る。
アの国の国王のフラオンがあのような奴では、そんな野望を持つのも当然だろう。
そして、少なくてもアの国にとってはフラオンよりもドレイクが国王になった方が幸せなのは間違いないのだから。
「もう、いいです! 貴方に話して分かって貰おうと思った私が馬鹿でした!」
そう言い、リムルは部屋を出ていき……ミュージィは俺とマーベルに頭を下げると、その後を追うのだった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1410
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1650