ルマークとの取引を終えると、その後は夜になるまで特にやるべき事もないので、情報交換……という名の適当に話をしながら暇を潰す。
俺にとって驚いたのは、ルマークもローレライの海について知っていた事だろう。
シーバルチャーをやっている以上、その辺の情報については詳しくなる必要があるのは当然なのかもしれないが。
間違ってローレライの海に行けば、最悪船が沈むということにもなりかねないのだから。
ただ、セインズアイランドを拠点としているルマークにとって、ローレライの海はかなり離れた場所にある。
ルマークがローレライの海に近付くといった事は基本的にないらしいが……それでも情報は持っていて当然といったとことなのだろう。
もっとも、ルマークは俺がローレライの海に興味を抱いていると知ると、近寄らない方がいいと忠告してきたが。
何だかんだと、ルマークは優しいところがあるんだよな。
まさか俺がサルベージしようとしているのがローレライの海に沈んでいる軍艦であるとは……ましてや、そのローレライというのがニュータイプに関係する可能性があるというのは想像も出来ないので、当然なのだろうが。
もしローレライというのがニュータイプに関係するのなら、あの軍艦をサルベージしてセインズアイランドに持ってくると、ここがローレライの海になったりするんだろうが。
そうなったらちょっと悪いかも?
そんな風に思いつつ時間を潰し、夕方になったくらいで俺はルマークの拠点から出る。
「こんなに長くいて悪いな。本来なら、ルマークにも色々と仕事があったんだろうに」
「気にしなくていいわよ。アクセルから支払って貰った宝石の金額はかなり多めだったもの。私の時間を少しアクセルにあげるくらい、問題ないわ」
「いや、その表現は出来れば止めて欲しいんだが」
そう言いつつも、恐らく言っても無駄なんだろうなとは思う。
「あら、私とアクセルの間で堅苦しいのは別にいらないでしょ?」
「……そういう意味で言ってるんじゃないんだが。まぁ、いい。じゃあエスペランサの2機目の完成を急いでくれ」
「了解。じゃあ、またね」
そう言い、ウィンクをしながら手を振ってくるルマークに頷くと、俺はその場を後にするのだった。
「お、どうやらもう開いてるみたいだな」
エニルの店に行くと、夕方ということもあって扉にOPENの看板があった。
店の中にはそれなりに客も入っているのか、ざわめきも聞こえてくる。
ちなみにエニルの店に来る途中でエニル目当てのチンピラに絡まれた場所に寄ってみたが、そこにはもう誰の姿もなかった。
どうやら全員目が覚め、その場から消えたらしい。
消えたというか、骨折している奴が結構いたから、病院に行ったんだろうな。
まさか警察とかに行ったとは思いたくない。
治安組織が警察という名前がどうかは生憎と俺にも分からないが。
あるいは自分達を倒した俺に復讐するべく仲間を集めているという可能性もある。
そうなったらそうなったで、どうとでも対処出来るからいいんだけどな。
そんな風に思いつつ、店の中に入る。
「いらっしゃい」
カウンターの向こう側にいたエニルが、俺を見てそう声を掛けてくる。
そんなエニルに頷きつつ店の中を見てみると、テーブルに空きがそれなりにある程度の客の入りだった。
まだ夕方で夜も本番に入っている訳ではないと考えると、それなりに繁盛しているのだろう。
店の客達は俺に訝しげな視線を向ける。
考えてみれば当然なのだが、セインズアイランドは他よりも発展していて、しかも北米大陸にあるのではなく、島だ。
どちらかと言えば閉じたコミュニティとなる。
ルマーク達や、俺が以前雇われたバルチャーのように外からやって来る者達もいるが、この店は裏通りに近い場所という分かりにくい場所だ。
そうである以上、この店にやって来るのは基本的に決まった面子になるのだろう。
あるいはその決まった面子が連れてくるような奴か。
そんな中で俺が1人でやって来たのだから、訝しげな視線を向けられるのもおかしくはない。
それでも俺とエニルが顔見知りであると知ると、訝しげな視線はなくなる。
……代わりに嫉妬の視線が向けられる事になったが。
日中に俺にちょっかいを出してきた男のように、この店にいる者達は店の雰囲気以外にエニルを目当てに来ている者も多い。
その中には、普通にエニルと話せれば満足するといった者もいるだろうが、エニルを自分の物にしたいと思う者もいる。
そこまで露骨ではなくても、エニルに言い寄っている奴は多いだろう。
実際、俺がエニルに紹介して貰うという人物もエニルに言い寄っているらしいし。
そんな視線を浴びるが、ぶっちゃけこの程度の嫉妬の視線はどうという事もない。
俺の恋人達は全員が全員タイプは違うが、それぞれ美女と呼ぶに相応しい。
それも外見だけではなく、中身も一流と呼ぶに相応しい能力の持ち主達だ。
そのような恋人達を連れてデートに行けば、当然ながら多くの者達から嫉妬の視線を向けられる。
この店で向けられたのとは、質も量も全く違う嫉妬の視線を。
(客の人数が増えれば、もう少し違うのかもしれないが)
そんな風に思いつつ、カウンター席に座る。
1人である以上、テーブルを使うのはどうかと思った為だ。
目的の人物が来れば、話をする為にテーブルを使わせて貰うかもしれないが。
「いつもの」
「……あのね、アクセルがきちんとこの店に来るのは今日が初めてでしょう? それでいつものって何よ?」
呆れたように言いながらも、エニルは冷たいお茶を俺の前に置く。
俺が酒を飲んだ場合、大変な事になるというのを覚えていたのだろう。
店の中は雰囲気を重視しているのか、間接照明になっている。
コップの中身を見て、それが何なのか理解出来る者はいない。
「適当に何か食べられるのを。……それで、相手はまだ来てないのか?」
「ええ。行政府の方で仕事をしているから、もう少し掛かると思うわ」
行政府とかそういう公の組織で働いていると、9時5時で残業もないままに終わるというイメージが強い。
実際にそれが正しいのかどうかは別として。
もっとも、それはあくまでも俺のイメージ……それもX世界ではない世界での話だ。
X世界においては、それこそバルチャーやシーバルチャーが来たりすればそれに対応する必要があるので、規定の時間に仕事が終わらない事も珍しくはないのだろう。
「そうか。ならそいつが来るまで少し待つかな」
「そうしてちょうだい。……はい、これ」
そう言い、エニルはベーコンとポテトとカリフラワーを黒胡椒で炒めた料理を出す。
ジャーマン炒めとか、そんな感じか?
とはいえ、セインズアイランドでは肉はそれなりに貴重な筈だ。
これが魚なら、島である以上は漁をすればかなりの漁獲量を期待出来るが、牧畜とかは島が狭いだけに動物をそう大量に飼育は出来ない。
肉として、バルチャーやシーバルチャーに運び込んで貰ってるのかもしれないが。
ベーコンも食材としての地位を築いてはいるが、本来なら保存食だし。
そう考えると、少し高くてもベーコンとかはセインズアイランドでは普通に食べられているのかもしれないな。
「うん、美味い」
黒胡椒の辛みと塩を始めとした数種類のスパイス、そしてベーコンの塩気とジャガイモとカリフラワーの食感。
それが合わさり、十分以上に美味い料理となっていた。
残念なのは、酒のツマミとして出された料理だけに、少し塩気が強すぎるといったところか。
パンがあれば丁度いいのかもしれないけど。
料理を食べていると、次第に俺に向けられる視線が減ってくる。
エニルと話していたんだから、嫉妬の視線が強くなってもおかしくはないと思うんだが。
「それで、アクセルは今までどうしてたの?」
「ちょっとルマークに会いにな」
「ああ、なるほど。それで何かいいMSは見つかった?」
「MSというかMAだな。まだ実際に乗った訳ではないが、ルマークから聞いた通りの性能だとかなり高性能だ」
「あら? アクセルがMAに乗るというのはちょっと珍しいわね」
「そうか? ……いや、そう言われるとそうかもしれないな」
このX世界だけではなく、UC世界、SEED世界、W世界……ガンダムの存在する世界にはかなり顔を出しているが、そんな中でMAに乗る機会は殆どなかった。
そういう意味では、俺がエスペランサに乗るというのは珍しいのは間違いない。
「でしょう? MAはメンテとかが大変なところもあるし、そうなると大きな組織に所属してないと、十分に性能を発揮出来ないのよ」
俺の場合は基地を拠点としてるし、いざとなればホワイトスターの方でどうとでもなる。
そういう意味では、MAを使うのに向いているのだろう。
「それなら俺は……」
「あ、ちょっとアクセル」
俺の言葉を遮るように、エニルが言う。
一体何だ? と思ったが、エニルの視線の先を見て納得出来た。
黒髪を短く切りそろえ、眼鏡をしている男。
見るからに真面目……いや、生真面目そうな性格をしていると、見れば分かる。
そして生真面目であると同時に、どこかお坊ちゃんといった様子でもあった。
エニルの様子から考えても、恐らくあの男が目的の人物なのだろう。
「マイルズ」
「エニル?」
生真面目そうな男……マイルズと呼ばれた男は、まさかいきなりそんな風に自分に声が掛けられるとは思ってなかったのか、そのままカウンターの方にやって来る。
嬉しそうな様子なのは、自分が言い寄っているエニルに呼ばれたからというのが理由なのだろう。
もっとも、マイルズが嬉しそうにしていたのは最初だけで、エニルの近くに俺が……いるのを見て驚いていた。
そして俺もまた、そのマイルズを見て驚く。
何しろ、俺とこのマイルズという男は初対面という訳ではなかったからだ。
以前、俺がフリーのMS乗りをしている時にこのセインズアイランドにやって来た時、上陸前にやって来て色々と手続きをしたのがこの男だった。
うわ、これはちょっとやばいか?
この手の男は生真面目な性格をしているだけに、一度会っただけの俺の顔を覚えている可能性がある。
そして俺がセインズアイランドを出ていったのも覚えているだろうし、その後で新たな手続きをしてセインズアイランドにいる訳ではないというのも覚えている可能性があった。
まさかエニルに言い寄ってるのがマイルズだったというのは、素直に驚きだ。
生真面目な性格をしているだけに、エニルに言い寄るといった真似をするとは思えなかったんだが。
「エニル、どうしたんだい?」
「マイルズ、彼がマイルズに話があるそうよ」
「彼が? ……初めまして、マイルズ・グッドマンといいます。それで私にどのような用事が?」
よし。
こうして初めましてと言ってきたという事は、マイルズは俺と以前会った事を覚えていないらしい。
……考えてみれば当然か。
セインズアイランドはこの近辺において最も発展している場所だ。
それに島であるというのもあって、物資はバルチャーからの輸送に頼っている。
もしかしたらバルチャーではなく、セインズアイランドが直々に輸送船団とかを作ってるのかもしれないが。
ともあれ、多くの者がセインズアイランドにやって来る以上、マイルズが毎日会う相手の数も多くなる。
そんな中で、陸上戦艦の艦長をしているような者ならともかく、ただのフリーのMS乗りだった俺を忘れているのはそうおかしな話ではない。
「アクセル・アルマーだ。実はちょっとばかりあんたに……というか、セインズアイランドの行政府に頼みたい事があってな。どう接触したらいいのか迷っていたら、知り合いのエニルがあんたと知り合いだという話を聞いて、紹介して貰った」
「エニルの……? その、アクセルさんでしたか。貴方は彼女とどういう関係なんですか?」
そっちを先に聞くのか。
いやまぁ、自分が言い寄っている女の知り合いだという男が現れたら、その辺について気になってもおかしくはないのかもしれないが。
「ちょっと……そう、昔にちょっとあっただけよ」
俺が何かを言うよりも前に、エニルがそう告げる。
ん? この様子だと、エニルは自分がバルチャーだった事をマイルズに言ってないのか?
まぁ、バルチャーやフリーのMS乗りというのは、この世界において絶対に必要な存在であるのは間違いないが、中には盗賊とかオルクとかそういうのがいるおかげで、嫌悪している者も多い。
……もしこの世界でバルチャーとかがいなくなれば、恐らく現在生き残っている者の中でも結構な数が死んでしまう事になると思う。
物資の運送を任されているバルチャーというのは、それだけ大きな存在なのだ。
このセインズアイランドだって、もしバルチャーやシーバルチャーがいなければ、足りなくなる物資とかがあるだろうし。
あるいは自給自足が出来ても、今のように豊かな生活は絶対に無理だ。
それを知っていても、バルチャーを嫌っている者が多く……こうして見ると、恐らくマイルズもそうなのだろう。
「ああ、ちょっと以前に色々と助けて貰ったことがあったんだよ」
「……そうですか」
俺とエニルの説明にそう返したマイルズだったが、どこか疑っているように思えるのは恐らく俺の気のせいではないだろう。
そう思いながら、どう話を切り出すか迷うのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1940
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1756