マイルズは俺とエニルの関係が気になっているらしい。
あるいは元恋人同士だとか、そういう風に思っているのかもしれない。
エニル程の美人だけに、過去に恋人がいてもおかしくはないと思うんだが。
今は普通の……というか大人しい服装をしているが、MS乗りをしていた時はかなり露出度が高い、男を刺激する格好だった。
そういう格好をしている以上、男が言い寄ってくるのは間違いない。
中には強引にエニルを手に入れようとした奴もいたかもしれないが、それが成功しなかったのはエニルが普通にMS乗りとして活動していたのを見れば明らかだろう。
「それで……私に用事だという話でしたが、一体なんでしょう?」
マイルズは取りあえずエニルと俺の関係については納得した……というか、無理矢理納得させた様子だったものの、それでも俺がマイルズに用事があると話したのでそちらに話題を移した。
「実は俺はバルチャーだ」
「バルチャー……ですか? 最近入ってきたバルチャーでしょうか?」
セインズアイランドには毎日多数のバルチャーやシーバルチャーがやって来る。
それだけに、マイルズも全員のバルチャーの顔を覚えていないのだろう。
マイルズ以外にも仕事をしている奴がいるので、そちらも影響してるのかもしれないが。
「そんな感じだ。いわゆる陸バルチャーなんだが、ちょっとした伝手で沈んでいる軍艦を見つけた。ただ、俺達はシーバルチャーじゃないだけに、サルベージ技術はない。そんな訳で、セインズアイランドでどこかの土地を一時的に貸して欲しいと思ってな」
「……え?」
マイルズはエニルに注文をするよりも前に、俺の言葉を聞いて不思議そうな声を上げる。
「その話は少しおかしくないですか? 陸バルチャーである以上、サルベージ技術がないのは分かります。ですが、それではどうやって軍艦をセインズアイランドまで運んでくるつもりなのです?」
「そっちの方は色々とあってどうにかなる」
「……その色々というのが気になるんですが」
マイルズにしてみれば、その色々という部分を聞きたいのだろう。
しかし、俺にしてみればその軍艦をどうやって持ってくるのかを教える訳にはいかない。
もし教えたとしても、転移を使って魔法で軍艦を持ってくるといったような事を口にしても、とても信じては貰えないだろうし。
「悪いがその辺は社外秘だ。ただ、セインズアイランドに対して被害を出すような事はしない」
「いや、それをそのまま信じろと言われても。これで以前から知っているバルチャーであれば話は別ですが」
困った様子のマイルズ。
まぁ、そういう風に思うのは当然だろうな。
もし俺がマイルズと同じ立場であっても、恐らく同じような返答をしただろうし。
しかし、それが分かっていても俺としては降りることが出来ないのも事実。
「だろうな。そっちもそういう風に不安を覚えても仕方がないと思う。だが、それでも俺達の秘密を説明する事は出来ない。出来るのは、セインズアイランドにとってのメリットを説明するだけだ」
「メリット……ですか? 具体的にはどのような?」
そう聞いてくるマイルズだが、その表情にはあまり期待の色はない。
当然か。マイルズはセインズアイランドという巨大な勢力に所属しているのだ。
この近辺、というより俺が知ってる限り、X世界で一番復興しているのがセインズアイランドだ。
マイルズもその辺りの事情については知ってるし、そういう自負もあるのだろう。
これがもう数年もすれば、ノモアが司令を務める基地を中心に発展して、セインズアイランドに負けないくらいの都市になってもおかしくはないんだが。
ちなみにセインズアイランドが他よりも抜き出る形で復興したのは、島という特殊な地形もあるが、それ以上に太陽電池があるというのが大きい。
15年前の戦争以前、科学技術が非常に高かった頃に作られた太陽電池なので、それによってエネルギーを豊富に使う事が出来るのだ。
しかし、エネルギーという点では俺達の基地も負けてはいない。
ブラックホール系の技術によって、半永久的にエネルギーを生み出し続ける能力を持つ動力炉を入手したのだ。
その上で、山の中という場所にありながらも、侵入者に対しては容赦なく反撃出来る。
そうなると、陸続きだけに足を運びやすいという点でかなり有利なのは間違いなかった。
「セインズアイランドに情報が来てるかどうかは分からないが、俺はシャドウミラーという組織に所属するバルチャーだ」
「シャドウミラー……ですか? 初めて聞きますね」
どうやら予想通りシャドウミラーについてはまだ情報が入っていなかったらしい。
陸から色々と物資を輸入しているセインズアイランドだけに、もしかしたら陸バルチャーから俺達の話を聞いていてもおかしくはないと思ったのだが。
もしくは、情報は入っていてもデマだと判断されて上まで情報が届いていなかったか。
……うん。まぁ、この短期間で巨大な基地を制圧して、そこを使えるようにしてMSの生産設備とかも使えるようにして、多数の陸上戦艦を使ってバルチャーとして活動していると言われても、それを素直に信じろという方が無理か。
「そっちが信じるかどうかは分からないが、俺達は少し前にサン・アンジェロ市からそう離れていない場所にある連邦軍の秘密基地を確保した。そして動力炉を修理して、MSの生産設備とかも使えるようにして、今は多くのバルチャーがMSを欲して集まってきている」
「……それを信じろと?」
どうやら予想通り、俺の言葉は素直に信じられなかったらしい。
この世界の常識で考えれば、マイルズの態度の方が当然なのだから仕方がないが。
「セインズアイランドでは陸バルチャーとの取引もあるんだろう? いずれその辺から情報が入ってくると思うぞ。それで、俺が示したいのはMSの生産工場で作られたMSの売買だ」
ピクリ、とマイルズが反応する。
俺の言葉を完全に信じる事は出来ずとも、やはりMSの売買には興味があるのだろう。
セインズアイランドは立地上に恵まれている。
島だけに、敵が攻めて来ても対処はそんなに難しくはない。
だが、それでも……例えば潜水艦で攻めてくるとか、多数のオルクが手を組んで攻めてくるとかした場合、セインズアイランドの力だけで対処するのは難しいだろう。
一応セインズアイランドにもMS乗りやバルチャーが雇われていたり、独自の防衛隊とかはいるのかもしれないが、それでも戦力が多ければ多い程にいい。
ましてや……
「ちなみにMSの生産工場で売ってるMSは色々とあるが、セインズアイランドにお勧めするとなると、宇宙革命軍のオクト・エイプだな。島のセインズアイランドを守るのには空を飛ぶ能力はあった方がいいだろう? それに純粋にMSの性能として考えても、15年前の戦争では高性能のMSとして有名だった機体だし」
実際にはそのオクト・エイプの上位互換である高機動型GXもあるんだが、こっちはまだ実際には生産が始まっていない。
いや、もしかしたら始まっているかもしれないが、それはまずテンザン級に配備するべきだろう。
それに高機動型GXはガロードの使っているGXよりも防御力が弱かったり、サテライトキャノンが使えなかったりといった欠点はあるが、それを込みで考えても、非常に高価だ。
元々がオクト・エイプがジェニスとかを入れてハイ&ローMIXでの運用を想定しているのに、高機動型GXはそんなオクト・エイプよりも更に高額となる。
セインズアイランドであっても、そう簡単に多くを購入するのは難しいだろう。
あるいは指揮官機やエース機として数機を購入してもおかしくはない。
「その話は本当なのかな?」
「ああ。もしこっちの要望を聞いて貰えるのなら、優先的にMSを売ってもいい。あるいは水中用MSのドーシートやドーシートⅢを売ったりしてもいい」
島である以上は、飛行が可能なMSも欲しいが、水中用MSもあった方がいいだろう。
もっとも、ドーシートは性能がそこまで高くはないんだが。
「もしその話が本当なら、興味深い。……あくまでもその話が本当なら、の話だが」
「俺が嘘を吐いてるとでも?」
「初対面の相手をそこまで信じられると?」
マイルズにしてみれば、エニルからの紹介であっても初対面の俺をそこまで深く信じる事が出来ないと思ってもおかしくはない。
「そうだな。そこまで信じるというのは少し難しいかもしれない。だが、言ってみれば軍艦を置く場所の土地を貸すだけだ。もし俺の言葉が嘘でも、そこまで致命的な事ではないと思わないか?」
「それは……」
俺の言葉にマイルズが何も言えなくなる。
これが土地を貸せではなく、シャドウミラーの拠点として使うから売ってくれという事なら、マイルズも大人しく断るだろう。
だが、土地を貸す……それも長期間ではなく、本当に少しの間だけだ。
それならもし俺の言葉が嘘でも、セインズアイランド側にとって悪い話ではない。
「もし成功すれば、それはこの話を仲介したマイルズの手柄になる。セインズアイランドがオクト・エイプというMSを購入して戦力に加えられるようになれば、もしオルク達が襲ってきても対処出来る。そうなれば、それはマイルズの手柄になるぞ?」
手柄という言葉に、マイルズは少し反応する。
見た感じでは生真面目なお坊ちゃんといった印象のマイルズだが、それでも手柄が欲しいとは思っているのだろう。
生真面目な役人だけに、出世競争にもそれなりに興味があるといったところか。
後はもう一押し何かあれば……そう思っていると、マイルズの前に酒の入ったコップが置かれる。
「マイルズ、アクセルは私の友人よ。親友というくらいに深い付き合いじゃないけど、それでもアクセルがわざわざこんな真似をしてマイルズを嵌めるといった事をするとは思えないわ」
「エニル……」
最後の一手は、どうやら俺の提案とかそういうのではなく、エニルの……マイルズが言い寄っている相手からの一言だったらしい。
「アクセルが何かを企んでいるとは思えないし、もし企んでいたとしても、それはセインズアイランドに向けてのものではないと思うわ。土地を貸すというだけなら、アクセルが言ってるように、もし何かあっても大事にはならないんじゃない?」
「それは……そうだが」
エニルが自分の前に置いた酒の入ったコップを手に、マイルズは悩む。
俺の言葉よりもエニルの言葉の方を信用出来るというのは、正直どうかと思う。
ただ、マイルズにしてみれば初対面の俺よりもエニルの方が信じられるのは当然なのだろう。
「でしょう? なら、私の顔を立てると思ってお願い出来ない?」
「……分かった」
結局エニルに言いくるめられたかのように、マイルズはそう答える。
だが、すぐに俺の方に視線を向けてて口を開く。
「だが、言っておくがこっちで出来るのは上に話を通すだけだ。もし上が提案を却下した場合、こちらではどうしようもない」
「それでいい」
出来ればマイルズにはもっと上を説得して欲しかったが、エニルからの口添えを考えてもこれが精一杯だろう。
それに、セインズアイランドの上層部が無能ではない限り、今回の取引を断るといった事はない筈だ。
もっとも、セインズアイランドが他と比べて発展しているからとはいえ、上層部に有能な者だけが揃っているというのはちょっと考えにくい。
中には無能……とまではいかずとも、凡庸な奴とかも多いだろう。
それだけに、もしかしたらという可能性はあるかもしれない。
そうなればなったで、また別の方法を考えるだけだ。
ただ、セインズアイランドとの大きな伝手がなくなるのはちょっと惜しい。
だからこそ、出来ればこっちの要望を受け入れて欲しいところだ。
「では、明日にでも話をしてみよう」
さすがに今日は無理か。
いやまぁ、今はもう夕方……というか、既に夜だ。
セインズアイランド存亡の危機とか、そういうのなら今からでもすぐ上に報告しに行くだろうが、土地を一部借りたいだけというのは緊急の事態ではない。
シャドウミラーと繋がりを作り、オクト・エイプとかを購入出来るようになるという意味ではかなり大きな事態であるのは間違いないのだろうが。
それも今のところは保証するのがエニルだけである以上、エニルを知っているマイルズはともかく、エニルを知らないお偉いさんには納得出来ることではない。
「そうしてくれると助かるよ。ちなみに場所は出来るだけ海岸付近がいい。沈んでいた軍艦を持ってくるんだから、島のど真ん中とかだとちょっと困る」
実際には転移で持ってくるのだから、島のど真ん中であっても問題はない。
だが、魔法についてわざわざマイルズに知らせる必要もないだろうから、そう言っておく。
「なるほど。ではそのようにしよう。だが……土地を貸すにしても、相応の金額は必要となるが、構わないかね?」
「シャドウミラーの存在について証明出来ない以上、それは仕方がないだろうな」
そう、告げるのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1940
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1756