海の上をエスペランサが飛ぶ。
以前に乗った時も思ったが、やはりエスペランサは機動力が高いな。
高機動型GX以上、エアマスター以下。
ただし、この場合は戦闘機形態のエアマスターと比べてだが。
ちなみに運動性はともかく、純粋な機動力という点ではエスペランサはヴァサーゴよりも上だ。
そうである以上、こうして移動する時はエスペランサに乗るというのは悪い話じゃない。
……単純に移動するだけなら、それこそ転移魔法を使えばいいだけなのだが。
とはいえ、人前では転移魔法を使えない時もあるだろう。
また、今回のように転移する先が海の中であるというのもちょっと不味い。
そんな訳で、エスペランサに乗るのは悪い話ではなかった。
航続距離もかなり長く、この辺はルマークの技術力が出た形だな。
操縦桿を軽く動かして機体の方向を微妙に変え、あるいはスラスターを使って機体の挙動を確認する。
以前乗った時に、それなりに機体の性格を分かってはいたのだが、それでもこうして最高速で飛んでいる最中に機体の状態を確認するのは、低速で飛んでいる時と少し違う。
そういう意味では、今回の一件はちょうどいい。
エスペランサで飛び……そろそろローレライの海域に入ろうとした時、ふとエスペランサの映像モニタに妙な光が映る。
光? ……そう、それは間違いなく光だ。
具体的にどういう光なのかは、ここからだと分からない。
分からないが、しかし何となく予想出来る。
「オルクか」
恐らくテンザン級とフリーデンがオルクに襲われているのだろう。
もっとも、それには疑問もある。
オルクというのが、他者を襲うシーバルチャー……言ってみれば海賊なのは間違いない。
それはつまり、言ってはなんだが弱者を襲うのが仕事だ。
……まぁ、中には自分よりも強者しか襲わないとか、そういうオルクもいるのかもしれないが、生憎と俺はそんなオルクは見た事がない。
そもそもの話、基本的に陸バルチャーである以上は海で行動する機会はあまりないのだから。
今回の件はティファが竜の形をした岩を見つけ、そこでニュータイプの白いイルカを見つけ、そして白いイルカからローレライの海についての情報を貰った形だ。
半ば偶然に偶然が重なった結果だろう。
そんな訳でオルクについてそこまで詳しい訳ではないが、普通のオルクがテンザン級やフリーデンを襲うか? と言われれば、疑問だろう。
あるいはこれがフリーデンだけなら、地の利もあるという事で襲っていた可能性も否定は出来ない。
しかし、フリーデンだけではなく最大の陸上戦艦と呼ばれるテンザン級もいるのだ。
その上で、MS隊は精鋭揃い。ガンダムも数機いる。
……あ、でもドーザの時のように、ガンダムがいるからこそガンダム目当てで襲ってきたという可能性もあるのか?
普通に考えれば、それでも自殺行為でしかないと思うんだが。
そんな風に考えている間もエスペランサは進み続け……
「ん?」
映像モニタに表示された光景に、疑問の声が口から出る。
シーバルチャーやオルクの場合、使うのは基本的に水中用MSだ。
だというのに、映像を見る限りでは空を飛んでいるMSが結構な数いる。
勿論、空を飛べるMSという点ではテンザン級に搭載されているMSは全て空を飛べるし、GXとエアマスターも普通に空を飛べる。
……レオパルドは海だとフリーデンやテンザン級の甲板の上から攻撃するといった真似しか出来ないんだよな。
ふとそう思うが、今はそれどころではない。
空を飛んでいるMSが明らかにこちらの戦力よりも多いのだ。
それも、ドートレス系列のMSのような外観。
だが、当然の話だがドートレスというのは空を飛べない。
ホバー移動は出来るが、あんな風に空を飛ぶといった真似は出来ないのだ。
そうなると、あのMSは未知のMSとなる。
ただ……その未知のMSが数十機単位でいるのを思えば、明らかに疑問だ。
その辺の情報を入手する為に、そして戦場に近付いているエスペランサが敵ではないと知らせる為に、テンザン級とフリーデンに向かって通信を入れる。
「テンザン級、フリーデン、聞こえるか? アクセルだ。現在その戦場にMAで近付いているのが俺だ。間違っても攻撃しないでくれ」
『アクセル? 随分と遅かったわね。もう少し早く戻ってくると思ってたんだけど』
真っ先に通信が返ってきたのは、テンザン級の艦長をしているマリュー。
そのマリューは、俺の方を見ると不満そうに言いつつも笑みを浮かべ……
『メガソニック砲、拡散モードで発射!』
指示を出されたのと同時に、テンザン級から拡散モードで放たれたメガソニック砲が数機の未知のMS……ドートレスの系列機と思しき機体を撃破する。
撃破というよりは、消滅させたという表現の方が正しいだろう。
うわ、テンザン級のメガソニック砲を初めて見たが凶悪な威力だな。
敵を撃破するという意味では魅力的だが、あのMSは未知のMSである以上、数機は入手しておきたい。
……そう考えると、エスペランサは鹵獲にはあまり向かないんだよな。
いや、中破くらいにさせて鹵獲というのは出来る。
だが、ヴァサーゴを使っている時のように、コックピットにビームサーベルを突きつけて降伏させるといった真似が出来ないのは面倒だ。
エスペランサにはマシンキャノンとビーム砲しか搭載されていないのだから。
「俺が言うのも何だが、凄い威力だな」
『あら、褒めて貰って嬉しいわ。それで、アクセルは……何でそんなMAに乗ってるのかしら?』
『それは私も知りたいな』
マリューに続け、フリーデンからはジャミルが通信に出る。
「このMAはエスペランサ。セインズアイランドで以前俺が知り合ったシーバルチャーに完成したら売って貰う約束をしていた奴だよ。見ての通り、機動性という意味ではかなりのものがある」
『アクセル好みな訳ね。エスペランサだったかしら。その機体にも興味はあるけど、今はそれよりこの状況をどうにかする方が先でしょう?』
「そうなるな。で、お前達を襲っているのは……っと、何となく分かった」
戦場に近付いたエスペランサの姿に気が付いたのか、敵が攻撃をしてくる。
しかもその攻撃は、先程テンザン級が放ったメガソニック砲と全く同じ攻撃。
そしてメガソニック砲を使えるMSというのは、俺が知る限りヴァサーゴしかいない。
つまり、このドートレス隊を率いているのは……
「シャギア達か」
『正解よ。ここで待機していたら、突然襲撃されたの。……ちなみに潜水艦もいたけど、そっちは倒したから心配いらないわ』
潜水艦?
オルクの中には潜水艦を持ってる奴もいるのか。
いや、考えてみれば15年前の戦争においては潜水艦とかも普通に使われていた筈だ。
そうである以上、オルクの中に潜水艦を使う奴がいてもおかしくはない。
ただ、疑問なのは潜水艦をどうやって撃破したかだよな。
メガソニック砲を使ってか?
海底にいればメガソニック砲で倒すのも難しいだろうが、ある程度まで浮かんでくればメガソニック砲を命中させる事が出来るだろう。
潜水艦というのは、かなり繊細な作りだ。
海上艦の類なら少しダメージを負った程度で即時に沈むといったような事はないが、潜水艦の場合はその少しの傷が致命傷になってもおかしくはない。
だからこそ、テンザン級なら潜水艦を撃破出来てもおかしくはなかった。
あるいはレオパルドの仕事だったりするか?
まぁ、撃墜した以上は考えても意味はない。
出来ればその潜水艦も欲しかったが。
「で、いよいよフロスト兄弟の所属している組織が本格的に参戦してきた訳か」
フロスト兄弟の乗っているガンダムは、どちらも戦後に開発された新型だ。
そして新たに登場した、ドートレスの系列機。
それも空を飛ぶ事が出来なかったドートレスに対して、この新しい機体は普通に空を飛んでいる。
つまり、これは正式にはドートレスの系列機というよりも、ドートレスの後継機という表現の方が相応しいのだろう。
つまり、これも恐らくはフロスト兄弟のガンダムと同様、戦後に開発された機体。
……もしくは、ドートレスという機体が連邦軍の主力量産機だった事を考えると、もしかしたら15年前の戦争中に開発されていた機体、もしくは設計段階にあった機体を完成させたのかもしれないが。
とにかく空を飛んでいるという時点でドートレスよりも高性能なMSなのは間違いない。
そうなると、これだけの数がいるのは厄介だ。
……厄介なのだが、それでも互角に戦えているのは、ドートレスより性能が上でもガンダムは勿論、オクト・エイプよりも性能が低いからだろう。
勿論、パイロットの技量も大きく関係してくる。
その上、テンザン級で使われているオクト・エイプはシャドウミラーの技術班の手によって通常機よりも強化されているのだ。
結果として、例えドートレスの新型機を使っても勝ち目はない訳だ。
「取りあえず敵は分かった。後は戦いに乱入するから、連絡を頼む。……ちなみに、敵の新型機だが……」
『心配はいらないわ。既にシーマ達が3機確保してるから。コックピットも無事で降伏させたから、捕虜もいるわ。今は監禁してるけど、この戦闘が終わったら尋問しましょう』
マリューの言葉に笑みを浮かべる。
エスペランサで敵を鹵獲するのが難しい以上、シーマ達が確保しておいてくれて助かった。
『もっとも、シーマからはお礼を楽しみにしてると言われてるわよ?』
笑みを浮かべ、マリューがそう告げる。
お礼……お礼か。セインズアイランドに行ったらデートをするとかでいいか?
「分かった。まずはこの戦いを終わらせてからだな」
そう言い、通信を切る。
と同時に、再びメガソニック砲が飛んできたのを回避する。
エスペランサは機動力に特化したMAだ。
装甲は決して厚い訳ではないので、もし命中すれば呆気なく撃破されるだろう。
そういう意味では、ヴァサーゴを操縦する時よりもしっかりと回避を意識する必要があった。
メガソニック砲の飛んできた方を見ると、そこには目的の敵がいた。
MA形態になったアシュタロンの上にヴァサーゴが乗っている。
なるほど。メガソニック砲を撃つ時はどこかに機体を固定する必要があるのだが、そういう方法で来たか。
これは俺には出来ない手法だな。
……いや、俺じゃない誰かがエスペランサに乗って、その上に俺がヴァサーゴで乗れば出来るか?
一瞬そう思うも、そうなると誰がエスペランサに乗るかという問題がある。
個人的には機動力に特化した機体は好ましいのだが、欠点も多い。
運動性の低さや、武器が固定されており、射角が殆どない。
また、その武器の威力という点でも、普通のMSなら撃破出来るものの、ガンダムを撃破するのは難しいだろう。
ルナチタニウム合金を使っているガンダムの装甲は、量産機のビームライフル程度では多少食らったところで撃破は出来ない程の防御力を持っているのだから。
「そんな訳で……まずはお前だ」
こちらを狙ってくるシャギアの攻撃を回避しつつ、ビーム砲を放つ。
ただし、狙うのはヴァサーゴやアシュタロンではなく、護衛のように近くにいたドートレスの新型機。
放たれたビームは、一瞬にしてそのドートレスのコックピットを貫く。
もしかしたら旧式のドートレスとコックピットの位置が違ってるかもしれないと思ったが、どうやらそれは考えすぎだったらしい。
爆散するドートレスの新型を思いながら、機体を急旋回させる。
すると一瞬前までエスペランサのあった場所を、ヴァサーゴのクロービーム砲が貫いていき……そのまま追ってくる。
クロービーム砲の特徴として、ビームを発射したままその状態を数秒維持し、クローアームを動かす事で擬似的なビームサーベルとして使えるというものがある。
その特性を活かし、回避したエスペランサを追うビーム。
だが、それでもビームが射出され続けている時間は1秒ちょっとだ。
エスペランサに命中させるような真似は、とてもではないが出来ない。
「2機目!」
そして次のドートレスの新型の横を通り抜けながらビーム砲を発射。撃破する。
「3機目、4機目!」
少し離れた場所にいたドートレスの新型にマシンキャノンを集中攻撃しつつ撃破し、その隣にいた敵も同様にビーム砲で撃破。
そのように攻撃をしながら、敵の中を突っ切っていいく。
『って、おい、アクセル!? お前本当にアクセルか!? 危ねえぞ!』
少し離れた場所で戦闘機形態になってドートレスの群れと戦っていたエアマスターが、エスペランサの姿を見て、そしてフリーデンから連絡を受けたのだろう。
そう通信を送ってくる。
その理由も分からないではない。
この戦場において、エアマスターとエスペランサは最高峰の機動力を持ってる。
そんな機体が2機全速力で戦場を駆け抜けていて、下手にぶつかったら致命傷だろう。
特にエスペランサは装甲材の影響で、ガンダムよりも防御力が低いし。
……実際には機動力が高いという意味ではアシュタロンがいるんだが、ヴァサーゴを乗せているので今はあまり気にしなくてもいい。
そんな風に思いつつ、俺はエスペランサに乗って戦場を移動するのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1960
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1760