キシリアが火星にいるかもしれない。
その情報はかなり大きい。
大きいのだが、正直なところ納得出来るかと言われれば、微妙だった
いわゆる奇説の類になるのではないかと思ってしまう。
勿論、シーマが口にした根拠については分かる。
1年戦争終了後、キシリアの姿を見つけたという情報は一切入ってこない。
これはルナ・ジオンだけではなく、ジオン共和国の方でも同様だった。
キシリアは顔立ちその物は決して整っているとは言いがたいが、一種のカリスマ性はある。
ジオン公国の中でギレンやドズルと対抗するだけの勢力を築き上げたのは、ザビ家という地盤もあるのだが、本人の能力もまた大きい。
そうである以上、もしキシリアがどこかに隠れていれば、多少なりともそれについての情報が流れてきてもおかしくはない。
勿論、キシリアも見つかれば終わりだというのは知っているだろうから、極力表には出ないようにしてるのだろうが。
だが、それでもジオン軍の残党として動く以上、どこかで姿を見るといったようなことはあってもおかしくはない。
にも関わらずこうして目撃情報がないという事は、それこそ火星にいるからというのは……あるかないかで言えば、あるだろう。
「けど、おかしいですわね。もしキシリアが火星にいるのなら、アクシズと接触をしようとするでしょうか?」
あやかの言葉に、話を聞いていた者達は確かにと頷く。
アクシズがドズル派というのは、既にシーマが説明している。
それだけならキシリアが接触する可能性はあるかもしれないが、アクシズはルナ・ジオンと接触しているのだ。
そしてルナ・ジオンとキシリア派の関係は最悪としか言いようがない。
そもそも、ルナ・ジオンが拠点としている月は、1年戦争当時にキシリア率いる宇宙攻撃軍が占領していた。
実際には月の全てを占領していた訳ではなく、グラナダを始めとした一部だけだったのだが。
それでもキシリアが月に大きな影響力を持っていたのは間違いない。
そうである以上、その月を奪われたキシリアがルナ・ジオンに好意的な訳がない。
ないのだが……それでも接触する理由がない訳でもないんだよな。
「キシリアはニュータイプの存在にかなり興味を抱いていた。それを思えば、アクシズでニュータイプ研究が盛んだというのなら、それを目的でアクシズに接触してもおかしくはない」
ニュータイプというのは、ジオンのように国力が小さく、戦力も少ない勢力にしてみれば、一騎当千出来るという意味で最適な存在だ。
キシリアもそれが分かっていたからこそ、1年戦争時代にニュータイプ研究に熱心だったのだろう。
だが、当然ながら火星ではニュータイプ研究に必要な機器の類、何よりもニュータイプ研究の被検者がいない。
いやまぁ、全くいないという事はないだろうが、それでも1年戦争時代のように多くの被検者を集めるといった事は出来ないだろう。
サイド6にあったフラナガン機関もルナ・ジオンが襲撃して、そこにいた被検者を救い出したし。
俺が関わったのはフラナガン機関の襲撃だけだったが、後日聞いた話によると他にも幾つかの研究所を襲撃し、被検者を救い出してるとか。
そんな訳で、火星でニュータイプ研究が出来ないからこそ、その辺の技術的な協力を求めて、アクシズと手を組もうと考えてもおかしくはない。
それにアクシズがドズル派だったとしても、シーマが言うには正確にはドズル派だけではなく複数の派閥が集まっており、その中でドズル派が一番多いからドズル派という事になっているという話だ。
つまり、当然ながらキシリア派の人間もいる訳で、恐らく火星と接するというのはそのような者達が動いた結果なのだろう。
「さすがだね。こっちでも大体アクセルの予想とそう間違ってはいないよ」
シーマの言葉に、クスコが微妙な表情を浮かべる。
クスコもまた、フラナガン機関にいた被検者だ。
その中でも特に年齢の高いのがクスコとかマリオンだった。
「けど……私はギレン直轄だったからそれなりにジオン公国の情報についても詳しかったけど、火星を開発するとなると相応の物資や資源が必要になる筈よ。キシリアにそんな余裕があったとは思えないんだけど。ただでさえ、シャドウミラーの手によって月から追い出されたんだし」
フラナガン機関時代の事はクスコにあまり思い出させたくなかったのか、モニクがそう話題を変える。
実際、その意見は間違っていない。
火星を開拓するといった真似をするにしても、それに具体的にどれだけの物資や資源が必要となるのか。
マブラヴ世界の火星は開拓はしてないからともかく、ネギま世界の火星の件を思えば、普通に考えてギレンに秘密でキシリアが物資や資源を用意出来るとは思えない。
「あ、ちょっと待って。以前私がジオン公国の人と交渉した時に、オデッサだったかしら。そこから打ち上げられた資源の中で結構な量が行方不明になっているという話を聞いた事があるわ」
凛のその言葉には、強い説得力があった。
というか……凛がジオン公国の人間と交渉をしていたのは全く知らなかった。
別に全員の詳細な情報を必ず俺に知らせなければならない訳でもない以上、それは別に不思議でも何でもない。
それに凛が政治班の人間として交渉をしたり、あるいはもっと大きな交渉を任せる為に交渉をしたりといったような真似をするのは、ある意味で当然だし。
にしても、凛が交渉か。
魔術とかを使って相手を洗脳したりしてないよな?
「ちょっと、何よアクセル。その視線は」
俺の視線の意味を理解したのか、それとも本能的に察したのか。
その辺りは俺にも分からなかったが、魔術師として、あるいは女としての勘か。
「いや、何でもない。それで、オデッサから打ち上げられた資源の多くが行方不明になっているって話だったな。……シーマはどう思う?」
「オデッサって言ったら、マ・クベが司令官をしていた場所だろう? キシリアに忠誠を誓っているマ・クベなら、そういう真似をしてもおかしくはないね」
「キシリアに忠誠か。そういう意味では、やっぱりキシリアにもカリスマとかがあったんだろうな」
「違うよ」
何故か俺の言葉を即座に否定するシーマ。
俺達が視線を向けると、少し困った様子でシーマは口を開く。
「これはあくまでも噂だよ。ただし、色々と後ろ暗いところのある者達の間で流れていた噂だから、信憑性はかなり高い」
そう前置きしてから、シーマは説明を続ける。
「元々マ・クベは地球の文化に興味があったらしい。とはいえ、連邦の政治体制がどうとかそういう話じゃなくて、美術品……それもいわゆる古美術品と呼ばれる類の物にね。けど、それはジオン公国ではあまり受け入れられなかった」
「そうなのか? ジオンの文化って、それこそ古美術品とかそっち系に通じるような気がするけど」
「かもしれないね。ただ、それでも受け入れられなかった。そんな中で1年戦争が勃発し、ルウム戦役後の連邦に対する降伏勧告の交渉の時、南極条約が結ばれた時だね。その時に交渉する人員の1人に、キシリアはマ・クベを抜擢した」
「……マ・クベって南極条約が結ばれた時にいたのか」
シーマの口から出たその言葉は、素直に驚きだった。
個人的にマ・クベという人物が有能なのは理解出来る。
だが、オデッサでの戦いの事を思えば……
「そうなるね。その流れでオデッサの司令官を任された。つまり、地球に来る事が出来たんだ。その件について、マ・クベはキシリアに強い感謝の気持ちを抱いていたみたいだよ。もっとも、それはあくまでも始まりだ。そこからキシリアと接するうちに強い忠誠心を抱いてもおかしくはないだろうね」
「そしてオデッサの司令官だったマ・クベなら、本来ならサイド3やソロモンとかに送る以上の資源を採掘し、それをキシリアに渡していたとしてもおかしくはないか」
キシリアはマ・クベが用意した物資を使って、火星の開拓をしたのか。
「取りあえず話は分かった。それで、火星の方はどうするんだ?」
普通に考えれば、火星までの距離というのはかなりのものがある。
アクシズに行くよりは近いが、それでも長い時間は必要となるのだ。
そうである以上、キシリアを倒すなり捕らえるなりする為に部隊を派遣するといった真似は気楽に出来ない。
あくまでも普通なら、の話だ。
これがルナ・ジオンであれば、話は違ってくる。
何しろルナ・ジオンは、シャドウミラーから借りた転移が可能な軍艦を使って木星まで転移し、ヘリウム3とかの取引を独自に行っているのだから。
つまり、火星を襲撃するといった真似は、ルナ・ジオンなら可能なのだ。
それも普通に火星まで行くのなら、その分の燃料とか食料とかを用意する必要があるのに対し、転移能力があればそういうのの準備も必要はない。
MSを含めた戦力を軍艦に乗せて、転移してしまえばいいのだから。
極端な話、日帰りで火星にいるキシリア派を攻撃するといった真似も出来る。
だが、俺の言葉にシーマは首を横に振る。
「ルナ・ジオンの上層部で話し合った結果、幾つかの理由から暫くは様子見をするという事になったらしいね」
「様子見? キシリアを捕縛出来るかもしれないのにか?」
一瞬、本当に一瞬だったが、ルナ・ジオンの上層部にいる面々がキシリアと繋がっており、だからこそ反対したのでは?
そんな風に思ったが、俺はその意見をすぐに却下する。
理由としては、ルナ・ジオンにおいては量産型Wやコバッタが色々な場所にいる以上、例えキシリアと繋がっている者がいても連絡はまず出来ないからだ。
つまり火星に攻撃をするのに反対した者達は、キシリアに対する忖度ではなく、それが一番ルナ・ジオンにとって利益になると考えて行動している可能性が高い。
「まず第1に、火星に本当にキシリアがいるかどうかだろうね。火星に拠点を作っているという時点では怪しいけど、もし襲撃してもキシリアがいない場合、キシリアを余計に警戒させてしまう事になる」
「なるほど。そう言えば、キシリアは情報を重視する性格だったわね」
凛が納得の表情を浮かべる。
ジオン公国の人間と交渉をしたという話だったし、その時にその辺りの情報を仕入れていてもおかしくはない。
そして凛のその言葉は、俺も納得出来る。
キシリアの持つ諜報機関は、キシリア機関とも呼ばれる存在で、諜報部として高い能力を持っている。
それはつまり、キシリアが戦いを行う上で情報を重要視しているという事の証だった。
そんなキシリアが、火星にいてどうなるか。
1年戦争が終結したばかりの地球やその周辺では、次に何が起きるのか全く分からない。
あるいはキシリアの部下が情報を入手して火星に伝える……といった真似も出来るかもしれないが、それをやるには相応に派手に動く事になるし、何より地球から火星までは転移を使わないで普通に移動するだけだと、片道1年近く掛かるという話を聞いている。
正確にはアクシズまでは1年ちょっとで、アクシズは火星と木星の中間辺りにあるというのを考えると、実際には10ヶ月とかそんな感じかもしれないが。
それだけ情報が遅くなると、いざ何らかの理由で行動する時にタイミングを逃すという可能性がある。
キシリアの性格として、そういうのは難しいだろう。
「つまり、キシリアは火星ではなく地球の側にいる可能性が高い訳か」
「ルナ・ジオンの上層部はそう考えているね。もっとも、火星にいるのがキシリア派である以上、そこを攻撃するというのは、それはそれで意味があると考えられてたんだけど……そこで2つ目の理由。それは、もし火星にいるキシリア派を攻撃した場合、それぞれが散ってしまう可能性があるという事だね」
「つまり、個別に色々と動かれるのは面倒だから、一ヶ所に纏めておいた方がいいと?」
「アクセルの言う通りだよ。それに場所が火星というのもいい。これがもし地球や月の側だったら、キシリア派が集まっているという事で何かをやらかす可能性が高い。けど、火星となると……距離がありすぎて、向こうが何をしても地球に影響を与えるのは難しい、そう考えている者もいるんだろうね」
片道が10ヶ月近く掛かるとなると、シーマの考え……いや、ルナ・ジオン上層部の考えも決して間違ってはいない筈だ。
反社会的な勢力が一ヶ所に、それも地球から遠く離れた火星に纏まっているのであれば、下手にそこを突いてキシリア派を四散させて、それぞれが別個に地球にやって来てテロ活動をされると困る。
ルナ・ジオンにしても、ジオン共和国にしても、連邦にしても、それは絶対に避けたい出来事だろう。
「結局は放っておいて、何か妙な行動をしたら逐次対処するという感じなんだろうね」
シーマのその言葉に、話を聞いていた皆がそれぞれ頷くのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1965
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1761