転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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3339話

 エニルの店ではそれなりに楽しい時間だった。

 エニルはガロードについてそれとなく聞いてきたりしていたが、その辺は適当に誤魔化しておいた。

 ガロードの件をどうにかしたいと思っているのなら、この件はエニルが直接動くべきだろう。

 それとなく匂わせておいたので、もしエニルがガロードについて気になるのなら自分で動く筈だ。

 ともあれ、そうして楽しい時間が終わるとテンザン級に戻り、シーマ達と別れてマリューとミナトと一緒にいつのものように熱い夜を楽しみ……そして、翌日。

 テンザン級とフリーデンは、既に軍艦を出した場所の近くまで移動していた。

 他にもルマークの使っている船が何隻か。

 探索をする際の道具を纏めて持ってくるには、その道具を別個に持ってくるのではなく、船で移動してきた方が楽だったのだろう。

 そうして現在軍艦の周囲にはルマークを始めとしたシーバルチャーの面々がいる。

 

「いい、今回の仕事は慎重に、そして素早く行うのよ。そして言うまでもないでしょうけど、軍艦の中にあるお宝を盗もうとしたら……どうなるか、分かってるわね?」

 

 そう言うルマークの視線は、非常に鋭い。

 ルマークの部下達も、そんなルマークの様子に真剣な表情で頷いていた。

 

「今日は天気もいいし、雨が降る心配もないわ。軍艦の探索をするのには最適なコンディションよ。だけど、それで気を緩めるような事はしないように。いいわね?」

『はい!』

 

 ルマークの言葉に、五十人程のシーバルチャーが揃って声を上げる。

 もし気を緩めて失敗するような事があれば、ルマークに一体どんなお仕置きをされるのやら。

 そんな風に思っていると、ルチルに憑依されたティファがやって来る。

 ルチルの側にはジャミルとガロードの姿もある。

 

「いよいよ始まるのね」

「そうだな。ちなみにルチルは昨夜ジャミルとしっかりと話をしたか?」

 

 Lシステムに組み込まれたルチルがこれからどうなるのか……その辺は正直なところ分からない。

 しかし、これからどうするのかというのを抜きにしても、ルチルとジャミルは戦争中に離れてしまったのだ。

 同じニュータイプ、そして教育係とその生徒といった具合に、色々と話をしたいことがあったのは間違いないだろう。

 

「ええ。戦争が終わった後の事を聞いてかなり驚いたけど。戦後の事は予想以上に凄かったようね」

「らしいな」

 

 多数のコロニーが地球に落とされたのだ。

 正直なところ、ここまで酷い状況は……いや、他の世界でも似たような事があるか?

 マブラヴ世界ではBETAの一件で地球がかなり厳しい条件ではあるし、マクロス世界もゼントラーディと最初に接触した時に地球が半ば壊滅状態になっていた。

 他の世界でも結構な危機になったのはそう珍しい話ではない。

 もっとも、それはあくまでも色々な世界と接している俺だからこそ言える事だ。

 ルチルはこのX世界しか知らない以上、この世界の出来事が全てだと思ってもおかしくはない。

 

「アクセル、始まったようだぞ」

 

 俺がルチルと話していると、ジャミルがそう言ってくる。

 その言葉に軍艦の方を見ると、そこではルマーク達が軍艦の扉を開けていた。

 扉を機械で強引に破るのではなく、きちんと扉を開けている。

 もっとも15年間も海に沈んでいた軍艦だ。

 コンピュータ制御の類も出来ないから、正確には扉の形にそって装甲を切断して中に入るといった方法だったが。

 それでもMSで装甲を破壊してそこから中に入るといったような事をしていないのは、ルマークらしいスマートさなのだろう。

 

「やっぱり海水が中に入ってるんだな」

 

 扉からそれなりに多くの海水が溢れて地面を濡らしているのを眺め、そう呟く。

 

「15年もの間海に沈んでいたのだ。中には海水が入っていても不思議ではない。ただ……問題なのは、どれくらいの海水が入っているかだな。きちんと隔壁で閉鎖されていれば、海水が入っていない場所もあるだろう」

「Lシステムという重要機密を、船で運んでるんだ。そのくらいの準備はしておいてもおかしくはない……か。ちなみにルチルはその辺について分からないのか?」

 

 ジャミルとの会話の途中で、ルチルに視線を向けて聞いてみる。

 今でこそルチルはティファに憑依しているが、ルチルの本体はあの軍艦の中にあるのだ。

 それなら多少は周囲の状況が分かるでは? と思ったのだが、そんな俺の言葉にルチルは首を横に振る。

 

「以前も言ったと思うけど、私が組み込まれているLシステムは現在封印されているわ。アクセルが何かしたから、封印された状態であってもこうして話す事が出来るけど。……それでも、現在封印されてるのは間違いないのよ」

「つまり、封印されている状態だから周囲の様子は確認出来ないのか?」

「そうなるわね」

 

 ティファに憑依する事が出来ても、自分の本体が現在どうなっているのか確認出来ない、か。

 ルチルにとっても、現在の自分の本体がどうなっているのか、気になるところではあるのだろう。

 

「なら、軍艦の探索はルマークに任せておくか。……一応、人は送ってるんだろう?」

 

 後者の言葉はジャミルに向けたもの。

 あの軍艦の探索をする際に、フリーデンからも数人派遣するといったことになっている。

 正直なところ、俺……とまではいかずとも、量産型W辺りを派遣するのが一番手っ取り早い。

 量産型Wの能力はかなり高く、それこそ実は軍艦の中に未知の生物が存在しており、探索に来た者達を襲ったといったような事があっても、相応に対処出来る。

 これが人なら、実力はあっても予想外の展開に反応出来ず、混乱して的確な行動が取れなかったりするのだが、量産型Wは違う。

 人造人間で、感情の類が存在しないが故に、何らかの予想外の出来事が起きても相応の対処が出来るのだ。

 もっとも、未知の怪物がいるとか、そういう可能性はまずないと思うが。

 もしあったら、それはそれで面白いと思うけど。

 

「うむ。何かあったら即座に知らせてくれる手筈になっている。今のところは、特に何かがある訳でもないようだな」

 

 そうして少しの間話をする。

 ガロードが時折ルチルに話し掛け、ルチルもそれに答える。

 これで、もしルチルがガロードを相手にしないとかした場合、あるいはティファが身体を取り戻したかもしれないが、そういう事はなかった。

 ティファの身体の優先度は、当然と言うべきかルチルよりもティファの方が強い。

 自分の身体である以上は、不思議ではなかった。

 ただし、ジャミルはそんなルチルとガロードを少し困った様子で見ている。

 ガロードがルチルにジャミルの若かった頃について聞くのが原因だろう。

 ジャミルにしてみれば、自分の若い頃の話など黒歴史と呼ぶに相応しい。

 だからこそルチルには出来るだけ話して欲しくないのだろうが、ルチルとジャミルではルチルの方が力関係は上だった。

 

「それで、射撃訓練の時には……」

「ルチル、その話は止めてくれないか?」

 

 射撃訓練で何かあったのかは分からない。

 だが、今まではある程度ルチルの自由にさせていたジャミルがそのように言うという事は、それはつまり今までよりも酷い何かがあったという事なのだろう。

 

「えー、それくらいいじゃん。それにしてジャミルにも……ん?」

 

 話をしていたガロードが、不意に軍艦の方……正確にはそこから出て俺達のいる方に向かって走ってくる誰かに気が付いて言葉を止める。

 その視線の先にいる男は、俺にも何度か見覚えがあった。

 フリーデンのクルーだ。

 急いで走ってきてるって事は、何かあったのは間違いないんだろうな。

 問題なのは、それが何なのかだろう。

 この状況でやってくるというのは、恐らく……

 

「艦長、軍艦の格納庫にLシステムと思しき物を見つけました!」

 

 そう言う男の言葉に、やっぱりなと納得する。

 ここまで急いでやって来るのだから、その理由が限られている。

 そんな中で最も重要な情報となると、真っ先に思い浮かぶのはルチルの身体が組み込まれているLシステムだった。

 その男がやって来たのは、それが理由でのものだと思っていた。

 だが……その男は、Lシステムについて話した後でまた別の内容を口にする。

 

「それ以外にも、何て言えばいいのか……その、GXの量産機らしき機体が多数あります」

「GXの量産機?」

 

 男が急いだ理由に納得し、そして驚く。

 しかし、驚いたのはそれだけではない。

 GXの量産機という言葉が最大の理由だ。

 GXの量産型……装甲の影響で防御力を落としたり、サテライトキャノンを装備しなかったりといった形で量産されたのが、俺達が売る予定の高機動型GXだ。

 高機動型GXはある意味で量産型GXであると言っても間違いではない。

 そうである以上、ここで新たに量産型GXなどという物が出てくると少し困る。

 

「ジャミル、見に……ジャミル?」

 

 軍艦の格納庫に行って、量産型GXがどういうのか見てみないか。

 そう言おうとしたのだが、ジャミルは何かを考えている様子だった。

 

「戦争中に沈んだ軍艦に、GXの量産型だと? それは、まさか……ルチル!」

「私にも分からないわ。知っての通り、私は精神が壊れていたんだもの。ただ、戦争末期の状態と考えれば、ジャミルの考えが間違っている可能性は少ないわね」

「2人だけで分かっていないで、こっちにも教えてくれると嬉しいんだがな」

 

 軍艦で具体的に何を見つけたのかは分からない。

 分からないが、それはジャミルやルチルにとって予想出来る何かだったのだろう。

 

「今は説明している時間はない。まずは確認しなければ」

「あ、ちょっとジャミル待って。私も行くから」

 

 ジャミルとルチルはそう言うと、2人揃って軍艦の方に向かう。

 そんな2人を見送り……さて、俺は一体どうすればいいんだろうな。

 

「一応聞いておくけど、量産型GXに見えたのってどういう意味で量産型に見えた?」

「え? あの、顔がGXとは違ってもの凄く簡単な作りだった」

「……なるほど。そういう意味では量産型であってもおかしくはないかもしれないな。他には?」

「サテライトキャノンは装備していた」

「何? 本当か、それは?」

 

 GXを量産するというのは、別におかしな話ではない。

 俺が知ってる限り、サテライトキャノンを除いて考えた場合、GXは汎用機としてかなり高性能な機体なのだから。

 だからこそ、シャドウミラーでも高機動型GXを開発したのだ。

 まぁ、ぶっちゃけレオパルドやエアマスターもデータがあれば量産していた可能性は高いが。

 レオパルドは射撃戦に強く、後方からの援護射撃に向いている。

 エアマスターの場合は、何といってもその飛行能力だろう。

 単純に飛行能力という点ではテンザン級で使われているオクト・エイプがいる。

 しかし、エアマスターはMS形態であればまだしも、MA形態……戦闘機形態になれば非常に高い機動性を発揮出来る。

 高機動型GXはオクト・エイプよりも高い機動性を持っているが、それでもエアマスターの戦闘機形態には及ばない。

 もっとも、エアマスターはその能力を機動性に特化してるところがある。

 ビームライフルの威力はそれなりに高いが、レオパルドには及ばないし、サテライトキャノンを持つGXにも当然及ばない。

 つまり、エアマスターはパイロットの技術が直接出る機体なのだ。

 それに比べると、レオパルドは後方からの援護射撃が主となるので、相応の射撃技術は必要になるが、それでもエアマスター程にパイロットの操縦技術は必要としない。

 まぁ、どっちも装甲の問題で、作るとなれば一般的な装甲を使うから高機動型になる可能性が高いが。

 

「はい。サテライトキャノンを装備していたのは間違いありません。自分の目で実際に見てきたので」

「それは……いや、だが……」

 

 サテライトキャノンの部品は、当然ながらそんなに安い物ではない。

 月から送られているマイクロウェーブを受け止め、サテライトキャノンのエネルギーに変換する必要があるのだ。

 それだけに、かなり希少な部品を使っている。

 それこそUC世界で言えば、ジムにルナ・チタニウム合金を使っているようなものだ。

 ……いやまぁ、陸戦型ガンダムや陸戦型ジムとかにはルナ・チタニウム合金が使われているので、必ずしも有り得ないという訳ではないのだが。

 

「とにかく行ってみたらいいんじゃ?」

 

 男の言葉になるほどと頷く。

 ここでああだこうだと考えても、意味はない。

 実際に自分の目で直接その量産型GXと思しきMSを見てから、考えればいいのだ。

 とはいえ、サテライトキャノンを装備しているという時点で、それはとてもではないがただの量産機とは思えなかったが。

 

「そうだな。まずは実際に見てみないと何とも言えないか。……俺は行くけど、お前はどうする?」

 

 そう聞くが、首を横に振られる。

 俺と一緒に来ないという事なのだろうと判断し、男をその場に残して軍艦に向かう。

 さて、一体何があるのやら。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:1965
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1761
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