公園でガロードがゴーヤクレープを買いに行った後、ジャミルも結局それを追った。
そうして俺は明日菜と一緒に適当に公園の中を歩き回っていたのだが……
「あ、ちょっと待ってくれ」
「どうしたの?」
いきなりの俺の言葉に明日菜が不思議そうに言う。
そんな明日菜に通信機を見せると、すぐに納得した様子で頷く。
「じゃあ、私はちょっと離れてるわね。重要な情報についてだったりしたら不味いでしょうし」
「明日菜がそこまで考えられるとは……」
「ちょっと?」
ジト目を向けてくる明日菜から視線を逸らし、通信機のスイッチを押す。
すると空中に浮かんだ映像スクリーンにレモンの顔が映し出される。
『あら? アクセルと……明日菜だけ? ジャミルとガロードはどうしたの?』
「公園の中を見て回ってるよ」
取りあえずゴーヤクレープの件は言わない方がいいだろうと判断して黙っておく。
『そうなの? ルチルの件が終わったんだけど、どうする?』
「すぐに見つけてそっちに連れていく」
予想していたよりもかなり早くルチルの身体についての話が終わった事に驚く。
ルチルの性格を考えれば、そこまで細かく注文しなかった……のか?
何となくそんな風に思う。
『そうしてちょうだい』
そう言い、通信が切れる。
通信が切れたのを確認し、明日菜に視線を向けた。
「悪いな、明日菜。ちょっと用事が出来た」
「そうみたいね。元々そこまで時間はなかったんだし、仕方がないわよ。気にしないで行って……あら?」
明日菜が途中で言葉を止めると、不意に視線を逸らす。
その逸らした視線の先には、こっちに向かって全速力で走ってくるガロードの姿があった。
見るからに怒っているといった様子のガロードだったが……多分、明日菜のトラップに引っ掛かってゴーヤクレープを食べたんだろうな。
「ちょっと、あんた! 何だよあのゴーヤクレープって! 俺を騙したな!」
予想通り、やっぱりゴーヤクレープの件だった。
ガロードにしてみれば、イチゴ生クリームのクレープが美味かっただけに、恐らくゴーヤクレープにも期待していたのだろう。
だが、実際にゴーヤクレープを食ってみれば、そこにあったのは強烈な苦さ。
イチゴ生クリームのクレープのような味を期待していたガロードにしてみれば、騙されたと感じてもおかしくはない。
とはいえ、店によっては苦いけどいいのかといった風に最初に聞く店員もいるんだが。
店員がそういうのを聞かないタイプだったのか、あるいはガロードが忠告を無視したのか。
その辺りは俺にも分からなかったが、ガロードがゴーヤクレープを食べた事だけは事実だ。
「別に騙してはいないわよ? 実際にゴーヤクレープが色々な世界で売られているのは事実だし」
……事実、なんだよな。
何でゴーヤクレープがここまで色々な世界で売られているのか、正直理解出来ない。
とはいえ、それはあくまでも俺が理解出来ないだけであって、もしかしたら好きな人はもの凄く好きだったりとか、そんな可能性があるかもしれないが。
取りあえず、俺としてはゴーヤクレープをそこまで食べたいとは思わない。
「ぐぬぬ……」
ガロードが明日菜に何か反論をしようとするが、実際に明日菜がガロードにゴーヤクレープを勧めた時は、美味いという風には言っていない。
あくまでも他の多くの世界でも売られているクレープだと表現しているのだ。
そうである以上、ガロードとしては騙されたとは言えない。言えないのだが……それでも感情的に納得出来るかどうかと言われれば、その答えは否なのだろう。
「落ち着け、ガロード。それよりもジャミルはどうした?」
「え? ジャミル? ジャミルならもう少ししたら来ると思うけど。どうしたんだ?」
「ルチルの件が終わったらしい。ジャミルが来たら、向こうと合流するぞ」
その言葉に、ガロードは明日菜に言い返そうとしたのを止める。
「え? マジ?」
「ああ」
「随分と早いんだけど」
「俺もそう思う。ルチルの性格を考えれば、実はおかしくないのかもしれないけど」
「あー……そうだよな。あの人、ジャミルの上司だったんだよな。なら、即断即決とかでもおかしくはないか」
「即断即決ってくらいに早い訳じゃなかったけどな」
俺がガロードとジャミルをこの公園に連れて来て、それから別行動をしている中で明日菜と会って、色々と見て回って、こうして公園に戻ってきてジャミルやガロードとまた会ったのだ。
そう考えれば、何だかんだで結構時間は掛かっていると思う。
もっとも、それでもルチルが自分の身体についてどこをどういう風にするのかといった事を決めるという風に考えれば、十分に早いのだが。
「おーい、ジャミル! 早く来いよ! ルチルの件は終わったってさ!」
離れた場所からこっちやってくるジャミルに、ガロードが大声で叫びながら手を振る。
明日菜に対する恨みから全速力で走ってきたガロードと違い、ジャミルは特に走るでもなく普通に歩いてこっちに向かっていた。
だが、ガロードの声を聞いた瞬間、全速力で走ってこっちにやって来る。
「ガロード、今の話は本当か?」
「ああ、アクセルがそう言ってたんだし、本当じゃないか?」
「アクセル、本当なのか?」
ガロードから俺の名前が出ると、即座にこちらに視線を向けてそう尋ねてくる。
ガロードにとって、ルチルが現在その身体を使っているティファの事は重要だが、同時にジャミルにとってもルチルは大事な存在なのだろう。
もっとも、その大事というのが戦友とかそういうのなのか、あるいは1人の女としてなのかは、生憎と俺にも分からないが。
「ああ、本当だ、レモンから連絡があった。どうする? すぐに戻るのなら、俺はそれで構わないけど」
「頼む」
一瞬の躊躇もなく返事をするジャミル。
ガロードの方はと視線を向けると、こちらも当然のように頷いていた。
「じゃあ、話は決まりだな。……悪いな、明日菜。そんな訳では俺はそろそろ戻る」
「分かった。今日は楽しかったわよ。私はもうちょっと公園を見て回るから、私の事は気にしないで行ってちょうだい」
そう言う明日菜に頷くと、俺は影のゲートを展開するのだった。
「ルチル!」
家の中に転移すると、真っ先にジャミルがルチルの姿を見つけ、そう声を掛ける。
「ジャミル、そこまで大きな声を上げなくても聞こえてるわよ」
「……すまない」
ルチルの言葉に、ジャミルは自分が大声を上げてしまったのを理解したのか、謝罪の言葉を口にする。
うーん、てっきり最初に何かを言うのはガロードかと思ってたんだが。
ルチルが憑依しているのはティファの身体なんだし。
「それで、具体的にどういう風になったのかとか、そういう事は聞かない方がいいのか?」
「そうね。もしアクセルがルチルと親しい……恋人とかなら、そういうのを知ってもおかしくはないんだけど、違うんでしょ?」
確認を込めて尋ねてくるレモンに、俺は当然だと頷く。
実際、俺とルチルはそういう関係ではないのだから。
寧ろルチルとそういう関係になりそうなのは、俺じゃなくてジャミルじゃないのか?
もっとも、ジャミルとルチルがそういう関係になったらサラが納得出来ないのかもしれないが。
「なら、アクセルが詳しく聞く訳にはいかないでしょ」
「そうだな。俺もどうしても知りたいと思った訳じゃないし。ちょっと気になった程度だから」
「なら、詳しい話は聞かない方がいいと思うわ。もっとも、私はルチルの身体を見た事がある訳じゃないから、ルチルの指示通りにした身体が具体的に本物とどう違うのかは分からないけど」
ああ、そうか。
レモンはルチルの本物の身体を見てないのか。
正直なところ、ルチルの身体は空間倉庫に収納出来てもいい感じがするんだが、それも出来ないんだよな。
それはつまり、身体がコーティングされた状態でもまだ生きているという事になる訳だ。
ただ……出来れば、あの身体はホワイトスターに持ってきてコーティングされた状態から解放してやりたい。
けど空間倉庫で収納出来ないとなると、転移魔法で持ってくるしかないんだが。
最悪の場合はテンザン級で持ってくるといった手段もあるが……セインズアイランドから基地まで、何気に結構な距離があるし。
「それで、具体的にはルチルの身体はいつ出来るんだ?」
そう尋ね、ルチルとジャミル、ガロードがそれぞれ話をしているのを確認してから、レモンにだけ聞こえるように尋ねる。
「魔法球、使うんだろう?」
「そうね。だから3日くらいかしら」
外の1時間が中では48時間の魔法球で3日。
単純計算だと3456時間……144日で約5ヶ月。
そう考えれば、そこまでおかしな話ではない……のか?
いや、それでも約5ヶ月で20歳くらいの年齢になるというのは色々と特殊な状況なのは間違いないだろう。
その辺りはレモンの技術力がそれだけ特殊だって事になるんだろうが。
「相変わらず凄いな」
「そう? これでも新技術をそれなりに導入してるから、それなりに時間は掛かってるんだけど」
この辺は量産型WとWナンバーズの違いだろう。
種別的には同じ人造人間の量産型WとWナンバーズだが、だからといってそれは同じという訳ではない。
量産型Wは自我がなく、あくまでも命じられたことをそのまま実行する、人型の機械とも呼ぶべき存在だ。
それに対して、Wナンバーズは明確な自我がある。
……ウォーダンのように、ゼンガーの人格をコピーしたという、限定的な自我の者もいるが、エキドナやラミアは完全に自我を確立していた。
そんな自我の有無や、あるいは純粋に身体の能力という意味でも量産型WとWナンバーズは違う。
そんなWナンバーズの技術だったが、シャドウミラーという組織から国に変わってからレモンは作っていなかった。
しかし、そんな中でも技術は蓄積していった。
特に大きかったのは、Fate世界で入手した金ぴかの身体の一部だろう。
あるいは凛の魔術回路を解析し、ガンドだけという限定だが魔術も使えるようになっている。
しかもそのガンドは凛のガンドより威力は劣るが、それでも普通に物理的な兵器として考えてもおかしくはない威力を持つ。
他にも生身での戦いとなると、ネギま世界やペルソナ世界、鬼滅世界とかがあるが……そう都合のいいものはないんだよな。
あるいはUC世界のニュータイプの細胞とX世界のニュータイプの細胞を組み合わせるとか、そんな真似をしても……いや、そもそもニュータイプというのは精神と身体のどっちに宿る力なんだ?
ティファに憑依しているという事は、やっぱり精神に宿るのか?
それとも、コーティングされている身体がニュータイプ能力を持っていて、その身体が今も存在しているからこそ、ルチルはニュータイプ能力を発揮出来るのか。
その辺は、それこそニュータイプ能力を研究しないと分からないだろうが。
あるいは旧連邦はニュータイプ研究がかなり進んでいたのだろうから、その辺も十分に理解していた可能性があったけど……今更だしな。
「取りあえず3日か。それなら……ああ、でもルマークとマイルズはそんなにこっちにいられないか」
もしかしたらシーバルチャーのルマークならもう少し基地にいてもいいかもしれない。
だが、それはルマークがシーバルチャーという仕事をしており、ある程度時間を自由に使える為だ。
MSの売買とかそういう取引があった場合、ルマークが直接出る必要があるし。
あ、でも今はルマークの部下の大半は軍艦……LシステムとかビットMSを積んでいた軍艦の解体とか、そういうのをやってる筈だ。
そうなると3日くらいならどうにか出来るのか?
そんなルマークはともかく、マイルズはセインズアイランドの政庁で働いている役人である以上、時間には厳しく、勝手にこっちで3泊もするといった事は難しいだろう。
オクト・エイプとかを購入出来るかもしれないとなれば、それなりに融通を利かせてもおかしくはない。
その辺はセインズアイランドの上層部がどう判断するのかだな。
他に俺達の関係者以外となると、エニルもいる。
とはいえ、エニルはルマークよりも更に自由な立場だ。
あくまでも個人で部下の類もいないし、酒場ももう閉めている。
つまり、エニルについては本人がその気ならずっと基地にいても問題はない。
……ノモアとエニルの関係を考えると、居心地が悪そうだけど。
「その2人はどういう人物?」
「マイルズはセインズアイランドといって、俺が知ってる限りではX世界で一番発展している街の役人だな。ルマークは腕利きのシーバルチャーだ。MSとかMAとかそういうのをサルベージして、自分達でオリジナルのMSやMAを開発出来る能力を持つ。ああ、後でそのルマークが開発したエスペランサを渡すよ」
実はこのエスペランサ、基地で生産出来るようにしようかと思ったんだが、そういう真似をするとルマークとの間で色々と問題が起きそうなので止めておいた。
実際は言えばあっさりと許可するような気がしないでもなかったが。
「へぇ、そうなの。じゃあ、技術班の候補者?」
「うーん……X世界では腕利きだが、そこまでではないな。性格的には問題ないと思うけど」
そんな俺の言葉に、何故かレモンは笑みを浮かべるのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1965
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1761