マイルズに対する情報収集……いや、情報提供か? とにかくそれが終わった後は特にやるべき事がなくなる。
いや、やろうと思えば色々とやるべき事はあるのだが、それでも急いで何かをやる必要はない。
そんな訳で、適当にセインズアイランドの中を歩き回る。
適当な店を見つけると、店の中に入る。
エニルの店があるような裏通りではなく、表通りにある店だ。
それだけに日中から結構な客の数が入っている料理店。
いや、ファーストフード店か?
店で出しているのは、ハンバーガーの類が大半だった。
しかも大半のハンバーガーは肉のハンバーグを使ったハンバーガーではなく、白身魚をフライにしたのを挟んだ、いわゆるフィッシュバーガーだ。
個人的にはフィッシュバーガーよりも普通のハンバーグを使ったハンバーガーの方が好きなのだが、海に囲まれたセインズアイランドの立地を考えればフィッシュバーガーがメインになるのは当然なのかもしれないが。
魚の類は、それこそ漁をすればかなり手に入るだろうし。
「お待たせしました、スペシャルフィッシュバーガーとなります」
店員がそう言い、俺の前にハンバーガーを置く。
ハンバーガー専門店だけあって、そのハンバーガーはチェーン店で出てくるようなハンバーガーではない。
パンも厚みがあり、タルタルソースとかもきちんと店で作っているらしい。
また、名前にスペシャルと書いてあるのは、メニューを見るとこの辺りで獲れる高級魚をフライにしているみたいだ。
そんなフィッシュバーガーだけに、他のメニューよりも高額となっているのだ。
それこそ普通のフィッシュバーガーと比べると、値段は倍近く違う。
それ以外に、ハンバーガーという事ならこれは必要だろうとポテトも注文してある。
こちらもまたチェーン店のフライドポテトと違い、ジャガイモを皮付きのままくし切りにした奴を揚げている。
外側はカリッとした食感で、中はホクホクとしている。
決して不味くはない。美味いと言ってもいいだろう。
だが……フライドポテトを食べて思い出すのは、やっぱりナデシコ世界で食べたフライドポテトなんだよな。
不思議な程に、本当に幾らでも食べられるかのような、そんなフライドポテト。
この店のような、本格的なハンバーガーショップのハンバーガーではなく、あくまでもチェーン店のフライドポテトだというのに、不思議な程に美味かった。
俺の中だと料理で頼りになるのは四葉なのだが、その四葉でもフライドポテトに関してはナデシコ世界以上のフライドポテトを作る事が出来ない。
本当に、どうやってあの味を出していたのやら。
いっそアカツキを通してネルガルにチェーン店を買収して貰って、そのレシピを教えて貰うか。
ふとそんな風に思ったが、そういう真似をすると四葉とかが怒りそうだよな。
そんな風に考えていると、視線の先に見覚えのある姿を見つける。
片方は巨漢で、もう片方は儚げな美少女。
つまり、オルテガとマリオンの2人だ。
あの2人も今は特にやるべき事はないので、こうしてデートをしてるのだろう。
こうして見れば見る程、美女と野獣……美少女と野獣か? とにかくそんな感じだよな。
実際大通りを歩いている者達でも結構な人数がオルテガとマリオンを見ると驚き、二度見、三度見といった事をしている。
それだけオルテガとマリオンの組み合わせは不思議なのだろう。
それでいて、もしこれでマリオンが嫌がっており、オルテガが無理矢理連れ回しているのなら、中にはマリオンを助けようと思う者がいてもおかしくはないだろう。
だが実際には、マリオンがオルテガを連れ回しているといった方が正しい。
もっとも、連れ回されているオルテガの方も笑みを浮かべており、決して嫌がってる様子ではなかったが。
折角デートをしてるんだし、邪魔はしない方がいい。
そう考えていたのだが……マリオンが俺の姿を見つける。
この辺は女の勘か、ニュータイプの勘か。どっちだろうな。
とにかく俺を見つけたマリオンはオルテガに何かを言い、そしてオルテガも俺の方を見ると、やがて2人で近付いてくる。
オルテガの迫力からだろう。
通行人は素直に道を空けていた。
「アクセル、こんな場所でどうしたんだ? 政庁に顔を出すとか言ってなかったか?」
「その用事はもう終わったよ。その後は特に用事もないから、こうして店でゆっくりしていたんだ。それにしても、折角のデートなんだ。わざわざ俺に声を掛けなくても、2人でゆっくりとした方がいいんじゃないか?」
「そんな、アクセルさんを見つけたのに声を掛けないなんて事は出来ませんよ」
マリオンはそう言うが、オルテガの方は特にそこまで気にした様子はない。
この2人はUC世界ではジオン出身だ。
現在は月にいるが、恐らくは生まれてから地球に降りた事はないだろう。
そういう意味では、X世界であってもこうしてゆっくりと地球を歩いて回れるのはかなり珍しい体験の筈だ。
だとすれば、わざわざ俺に声を掛けなくても恋人同士の時間を楽しめばいいものを。
「いつまでもセインズアイランドにいる訳じゃないってのは分かってるだろ? もう数日で一旦基地に戻って、そこでの用事が終わったら次はゾンダーエプタだ。これからは、正直なところゆっくりしているような暇はないんだぞ?」
ゾンダーエプタでは、恐らく結構な戦いになるのは間違いない。
アイムザットとかいう、政府再建委員会の諜報を司ってる奴の本拠地なのだから。
GXの後継機を開発しているという話もあるし、正直なところそれが一番不安だ。
幾らMSの操縦が上手くても、サテライトキャノンのように離れた場所から広範囲に纏めて強力な一撃を放つというのは……問答無用といったところか。
MSの操縦技術の高い低いは関係ない。
狙われてしまえば、それこそ全速力で回避するといった真似しか出来ないだろう。
俺のような例外を除いては。
俺の場合は、サテライトキャノンを使われても特に問題ない。
幾ら強力なビーム砲であっても、それは結局のところ気や魔力が込められていない、ただの物理現象でしかない。
混沌精霊の俺にしてみれば、そんな攻撃をされたところで意味はなかった。
実際にそういう攻撃をされれば、ヴァサーゴやエスペランサといった俺の乗機が破壊されるかもしれないので、俺自身に効果がないからといって、素直に命中されるつもりはないが。
それにそういうのを使われれば、俺はともかくテンザン級やフリーデンに乗っている他の面々にとっては致命傷となる。
そうならないようにするには、やはり正面から堂々と攻撃するのではなく、俺が侵入してGXの新型や、それ以外にもまだ入手していない政府再建委員会の新型MSを入手しておくというのが最善だろう。
「分かってます。だから、こうしてデートをしてるのですから」
「おう、そうだな」
マリオンの口から堂々と出たデートという言葉に、オルテガは頬を赤くしながら短く告げる。
マリオンならともかく、オルテガが頬を赤くするというのは見たくないよな。
それに俺が聞いた話によると、マリオンは既にオルテガに抱かれている。
肉体関係があるのに、マリオンがデートと言っただけでこういう風になるのはどうかと思う。
以前ガイアからちょっと聞いた話によると、オルテガは夜の店……いわゆるキャバクラとかそういう感じの女と一緒に飲んだりする店に結構通っていたらしい。
そうである以上、最終的にはホステスと寝るといった事もあっただろう。
何しろ黒い三連星は1年戦争の序盤、ルウム戦役においてレビルを捕らえるといった活躍をしている。
その後、ギレンに直々に表彰されている。
そうである以上、多少強面だからといってキャバクラとかではかなり上客と思われていただろう。
そういう女との付き合いもあったのは間違いないが、だというのにマリオンの言葉に照れるというのは……うん。オルテガにしてみれば本気で恋心を抱いた事はなかったとか、そういう感じか?
あくまでもこれは俺の予想であって、実際にどうだったのかというのは分からないが。
「なら、2人で楽しんでこいよ。俺はここでゆっくりと食事をしてるから」
「そうですか? 分かりました。では、アクセルさんの言葉に甘えて……行きましょう」
「ああ。じゃあ、アクセル。俺達は行くぞ」
「別に俺に断る必要はないだろ。ゆっくりとデートを楽しんでこい」
「……ふん」
俺の言葉に照れ臭そうに鼻を鳴らすと、オルテガはマリオンと共に立ち去る。
そんな2人の後ろ姿を見送ったのだが、当然ながらオルテガの巨体は人目を集める。
ましてやマリオンのよう美少女と一緒にいたのだ。
そんな2人と話をしていた俺も、当然ながら周囲から多くの視線を向けられる。
しまったな。
そう思ったが、先程の状況を考えるとこういう結果になるのは当然の話か。
オルテガとマリオンというのは、注目を集めるには十分な外見だったのだから。
とはいえ、このまま注目を浴び続ける真似というのは面白くないので、残っていたフィッシュバーガーとポテトを食べると店を出る。
オープンデッキの店なので、注文する時にもう会計は終わっているので、食べ終わったらすぐに店を出る事が出来るというのは楽だよな。
大通りを歩いていてもまだ何人かから視線を向けられていたものの、俺はそれを気にせず大通りを散歩する。
何か興味のある店があればそこを覗き、それで適当にお土産を購入したりする。
とはいえ……セインズアイランドはX世界でもかなり発展している場所だが、それでも観光客とかが来るような余裕はない。
観光とかそういうのは、あくまでもある程度の余裕があってこそ出来ることなのだから。
X世界の現状を考えれば、そういう観光客向けの店というのは決して多くはない。
それでも多少なりともそういう店があるのは、バルチャーやシーバルチャーがセインズアイランドに来る事が多いからだろう。
そういう連中であっても、素直に何か土産を買っていったりといった真似をしてもおかしくはない。
おかしくはないが、だからといって俺が興味を惹くようなのは特にない。
「うげ、アクセル……」
店から出るとそんな声が聞こえてくる。
声のした方に視線を向けると、そこにはウィッツとロアビィの姿があった。
どうやらこの2人も、暇潰しに街中に出て来たらしい。
「ウィッツ……はともかく、ロアビィが男と2人でこういう店を見て回るってのは珍しいな」
「いやいや、それを言うならアクセルもだろ?」
「って、おい、俺はともかくって何だ、俺はともかくって!」
俺とロアビィの会話に、ウィッツが不満そうに言ってくる。
とはいえ、ウィッツのイメージ的には女を連れているといったものがない。
ガンダム乗りである以上、ウィッツが本気にあれば女はよりどりみどりだと思うが。
とはいえ、ロアビィと違ってウィッツは派手に女遊びをするといったようなタイプではない。
恐らく1人をこれと決めたらその女だけを愛するといったような形になるのだろう。
「ウィッツの場合は、女遊びをしろとは言わないが、女に言い寄られた時の対処法くらいは学んでもいいと思うんだがな」
「それは……」
ウィッツも自分が女に弱いという自覚は、それなりにあったのだろう。
言葉に詰まる。
「ロアビィ、こういうのはお前の得意分野なんだし、友人のお前がどうにかしないといけないんじゃないか?」
「えー? 俺がか? いやまぁ、ウィッツが本当にそういうのを経験してみたいのなら構わないけど。ウィッツの場合、そういう店に連れていってもすぐに逃げ出しそうな気がするんだけどな?」
「……まぁ、それは否定しない」
ウィッツはいざという時の度胸が足りないような気がする。
女に言い寄られても、あたふたして逃げ出すといったような事になりそうだし。
いっそ、ショック療法ってことでキャバクラとかそういう場所じゃなくて、娼館辺りに連れていってみるか?
そこで女を知れば、ウィッツも多少は女に言い寄られても余裕を持つ事が出来る……かもしれないし。
その辺は実際に試してみないと何とも言えないというのがちょっとな。
「ちょっ、待てよ! 俺の話を勝手に決めるなよな!」
そう叫ぶウィッツだったが、俺にしてみれば結局のところ最終的にはウィッツが決めるんだから、その直前まではお膳立てをしてもいいと思っていた。
お膳立てそのものをウィッツが嫌がっているというのは、取りあえず置いておくとして。
「アクセル、俺はあまりセインズアイランドに詳しくないんだけど、そういう店ってあるのか?」
「ロアビィがその手の情報を知らないというのは少し驚きだな。とはいえ、俺もあまり知らないが。ただ、バルチャーやシーバルチャーが頻繁にやって来る場所だ。そういう店は絶対にあると思うけどな」
「だから、俺の話を聞けぇっ!」
ウィッツの叫びを聞き流しながら、俺はロアビィと会話を続けるのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1965
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1761