『なっ!?』
軍艦の格納庫にあったビットMSを空間倉庫に収納すると、周囲からそんな驚愕の声が上がった。
その声を発したのは、ルマークの部下達。
俺が魔法とかを使えるとは思っていなかったので、そんな風に驚くのは当然だったが。
この世界が普通の世界……秩序とかがしっかりしてる世界なら、俺も大々的に魔法を使ったりはしない。
しかし、戦後世界でしっかりとした国も存在せず、せいぜいが街や村といった感じの場所しかない。
この世界で行動した中で、一番栄えているのがこのセインズアイランドというのだから、他の場所がどうなってるのかは考えるまでもないだろう。
あるいは俺が知らない場所で国とかが出来ている可能性はあるが。
とにかくX世界はそんな場所なので、俺が堂々と魔法を使っても面倒な事にはならない。
いや、個人単位や村や街の組織単位でその魔法を入手しようと考える者はいるかもしれないが、その程度の相手は対処するのも難しくはなかった。
今の状況を考えれば、それこそ俺だけでそういう相手を壊滅させるような真似も出来るだろう。
だからこそ、俺は特に気にする必要もなく魔法を使えるのだ。
……正確には空間倉庫は俺のスキルで魔法ではないのだが。
その辺は他の者が見ても分からないので、そこまで気にする必要はないだろう。
「凄いわね」
全てのビットMSを空間倉庫に収納すると、ティファに憑依したルチルが俺に近付いてきてそう言う。
その言葉はお世辞でも何でもなく、本当に心の底から俺を凄いと思っているような声だった。
「ルチルにそう言われると、褒められているのかどうかちょっと分からないな」
「あら、普通に褒めているのよ?」
「意識だけを他人に憑依させるようなのと、俺の空間倉庫。どっちが凄いと言われると、人によっては憑依能力の方が凄いと言うと思うんだが」
「あのね、憑依って……ちょっとどうかと思うんだけど。幽霊や生き霊じゃないんだから」
ルチルは微妙に嫌そうな表情でそう言ってくる。
幽霊はともかく、Lシステムに組み込まれた状態でティファに憑依してるんだから、ある意味で生き霊という表現は間違っていないような気がするんだが。
もっとも、それを言えばルチルは不機嫌になるだろうから、言うつもりはないが。
「取りあえず、このビットMSは俺が貰っておくって事でいいんだな?」
不満そうなルチルを横に、念の為にジャミルに確認する。
ジャミルは俺の言葉に頷く。
「ああ、それで問題ない。アクセルなら、ビットMSを悪用したりはしないだろう」
「何だか微妙に俺が良い奴って風になってるけど、別に俺はそういう感じの奴じゃないぞ? 自分の欲望を叶える為なら、卑劣な手段を使ったりもするし」
実際、今まで俺が色々な世界でしてきた行動の中には、ジャミルが聞けば眉を顰めるような事もそれなりにある。
このX世界においても、ノモアを味方に引き入れてるしな。
パトゥーリアを使ってフォートセバーンを破壊するといったような事はなかったが、もし俺がパトゥーリアを奪ってなければフォートセバーンには大きな被害が出た筈だ。
その辺を抜きにしても、ティファを奪う為にフリーデンを襲撃してきたり、恐らくだが善良なバルチャーも襲撃したりしていたと思う。
それ以外にも、人工ニュータイプの実験としてカリス以前にも多くを犠牲にしている筈だ。
そんなノモアを、俺は優秀だという理由で味方に引き入れた。
当然だが、そのまま何もしない状況で引き入れたのではなく、鵬法璽を使ってこっちを裏切れないようにしてだが。
普通に考えた場合、俺のそんな行動は許容出来ない者も多いだろう。
事実、ジャミルもその件を聞いた時は顔を顰めていたし。
「それでもアクセルなら、ビットMSを妙な事に使わないと信じられるからな」
「……俺が自分で言うのも何だが、お前は俺を信頼しすぎじゃないか?」
何故ジャミルがそこまで俺を信頼するのか、分からない。
「ティファがアクセルを信じているからな。ティファの人を見る目は確かだ」
「その割には、ティファから微妙に避けられてるんだが」
「それはアクセルが変な光景をティファに見せたからでしょ。……スケベ、ケダモノ」
俺とジャミルの会話に、ルチルが入ってくる。
ティファと意思疎通をしたのか、それともティファの記憶を読んだのか。
その辺は分からなかったが、ルチルの頬は真っ赤に染まっていた。
スケベやケダモノといった言葉からも、その辺を予想するのは難しくはない。
照れ隠しのように、自分の右肩にいるリスの炎獣を撫でるルチル。
少し意外だな。ジャミルの上官だった事から、当時のジャミルよりも年上だったのは間違いない。
正確な年齢は分からないが、10代後半から20代前半といったところの可能性が高い。
そのくらいの年齢の女なら、相応に恋愛を経験してもおかしくはないし、男と寝た経験も同様だろう。
この世界の初体験の平均がどのくらいなのかとか、そういうのは分からないから、絶対とは言えないが。
……あ、でもルチルの場合は青春真っ只中の時に宇宙革命軍との戦争を行っていたと考えると、そういう経験をする機会がなかったのか?
いわゆる乙女である可能性は否定出来ない。
それならティファと同じく俺とマリューやミナトとの夜の営みを見て顔を真っ赤にしてもおかしくはない。
それどころか、ティファの場合は実験体として生きてきたので性的な知識は殆どなかったのだろうが、ルチルの場合は普通に生きてきた以上は実践はなくても情報を聞いて耳年増になっていた可能性は否定出来ない。
そうなると、下手に知識を持ってる分、余計に顔が赤くなってもおかしくはなかった。
ただ、命懸けの戦争をやっているんだから、俗に言う吊り橋効果とかそういうので誰かを好きになってもおかしくはないと思うんだが。
「ムッツリなルチルに言われたくないな」
「ちょっ、誰がムッツリよ! 妙な悪評を広めないでよね!」
私、怒ってますといったように、先程とはまた違った意味で顔を赤くして叫ぶルチル。
「いや……だって……なぁ?」
「……」
ジャミルに同意を求めるが、そのジャミルは無言であらぬ方を見て……
「うん? ちょっと待て。あれは何だ?」
あらぬ方向にあった何かを見つけ、そう言うジャミル。
その視線の先には一台のコンテナがあった。
ルマークの部下達は、取りあえずビットMSのように既に格納庫に出ている諸々を調査していたので、コンテナとかは後回しになっていたのだろう。
軍艦には格納庫以外にも色々と調べる場所とかはあるし。
ブリッジのコンピュータとか、生きてたらそれなりの財産になったりするしな。
それでも今回の最大の目的はLシステムである以上、格納庫に多くの者が集まっていたのは間違いない。
それでも今はまだコンテナの方に手は回っていなかったのだろう。
「あれは……分かるわ。あれよ」
数秒前までの、俺に向かって怒っていた表情とは一変し、真剣な表情でそのコンテナを見るルチル。
「あれにLシステムが?」
念の為に尋ねると、ルチルは一瞬の躊躇もなく頷く。
自分の身体が組み込まれたシステムだけに、そこにあるというのはすぐに分かったのだろう。
「ええ。あそこに私の身体があるわ。……アクセル、ジャミル、お願い出来る?」
「分かった。それでどうする? この格納庫の中でコンテナから出すか? それとも、外で出すか?」
「外でお願い」
ルチルが何故外を選んだのか、俺には分からない。
だが、ルチルにとってそうした方が一番いいと判断しての事なのは間違いないのだろう。
「分かった。ちょっと待っててくれ。ここが格納庫なら……」
そう言い、ジャミルとルチルをその場に置いて近くにいるルマークの部下に向かう。
ジャミルはルチルを励ますように、その側にいる。
ジャミルにしてみれば、いよいよ本物のルチルとの対面だ。
色々と思うところがあるのだろう。
「ちょっといいか?」
「え? はい。その……何でしょう?」
俺の言葉に戸惑った様子で答えてくる男。
ビットMSを空間倉庫に収納した光景を見ていたからこそ、出来れば今は俺に関わりたくないといったところか。
中にはあの光景に興味を持ち、出来れば俺と話したいと思ってそうな奴もいるが。
そう考えると、この男に話し掛けたのは失敗だったか?
一度こうして話し掛けた以上、ここでやっぱりいいとかは言えないが。
「ここが格納庫って事は、どこか荷物の搬入口やMSが出撃する為に開く扉とかあるよな? それはどこか分かるか?」
「えっと、それはあっちの壁ですけど……ただ、長年海底にあった軍艦なので、扉が開くという事はないかと」
その言葉に、ルマークの部下達が軍艦の中に入っていく時に扉を機械で無理矢理開けていたのを思い出す。
長年海底にあって15年以上も動かしたりしなかったんだから、扉が開かないようになっていてもおかしくはないのか。
「そうか、分かった。なら別の手段を使った方がいいか。仕事を頑張ってくれ」
そう言い、ジャミル達の方に戻る。
「扉はちょっと開かないらしいな。だから……この軍艦を海底からここまで持ってきたように、転移魔法でこのコンテナを外に出す。それでいいか?」
「転移魔法……そう言えば、この子から身体を借りる前に何かあったけど、あれの事かしら?」
「多分な」
Lシステムに組み込まれたルチルが、一体どうやって転移を感じたのかは分からない。
ただまぁ、ニュータイプだからと言われれば納得は出来るが。
俺がこの軍艦に接触した事で、ルチルは封印から解き放たれたらしいし。
「で、どうする? ルチルとジャミルも俺と一緒に転移で軍艦の外に出るか? それとも自分達で軍艦の外に出るか。俺はどっちでもいいけど」
そう尋ねると、ルチルが真っ先に口を開く。
「アクセルが言う転移魔法だったかしら。それは私も経験してみたいわ」
「ルチルがそう言うのなら、私もそれに付き合おう」
ジャミルは今まで何度か転移魔法を経験している。
それだけに、自分も転移魔法で移動するのを嫌がったりはしないのだろう。
「分かった。なら、2人共俺の側に近づいてくれ。このコンテナと一緒に外に転移する」
そう言うと、ジャミルとルチルが俺の側に近づいてくる。
そうして俺は転移魔法を使うのだった。
俺とジャミル、ルチル、そしてLシステムが入ってると思しきコンテナは、転移の影に沈んだかと思った次の瞬間には軍艦の側に姿を現していた。
当然ながら、いきなり姿を現した俺達に驚きの視線を向けている者も多い。
特に多いのは、やはりルマークの部下だろう。
……外で指揮を執っていたルマークも、俺達の様子に唖然としていたが。
それに比べると、テンザン級やフリーデンの面々は魔法についてもそれなりに慣れているので、特に問題はない。
周囲の様子は特に気にせず、コンテナを前にした俺はルチルに尋ねる。
「いいか?」
「ええ、お願い」
ルチルが頷くのを確認し、コンテナを開く。
すると……
「ちょっ、男共は見るんじゃないよ!」
コンテナが開き、その中にあった光景を見てシーマが急に叫びながらこっちに走ってくる。
無理もない。
コンテナの中にはルチルが組み込まれたLシステムがあった。
それはいい。
当初の予想通りなのだから。
だが、そのLシステムというのはシステムの本体と思しき装置に、何らかの物質を使って金色にコーティングされたルチルの姿があったのだ。
後ろ半分程は台座に沈み込んでいるような状態だったのだが……前半分は両手で胸を隠す、俗に言う手ブラといった状態になっていた。
ただし、この場合問題なのは胸をそのような状況で隠してる訳ではなく、完全に全裸の状態でコーティングされており、両手で胸を隠してる。
それはつまり、下半身は何も隠す方法がないという事だ。
とっさだったが、その下半身部分もしっかりと見えてしまった。
シーマの言葉に半ば反射的に空間倉庫からシーツを取り出して渡す。
シーマはそれを受け取ると、コンテナの中に入ってルチルの裸身をシーツで覆う。
「あ……う……」
当のルチルは、精神崩壊をしていたので自分がLシステムに組み込まれても一体どういう状況だったのかは分からなかったのだろう。
ティファの目を使って自分の状況を見て、顔を真っ赤に染めて声も出せないようになっていた。
まさか自分の身体が一糸纏わぬ姿でLシステムに使われているとは思わなかったのだろう。
軍人として鍛えているだけあって、その身体に無駄な贅肉の類はない。
それでいながら、女らしいスタイルは維持している。
既にシーツで隠されたが、それを確認するだけの余裕はあった。
……自分で言うのもなんだけど、俺は色々な女の裸体を見慣れてるしな。
だからこそ、数秒であっても全てを確認する事が出来た。……出来てしまった。
もっとも、こうしてLシステムとして完成させられているのを思えば、これを作った連中はルチルの身体を隅々まで見てるって事になるのかもしれないが。
ともあれ、今はルチルが落ち着くのを待つ必要があった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1965
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1761