転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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3321話

 正直なところ、俺はまさかここでエニルと遭遇するとは思わなかった。

 そしてエニルもまた、ここで俺と遭遇するとは完全に予想外だったのだろう。

 いつも通り……いや、以前会った時と比べると腹の部分が出ていないだけ露出度の減った服装をしたエニルは、目を大きく見開いて俺の方を見ている。

 最後に会ったのが雪の降るフォートセバーンであるのを考えると、常夏の楽園――という表現はちょっとオーバーだが――セインズアイランドでまさか会うとは思わなかった。

 実際には、フォートセバーンではスライムを通してノモアと会話をしているのを聞いたのが最後だ。

 その前にフォートセバーンの街中で会った時は、何故か痴話喧嘩とかそういうので周囲に話が広まったが。

 ……いやまぁ、そういう風に噂を広げたのは俺なんだが。

 その後はすぐにエニルからノモアに連絡がいき、俺達は指名手配されてしまった。

 

「久しぶりね」

 

 最初に沈黙を破ったのは、エニル。

 あるいは周囲にいる他の通行人達の視線を気にしたのかもしれないが。

 裏道に近い場所とはいえ、それなりに人が歩いている場所でいきなり俺とエニルが動きを止め、見つめ合っていたのだから、通行人達も一体何なのかと気になったらしい。

 実際には見つめ合ったとかそういうのではなく、予想外の出来事に足が止まっていただけなのだが。

 

「ああ、久しぶりだ。まさかこんな場所で会うとは思ってなかったよ」

「ふふっ、そうね。私もまさかこんな場所でアクセルに会うとは思っていなかったわ」

 

 思ったよりも友好的に話が出来るな。

 まぁ、俺とエニルとの間に特に何か対立があった訳ではない。

 これがガロードだったら、エニルとの間で一体どういう問題が起きたのか分からないが。

 俺とエニルの間での対立や因縁はそこまでない。

 だからこそ、こうしてエニルとの間でゆっくりと話が出来るのだろう。

 もっともそれを抜きにしても、エニルの中には既にガロードに対する憎悪の類はないように思える。

 ガロードと離れたのが大きな意味を持っていてもおかしくはない。

 

「それで、アクセルは何でセインズアイランドに?」

「それは俺が聞きたい事なんだけどな。俺の方は……まぁ、バルチャー関連の仕事でちょっと」

 

 これは事実ではないが、嘘ではない。

 仕事としてやって来た訳ではないが、バルチャーの関係でやって来たのは間違いないのだから。

 ただし、沈んでいる軍艦をサルベージするという、シーバルチャーの領分だが。

 

「仕事で? ……そう。アクセルはまだバルチャーをやってるのね。なら、フリーデンもここに?」

「いや、俺だけだ。ちょっとセインズアイランドの行政府に許可を取りたい事があって」

「それはまた、随分と面倒なことになってるのね。……ねぇ、アクセル。そういう事ならちょうどいいわ。ちょっと私の店に来ない?」

「店? ……なるほど。バルチャーは引退したのか」

 

 勿論バルチャーをやりながら店を経営するといった事も珍しくはない。

 自分達の拠点としてその店を使うとか。

 しかし、エニルの今の様子を見るとバルチャー……というか、フリーのMS乗りはもう引退したように思えた。

 

「ええ。今はちょっとしたお店を開いてるわ。もっとも、基本的には夜しかやってないようなお店だから、今は誰にも邪魔されずに会話出来るわ。……どう?」

 

 夜しかやってないような店と聞いて風俗を想像した俺は決して悪くない筈だ。

 今はそうでもないが、元々エニルは女の色気を強調するかのような服装だった。

 また、ガロードを誘惑したという話も聞いていた。

 後は……うん。俺がフォートセバーンで痴話喧嘩だという話を広げたのも、本当に少しだけ影響してるかもしれない。

 エニルは目つきの鋭い美人だが、それがいいと言う者は多い筈だ。

 そんなエニルが風俗の店をやっていれば、客は幾らでも入るだろう。

 そう思ったが……エニルに案内された店はそういう店ではなく、酒場だった。

 もっとそれらしい表現だと、秘密の隠れ家的なクラブとか、そういう感じか?

 

「へぇ……いい店だな」

「そう言ってくれると嬉しいわ。なら、次は夜に来てくれる?」

「生憎と、俺はあまり酒が得意じゃなくてな」

 

 もし酒を飲んだ場合、気が付けばエニルを抱いていたとかいう事になりかねない。

 いや、それだけならまだいいのかもしれなかった。

 下手をすれば、セインズアイランドそのものが崩壊していてもおかしくはないのだから。

 何しろ今まで酒を飲んで色々な騒動を起こしてきたし。

 場合によっては、X世界でもホワイトスターでも、繋がっている世界でもなく、全く未知の世界にいてもおかしくはない。

 一応俺が酔っ払っている時はゲートが使えないようになっているのだが、俺が酔っ払っていると、その辺りはどうとでもしそうだし。

 

「あら、そうなの? アクセルの様子を見ると強そうに見えるのに」

「強いか弱いかというのはともかく、酒癖が悪い。俺が酔っ払うと、間違いなくエニルに迷惑を掛ける」

「そう。……それは残念ね。アクセルとなら美味しいお酒を飲めると思ったんだけど」

「酒じゃなくて食事ならいつでも付き合うよ」

 

 別に食事くらいなら問題ないだろう。

 その食事にガロードが顔を出したりしたら、色々と問題になりそうな気もするが。

 

「あら、それじゃあ楽しみにしておこうかしら。……まずはそのお楽しみの前に話を聞かせてちょうだい。ああ、勿論話せる内容だけでいいけど。セインズアイランドの行政府に何をお願いしようとしたの?」

 

 ん? 意外だな。

 てっきりフォートセバーンの一件とか、ガロードの一件とか、ノモアの一件とか聞いてくるんだとばかり思っていたんだが。

 特にノモアはエニルの父親の知人だった。

 そうである以上、エニルがいなくなった後でどうなったのか聞いておきたくてもおかしくはないと思うんだが。

 ただ、エニルはノモアを見捨ててとっととフォートセバーンから姿を消した。

 そう考えると、エニルの中でノモアの価値というのはそこまで高くないのかもしれないな。

 

「具体的には、軍艦を1隻置く場所を借りたい」

「……何をするの?」

「海底に沈んでいた軍艦を見つけたんだが、その中には色々と貴重な資料とかがある。それをどうにかしたいんだが、俺達はシーバルチャーじゃないから引き上げる事が出来ないんだよ」

「ちょっと待って。話が分からないわ。軍艦を引き上げる事が出来たからこそ、セインズアイランドに持ってきたいという話じゃないの? そもそもの話、アクセルは陸バルチャーでしょう? 何でシーバルチャーの真似事をしてるのよ?」

 

 理解出来ないといった様子のエニル。

 俺の話だけを聞いていれば、そんな風に思ってもおかしくはない。

 とはいえ、ニュータイプ云々というのは説明出来る筈もないしな。

 

「そうだな。エニルは俺がちょっと普通ではないのは分かっているだろう?」

「普通じゃない……?」

「ああ。具体的には、パトゥーリアだ」

「っ!? あれ、アクセルの仕業だったの!?」

 

 予想はしていたけど確信は持っていなかったといったところか。

 エニルにしてみれば、パトゥーリアが忽然と消えた光景というのはちょっと説明出来なかったのだろう。

 ノモアの計画が破綻したのは、パトゥーリアが盗まれた事が最大の原因だったのだから。

 

「そうだ。それを考えれば、俺が普通じゃないというのは分かって貰える。例えば……こんな風に」

 

 パチン、と指を鳴らすと右手が白炎となり、その白炎が小鳥の炎獣となる。

 白炎で身体が出来た小鳥は、テーブルの上に降りると小さく歩いて不思議そうに首を傾げた。

 

「……え?」

 

 炎獣を見て、理解出来ないといった様子のエニル。

 X世界の人間に魔法を見せれば、そんな風に思ってもおかしくはないだろう。

 ちなみにエニルに魔法を見せるつもりになったのは、エニルなら言い触らしたりしないだろうという思いがあったし、ぶっちゃけもし言い触らしたとしても既にゲートを設置して基地を拠点として活動している以上、何かあっても問題ないと思えたからだ。

 例えばエニルがセインズアイランドの行政府に俺が魔法を使えるといった事を話すとする。

 普通なら何を言ってるのかと、エニルが正気かどうか疑問に思うだろう。

 このX世界に魔法というのは架空の存在だ。

 それだけに、魔法が実際にあると言ってもそう簡単に信じたりする事はない。

 映像か何かがあれば……いや、それでも魔法ではなく手品とか、そんな風に考えるだろう。

 

「見て分かるように、俺には魔法が使える。海底の軍艦も魔法で入手した。ただ、俺達は陸バルチャーだ。海底の船をサルベージしてそれを探索するノウハウはない」

 

 正確には、ただの軍艦なら海底で無理矢理船の中に入って中を調べる必要があるという手段もある。

 だが、今回の場合は軍艦の中にニュータイプに関係する何かがある。もしくはいる。

 コールドスリープをしてるのか、ニュータイプ特有の力で何とか生き延びているのか。

 その辺について分からない以上、海底で迂闊に軍艦の中に入るといった真似は出来ない。

 それに海底で軍艦の中に入ると、俺だけで調べる事になる。

 ジャミルやティファ、クスコ、マリオン……それ以外にも多くの者で調べる必要があると判断した為だ。

 

「それで、何でセインズアイランドに?」

「個人的には無人島とかそういう場所でもよかったんだが、近くに見つからなかったからな。俺が知ってる中で一番近くにあるのが、セインズアイランドだったんだよ」

「……そう」

 

 俺の言葉を完全に信じた訳ではないが、それでも頷くエニル。

 実際俺は全てを話している訳ではないので、エニルがこのような態度を取ってもおかしくはない。

 

「ああ。そんな訳で、セインズアイランドの行政府に接触したいんだが……」

「それなら力になれるかもしれないわ」

「エニル?」

 

 一応エニルに事情を説明はしたものの、それでもまさかエニルの方からそんな風に言ってくるというのは、少し予想外だった。

 

「私のお店によく来る人がいてね。……その、言い寄られてるんだけど、その人がセインズアイランドの行政府で働いているのよ」

「なるほど。その男も見る目があるな」

 

 エニルくらいの美人なら、男に言い寄られるのは珍しい事ではないだろう。

 それこそこの店の持ち主なら、エニルを目当てにする者は多い筈だ。

 ただでさえセインズアイランドにはシーバルチャーが結構いるのだ。

 そういう連中にしてみれば、エニルに言い寄ってもおかしくはない。

 あ、でもエニルが口にしたのは行政府に勤めている男で、シーバルチャーとかじゃないのか。

 

「あら、アクセルからそんな風に言われるなんて、少し嬉しいわね」

 

 そう言い。笑みを浮かべるエニル。

 別に俺が口にしたのは、お世辞でも何でもなく純粋な真実なのだが。

 エニルにしてみれば、お世辞のように思えてしまったのだろう。

 

「そうかもしれないな。……で、そのエニルに言い寄っている男は行政府で具体的にどういう仕事をしてるんだ?」

「聞いた話によると、セインズアイランドに入る際に接触して、武器とかMSを封印するといったような事をするらしいわ」

「そうなると、確かに今回の件には相応しいかもしれないな」

 

 完全に俺の狙っている部署にいるといった訳でもないが、それなりに関わっているらしい。

 そうである以上、軍艦を置く場所を用意して貰うというのは悪い話ではなかった。

 

「ちなみに……その男とエニルはどういう関係だ? 具体的には、言い寄られているって話だったが、気持ちがその男に向いているとか、そういうのはあるのか?」

「うーん、そうね。今まで接してきた事がないような相手なのは間違いないわ。もしもう少し時間があったら、付き合っていたかも」

 

 俺が予想していたよりも好印象だったらしい。

 そうなると、その男を嵌める……という表現はどうかと思うが、とにかくここで俺に紹介するといった真似をしてもいいのか?

 まぁ、紹介してちょっと土地を借りるだけなんだから、それがその男のマイナスになったりはしないんだろうが。

 それどころか、シャドウミラーとの繋がりが出来ればセインズアイランドにとっても悪い話ではない。

 セインズアイランドは、俺が見てきた村や街といった中では群を抜いて発展している。

 それはつまり裕福であるという事を意味し、シャドウミラーと接触すれば高額な高機動型GXをそれなりに購入するといったような事も出来るかもしれない。

 島にある都市である以上、水中用MSや空を飛べるMSが欲しいというのがセインズアイランドの正直なところだろう。

 もっとも、高機動型GXは高性能なMSだが、それだけに乗りこなすには相応の技量が必要となる。

 それこそエニルとかなら乗りこなせるが、その辺のパイロットだと機体に振り回されるようなことになってもおかしくはない。

 

「そうか。なら、エニルの恋人候補がどういう性格をしてるのかちょっと見せて貰おうか。今夜来ればいいのか?」

 

 そう尋ねる俺に、エニルは頷くのだった。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:1940
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1756
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