転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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3349話

 狼の炎獣と刈り取る者。

 そんな存在を前にした捕虜の男は、俺の言葉に素直に従うという道を選んだ。

 X世界の住人にとって炎獣や刈り取る者というのは、それだけ圧倒的に理解が出来ない存在だったのだろう。

 俺にしてみれば、それらはあって当然、いて当然といったものだが、X世界においては魔法とかそういうのは実在しない。

 俺的には、ニュータイプもまたそういうファンタジー要素なのでは? と思わないでもなかったが。

 ともあれ、そのお陰で実際に男を傷付けるような真似をせず、こうして大人しく俺に従うようになったのだから、悪い事じゃないと思う。

 ……肉体的には傷を付けてないが、精神的にはかなり傷を付けたと言われれば、俺もそれを否定は出来ないのだが。

 パチン、と指を鳴らすことで狼の炎獣は姿を消し、刈り取る者も俺の影の中に姿を消す。

 

「さて、一応今はこうして消したが、炎獣も刈り取る者も、俺がその気になればすぐにまた呼び出す事が出来る。それを承知の上で念の為にもう1回尋ねよう。俺の質問に素直に答える。そう思っていいんだな?」

「は、はい。俺に分かる事であれば何でも答えさせて貰います」

 

 うん、俺への態度は勿論、言葉遣いも変わっているように思えるな。

 それだけ衝撃的だったのだろう。

 まぁ、大人しくこっちの質問に答えてくれるようになったのなら、それはそれでいい。

 

「じゃあ、まずは所属……いや、お前の名前から聞かせてくれ」

「はい。俺はスレドラ・フーリン中尉といいます。ドートレス・ネオのパイロットを務めていました」

「スレドラか。分かった。で、お前の所属は?」

「政府再建委員会、諜報部所属のMS部隊に所属しています」

「……政府再建委員会?」

 

 ちょっと予想外の名前が出て来たな。

 政府再建委員会。

 それは当然の話だが、政府を再建する為の組織だろう。

 そしてこの場合の政府というのは、フォートセバーンやセインズアイランドのような場所の政府という訳ではなく、連邦政府を再建する為の委員会という事だろう。

 ヴァサーゴやアシュタロンといった新型のガンダム。

 ドートレスの後継機である、ドートレス・ネオの開発。

 そしてローレライの海で戦闘になった敵の規模。

 その辺を考えれば、かなり大規模な組織である事は予想出来ていた。

 出来ていたのだが、それでもやっぱりまさかそこまで大規模な組織が実際に出てくるとは思わなかった。

 

「一応聞くけど、その政府再建委員会というのは15年前の戦争時にあった連邦政府を再建するのを目的としていたのは間違いないな?」

 

 念の為に尋ねるが、男……スレドラは素直に頷く。

 

「はい、俺達はそう聞いていますし、実際にその目標に向けて組織が動いているのは間違いありません」

 

 その言葉を聞けば、フロスト兄弟がティファを求めていたり、フォートセバーンで人工ニュータイプのデータを奪っていった理由が理解出来る。

 連邦軍……いや、もうこの表現は正しくないか。

 政府再建委員会とやらが新しい連邦政府を再建しようとしているのなら、15年前の連邦軍は旧連邦軍と呼ぶべきか。

 ともあれ、その旧連邦軍ではジャミルやルチルを始めとして、多くのニュータイプが戦いに参加していた。

 そしてフラッシュシステムを使ったニュータイプの強さを覚えていれば、新連邦を再建する際にその力を求めるのはそうおかしな話ではない。

 また、こうしてニュータイプを集めているという事は、新連邦が再建された場合、恐らく力を全面に押し出すといったような考えになるような気がする。

 実際にそれが本当なのかどうかというのは、その時になってみないと分からない。

 もしかしたら……万が一、本当に万が一の可能性ではあるが、新連邦を再建した場合、友好的な態度で他の勢力に接するといった可能性もある。

 フロスト兄弟の様子を見る限り、その可能性は限りなく低いが。

 

「政府再建委員会か。……連邦軍系の組織というのは、ある意味で当たりだった訳だ」

 

 ガンダムを……それもGXやエアマスター、レオパルドといった戦前に開発されたのとは違う、新型のガンダムを開発するだけの組織。

 そう考えれば、やはり真っ先に思い浮かぶのは旧連邦軍だ。

 その旧連邦軍の技術者の生き残りが所属している組織というのが俺の予想だったのだが、それはある意味で当たった形になる。

 もっとも、GXを始めとするガンダムは普通の……いかにもガンダムらしいガンダムなのに、何故政府再建委員会の開発したガンダムはヴァサーゴやアシュタロンのような、ゲテモノガンダムと呼ばれる事もあるようなガンダムになったのかは不思議だが。

 ベルフェゴールをベースに開発したからか?

 ただ、ベルフェゴールをベースにして開発したとしても、外見は幾らでも変えられた筈だ。

 それがヴァサーゴやアシュタロンのようなガンダムになったという事は、純粋に新型のガンダムを開発した者の趣味なのかもしれないが。

 ともあれ、新型のガンダムという点からの予想はそう間違ってはいなかった。

 

「それで、その政府再建委員会にはフロスト兄弟もいるわけだな?」

「はい。諜報部を率いているアイムザット統括官直属の部下と聞いています」

 

 諜報員な訳か。

 バルチャー達を率いて暗躍していたのを思えば、それはある意味で間違ってないのかもしれないな。

 

「そのアイムザットとやらも政府再建委員会のメンバー……というか、幹部なのか?」

「はい。生憎と俺は下っ端なので、上の事はそこまで詳しく分かりませんが。アイムザット統括官が幹部なのは間違いありません」

「他のメンバーが分からないのは痛いな」

 

 どういうメンバーがいるのか、それが分かればこっちも色々と対処しやすい。

 

「その、正確な名前とかは分かりませんが、旧連邦のお偉いさんの生き残りや、旧連邦の繋がりのあった組織の人達が所属しているという噂は聞いた事があります」

「なるほど。自分達の既得権益を取り戻したい……あるいは戦前以上に大きな利益を欲している者達か」

 

 そういう連中なら、あるいは15年前の戦争にも積極的に賛成していた者達なのかもしれないな。つまり……

 

「15年目の亡霊、か」

「はい?」

 

 何気なく呟いた俺の言葉に、スレドラが反応する。

 俺はそれに対して何でもないと首を横に振ってから、改めて口を開く。

 

「いや、何でもない。それで政府再建委員会の件だが、どこに拠点がある?」

「拠点は1つや2つではありません。ただ、1番大きな拠点はゾンダーエプタとなります」

「ゾンダーエプタ? 聞いた事がないな。どこだ?」

「それは当然でしょう。島なのですが、普通の島ではなく、人工島ですから」

「まぁ、そのくらいの事は出来るか」

 

 当初、白いイルカが案内した、ルチルが眠っていた軍艦のある場所に海底都市があったのかと思っていた。

 結局海底にあったのは軍艦だったが、15年前の戦争前の旧連邦は非常に高い技術力を持っていた。

 人工島を作るくらいなら、そう難しくないのではないかと思える。

 

「ただし、外見は植物もしっかりと植えられているので、人工島には見えません」

「そのくらいの事はやるだろうな。それで、他にも何かあるか?」

「ゾンダーエプタでは、新型のガンダムの開発をしています」

 

 これは恐らく、とっておきの情報だったのだろう。

 この情報で自分を評価して欲しいというのが分かった。

 とはいえ……

 

「ガンダム? またか? フロスト兄弟の使っているガンダムがあるだろう?」

 

 政府再建委員会が新連邦を作ろうとしているのは理解出来た。

 しかし、政府再建委員会は恐らく……いや、間違いなく組織としての能力は旧連邦よりも劣っている。

 つまり、MS開発に裂ける余力はそう多くはないという事を意味していた。

 ただでさえ、ドートレス・ネオのように量産機の新型機も開発してるのだ。

 そこで更に新型のガンダムを開発する必要があるのかと言われれば、俺としては正直なところ疑問に思う。

 

「先程も言いましたが、俺は下っ端なので詳しい事は分かりません。ですが、あのガンダムが開発されれば、それは政府再建委員会にとって非常に大きな力になるかと」

「……何? それはつまり、それだけ高性能なMSなのか?」

 

 そう尋ねながらも、若干疑問に思う。

 X世界におけるガンダムというのは、基本的に高性能MS……ドートレスのような量産型MSの上位互換といった感じだ。

 勿論、空戦に特化したエアマスター、砲撃戦に特化したレオパルドといった具合に違いはあるが。

 しかし、政府再建委員会にとって大きな力となるとまで言われるガンダムとなると……待て。ちょっと待て。

 

「GX……サテライトキャノンを使うガンダムをベースにした新型機か?」

 

 ふと思い当たり、そう尋ねると頷きを返される。

 それを見て、やっぱりというのが俺の正直な気持ちだ。

 GXの持つサテライトキャノンというのは、それこそ戦略兵器と評するのに十分な威力を持つ。

 そうである以上、そのGXをベースにして新型のガンダムを開発してるとなると、それはつまりサテライトキャノンがより強力になるという事を意味していた。

 意味していたが……同時に疑問も持つ。

 サテライトキャノンというのは月にあるマイクロウェーブを発信する施設に登録する必要があり、その登録はフラッシュシステムによって行われるものだ。

 しかし、政府再建委員会にニュータイプはいない。

 もし既に向こうがニュータイプを手に入れていれば、ティファを狙ってきたりはしないだろう。

 他に考えられる可能性としては、ノモアから奪った人工ニュータイプの技術か?

 だが、宇宙革命軍のニュータイプは、旧連邦軍のニュータイプとは違う。

 フラッシュシステムを使ってないのだから。

 つまり人工ニュータイプを作っても、その人工ニュータイプはフラッシュシステムを使えないという事を意味していた。

 あるいは人工ニュータイプを作る時に手を加える事によって、フラッシュシステムに対応出来るようになるかもしれないが。

 まぁ、分からない事があれば聞けばいい。

 幸いなことに、スレドラは炎獣と刈り取る者によって俺に従う……絶対服従と呼んでもいいような態度を取っている。

 

「俺が知る限り、サテライトキャノンというのはニュータイプがフラッシュシステムによってマイクロウェーブを発信する施設に登録しないといけない筈だ。政府再建委員会は新しいニュータイプを手に入れたのか、それともニュータイプやフラッシュシステムなしでその辺をクリア出来たのか。……どうなんだ?」

「分かりません。開発に関わっている者なら分かるかもしれませんが……」

 

 そう言ってくる。

 自分でも下っ端と言っていたし、重要機密に関われるような立場ではないのだろう。

 もっとも、中尉を下っ端と言ってもいいのかどうかは分からないが。

 これが、例えばUC世界の連邦軍の中尉なら下っ端と言われてもおかしくはないだろう。

 しかし、人口の99%が死んだX世界……それも恐らくは巨大な組織であるとはいえ、1つの組織でしかない政府再建委員会の中尉が下っ端なのかどうかは、微妙なところだろう。

 まぁ、その辺が違っていても、専門分野が違う以上は仕方がないのかもしれないが。

 

「そうか。だとすれば、サテライトキャノンを使えるという風に考えておいた方がいいかもしれないな」

 

 サテライトキャノンを使えるようになっているのかどうかはともかく、そのような事になっているという前提条件で考えておいた方がいいのかもしれないな。

 

「分かりませんが、そのようにした方がいいかと」

 

 スレドラにしてみれば、GXの後継機がどのようになっているのかどうかは分からないのだろう。

 さて、そうなると……次の目的地は決まったな。

 ゾンダーエプタに政府再建委員会の諜報を司るアイムザットがいて、GXの後継機が開発されているのだ。

 そうである以上、俺も出来るだけ早くそっちに行った方がいいと思う。

 

「次の話だ。政府再建委員会についての情報は何かないか?」

「政府再建委員会を率いているのは、フィクス・ブラッドマンという人物です。何でも元軍人で中将だという噂がありますが」

 

 へぇ、軍人上がりの政治家か。

 もしくは政治屋か?

 その辺りは実際に会ってみないと分からないが、どういう奴なんだろうな。

 新連邦を起ち上げようとしているのは、このX世界の地球をどうにかして復興させたいと思っての事か。もしくは、権勢欲からか。

 その辺りによっては、もしかしたら手を組むといった選択肢があるかもしれないな。

 もっとも、フロスト兄弟を使っているのを考えると、その辺はあまり期待出来ないが。

 あるいはフロスト兄弟はアイムザットの部下だから、ブラッドマンがその辺を知らない可能性もある。

 取りあえず、ブラッドマンという人物に会ってみないと、その辺は何とも言えないな。

 とはいえ……新連邦を作るというのなら、当然だが北米にもその手を伸ばしてくるだろう。

 その時にどういう風に接触してくるか。

 場合によっては、俺達の基地にも手を伸ばしてくる可能性がある。

 覚悟しておいた方がいいかもしれないな。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:1965
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1761
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