「じゃあ、これがディバイダーのデータだ。取りあえず作れるだけ作ってくれ。売る時は、基本的には別売りで頼む」
「分かりました。そのようにします」
俺の言葉に、MSの生産工場を纏めている男が頷く。
ノモアが引き抜いた人物なので、有能なのは間違いないだろう。
ただし、何か妙なことをしないようにコバッタがその男の監視をしている。
勿論、実際には監視だけではなく、男の仕事のフォローもしている。
言ってみれば秘書的な役割をしてもいるので、男にとってコバッタを排除するような真似は……まぁ、出来ない訳ではないだろうが、だからといってそんな真似をすれば最悪の未来が待っている。
「それと、高機動型GXの数は揃ってるか?」
今日基地にやって来た理由は色々とあるが、現在テンザン級で使っているオクト・エイプを全て高機動型GXに変更するのが目的でもある。
「はい。それは問題ありません。ただ、こちらのディバイダーでしたか。そちらを全機分作るというのは……」
「だろうな。その辺は気にするな。取りあえず今日と明日で作れるだけ作ってくれ」
そう言い、次に俺はマイルズとルマークに視線を向ける。
「それと、あの2人にMSの生産工場の見学をさせてやってくれ。いい客になる可能性が高い」
「分かりました」
俺の言葉に、笑みを浮かべる男。
上客になるというのなら大歓迎といったところか。
ノモアが雇うと決めた人物である以上、妙な事を考えたりはしない……と思うが、問題なのは、何となく商人寄りの方に比重を置いているように見える事か。
MSの生産設備のトップである以上、出来れば商人寄りではなく職人寄りになって欲しいところだが。
商人となってMSの売買をするのはともかく、そちらに比重を置く事によってMSの性能を低くして多くを生産するといったような真似をする可能性がある。
そうなった場合は……まぁ、コバッタからの報告でこの男は最悪の結果となってもおかしくはなかった。
「そういう訳だ。後はこっちで色々と見ていってくれ。セインズアイランドで使うMSや、シーバルチャーとして使うMSといった具合に……」
「ちょっと待ったぁっ! アクセル、俺も見学に入れてくれよ! なぁ!」
言葉を遮るようにして出て来たのは、キッド。
ああ、そう言えばキッドもいたな。
MSが好きなキッドにしてみれば、ここでMSの生産工場を見ないという選択肢はないのだろう。
あの男と話す前に俺が預けたドートレス・ネオはともかく、それ以外のドートレスの派生機だったり、ジェニスを始めとした宇宙革命軍のMSだったりが作られるところを見られる絶好の機会なのだから。
「そんな訳で、このキッドも見学の面子に加えてくれ。俺は他にも色々とやる事があるから、こいつらの相手は……そうだな、コバッタにでも任せておいてくれ」
マイルズとルマークの2人はともかく、キッドの場合はMSの事となると暴走してもおかしくはない。
だが、コバッタがいればキッドが暴走しても、力ずくで止めることが出来る。
コバッタは基本的に日常作業の補佐というか、戦闘用という訳ではない。
訳ではないのだが、それでも機械である以上は最低限の護衛能力を持ってるのは事実。
キッドが何かしようとしても、コバッタがどうにか出来るだろうと思えるくらいには護衛能力……鎮圧能力? はある。
もしキッドがシャドウミラーのメンバーのように、生身でも相応の力があった場合、コバッタを排除して暴走してもおかしくはない。
しかし、キッドはMSの技術者……機械関係の天才ではあっても、身体能力的には子供でしかない。
……機械の天才なら、コバッタを分解したりとか、そういう真似はしないよな?
ふとそんな風に思うが、その辺はあまり心配しなくてもいいか。
コバッタも自分に危害を加えられそうになれば、自衛はするだろうし。
「分かりました。こちらの方々の対応はお任せ下さい」
そう言う男とマイルズ達をその場に残し、俺は生産工場のある場所から離れるのだった。
「で、ガロードも一緒に行く訳か?」
「当然だろ! ジャミルが行くんだ。そうである以上、俺が行かない訳がないだろ!」
生産工場のある場所での用事を終え、次にやって来たのはルチル、ジャミル、ガロードのいる場所。
ちなみにエニルはトニヤと一緒に色々と回っている。
まぁ、俺と一緒に来た連中は自由にゲートを使ってもいい事になってるので、恐らくトニヤに案内されているのだろう。
あるいは、サラとかも一緒にいるのかもしれないが。
そんな中でルチル達が俺を待っていたのは、普通にホワイトスターの交流区画を楽しむ為ではないからだ。
現在のルチルの身体をどうするか。
そしてルチルがティファの代わりに使う身体をどうにか出来ないか。
その辺についてどうにか出来ないのかを考える為の行動だ。
高機動型GXの件とかもあるが、今回ここにやって来た最大の理由はこれなのだから。
「別に行くなら構わない。けど、騒いだりするなよ? 言っておくが、もしガロードが騒ぐようなら、どういう目に遭っても俺は助けないからな」
「助けない? ちょっと待ってくれ。助けないって、一体何だ? 何かあるのか?」
「そうだな。何かあるのは間違いない。ルチルの仮初めの身体を用意する候補の1つとして、人形というのがある」
「は? 人形? それって本気なのか?」
戸惑った様子のガロード。
それでも馬鹿にしたように言わないのは、これまでの俺が色々とやってきた経験からだろう。
「言っておくが、人形と言ってもガロードが想像してるような人形じゃないぞ」
多分ガロードが想像しているのは、それこそ熊の人形とか、あるいは小さい子供が人形ごっこで遊ぶような、そんな人形だろう。
しかし俺が考えている……エヴァに用意して貰おうと思っているのは、茶々丸のようなきちんとしたタイプの人形だ。
それでいて、エヴァの技術や技術班の技術があれば、人間と変わらない外見にするのはそう難しい話ではないだろう。
「そうなのか? ふーん。……まぁ、それなら早く行こうぜ。ティファも早く自由になりたいと思っているだろうし」
ガロードにしてみれば、少しでもティファを早くルチルから解放したいのだろう。
もっとも、ティファ本人は別にそこまで急いで解放しなくてもいいと思っていそうだが。
そのように思う理由としては、ティファの身体を使っているのがルチルだからだ。
身体の主導権については、ルチルよりもティファの方が強い。
つまりティファがその気になれば、ルチルから身体の主導権を取り戻すのは難しくない訳だ。
そんな状況であるにも関わらず、ティファはルチルに身体を貸したままだ。
そう考えると、ティファ本人はルチルを受け入れるのを嫌がってはいないという証拠だろう。
……ガロードも、多分それについては分かっているんだとは思う。
だが、ガロードが好きなのはあくまでもティファなのだ。
ルチルの憑依しているティファではなく、ティファの性格のティファ……何だか意味不明だな。
とにかくそんな感じなのは間違いない。
だからこそ、ガロードとしては……表現は少し悪いかもしれないが、ティファに憑依しているルチルを早く追い出したいのだろう。
ただし、追い出したいからといって、それは別にガロードがルチルを嫌っている訳ではない。
ルチルはジャミルの恩人にして、憧れの……もしかしたら初恋の女だ。
そうである以上、ルチルをどうにかしたいとはガロードも思ってはいない。
それでも我慢出来ないのは、ガロードが青春真っ盛りの男であるという事の証だろう。
あるいは青春ではなく思春期と言い換えた方がいいかもしれないが。
「分かった、分かった。そこまで急がせるな。ほら、行くぞ。……ジャミルとガロードは大体理解していると思うが、ルチルは初めてだよな? それとも誰かから詳しい説明を聞いたか?」
「それは……」
少し言いにくそうな様子のルチル。
この様子からすると、恐らく誰かからホワイトスターについて聞いたのだろう。
もっとも、だからといってそれを責めるつもりはないが。
ルチルにしてみれば、これからの自分がどうなるのかを決めるという事なのだ。
少しでも情報を集めたいと思うのは当然の話だろう。
「別に責めてる訳じゃないから気にするな。ただ、話を聞いてるだけだと実際には分からない。そんな訳で……行くぞ」
そう言い、俺はルチル達を引き連れてゲートでホワイトスターに転移するのだった。
「凄いわね、これ……」
折角だからという事で、現在ホワイトスターの中を量産型Wの運転する車で走っている。
人数は俺を入れても4人――運転手の量産型Wを除く――なので、こういう時にいつも使う馬車ではなく、普通のエアカーだ。
だからこそ、ルチルは今の状況を十分に楽しめていた。
ジャミルとガロードは別にこれが初めてという訳ではないが、それでも興味深そうに窓の外を見ている。
「俺達シャドウミラーの拠点だしな。このホワイトスターがあるからこそ、X世界に行く事が出来る」
ホワイトスターがあるのは次元の狭間だ。
そのような場所にあるからこそ、ゲートを使って上手い具合に異世界に……何らかの原作のある世界に転移出来るのだ。
何故何らかの原作のある世界だけで、そういうのがない世界に転移しないのかは疑問だが。
とはいえ、ペルソナ世界の一件で全ての原作知識を失っている俺にしてみれば、どの世界に行っても未知の世界なのは変わらないが。
だからといって、その世界で何も出来ないのかと言えば、その答えは否だ。
例えば、このX世界。
MSが存在し、ガンダムが存在し、ニュータイプが存在する。……ニュータイプはUC世界のニュータイプとは似て非なる存在だが。
とにかく、ガンダムやMSがあるということは、UC世界、SEED世界、W世界といった世界との共通点があったりする。
その辺の知識から、俺はジャミルかガロードがこの世界の主人公だと判断したんだし。
もっとも、最初は元ニュータイプという事でジャミルがこの世界の主人公だと思っていたのだが。
まさか、ニュータイプが存在するこの世界で、ニュータイプでも何でもないガロードが主人公とは、普通思わないだろう。
「あら、大分お店が少なくなってきたわね」
ルチルの言葉に考えを一旦中断して窓の外を見ると、そこに見覚えのある景色が広がっていた。
俺の家に続く道だ。
「どうやらもう少しで俺の家に到着しそうだな」
当初、エヴァにも話を聞くという事で、エヴァの家に行こうかとも思った。
しかし、レモンにも話を聞く必要があるし、ぶっちゃけエヴァの家はそこまで広くはない。
そんな訳で、俺の家での会談になった訳だ。
「アクセルの家というのは、どういう家なの?」
「どういうって……うーん、大きい家か? 俺以外に恋人が10人以上住んでるし」
「……ケダモノ……」
10人以上と同棲していると言うと、ルチルの口からそういう言葉が漏れる。
ルチルにしてみれば、青春時代は戦争真っ只中で、そういう経験も……なかった訳ではないだろうが、それでも一般人と同じように恋愛を楽しむといった真似は出来なかったのだろう。
そっち方面ではルチルも初心だったという事か。
「俺が色々と特殊なのは否定しない。もっとも、テンザン級にマリューとミナトの2人がいた事で、その辺は予想出来てると思ってたんだがな」
マリューとミナトが俺と一緒の部屋に住んでいるというのは、テンザン級では勿論、フリーデンでも知られている事実だ。
それを抜きにしても、シーマ、モニク、クスコ、クリスという4人の恋人――現在はまだ仮のだが――がいるのを考えれば、どうルチルから見ても俺はケダモノといった風に認識されるだろう。
「とにかく、俺がケダモノだからってティファの身体に憑依したルチルに何かするつもりはないから、安心しろ」
「ちょっと待てよ。その言葉は少し納得出来ないんだけど!?」
俺とルチルの会話に、ガロードがそう割り込んで来る。
無理もないか。
ガロードにしてみれば、自分が好きなティファに魅力がないと言われたも同然なのだから。
だからといって、俺がティファに興味を持つと言えば、それはそれでガロードにとっても不満な点があるだろう。
結局どっちにしても、ガロードにとっては不満という訳だ。
いやまぁ、ティファは15歳。
それはつまり、ネギま世界であやか、千鶴、円、美砂といった恋人達と出会ったのと同じくらいの年齢だ。
そういう意味では、俺がティファに惹かれるという可能性もあった訳だが……残念ながら、そうはならなかった。
ティファが研究所育ちであやか達よりも子供っぽかったとか、そもそも付き合いがそこまで長くはなかったとか、そういうのが関係しているのだろう。
「ガロードがどう思ってるのかは少し気になるが、取りあえず今は……いつまでもこうしているのも何だし、家の中に入らないか?」
そう、提案するのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1965
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1761