軍艦の場所にルチルを残し、俺とジャミルは車に乗ってルマークの拠点に向かう。
ちなみにシーマを始めとした面々もこっちに来たがっていたようなのだが……ティファに憑依したルチルをその場に残すというのは不味いので、ルチルの護衛を頼んできた。
「アクセル」
車を運転しているジャミルが不意に助手席にいる俺に向かって声を掛けてくる。
本来なら転移魔法で移動するのが一番手っ取り早いのだが、ルマークを連れていく時に歩いて来たと思われても面倒だったので、こうして車で移動していたのだが……
「どうした?」
「ルチルが乗っていた軍艦が沈んでいた場所で、フロスト兄弟が襲撃をしてきた件だが、Lシステムが目当てだと思うか?」
「それ以外に何がある? いやまぁ、軍艦の中にはもしかしたらLシステム以外にも何かがあって、それを目当てにフロスト兄弟が襲ってきたという可能性はあると思う。思うが、現状で一番怪しいのはやっぱりLシステムだろ」
それに俺が直接倒した訳ではなく、あくまでも話で聞いただけだが、フロスト兄弟と一緒に襲撃してきた相手の中には潜水艦もいたらしい。
その潜水艦は、恐らくあの軍艦をサルベージするのに使おうとしていたと思われる。
「考えてみれば、フロスト兄弟があの場所に辿り着くのは分からないでもないんだよな。ガンダムを使っていたり、ドートレスの後継機……」
「ドートレス・ネオだ」
俺の言葉を遮り、ジャミルがそう言う。
「ドートレス・ネオ?」
「ああ。鹵獲した機体からデータを吸い出したところ、機体の名前はドートレス・ネオというらしい」
「時間はあったから、そのくらいは当然か」
俺が軍艦のある海域で特にやる事もなく暇を持て余していた間、テンザン級とフリーデンはセインズアイランドに移動していた。
そうして移動している間でも、乗っている者達は特に何かやるべき事があった訳ではない。
いや、機体の補給や整備はあるから、全く何もやらなくてはならない訳ではないのだろうが。
それでも補給や整備は完璧な状態にしても時間はそう掛からない。
であれば、鹵獲したMS……ドートレス・ネオの解析をするのは当然だろうし……
「なら、パイロットの尋問の方は?」
その言葉にジャミルが黙って首を横に振る。
どうやっても情報を聞き出せなかったのか、もしくは聞き出そうとする前に自殺したとかなのか。
その辺は分からなかったが、捕虜から情報を聞き出せていない事だけは間違いない。
「捕虜の件はともかくとして、フロスト兄弟が乗っているのがガンダム。……もっともGXのような標準的なガンダムではなく、ゲテモノガンダムと呼ばれたりするようなタイプだが。そしてドートレスの後継機であるドートレス・ネオ。これらの事から考えると、フロスト兄弟の所属している組織は連邦軍の特色が強い」
その意見はジャミルも異論はないのか、車を操縦しながら頷く。
「だろうな。私もその意見は否定しない」
「つまり、連邦軍の情報が多く残っている訳だ。そうなると、その情報の中にはLシステムを搭載した軍艦があって、どこで沈んだという情報があってもおかしくはない」
「……そうなるか」
「ああ。恐らくはそうだろうと思う。そしてフロスト兄弟にLシステムを奪われるといったような事になったら、最悪の結果になりかねない」
それについてはLシステムについて既に説明されているジャミルも同様なのだろう。
サングラスを掛けていても分かるような、厳しい表情で頷く。
Lシステムは電子機器を停止させる能力を持つ。
しかし、それは敵味方識別出来ず手当たり次第という問題もある。
だが……そのような問題があるのなら、それはそれで対処出来るのも事実。
例えば、Lシステムに耐えられるような電子機器を開発するとか。
こちらは結構な開発時間が必要となりそうなので、他に考えられることと言えば単純に敵味方問わず効果を発揮するという事を前提として、敵の基地とかに運び込んでLシステムを作動させるとか。
他にもそういうシステムだと理解していれば、十分に利用する事が可能になるだろう。
「そうだな。私もそう思う。だからこそ、あの時にフロスト兄弟を撃退出来てよかったのだろう」
「こっちの戦力を若干甘く見積もっていたような感じだったしな」
ドートレス・ネオを多数連れてきたという点では褒めてもいいのかもしれないが、テンザン級にいる戦力を計算にいれていない。
あるいはテンザン級を甘く見積もって、連れて来た戦力で対処出来ると思ったのか。
ともあれ、あの敗戦はフロスト兄弟にとっても痛かった筈だ。
フロスト兄弟が組織の中でどれだけの地位にいるのかは分からない。
ガンダムを与えられているという事は、エース級の扱いを受けてるのは間違いないと思うが。
あるいは俺みたいに組織を率いる身でありながら、戦場に出て来るタイプなのか。
その辺の理由は分からないし、正直どうでもいい。
分かるのは、結局俺達によってかなりの数のドートレス・ネオが撃破され、あるいは鹵獲されたという事だ。
ドートレスの後継機であるドートレス・ネオは、当然ながら新型機だ。
ガンダムを新規開発出来る力を持つ組織なのだろうが、そのような組織であっても資源や資材の類は無限ではない。
そんな中であれだけの数のドートレス・ネオを失ったのは、間違いなく痛い筈だ。
「結果として、Lシステムをフロスト兄弟達に奪われなくてすんだ訳だ。これからルチルがどうするのかは……っと、そこだ」
最後まで言うよりも前に、ジャミルの運転する車はとある建物の前で停まる。
ルマークがセインズアイランドで使っている事務所兼倉庫だ。
今までにも何度か来てるので、建物の前で守衛的な役割をしている男は俺の顔を覚えていたのだろう。警戒する様子はない。
もっとも俺と一緒にいるジャミルの方には訝しげな視線を向けていたが。
サングラスをしているジャミルは、どことなく危険そうな感じがする。
本人が寡黙な性格であるのも、この場合は関係しているのだろうが。
「アクセルさん、お久しぶりです」
ルマークにとって俺は上客であるというのも影響してるのか、もしくは単純にルマークが粗暴な言動を気にくわないのか、男は俺に向かってそう言ってくる。
多分後者だな。
「ああ、久しぶり。それでルマークはいるか? 以前言った、サルベージした軍艦の探索についての話で来たんだが」
「少々お待ち下さい」
そう言い、男は建物の中に入っていく。
ここで俺達を放り出すのはどうかと思うが、俺達の用事を聞いたのが1人である以上、その辺は仕方がないのだろう。
「何だか私が怪しまれていたような気がするのだが」
「サングラスをしているままってのは、悪かったんだろうな。良くも悪くも、ジャミルは迫力があるし」
15年前の戦争においては、連邦軍の顔とも呼ぶべきニュータイプパイロットとして、獅子奮迅の活躍をしたのがジャミルだ。
その戦いから随分と時間が経っているが、それでも戦場を駆け抜けた迫力が残っていてもおかしくはない。
これで俺のようにもっと多くの戦場を経験していれば、その辺を隠すといった方法も理解出来るのだろうが。
そんな風に考えていると、扉が開いて先程の男とルマークが姿を現す。
「アクセル、よく来てくれたわね。歓迎するわよ。それで……そちらは誰かしら?」
「ジャミル・ニートだ。現在はアクセルと行動を共にしている陸バルチャーだ」
ルマークに視線を向けられたジャミルが、サングラスを取ってそう挨拶する。
って、おい。そんなに簡単にサングラスを取るのか?
てっきり絶対に人前でサングラスを取るような事はないと思っていたんだが。
……いや、これはジャミルにとってそれだけルチルの存在が大きいという事なのだろう。
ルチルの乗っている軍艦を探索するのだから、その相手には礼儀をつくしたいといったところか。
「あら、いい男ね」
サングラスを外したジャミルを見て、ルマークは満面の笑みでそう告げる。
どうやらルマークにとって、ジャミルの素顔は合格点だったらしい。
……うん。まぁ、それによってルマークのジャミルに対する好感度が上がったのだから、そういう意味では悪くないと思う。
「それにジャミル・ニートね。陸バルチャーの中でも腕利きだって聞いてるわ。会えて光栄よ」
そう言い、満面の笑みで握手を求めて手を出すルマーク。
ジャミルもそんなルマークの言葉に頷き、その手を握り返す。
握手が終わると、ルマークは建物の中に入るように促してくる。
建物の中は、特に何かこれといって特徴はない。
ルマークの事務所だけに、ピンクの壁紙とかだったりしたら……いや、それはそれでらしいけど、だからといってそんな場所に入りたいとは思わないな。
来客用のソファに座ると、ルマークは早速口を開く。
「それで、以前言っていた件よね?」
「そうだ。海に沈んでいた軍艦をサルベージ……というか、セインズアイランドまで持ってきたが、中がどうなってるのか分からない。その辺については、シーバルチャーのルマークの方が詳しいだろう?」
「そうね。その辺には自信があるわ」
「すまない、頼む」
自信満々なルマークに対し、ジャミルはそう言って頭を下げる。
そんなジャミルの様子にルマークは若干戸惑う様子を見せた。
ちなみに今のジャミルは当然だが再びサングラスを掛けている。
ルマークにしてみれば、まさかジャミルがここでこうして頭を下げるとは思っていなかったのだろう。
「どうしたの?」
「色々とあるんだよ。……その辺について話す前に、この件に関して話を聞いた以上、絶対にこの話を引き受けて貰いたい。いいか?」
「……何かあるのね?」
こちらの事情を探るように聞いてくるルマーク。
今の会話の流れから考えて、軍艦について何かがあると理解したのだろう。
「ああ、何かがある。ただ、その何かはかなり重要な事だ。引き受けて貰えるという確証があるのなら、その事情も話せる。だが、話を聞いて駄目だと言うかもしれないのなら、こちらも事情を話せない」
正直なところ、ここでルマークに手を引かれると非常に困る。
セインズアイランドには、ルマーク以外にもシーバルチャーはいる。
しかし、俺がきちんと知っているシーバルチャーとなると、その対象はルマークだけだ。
他のシーバルチャーがルマークのようにこっちの要望を素直に聞いてくれるかどうかというのは分からないし、シーバルチャーとしての技量が劣っていても困る。
ルマークは部品を集めてハンドメイドのMAを作るといったような、シーバルチャーとして考えるとかなり上位に位置する技術を持っていた。
それだけに、ルマークをこっちに引き入れたいと思うのは当然だろう。
「そこまでの何かがあるのね?」
「ああ、そうだ。それでどうする? 俺としては、素直にこっちに要望を受け入れてくれる方がいいんだけどな」
「あら、私の腕を買ってくれてるようね。……ふぅ、いいわ。アクセルはお得意様ですもの。そんなアクセルが言うのなら、それは悪くない話なんでしょうし」
ルマークの言葉に驚く。
関係性は悪くないと思っていたが、それでもまさかここまで俺を買っているとは思わなかった。
「俺にしてみれば嬉しいけど、いいのか?」
「アクセルは私達に大きな利益をもたらしてくれたわ。そうである以上、ここでその話を信じないという選択肢はないのよ。……ただし、アクセルがそこまで言うんだもの。口止め料を含めて、相応の報酬は貰うわよ?」
「分かった。それで頼む」
ルマークがシーバルチャーである以上、報酬で片が付くのならそれで問題ない。
勿論、ルマークが口止め料を支払ったにも関わらず、誰かに……具体的にはセインズアイランドの政庁であったり、フロスト兄弟であったりに情報を流すような事があった場合は、こっちでも相応の対処をする必要があるが。
「待って欲しい。今回の件は私事の一面が強い。そうである以上、アクセルではなく私がルマークに報酬を支払おう」
ジャミルにしてみれば、事がルチルに関するだけに、ここは自分で報酬を支払いたいのだろう。
「いいの?」
ルマークは俺に確認を求めてくる。
ルマークとのやり取りは、基本的に俺が行っていた。
だからこそ、ルマークとしてはジャミルの名前を知っていても、今回の取引は俺と行おうとしていたのだろう。
エスペランサやそれ以前のMSの購入の件もあって、俺は上客だとルマークからは認識されてるだろうし。
そんなルマークの言葉に頷く。
「ああ、問題ない。ジャミルが言ったように、今回の件はジャミルの私事が入っているのは間違いのない事実だし」
「アクセルが保証するのなら問題ないわね。……分かったわ。話を聞いても絶対に引き受ける。だから、秘密を教えてちょうだい」
そう聞いてくるルマークに何かを言うよりも前に、一旦ジャミルに視線を向ける。
ルチルの件だけに、ジャミルにはしっかりと確認しておく必要があったのだ。
そのジャミルが俺の視線に頷いたのを見てから口を開く。
「Lシステムって知ってるか?」
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1965
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1761