「じゃあ、取りあえずルチルの身体は3日後に出来るとして……ジャミル、お前達はどうする?」
技術班の候補者という話題で微妙にキッドの名前が出たりしたものの、結局は様子見という事になった。
キッド本人の性格や趣味嗜好を考えれば、意外と技術班には興味を持つとは思う。
だが、技術班はエキドナ、茶々丸、セシルといった面々と戦いを繰り広げる必要がある。
キッドの今の体力では、技術班に所属するのは難しいだろう。
別に無理にエキドナ達に追われるといったような真似はしなくてもいいんだが。
けど、技術班として活動するとなると、自然とそういう流れになりそうなんだよな。
多分だが、技術班……メカニックとかそういうのも含めての集団に入るのに、虚空瞬動とか、魔力や気を使った身体強化とか、そういうのが必要になるのってシャドウミラーだけだよな。
とはいえ、大抵の連中は技術班に入る前には別に鍛えられておらず、技術班として活動する上で必死になって鍛えて虚空瞬動とかそういうのを憶えていく事になるんだが。
「3日か。微妙な時間だな」
悩むジャミル。
例えば、これが1日とかなら即座にこっちに泊まる、あるいは一度X世界に戻って基地に泊まるだろうし、5日や10日なら、セインズアイランドに戻ってからまたこっちに来るという選択をするだろう。
だが、3日だ。
そうである以上、ジャミルとしてはどうするべきなのか迷っているのだろう。
「どうするのかはジャミルの方で決めてくれ。一度セインズアイランドに戻るというのなら、俺が転移魔法で送っていく」
「ちょっと待って」
俺の言葉に割り込んで来たのは、レモン。
何かを考えるようにしながら、口を開く。
「ルチルの身体が無事に復帰出来るかどうか。それを調べる必要があるでしょう? そもそも今回ルチルの身体を人造人間の身体で作る事にしたのも、今のルチルの身体をどうするのかを決めるまでの猶予期間といった意味でしょうし」
「そうね。アクセル、お願い出来るかしら?」
ティファに憑依したルチルのその言葉に、俺は頷く。
ルチルの身体はまだ生きてる。
それは軍艦を空間倉庫に収納出来なかった以上、明らかだろう。
つまり、ルチルの身体を持ってくるには直接手に取って転移で持ってくるしかない訳だ。
「それは構わないが、俺だけでいいのか? ルチルも一緒に来た方がいいと思うけど」
純粋にコーティングされたルチルの身体を持ってくるだけなら、俺だけで十分だろう。
だが、ルチルの身体は全裸でコーティングされている。
シーマの機転でシーツがその身体を覆っているが、言ってしまえばそれだけだ。
もし俺がその気になれば、そのシーツを剥ぎ取ってルチルの身体を見るといった真似も出来る。
勿論、そんなことをするつもりはない。
ないが、実際にそのような事になっているルチルにしてみれば、俺がやらないと言ったからといって、それを素直に信じるといった真似が出来なくてもおかしくはない。
だからこそ、しっかりと自分の身体は自分で守るという意味でも俺と一緒にテンザン級に来た方がいいと思う。
「そう、ね。……心配はしてるけど、アクセルなら大丈夫だと思うわ」
「信頼してくれるのは嬉しいんだけど、俺はそこまで信頼されるような事はしてないと思うんだが」
寧ろ信頼されるという意味では色々と疑惑がある。
やっぱり具体的にはレモンを含めて10人以上の恋人がいて、同棲しているという事だろう。
現在はX世界にいるが、そのテンザン級でもマリューとミナトと一緒の部屋で寝泊まりしている。
他にもシーマ、モニク、クスコ、クリスといった面々と、仮とはいえ恋人関係にある。
それらの事から、俺を極度の女好きと考えてルチルが警戒するというのなら、十分にその意味は理解出来るのだ。
だが、ルチルは何故か俺に強い信頼を抱いている。
何でそこまで? と思うくらいに。
もしかして、ルチルがニュータイプ能力で俺を海とかそういう風に認識したからか?
「いいのよ。アクセルなら信じられる。私はそう思ったから頼んでいるの」
念を押すようにそう言われれば、俺も断る訳にはいかずに頷く。
「分かった。なら、俺が持ってくる。……で、ジャミル。どうする? 戻るのならすぐにでも送っていけるけど」
「いや、私は残る」
「いいのか? 一応フリーデンの方にも人は残してるけど、セインズアイランドがオルクに襲撃されたしたら、どうなるか分からないぞ?」
テンザン級にいる量産型Wやエルフ、コバッタといったように相応に戦力は残っている。
そうである以上、もしオルクが攻めてきても、テンザン級とフリーデンを守るといったような事は出来るだろう。
だが、それも絶対ではない。
ジャミルにしてみれば、フリーデンは自分が艦長を務める艦だ。
それだけに、何かあったらという風に思ってもおかしくはない。
また、セインズアイランドに残してきたクルーに対する責任があるのも事実だろうし。
それらを全て承知の上でも、ジャミルはこちらに残ると言っているのだろう。
「それでも構わん。それに……セインズアイランドには、私達以外にも多くのバルチャーやシーバルチャーがいる。そうである以上、敵が襲ってきても対処するのは難しい話ではない」
そう言い切るのは、前もって情報を集めていたから、本当にちょっとやそっとの事があってもセインズアイランドだけで対処出来ると考えているからか。
「分かった。ジャミルがそこまで言うのなら俺は構わない。俺の家に泊める訳にはいかないが、基地の方に部屋を用意させる」
シャドウミラーのメンバーではない以上、余程の例外ではない限り、夜になったらホワイトスターから出ていって貰う。
これはホワイトスターの安全の為にも重要な事だ。
「それと、ジャミルはともかく他の面子がどうするのかは、それぞれ聞いてくれ。戻りたいと言うのなら、俺が送っていく」
フリーデンの面々はともかく、エニルはどうするのかをきちんと聞いておくべきだろう。
エニルにとっては自分の家で休みたいと思ったりしてもおかしくはないし。
その辺りを抜きにしても、何かセインズアイランドで用事がある可能性は十分にあった。
「それで構わない。……ガロードはどうする?」
「俺? 俺は……」
ジャミルに話を振られたガロードは、ルチルの方を見る。
ルチルが戻ると言えば、ガロードも戻るのだろう。
だが、ルチルがこちらに残ると言えばガロードも残ると言う筈だった。
もっとも、ガロードが期待しているのはルチルではなく、その身体の本来の持ち主であるティファだが。
「私は残るわ。ティファからも了解を貰ってるから」
「じゃあ、俺も残る」
ルチルの言葉に、ガロードはあっさりとそう言う。
これ……現在ルチルの身体の中にいるティファはどういう風に思っているんだろうな。
ルチルが活動している間、ティファはルチルの言動を全て理解しているのか、それともある程度しか認識していないのか。
「ガロードがそう言うのなら、俺はそれで構わない、ジャミルと同じく基地に部屋を用意するから気にしないでくれ。……キッドも恐らく残りそうだな」
キッドにしてみれば、基地であろうとホワイトスターであろうと、かなり興味深い場所なのは間違いない。
そうである以上、ここに残ってもいいと言えば、キッドは間違いなく残るだろう。
「すまない、感謝する」
ジャミルはそう頭を下げるのだった。
ジャミル達の方針が決まると、俺は早速話を聞くべき面々に接触する。
とはいえ、フリーデンのメンバーはジャミルやガロードが話を聞くって言ってたので、実際に俺が話を聞くべき相手はエニル、マイルズ、ルマークの3人だ。
そんな中で真っ先に俺が接触したのは、ホワイトスターの交流区画でトニヤと一緒に買い物をしていたエニル。
「あら、アクセル。どうしたの?」
俺を見たエニルが不思議そうに尋ねてくる。
トニヤもまた、一体どうしたのかといった視線をこっちに向けていた。
「ちょっとこれからの予定についてな。ルチルの身体が出来るまで、3日掛かる。その間、ジャミルはこっちに残る事にしたらしい。トニヤには後でジャミルかガロードから連絡が来ると思うが、一旦セインズアイランドに戻りたいのなら、俺が転移魔法で送っていく。こっちに残るのなら、X世界の基地に部屋を用意する。どうする?」
その言葉に、エニルとトニヤはお互いに顔を合わせる。
これからどうするべきなのか、視線で相談しているのだろう。
言葉に出さずとも視線で会話をする辺り、会ってまだそんなに経っていないのに随分と気が合ったらしい。
いや、それは前々から分かっていたのだが、こうやって実際に目の前でその光景を見せられると、色々と思うところがある訳だ。
そうして視線を交わし、1分程。
やがてエニルが口を開く。
「じゃあ、私もこっちに……正確には基地なんでしょうけど、そっちに残らせて貰うわね」
「いいのか?」
あっさりと――1分くらい視線で相談していたが――決めたエニルに、そう尋ねる。
だが、エニルは問題ないと頷く。
「元々そのつもりで準備してきたし。そういう意味では私は特に構わないわ」
どうやらそういう事らしい。
「エニルが泊まるなら、私も泊まるわ。そっちの方が面白そうだし」
エニルが返事をすると、トニヤもあっさりとそう言ってくる。
取りあえずこの2人は残ると。
「アクセル。マイルズはどうするの?」
エニルにとって、マイルズはMS乗りだった過去を隠していた罪悪感であったり、自分に好意を寄せていたり、MS乗り――エスペランサだからMA乗りだが――になるように背中を押してくれたりと、色々と複雑な思いを懐いているのは間違いない。
それだけに、今のこの状況においてはマイルズがどうするのかといったことが少し気になったのだろう。
「まだ分からない。これから聞きに行くからな」
マイルズとルマークはホワイトスターには来ておらず、基地の方でMSの生産設備の見学をしたり、売買交渉をしたりといった事をしている筈だ。
フリーデンの面々が半ば休暇の為にこっちにやって来たのとは違い、マイルズとルマークはあくまでも仕事で基地にやって来たのだから。
「そう。なら仕方ないわね」
「エニル、あんな男の事なんか、いつまでも気にしない方がいいわよ」
マイルズについて悩むエニルに、トニヤがそう言う。
トニヤとマイルズの相性は悪い。
ましてや、初対面の印象が悪かっただけに余計にそう思うのだろう。
……それでもトニヤがバスタオルだけを身体に巻いている光景を見る事が出来たのは、マイルズにとってラッキーだったと思うが。
マイルズがそれを認めるかどうかは別として。
「じゃあ、そういう訳で俺は行くから」
エニルとトニヤにそう言うと、俺は転移区画に向かうのだった。
「アクセル、ここで取り扱っているMSは素晴らしいわね。完成した機体だけではなく、部品単位でも売ってくれるっていうし」
マイルズに会うよりも早く接触したのは、ルマークだった。
そのルマークは、喜色満面といった様子だ。
無理もない。
元々ルマークはシーバルチャーとして入手した部品とかでハンドメイドのMSやMAを開発していた。
しかし、当然ながら欲しい部品がなく、妥協して中途半端な部品を使ったりといった事をしていたのだろう。
勿論ルマーク達も相応の設備は持っているので、それなりの部品は作れる。
だが、軍用品としてそれに相応しい精度の部品を作れるかとなると、難しい。
それ以外に素材とかの問題もあるのだが。
そんな中で、こうして新品のMSを作っており、そのMSとかに使える軍用の精度を持つ部品を売って貰えるというのは非常に嬉しい事なのだろう。
とはいえ、今回はこうして転移魔法で連れてきたが、俺がいなければバルチャーとかに部品を運んで貰う必要がある。
そうなると、部品を注文するのにも相応の時間が掛かるし、注文した部品をセインズアイランドに運ぶのにもまた時間が掛かる。
飛行機とかで輸送をするという方法もあるのだろうが、そうなれば輸送費がもの凄い事になりそうだ。
そもそもそれ以前に、セインズアイランドに飛行機の離着陸場とかあるのか?
VTOL系なら何とかなりそうだが。
「落ち着け。それでそろそろセインズアイランドに戻るけど、ルマークはどうする? ここに残るか、それともセインズアイランドに戻るか」
「勿論残るわ。まだ色々と見ておく必要があるし」
「……軍艦の方はいいのか?」
「いいのよ。あっちに残してきた者達で十分何とか出来るんだから」
そういう事らしいので、ルマークをその場に残して最後にマイルズに会いに行く。
「私は勿論戻る。だが……出来れば、明日また迎えに来て欲しいのだが、可能だろうか? 出来れば私が……そうでなくても、他にも何人かこの基地を見せておきたい」
そう告げるマイルズに、俺は仕方がないと頷く。
セインズアイランドには出来れば俺達と友好的な勢力になって欲しいし、場合によっては新連邦に対抗する連邦国の一員になって欲しいとも思っている。
そうである以上、このくらいの譲歩は必要だろうと、そう思うのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1965
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1761