転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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3346話

 エニルの酒場で俺が入ってきた当初に起きた一件は取りあえず何とか終わり、現在はゆっくりと料理を楽しむ時間となっていた。

 なっていたのだが……

 

「このテーブルにいるメンバー、何か作為的じゃないか?」

 

 そう言い、俺と一緒のテーブルに座っているトニヤとマイルズの2人に視線を向ける。

 これが例えば、食事……それもレストランとかではなく定食屋とかなら、見ず知らずの者達が席が足りないという事で一緒に席になるというのは理解出来る。

 しかし、ここはそういう定食屋ではなく酒場だ。

 ……そんな場所で一緒の席に座るというのは、例えば元々数人のグループで来たとかなら、理解も出来る。

 しかし、俺とトニヤとマイルズはそれぞれ別でこの店に来たのだ。

 勿論、全員が顔見知りなのは間違いないが。

 

「そう言っても、今日は客が多いんだから仕方ないでしょ? 私ももう少しゆっくりと飲みたかったわよ。ムッツリと一緒じゃなくてね」

 

 そう言い、チーズを口に運ぶと酒……恐らくワインを飲むトニヤ。

 そんなトニヤに、こちらは……どういう種類の酒かは分からないが、とにかく酒を飲んでいたマイルズが不満そうに口を開く。

 

「その不名誉な言葉は口にしないで欲しいのだが」

「あら、でもムッツリでしょ?」

「そんな訳がない。そもそも、それを言うのなら君は露出狂だろう! 廊下にあんな格好で出てくるなど!」

「なっ!? い、言うに事欠いて露出狂ですって!?」

 

 険悪になる2人に呆れの視線を向けつつ、口を開く。

 

「その辺にしておけ。店の中で騒いだりすれば、エニルの迷惑になるぞ」

 

 個人的にはトニヤが露出狂であっても、フリーデンなら喜ぶ者の方が多いと思うが、だからといってそれを口にする訳にもいかない。

 ましてや、その光景を見てみたいなどとは決して言う訳にはいかなかった。

 

「むぅ……しょうがないわね」

「ふん」

 

 トニヤとマイルズがそれぞれ不満そうにしながらも言い争いを止める。

 うーん、何で今日に限って店にやって来る客が多いんだろうな。

 元々この店は地元の者達が集まってくる店で、そうである以上は店に来る人数はそれなり決まっている筈だ。

 だとすれば、これだけ多数の客が集まるというのは、少し疑問なんだが。

 元々これだけの客がいたと考えれば、時々はこんな風に客が集まることもあるのかもしれないが。

 とはいえ、ここでマイルズに会ったのは俺にとっても悪い話じゃない。

 

「マイルズ、セインズアイランドからお前を含めて基地に行くのはいつくらいになりそうだ?」

「うん? いきなりだな。あの軍艦の件で何かあったのか?」

 

 俺の言葉に軍艦について思い当たったのか、そう尋ねてくる。

 その言葉はそこまで間違いという訳ではない。

 俺が基地に向かうのは、ティファに憑依しているルチルの精神をどうにかして他の場所……エヴァの人形かWナンバーズの技術を使って培養した身体に憑依出来るかどうか試すというのがある。

 とはいえ、マイルズにその辺について話す訳にはいかないので、話題を逸らしておくとしよう。

 

「その軍艦の探索を頼んでいるルマークってシーバルチャーがいるんだが、そのルマークも基地に連れて行く事になった。だから、どうせなら纏めてその辺を片付けたいと思ってな」

「なるほど。話は分かった。明日すぐにとはいかないかもしれないが、出来るだけ早くどうにか出来るようにしよう」

「そうしてくれ。最悪、日帰りでどうにかしてもいい」

「……日帰り? そんな真似が出来るのか?」

「ああ、俺には色々と秘密があるからな」

「自分で言うのか?」

 

 マイルズが呆れたように言ってくる。

 実際、俺には多数の秘密があり、マイルズはそれを知らない。

 トニヤの方は俺の全てを知ってる訳ではないにしろ、マイルズよりは知っているのでワインを飲みながら口元に笑みを浮かべていた。

 転移魔法とか、そういうのを経験したマイルズがどういう表情を浮かべるのかが気になっているのだろう。

 

「こういうのは自分で言った方が手っ取り早いだろうしな」

「その様子では、こっちが何を聞いても答えてくれそうにないな」

「正解だ。だから少しでも早く俺の秘密を知りたいのなら、出来るだけ早く出発出来る準備を整えた方がいいぞ? オクト・エイプとかは人気機種だ。どうしても売れやすいだろうし」

 

 今頃はそろそろ高機動型GXも売りに出されているだろうが、その価格はガンダムだけあって非常に高い。

 普通のバルチャー、もしくは街や村が護衛用のMSとして購入するのなら、オクト・エイプが現実的に購入出来る高性能機だろう。

 バルチャーはともかく、街や村が防衛用に購入するのなら、別に空を飛べるMSである必要はないので、ドートレスやジェニスとかで十分なんだが。

 勿論、空を飛べればいざという時に色々と使い勝手がいいのは間違いない。

 そういう意味では金に余裕があるのならオクト・エイプという選択肢もあるだろう。

 

「ぐ……オクト・エイプは、セインズアイランドの護衛用としては絶対に必要なMSだ。それを買い逃す訳には……分かった。今から同僚や上司に相談させて貰う」

 

 そう言いつつ、マイルズは座っていた椅子から立ち上がる。

 店の中には客も多いので、今日はこれ以上いてもエニルと話す機会がないと判断したのか?

 あるいは、トニヤにムッツリと言われたのを気にしてるとか。

 その辺はちょっと分からないが、マイルズが店を出ると考えたのは間違いないらしく、会計をしている。

 

「あらま。ちょっと意外ね。もう少し店にいるのかと思ったのに」

「そうか? 俺から見ればマイルズは生真面目な性格をしてるし、仕事には真剣だ。俺達と取引が出来るようになれば、セインズアイランドにとって大きな利益になると理解してるんだろ。だからこそ、あんな風に急いでるんだと思う」

 

 トニヤとは相性の悪いマイルズだったが、エニルから話を聞く限りでは能力的には優秀らしいし。

 こうして酒を飲んでる途中でも自分が動かなければならないと判断すると、すぐに動く。

 そう考えると、優秀な人材なのは間違いない。

 

「はい、これどうぞ。無理なお願いを聞いてくれたお礼よ」

 

 マイルズがいなくなって数分、エニルが白身魚のカルパッチョをテーブルの上に置く。

 お礼と言ってたが、カルパッチョだとそれなりの値段がすると思うんだが。

 それでもエニルの感謝の気持ちである以上、それは素直に受け取った方がいいだろう。

 

「ありがと。エニルもちょっと飲まない?」

「うーん、もう少しお客さんが減ったらね」

 

 トニヤの誘いを断り、エニルはまた仕事に戻っていく。

 

「あーあ、残念」

「エニルとは今日会ったばかりなんだろ? その割には随分と親しそうだな」

「そうね。どう表現すればいいのかしら。フィーリングが合うというか、空気が合う? そんな感じね」

 

 会ったばかりの相手と意気投合するというのは、そこまで珍しい訳ではない。

 実際、俺も似たような事は何度かあった。

 そう考えると、エニルとトニヤは相性が良かったのだろう。

 これでトニヤかエニルのどっちかか男なら、それこそ双方共に一目惚れといった感じで燃えるような恋をしていたかもしれないな。

 

「そういう相手は少ないから、大事にした方がいいだろうな。もっとも、エニルは酒場の店主、そしてトニヤはバルチャー。今回の仕事が終われば、もう会う機会がなくなるかもしれないが」

 

 そう言うと、トニヤは寂しそうな表情を浮かべる。

 トニヤにしてみれば、ここまで気の合う相手と一緒にいることが出来ないのは残念なのだろう。

 

「それは……でも、私達の状況を思えばそれは仕方がないのよね」

「だろうな。それは仕方がない。まぁ、そこまで気にするな。俺の転移魔法を使えば、セインズアイランドにやって来るのはそう難しい話じゃない。その時、トニヤを連れてきてもいいし」

「え? いいの?」

 

 トニヤは驚きの表情を浮かべる。

 まさか俺にそんな風に言われるとは、思ってもいなかったのだろう。

 とはいえ、俺にしてみればトニヤと一緒に転移するのは、そう難しい話ではない。

 X世界においての魔法は魔力の消耗が激しいが、俺の場合は魔力が多いし、回復速度も他の魔法使いよりも上なので、問題ではなかった。

 

「ああ、問題ない。ただ、あまり人数が多くなると難しくなるかもしれないけどな」

「ありがとう」

 

 トニヤにとって俺の言葉は嬉しかったのだろう。

 満面の笑みを浮かべていた。

 新しい友達と会えるのは嬉しいんだろう。けど、そっちに夢中になりすぎると、他の友達……具体的にはサラとかを放っておくのはどうかと思う。

 女房と畳は新しい方がいいという言葉があるが、友人も実は新しい方がいいのかもしれないな。

 そんな風に思いつつ、俺はトニヤと会話を続ける。

 何気にトニヤとの会話は俺にとっても楽しい。

 今までもそれなりにトニヤとは友好的な関係を築いていたのだが、今はそれ以上に楽しいと思えた。

 

「それでね、シンゴったら買い物に行った時にぼったくりバーに引っかかって、必死に逃げてきたんですって」

「うわぁ……けど、シンゴは見るからに鍛えているって感じでもないし、そういうのの標的にされてもおかしくはないだろ?」

 

 ここでトニヤが話題にしたシンゴというのは、フリーデンで操舵士をやっている男の事だ。

 以前ちょっとフリーデンのメンバーから聞いた話によると、結構羨ましがられているらしい。

 ブリッジで働いているという事は、トニヤやサラと同じ場所で働いているという事だ。

 サラはジャミルが好きだが、トニヤは特に決まった相手がいない。

 そしてジャミルはそっち方面にはあまり興味がない。……ルチルとの一件が影響してるのかもしれないが。

 とにかく、シンゴはトニヤを口説こうと思えば出来る立場にいる。

 男が圧倒的に多いフリーデンで、女の魅力をこれでもかと発散させているトニヤだ。

 当然他の面々にもモテるのだろうが、そんな中でトニヤの側にいるシンゴが嫉妬されるのは当然だろう。

 もっとも、シンゴにしてみればトニヤは好みではないのか、単純にそういう度胸がないだけなのか、口説くといった事はしていないらしいが。

 

「そうだけど、シンゴも女に引っ掛かってそういう場所に行くのが間違いなのよね」

「いや、男ならそういうのもあるだろ。トニヤだってどこかの街とかで休日があれば、買い物に行ったりするだろ? 今日とかまさにそんな感じでエニルと会ったんだろうし」

「あのねぇ、女の買い物とシンゴのぼったくりバーを一緒にしないでくれる?」

「そうよね。その辺はあまり一緒にして欲しくないわよね」

 

 不意にエニルが会話に入ってくる。

 

「もういいのか?」

「ええ、客も大分減ってきたしね」

 

 そう言われて店の中を見てみると、確かに客の数は大分減っている。

 俺とトニヤだけという訳ではないが、カウンター席には誰もおらず、テーブル席も空いている場所が多い。

 マイルズが帰ってからトニヤと話をしていたのだが、何だかんだと数時間は経っていたらしい。

 トニヤとの話に集中しすぎていて、いつの間にかかなり時間が経っていたらしい。

 

「じゃあ、お邪魔するわね」

 

 エニルはそう言いながらトニヤの隣に座る。

 

「で、何の話だったか……」

 

 エニルの登場が予想外で先程まで話していた内容を忘れる。

 しかし、エニルはそんな俺に対してコップに入った酒を一口飲んでから口を開く。

 

「男の欲望と女の買い物を一緒にしないでといったところよ」

「ああ、そう言えばそんな話だったな。けど、一緒にしたら駄目なのか?」

『駄目に決まってるでしょう』

 

 俺の言葉が余程不満だったのだろう。

 エニルとトニヤは言葉を揃えて言ってくる。

 うん、この2人は気が合うって話だったが、今のを見れば明らかだな。

 にしても、買い物をそこまで重要視しているとは思わなかった。

 男としては、シンゴのぼったくりバーについて擁護してもいいような気がするが、今はそれを言えるような事ではないな。

 このままだとこっちの分が悪いし、話題を変えるか。

 

「そう言えば、エニルは今でこそこの酒場の店主をしてるが、MS乗りに戻るつもりはないのか? エニルの技量なら、この世界でも上位に位置するパイロットになるだろ」

 

 そう尋ねる。

 実際、エニルはMS乗りを止めてセインズアイランドにやって来てからも、相応に鍛えてはいるのだろう。

 身体の動きからその辺については理解出来る。

 何かがあったらMSに乗ろうと思っているのか、それともただ身体が衰えていくのが嫌で鍛えているのか。

 その辺りについては、生憎と俺にも分からない。

 分からないが、それでも鍛えている以上、エニルがその気になればすぐにでもMS乗りとして復帰出来るのは間違いないだろう。

 

「そうね。今のところは……」

「あ、じゃあフリーデンに来ない? 私、エニルと一緒に色んな場所に行ってみたいわ。きっと楽しいわよ!」

 

 唐突なトニヤからの誘いに、エニルは言葉に詰まるのだった。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:1965
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1761
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