「エニル!?」
影のゲートで現れた俺とエニルだったが、トニヤは俺の……というか、エニルを見ると驚きの表情で叫ぶ。
そして……トニヤの近くにいたマイルズも、目を大きく見開いていた。
以前エニルの酒場で遭遇した時から分かっていたことだが、トニヤとマイルズの相性はかなり悪い。
生真面目なマイルズに、奔放な性格のトニヤ。
上手くいけばかなり相性が良くなりそうな関係だったが、失敗すればもの凄く相性が悪くなるような組み合わせだ。
それだけに、今こうして俺達がやって来た時も、恐らくは罵り合い……とまではいかずとも、嫌味の応酬くらいはしていたのだろう。
それはそれで、らしいが。
ちなみにここはテンザン級やフリーデンが使っている場所の側で、待ち合わせの場所でもある。
「トニヤ、マイルズ……久しぶりというのは、ちょっと変かしら」
笑みを浮かべ、そう言うエニル。
トニヤはそんなエニルに向かって近付いてくる。
ちなみにエニルの服装は、酒場をやっていた時のような大人しい服装ではなく、俺が初めて会ったMS乗りだった時の露出が激しい格好だ。
それこそフリーデンの男達を挑発しているかのようなトニヤと比べても、その露出度は決して負けていない。
違うのはトニヤが太股を大胆に露出しているミニスカートであるのに対し、エニルはズボンを履いている事か。
もっとも、足の露出度という点ではミニスカートを履いているトニヤの方が勝っているものの、ズボンを履いているエニルはかなりピッチリとしたズボンで尻から太股に掛けてのラインが一目で分かるようになっている。
人によっては、ズボンを履いているエニルの方がエロいと思う者もいるだろう。
「アクセル、彼女も連れていくのか?」
嬉しそうに話しているエニルとトニヤ。そんな中で何とかしてエニルに話し掛けようとしているマイルズを見ていると、ジャミルがそう尋ねてくる。
「ああ。エニルもMS乗り……MA乗りに戻るという事になったし、腕利きだから出来ればテンザン級に所属して欲しいと思う。その行動の一連の動きだな」
エニルとしてはフリーデンに所属したいという思いがあるのかもしれないが。
ただ、ガロードの件を考えると、それはそれで難しい。
「分かった。私は別にそれで構わない。……政府再建委員会との戦いを思えば、戦力は多い方がいいからな」
ジャミルは特に問題ないと判断し、そう言ってくる。
ジャミルにとって、エニルが何らかの問題を起こしたりしない限りは問題ないと判断したのだろう。
「それで、移動の準備は……どうなってる?」
「問題ないわ。基地に向かう人員は大体揃ってるわよ」
俺の言葉にマリューがそう告げる。
今回基地に向かうのは、そこまで多くはない。
基本的には主要メンバーの面々だ。
その間、テンザン級とフリーデンをセインズアイランドに残していく。
向こうで一泊し、明日にはセインズアイランドに戻ってくる。
そんな短時間の旅行……旅行? とにかく基地にいるのはそう長くはない。
だからこそ、わざわざ全員で行く必要はないのだ。
主要メンバーがいないので、それこそ政府再建委員会の部隊……具体的にはフロスト兄弟の率いる軍が攻めて来たりすれば厄介だが、シャドウミラーの通信機があれば、セインズアイランドと基地の間でも普通に通信が出来るので、いざとなれば転移で応援に来るのは難しい話じゃない。
……そう言えば、今更……本当に今更の話だが、LシステムやビットMSが搭載されている軍艦が沈んでいる海域で俺が待っていた時、通信機を使って話をすれば暇潰しも出来たし、タイミングを合わせてセインズアイランドに転移する事も出来たんだよな。
本当に今更の話だが。
まぁ、それでも最終的にタイミングはそんなに間違っていなかったので、問題はなかったのだが。
次からは気を付けよう。
「そうか。なら……後はルマークだけか」
俺とエニルが転移する時に、ルマークはまだ自分の拠点にいた。
それでも基地に行く準備をしていた筈だから、そうである以上、そろそろやって来てもいいのかもしれないが。
「まだ約束の時間まではあるから、そこまで気にする必要はないと思うけどね」
そんなマリューの言葉に、俺も頷く。
マリューにしてみれば、ルマークが少しくらい遅れてもそこまで気にする必要はないのだろう。
「ルマークの事だから、時間に遅れるといった事はないと思うけどな」
有能なルマークだけに、約束の時間に遅刻するという事のデメリットは十分に理解しているだろう。
もっとも、それでも何らかのトラブルがあって遅れるという事はあるかもしれないが。
例えば、何か急に急ぎの仕事が入ってきたとか。
「噂をすれば何とやら、みたいよ」
エニルやトニヤ達を見ていたミナトが、不意にとある方向を見てそう言ってくる。
ミナトの視線を追うと、車が1台こっちに向かっていた。
その車の助手席には、ルマークの姿。
どうやら遅刻という事はなくなったらしい。
「ルマークも来たみたいだし、そろそろ行くぞ!」
そう言うと、その場にいた者達の視線がこちらに向けられる。
フリーデン組からは、ジャミル、サラ、トニヤ、ガロード、ティファ……に憑依したルチル、ウィッツ、ロアビィ、キッド。
シンゴやテクス、キッドの部下達は居残りだ。
テンザン級からは、マリュー、ミナト、UC世界勢が全員。
そしてマイルズとルマーク、エニルの3人。
ちなみに当初はマイルズ以外にもう何人か来る予定だったが、時間の都合上難しかったらしい。
何だかんだで結構な人数が揃っているが……今回の件で一体どうなることやら。
「うわぁ……」
マイルズが微妙な表情を浮かべている。
ルマークは影の転移の感触がそこまで気にならなかったみたいだが、マイルズは合わなかったらしい。
この辺は結局のところ、人それぞれだしな。
「マイルズ、大丈夫?」
エニルが気持ち悪そうにしているマイルズに駆け寄り、そう尋ねる。
エニルにはマイルズに男女的な意味での好意は持っていない。
しかし、友人としての好意は抱いており、だからこそマイルズが気持ち悪そうにしているのを見て放っておけなかったのだろう。
そういう真似をすると、それこそマイルズは妙な勘違いをすると思うんだが。
「ちょ……アクセル……ここが基地?」
エニルとマイルズの様子を眺めていると、不意にルマークからそんな風に声を掛けられる。
ルマークを見ると、そこでは周囲の様子を見て驚きの表情を浮かべていた。
ルマークにしてみれば、この基地については聞いていたのだが、その基地の様子が予想以上だったのだろう。
あるいは直接転移という魔法を自分で経験した事に対する驚きもあったのかもしれないが。
とにかく、現在目の前に存在する基地は明らかに異常と言える光景だった。
ここがX世界ではなく、もっと別の世界であれば、このような光景はある程度納得出来るところもあっただろう。
あ、いや。でも陸上戦艦がここまで大々的に使われているのはこのX世界だけだと考えると、この光景はあくまでもX世界ならではなのか?
数十隻の陸上戦艦が集まっているこの光景は。
「前に来た時と比べると、基地の敷地が随分と広がっているわね。この辺りもノモアの仕事かしら?」
隣に立ったモニクが、そう言う。
他の面々……特に以前基地に来た事がある面々も、そんなモニクの言葉に頷いている。
明らかに以前来た時と比べると、基地の敷地が広がっているのは同意見だったのだろう。
この基地は基本的に地下に伸びている基地だ。
しかし、ノモアとしては地上にある基地の敷地も広げておく必要があると判断したのだろう。
実際、その判断は間違っていなかったらしく、広がった敷地内にも多数の陸上戦艦の姿があった。
「けど、基地の周辺には自動迎撃装置が設置されるとか言ってたわよね? ここまで敷地を広げれば、自動迎撃装置の方も移動させたり、あるいは撤去する必要があると思うんだけど」
「クリス、向こうだ」
疑問を口にするクリスに、広げられた敷地内の外を指さす。
「アクセルじゃないんだから、この距離でしっかりと把握するような真似は出来ないわよ」
500mくらい離れた場所を示したのだが、残念ながらクリスには見えなかったらしい。
勿論、木々が生えているというのは分かるのだろうが、俺が見せたい物は見えなかったのだろう。
「簡単に言えば、バッタが迷彩状態で待機している。見た感じだと、メギロートやイルメヤもそれなりにいるな」
ノモアが考えたのだろうが、これは悪くない。
自動迎撃装置というのは、機械である以上は本来なら攻撃しないようにしたい相手であっても、問答無用で攻撃する。
だが、この基地にここまで多くの者が集まってくるようになれば、その中には無断でやって来ている者もいるだろう。
基本的に、この基地にやって来て直接取引をするのが許可されるのは、エルフ達がバルチャーとして活動し、接触して問題ない相手だと判断した者達だけだ。
それ以外の者達……基地に登録されていなかったり、エルフ達に認められたという証を持っていない者達が入ってきた場合は、問答無用で自動迎撃装置が稼働していた。
しかし、バッタとかの無人機なら、完全ではないにしろ、ある程度の判断は出来る。
ノモア……いや、その部下や量産型Wに問い合わせて、問題がなければ問答無用で攻撃という真似はしないくらいには融通が利く。
それに、何だかんだと自動迎撃装置は15年前の設備だ。
その上、俺がこの基地にやって来た時にも本格的な戦いになったし。
一応このゲートを設置した後の手入れで使えるようになってはいるが、それでも基本的には15年以上前の装備だけに、いつ壊れてもおかしくはない。
なら、自動迎撃装置は廃棄してバッタとかを配備した方がいいだろう。
自動迎撃装置の場合は、動かす時は基地の人員が移動させなければならないのに対し、バッタとかは動くように命じれば自分で勝手に動くという点も大きい。
基地の敷地を更に広げるといったような事になった場合、バッタとかが自分で動くのなら手間は大きく減るし。
その辺りの説明をすると、クリスは納得したように頷く。
「無人機ってやっぱり便利よね」
しみじみとそう呟くのは、クリスがUC世界において無人機……コバッタとかが街中に大量に存在するクレイドルで暮らしているからだろう。
無人機の便利さを、身に染みて理解しているのだ。
「そうだな。実際、バッタやコバッタが増えて今まで以上に便利になったのは間違いない」
ホワイトスターにおいても、バッタやコバッタが来る前はそれなりに無事運営出来ていた。
しかし、まさかメギロートを大量に使う訳にもいかないだろう。
メギロートは何だかんだで全長10mオーバーの巨体なのだから。
それに比べると、バッタは車と同じくらいだし、コバッタは膝くらいまでの大きさしかない。
メギロートと比べても、明らかにバッタやコバッタは街中での使い勝手がいいのだ。
バッタやコバッタがいなかった時は、量産型Wがその役目を果たしていたが。
ぶっちゃけ、コバッタやバッタよりも量産型Wの方が有能ではあるのだが、コスト的に見た場合は、やっぱりバッタやコバッタの方が上なんだよな。
「ほら、アクセル。そろそろ基地に入りましょう。人目を集めてるわよ」
マリューの言葉に、周囲の様子を確認する。
俺が転移で姿を現したのは、基地の中に入る場所……ゲートからそう離れていない場所だ。
基地の中に入る出入り口のすぐ側。
当然だが、そんな場所に影のゲートから転移してくるといったような真似をすれば、嫌でも目立つ。
特に基地の中に入ろうとしていたバルチャーと思しき者達は、自分達が一体何を見たのか理解出来ないといった様子で動きを止め、こっちを見ている。
それでもこっちにやって来たり、それどころか攻撃をしたりといった真似をしなかったのは、もしそのような真似をしたら、量産型Wやコバッタによって取り押さえられる……場合によっては射殺されてもおかしくはないと思っているのだろう。
「そうだな。いつまでもここにいたら、嫌な方面で目立ちそうだし。……今更の話だけど」
影のゲートによる転移なのだ。
当然だが、目立ってしまう。
「行きましょうか。迎えも来たみたいだし」
マリューのその言葉に視線を向けると、そこには量産型Wの姿があった。
ざわり、と。
それを見たバルチャー達がざわめく。
これは別に、量産型Wを初めて見て驚いているという訳ではなく、わざわざ俺を出迎えに量産型Wがやって来たのに驚いているのだろう。
量産型Wがわざわざ出迎える俺は一体何者だ、と。
俺達を見て驚いているバルチャーの中には、何人か納得した表情を浮かべている者もいる。
恐らく、俺がフリーのMS乗りだった時の事を知っている連中だろう。
そんな連中の様子を見ながら、俺は量産型Wに案内されて基地の中に入るのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1965
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1761