Lシステム。
俺の口から出たその言葉に、しかしルマークは不思議そうな表情を浮かべるだけだ。
「Lシステム? 何なのかしら、それ?」
そう尋ねるルマークは演技でも何でもなく理解出来ないといった様子で、本気でLシステムについて分からないといった様子だった。
無理もないか。
Lシステムというのは、ルチルを使った……組み込んだシステムだ。
その製造方法は当然の事だが、電子機器に影響するというのを考えても、連邦軍にとって極秘のシステムだった筈だ。
その連邦軍も半ば滅び、Lシステムを搭載していた軍艦も沈み、更に戦後15年の時間が流れている。
幾らシーバルチャーとしては腕利きのルマークであっても、Lシステムについて知る事はそもそも無理なのだろう。
「どうする?」
「……頼む」
ルチルの事だし、お前が説明するか? とジャミルに視線を向けたが、ジャミルは俺に説明するように頼んでくる。
ジャミルにしてみれば、Lシステムについては色々と思うところがあるのだろう。
だからこそ自分で説明するのではなく、俺に説明して欲しいといったところか。
それについては別に断る必要もないので、ルマークに向かってLシステムについて説明する。
「何よ、それ……許せない!」
Lシステムについて聞いたルマークが、そう叫ぶ。
部屋の中にそんなルマークの声が響くが、ここまでルマークが怒るというのはちょっと予想外だった。
とはいえ、ルマークはシーバルチャーとしては善良な性格をしている人物だ。
また、オカマだけにルチルの気持ちについても分かるところがあるのだろう。
けどまぁ、ルマークがこの件で怒ったのは俺にとっても悪い話じゃないと思う。
こうして怒ったという事は、軍艦の探索について真剣に協力してくれる可能性が高いのだから。
「そんな訳で、現在Lシステム……ルチルが封印されたのが軍艦の中にある。それを見つけるのが、今回の探索の最大の目的だな」
「任せてちょうだい。そんな真似、絶対に許しておけないわ!」
「助かる」
ルマークに感謝の言葉を口にするジャミル。
恐らくルマークのこの反応は、ジャミルにとっても予想外だったのだろう。
少し戸惑った様子を見せていた。
Lシステムについて話している時、ジャミルは手を握り締めていた。
それこそ全力で。
だが、ルマークの今の様子から多少は気が抜けたのか、今のジャミルの手は開かれている。
「それで、一応聞いておきたいんだけど……ジャミル、貴方がニュータイプなの?」
さりげなく……本当にさり気なくされたその質問だったが、ジャミルは特に気にした様子もなく頷く。
「そうだ。私はニュータイプだ」
「……予想していた以上にあっさりと頷くのね。もっと隠すのかと思っていたけど」
ルマークが呆気に取られたようにそう告げる。
ルマークにしてみれば、恐らくジャミルは自分がニュータイプであるというのを隠すのかと思っていたのだろう。
「ルチルの事を聞けば、それで私がニュータイプであると認識してもおかしくはない」
「そうだけど。……それにしても、ニュータイプね。戦争中の時の事を思えば複雑な気持ちだけど。こうして見る限りでは、ニュータイプもただの人ね。いえ、男らしい人なのは間違いないけど」
そう言い、笑みを浮かべるルマーク。
ルマークにしてみれば、ジャミルは好みの男だったのだろう。
……うん。そういう意味では俺がルマークの好みじゃなくてよかった。
友人や取引相手としてならルマークは問題ないが、そういう意味で好かれるのはちょっと困るし。
もっとも、ジャミルがそのように思われるの受け入れるかどうかというのはまた別の話だが。
「そうか」
短い一言を口にするジャミル。
その内心で何を思っているのかは、生憎と俺にも分からない。
その辺は俺が関係する事じゃないか。
ジャミルとルマークがどういう関係を築くのかは、俺が気にする事じゃない。
「それで、ルマーク。Lシステムについての話をした訳だが、改めて聞く。本当に軍艦の探索を手伝ってくれるんだな?」
前もって事情を聞いた後には絶対に引き受けるという条件でLシステムの事を話したのだが、それでも念の為の問いだ。
ルマークの様子から見て、今回の一件を引き受けないという事はないと思うが。
「当然でしょ。アクセルが駄目だと言っても引き受けるわ!」
いや、俺が駄目だと言ったら引き下がれよ。
そう思うが、今のルマークの様子を思えば、そんな事を言うような真似は出来ない。
それにここまでルマークがやる気になっているのは、俺にとって悪い話ではない。
「分かった。なら任せる。それで、具体的にいつからやる?」
「勿論今日よ! ……と言いたいところだけど、色々と準備があるから明日からになるわね」
「いや、そっちの方がこっちとしても助かる。こっちも色々と準備をする必要があるし」
マイルズから、テンザン級とフリーデンを港から軍艦のある場所まで移動する許可は貰っている。
その移動にもそれなりに時間が掛かるし、Lシステムについてとか、軍艦の中にある諸々を見つけた時の準備とか、そういうのをやる必要があるのも間違いない。
「ああ、言い忘れてた。ルマーク達が探索作業をする時、俺達はその様子を見学する事になると思うけど、構わないか?」
「あら、何か盗むと思ってるの?」
「ルマークだけならそういう心配はしないんだがな」
ルマークにそのような心配はしていないが、ルマークの部下まで完全に信じる訳にはいかない。
セインズアイランドは現在のX世界でかなり発展してる場所で、そこを拠点にしているルマーク達もかなり理知的な存在だ。
だが、だからといって妙な考えを起こす者がいないとも限らない。
あるいはこれがルチルとかと全く関係のない普通の軍艦の探索をするのなら、多少は見逃してもいい。
しかし、Lシステムに関係している軍艦である以上、そこから持ち出される何かはLシステムに関係する何かである可能性は十分にあるのだ。
そうである以上、普段なら見逃すような事であっても見逃すような真似は出来ない。
ルマークもLシステムについて説明された以上は、その辺りについても理解しているのだろう。
俺の言葉を聞いても、本当の意味で不機嫌になったりはしていない。
「アクセルに信用されていると思っておくわ。見学については別に構わないわよ。これが水中に沈んだ状態のままなら、色々と危険だからそんな事も許可は出来ないけど。もうその軍艦が陸上にあるのなら、問題ないわ」
「悪いな」
シーバルチャーも陸バルチャーもそうだが、基地の探索やサルベージの方法とかには色々とコツのようなものがある。
普通ならそのようなコツは他人に簡単に教えるようなことはない。
何故なら、そのコツこそが自分達の仕事が上手くいく理由なのだから。
だが……ルマークはそれを承知の上で、今回見学を許可した。
ルマークが言ってるように、既に沈んでいる軍艦をサルベージして、そこから探索をするのではなく、もう軍艦は陸上にあるからというのも見学について許容した理由なのだろう。
それは分かるが、それでもルマークが許可をしてくれたのは助かる。
ルマークが許可をした理由の1つに、ルチルに対する思いというのもあるんだろうが。
ルチルの件はルマークにとってそだれけショックが大きかったのだろう。
「いいのよ。その分、報酬は弾んで貰うけどね」
「そっちについては、俺じゃなくてジャミルに言ってくれ。ジャミルが今回の報酬を支払う事になってるんだし」
そう言うと、ルマークの視線がジャミルに向けられ、ジャミルは小さく頷く。
今回の報酬が一体どれくらいになるのかは分からないが、ジャミルなら何とかなるだろう。
それに、ぶっちゃけあの軍艦の中で俺達が欲しているのはあくまでもLシステムだけだ。
何らかの未知のMSがあればそれも貰うが、例えばドートレスとかがあるのなら、それはルマーク達に報酬として引き渡してもいい。
ルマーク達にとっても、サルベージという危険な作業は必要なく、既に陸上にある軍艦の探索だけでドートレスとかが貰えるのら、悪い話じゃないと思う。
「じゃあ。取りあえずそういうことで……後は色々と細かい話を詰めるか」
そう言い、俺の借りた土地のある場所や、そこが具体的にどのようになっているのかといった事を説明するのだった。
「じゃあ、また明日ね」
「よろしく頼む」
ルマークの言葉にジャミルがそう言うと、車が発進する。
バックミラーを見ると、そこではルマークが手を振ってるのが見えた。
「よっぽど気に入られたんだな」
「……」
困った様子を見せるジャミル。
ルマークに気に入られたのはいいのだが、それが異性な――正確には同性――的な意味であると考えると、ジャミルにとっては微妙な思いなのだろう。
俺には特に何も影響がないので、その辺はどうでもいいのだが。
サラ辺りが知ったら、どうなるんだろうな。
微妙にその辺について知りたいような、知りたくないような。
「とにかく、明日からは忙しくなる。今日はゆっくりルチルと話をすればいい」
「すまない」
「気にするな。お前にとってルチルは重要な相手だったんだろう? なら、今日くらいはゆっくりとした方がいい」
明日がどうなるか分からない。
今のうちに話せるだけ話しておいた方がいいのは間違いない事実だ。
もっとも、この状況でどう行動をするのかで影響してくるのは間違いないだろう。
……ルチルとジャミルが話すとなると、ガロードやサラがどんな風に思うのか、話は別だが。
そんな風に会話をしながら車は進み、やがて軍艦が置かれている場所に到着する。
そこは俺達がルマークのいる場所に向かった時と特に変わっている様子はない。
ガロードが少し戸惑っているように見えるのは、ルチルがティファに憑依しているからだろう。
ガロードにしてみれば、自分の好きな相手に別の人物が憑依しているのだ。
その事について色々と思うところがあってもおかしくはない。
とはいえ、ルチルは無理矢理にティファに憑依した訳ではない。
もし無理矢理だった場合はガロードも黙ってはいなかっただろうが。
そんな状況である以上、ガロードが複雑な気持ちになるのは間違いなかった。
現在ティファは、シーマ達と話をしている。
外見だけを見れば、年の離れた姉妹が話しているようにも思える。
実際には……あー……実際には年齢的にどうなんだろうな。
Lシステムとして眠っていた時間を考えれば、ルチルは+15歳といったところになる。
だが、その眠っていた時間を考えない場合は、シーマよりも年下になるのか。
「アクセル、シーマが見ているようだが?」
「は? ……あー、いや。何でもない。その辺は気にするな」
相変わらずの女の勘と言うべきか。
どこで俺の考えた事を感じたのかは、生憎と分からない。
分からないが、それでも何らかの理由があってのものなのだろう。
これがクスコなら、ニュータイプの勘だろうと納得出来るんだが。
「ジャミル、ルチルがまだ生身だった頃に、体重や年齢、胸のサイズとかについて考えて、それをニュータイプ能力で察知されたって事はなかったか?」
「何だ、急に?」
いきなりそんな事を言われるとは思っていなかったのか、車の速度が落ちてきたところでジャミルは不思議そうに言ってくる。
ジャミルにしてみれば、まさかこのような状況でそんな事を聞かれるとは思ってもいなかったのだろう。
「いや、ニュータイプの勘と女の勘ってのは、融合してより強力な特殊能力になったりするんじゃないかと思ってな」
「……ノーコメントだ」
そう言いながら、ジャミルは車を停める。
なるほど、ノーコメントという事は、多分そういう経験があったのだろう。
ルチルの本当の顔は俺にも分からないが、ジャミルにしてみれば色々と思うところのある相手だ。
あるいは初恋や憧れの相手だった可能性もある。
そうなると、色々とルチルに対して思ったところがあってもおかしくはない。
「そうか。ノーコメントか。なら、取りあえずそういう事にしておくか」
もしそういう経験がないのなら、ジャミルの場合はしっかりとないと言う。
そんなジャミルが明確に否定せずにノーコメントと言ってくるという事は、多分同じような事があったのだろう。
「……行くぞ」
自分の不利を悟ったのか、ジャミルがそれ以上言い返すような真似はせずにそう言ってくる。
そして実際にルチル達の方に向かう。
そうなると、俺もジャミルを放っておいてここにいるといったような真似をする訳にもいかない。
現在の状況を思えば、シーマに拗ねられるのも問題だし。
「アクセル、何か言いたい事があるのかい?」
案の定、シーマは俺が近付くとそんな風に言ってくる。
女の勘の鋭さって、素直に凄いよな。
そんな風に思いつつ、俺は首を横に振る。
「いや、特にない。……けど、そうだな。敢えてあるとすれば、俺はシーマと会うことが出来てよかったという事か」
その言葉に、シーマは何かを言うよりも前に顔を赤くして黙り込むのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1965
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1761