クスコとデートをした日の夜、俺は昨日と同じようにホワイトスターにある家で夕食を楽しんでいた。
なお、今日の夕食は千鶴とクリスが一緒に作ったビーフシチューをメインに、サラダやトマトとモッツァレラチーズの前菜を始めとして、他にも色々と用意されている。
これだけの料理を、しかもこれだけの人数分作るには結構な時間が必要となるのだろうが、恐らく今日はかなり早くから食事の用意をしていたのだろう。
「美味いな、このビーフシチュー」
「ふふん、そうでしょ。ちなみにコツは出汁用の牛肉と、具材用の牛肉を別に用意したことね。アクセル好みでしょう?」
自慢げに言うクリスに、俺は確かにと頷く。
普通、ビーフシチューというのは、長時間煮込んで柔らかくなった牛肉が具材のメインなのだが、その牛肉は柔らかくなりすぎて噛み応えがないんだよな。
クリスと千鶴はそれを見越して、出汁を取る為に煮込んだ牛肉と、最後に焼いた牛肉を入れてビーフシチューと馴染ませるといったような感じにしており、実に俺好みだ。
他にもブロッコリーやシメジといったように普通とは違う具材も多数入っている。
しかもこのシメジは普通にスーパーで売ってるブナシメジではなく、いわゆるホンシメジという……かなり高めなシメジだ。
どこで入手したのやら。
四葉の店が取引をしている店からついでに購入したとかか?
ちなみに四葉の店の超包子が食材を購入する店は、当然ながら高品質の食材を扱っている。
ただし、この場合注意が必要なのは高品質であっても、最高品質ではないという事だろう。
料理屋をやっている以上、その料理の代金で店をやりくりしている。
そうである以上、最高品質の食材をこれでもかと使えば料理は美味くなるが、その分値段は高くなり、それを注文する者は少ない。
他の料理人とは違って、四葉は正真正銘シャドウミラーに所属している人物だ。
そうである以上、いざとなれば金を支給したりといった真似は出来るのだが……その辺は四葉本人が自分の腕で稼いだ金で超包子を運営したいと、そう主張している。
実際、超包子が赤字になった事はないのだから、言うだけの事はあるのだろう。
四葉の料理の腕や、時には明日菜やステラがウェイトレスをやるのだから、それで流行らない訳がない。
何しろ四葉は麻帆良で学生時代には学祭長者と呼ばれていた。
しかも毎年。
数百万、数千万、年によっては億に届くくらいに稼いだという話も聞いている。
それだけ稼ぐのを見れば、あくまでも学園祭での話だとかは言えなくなってもおかしくはない。
麻帆良だからこその出来事と言われてしまえば、そうかもしれない。
しかし同時に、それでも相応の料理の腕は必要となるのは間違いないのだ。
「うーん、このビーフシチュー、本当に美味しいわね。ルリルリそう思わない?」
「はい、美味しいです。……ラピス、頬についてますよ」
ルリがミナトに返事をし、ラピスの頬についているビーフシチューを拭く。
ラピスはそんなルリの行動に反抗したりせず、黙ってなすがままになった。
この2人の仲……姉妹仲と呼ぶべき関係は、相変わらず良好だ。
ただし、そろそろ姉離れ、妹離れをしてもいいと思うんだが。
そんな風に考えながら食事を続け……そして食事が終わると、自由時間となる。
今日はリビングでペルソナ世界で放映された映画を見る事になっており、希望者はリビングに残っていた。
「そう言えば、この映画……桐条グループがスポンサーになってるって噂がありましたけど、本当なんですか?」
「ああ、ゆかりの言うように、桐条グループがスポンサーとなっている」
ゆかりの言葉に美鶴が特に自慢するでもなく、あっさりとそう答える。
ペルソナ世界において、桐条グループの影響力は大きくなっていた。
ニュクスの一件はともかく、それによってシャドウミラーと繋がったのが大きいだろう。
それ以外にも、ペルソナ世界では世界的な歌手と呼ばれるようになったシェリルが桐条グループ関係の芸能事務所に所属しているのも大きい。
ちなみにそのシェリル、今日やってきたマイルズの同僚をセインズアイランドに送って行ったのだが、その時は何度目かのライブが終わったところだった。
既にライブをやっていた大通りは観客で埋めつくされるような状態になっており、出来るだけ多くの観客に歌を聴かせる為だろう。臨時のステージまで用意されている様子で、かなり驚かされた。
なお、やはりと言うべきか、ライブとライブの合間にはシェリルの美貌にのぼせ上がり、強引にでも口説こうとした者がいたらしいのだが、その辺はムラタによって防がれている。
日本刀を手にした強面の男。
そういう相手は、護衛を任せるには十分だったらしい。
ともあれ、何の宣伝活動もしていない状況で、あそこまで多くの者達に受け入れられたシェリルだ。
しっかりと宣伝活動とかをして歌手として売り出した以上、ペルソナ世界で世界的な歌手になってもおかしくはない。
「へぇ、美鶴の実家がね。じゃあ、他にも映画のスポンサーになったりして、自分の思うようにしたり……というか、いっそアクセルや美鶴、ゆかり達が経験したニュクスの一件を映画化してみても面白いんじゃない?」
美砂のその言葉に、美鶴は意表を突かれたといった表情をする。
そんな美鶴の姿というのは、珍しい。
美鶴にしてみれば、まさかニュクスの一件を映画化するというのは完全に予想外だったのだろう。
無理もない。ニュクスの一件は桐条グループ……正確には美鶴の祖父の悪行の結果だ。
それによって多くの者が被害を受けた。
美鶴もそうだが、ゆかりもまたその1人だ。
そういう意味では、ニュクスの一件を映画化するというのはそう簡単な話ではないだろう。
もし映画化するにしても、設定は色々と変える必要が出てくる筈だ。
ペルソナとか、そのまま表現するのは難しいだろうし。
「アクセル、ちょっといいかい?」
美鶴やゆかりとの話を聞いていると、不意にシーマからそんな風に声を掛けられる。
何だか真剣……というか、深刻そうな表情のシーマ。
その様子を見ると、話は後でといったようには言えないだろう。
「何だ? 他に聞かれたら不味いようなら、場所を移すか?」
「この件は聞かれても問題ないよ。……いや、寧ろ聞いて貰った方がいいのかもしれないね」
「シーマがそう言うのなら、俺は構わないが。それで、一体どうしたんだ?」
「実は今日、あたしはUC世界に戻っていたんだけど、そこで妙な話を聞いてね」
そう言うシーマの言葉に、リビングにいた他の面々が視線を向ける。
シーマもそのような視線を向けられているのは理解したのだろう。
慎重な様子で口を開く。
「ルナ・ジオンと接触している、アクシズというのがいるのは知ってるだろう?」
アクシズという単語には聞き覚えがあった。
何だったのかと考え、すぐに思い出す。
「確か火星と木星の間にあるアステロイドベルトにある、小惑星基地だよな。月に接触してきてるって話は聞いてるけど、それの事か?」
「ああ、そうだよ。ジオン共和国……いや、ジオン公国時代にはザビ家の中でもそれぞれが勢力を率いていた。それは分かるよね?」
「ギレン派、キシリア派、ドズル派だろう? ガルマ派というのがないのは疑問だが」
「ガルマ派は、半ばドズル派に近かったしね。実際、今のジオン共和国の主力はドズル派が主なメンバーになってるし」
そう言うシーマだったが、複雑な表情を浮かべている。
無理もないか。シーマはその派閥で言うのなら、キシリア派だったのだから。
そしてキシリア派として、シーマはコロニーに毒ガスを使うという汚れ仕事をやらされ、それからもシーマの海兵隊はいつ死んでもいいといった捨て駒扱いをされていた。
ちなみにガルマ派はドズル派と言っているシーマだったが、それは正確ではない。
実際にガルマが地球方面軍司令官として活動していたが、その戦力はキシリア率いる宇宙攻撃軍のものだった。
また、ガルマから聞いた話では、ドズル程ではないにしろ、キシリアもガルマを可愛がっていたらしいし。
「キシリアが未だに姿を表してないからな。そのキシリア派……宇宙攻撃軍もキシリアと一緒に姿を消してる奴が多いらしいし」
「そうだね。そのおかげでジオン共和国も苦労してるみたいだよ」
キシリアは性格的に大きな問題がある。
それこそア・バオア・クーの戦いの途中でキシリアがギレンを暗殺した事によって、ジオン軍の指揮は混乱した。
それだけがジオン軍の負ける要因になった訳ではないが、それが非常に大きな要因だったのは間違いないだろう。
つまり、ジオン軍の敗北はキシリアがもたらしたものだ。
キシリア程の能力があれば、戦いの最中にギレンを暗殺すればどうなるのか分かっていただろうに。
あるいはそうしなければならない程に、キシリアが追い詰められていたのかもしれないが。
「で、そのキシリアがどうしたんだ?」
「ああ、話がそれたね。えっと、何だったか……そうそう、ルナ・ジオンの庇護下に入ったアクシズは、言ってみればドズル派だったんだよ。なのにルナ・ジオンに接触してきたのは、ドズル派の中でも珍しくニュータイプ研究に力を入れていたかららしい」
「それは……確かに珍しいな」
ザビ家の中では純粋な軍人として評価の高いドズルだが、新しい物を嫌うという悪癖もある。
軍人というのは新型の兵器よりも信頼性のある兵器の方を好むというが、そんな感じだろう。
それを示すかのように、ジオン軍でMSが開発された時、キシリアはすぐにMSの有用性を理解してMSを主戦力とするように主張した。
だが、ドズルはMSの有用性をある程度認めつつ、それでもMSは軍艦の補助戦力とするべきだと主張した。
それが原因で言い争いになり、結局ジオン軍はキシリアの宇宙攻撃軍とドズルの宇宙突撃軍の2つに分けられることになったと言えば、当時のキシリアとドズルがどれだけ険悪だったのかは想像しやすいだろう。
ちなみにジオン軍を2つにした以上、ギレンが所有する戦力は親衛隊とかそういう方面で、かなり少なかったらしい。
この辺はギレンの凄さを示したエピソードといったところか。
ともあれ、結果としてMSの扱いに関してどうなったのかは、その後の戦いを見れば分かるだろう。
MSは完全に主力としての座を獲得した。
ただし、ドズルも有能なのは間違いなく、MSの性能が自分が考えていた以上だと判断すると、宇宙突撃軍もまたMSを主力にしている。
そんな訳で、ドズル派というのは新型兵器を好まない。
そんなドズル派の拠点……拠点なのか? あるいは単純にドズル派が多いからそういう扱いになっているのかは分からないが、とにかくアクシズでニュータイプ研究に力を入れるというのは珍しい。
同時に、だからこそルナ・ジオンに接触してきたのだろうというのも理解は出来る。
ルナ・ジオンを率いるセイラは、正式な名前はアルテイシア・ソム・ダイクン。
ジオン・ズム・ダイクンの娘にして、UC世界最高のニュータイプだ。
そんなニュータイプという意味では最高の人物であるセイラと接触するのは、ニュータイプを研究しているアクシズとしては当然なのだろう。
当然だが、ドズル派という事はガルマに接触してもいいと思うんだが、その辺はやっぱりニュータイプが関係しているのか、あるいはそれ以外に何かがあるのか。
「アクシズの件はこれでいいね? あたしが持ってきた話はここからが本題だよ」
「……具体的には?」
アクシズがドズル派だというのはあまり知らなかったが、ルナ・ジオンに接触してきているというのは以前に聞いて知っていた。
それはつまり、アクシズの件とは別の何かが今回の話の理由だという事なのだろう。
「繰り返すが、アクシズがあるのは火星と木星の間にあるアステロイドベルトだ。それはつまり、火星との接触も可能だという事を意味している」
「……火星?」
シャドウミラーにとって、火星というのは色々と因縁深い地だ。
ネギま世界ではテラフォーミングの真っ最中だし、マブラヴ世界ではBETAのハイヴからG元素を奪い、あるいはBETAの死体を確保している。
また、ナデシコ世界で大きな拠点の1つとなっていた。
そういう意味では、UC世界の火星が何か関係してきてもおかしくはない……と思う。
「ああ。火星だ。そこでさっきのザビ家の派閥についての話になるんだが、どうやらあたしも知らないところでジオン軍は火星の開拓を始めていたようでね。キシリア派の者が火星を開拓している」
「……それで、アクシズに接触してきたと? アクシズがドズル派だとすれば、ちょっとおかしくないか?」
キシリア派とドズル派は決して友好的な関係ではない。
ソロモンでの戦いの時も、そこで負ければジオン軍にとって大きく不利になるにも関わらず、キシリアが援軍を送るようなことはなかった。
いやまぁ、月を俺達が奪ったので、キシリアにはそうする余力がなかったというのもあるのかもしれないが。
「その辺は極限状態だからこそ、だろう。だが……匂わないかい? 行方不明になっているキシリア、そして火星にいるキシリア派のジオン軍残党」
「おい、それってまさか……」
キシリアが火星にいるという事なのか?
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1965
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1761