転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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3374話

 ルチルの一件がある程度片付いてから、数時間。

 X世界にある基地では、こっちにやって来ているフリーデンの面々だけではなく、エニルや何故かいるセインズアイランドの役人達が集まっている前でルチルのお披露目がされていた。

 本来なら仲間が一人増える……それもフリーデンに増えるのではなく、テンザン級に増えるということでそこまでやる必要はないのかもしれないが、今回の一件は色々と特殊だ。

 フリーデンの面々もルチルがティファに憑依しているというのは知っていたし、そのルチルの身体を俺達が作っているのも知っていた。

 そうである以上、こうしてルチルの身体が出来たのだから、お披露目はした方がいいとジャミルも判断したのだろう。

 ……取りあえず、これがルチルだというのを他人に見せびらかしたいからとか、そういう理由ではないのは間違いない。

 もしそういう理由だったら、俺も頭を抱える事になっていただろうが。

 

「そういう訳で、これからテンザン級に乗って一緒に行動することになったルチルよ。よろしくね」

「へぇ……これはまた……ジャミルは女の趣味がいいね」

 

 ルチルを見て感心したようにロアビィが呟く。

 ロアビィのその言葉に、トニヤが頷く。

 

「そうよね。艦長の昔の上司なんでしょ? こんな美人なら……それこそ、手取り足取り腰取りって感じで艦長もいい思いをしたんじゃない?」

「トニヤ」

 

 サラが口にしたのは短い一言だけだったが、その一言はトニヤの背筋を伸ばすには十分だった。

 サラにしてみれば、自分が好きなジャミルの側にルチルという魅力的な女が姿を現したことに、色々と思うところがあるのだろう。

 ルチルがティファに憑依している状態なら、性格はルチルでも外見はティファだった。

 そうである以上、サラもそこまで強敵とは思わなかったのだろう。

 ジャミルに特殊な趣味がない限り、女として成熟したサラの方が男にとっては魅力があると思えたのだから。

 実際にサラがそこまで考えていたのかどうかは、生憎と俺にも分からない。

 だが、心のどこかでそんな風に思っていたのは間違いないと思う。

 そのような状況の中で、いきなりこうしてルチルが大人の女の姿……それこそ、サラよりも十分に女として成熟している姿で出て来たのだから、サラに危機感を覚えるなという方が無理だろう。

 

「それで、ルチルだったか? あんたはどんなMSに乗るんだ?」

 

 ウィッツのその問いは、ルチルの正体……15年前の戦争において英雄として扱われたジャミルの上官だったという事を考えれば、当然の事だろう。

 他にも何人か、そんなルチルに興味深い視線を向けている者がいたのだが……

 

「ごめんなさい、今のところはMSに乗るかどうかは分からないの。それに……まずはこの身体に慣れる必要があるでしょうし」

 

 ルチルの言葉に、ウィッツは意表を突かれた表情を浮かべる。

 ウィッツにしてみれば、ルチルがジャミルの上官だったという事で、MSパイロットとして活動すると思っていたのだろう。

 だというのに、まさかこうもあっさりと断られるとは……と。

 それでも不満そうな様子を見せつつも、ウィッツがそれ以上詰め寄るような真似をしなかったのは、フリーデン以外に俺達のテンザン級があるというのも大きい。

 俺を含めてテンザン級にいるのは全員がエース級だ。

 そうである以上、フリーデンの戦力は間違いなく原作よりも高い。

 この世界の原作において、フリーデンの戦力が一体どれだけのものだったのかは分からない。

 それでもテンザン級がいないのは間違いなく、戦力は半減……いや、テンザン級に搭載されているMSの数を思えば、3割くらいになっていてもおかしくはない。

 原作でルチルがどういう扱いだったのかは分からないが。

 ただ、ルチルが現在のような状況になっているのは、あくまでもシャドウミラーが……いや、レモンが協力したからだ。

 当然だが原作にレモンがいる訳ではないので、もしルチルがMSパイロットとして活動するのなら、それは憑依したティファの身体を使ってとなる。

 いや、そもそも原作ではルチルが出てくるという可能性があったのかどうかも怪しいが。

 何しろ俺達がルチルを……LシステムやビットMSを搭載していた軍艦を見つけたのは、白いイルカが案内してくれたからだ。

 そして白いイルカが俺達をそこまで案内してくれたのは、白いイルカが俺を自分が憎んでいる人間ではない存在であり、忠誠を誓ったからというのが大きかった。

 つまり、原作では白いイルカがフリーデンと……より正確にはティファと友好的な関係を結べたのかどうかは非常に難しい。

 

「アクセル?」

 

 この世界の原作について考えていると、不意にそんな風に声を掛けられる。

 声のした方に視線を向けると、そこにはこっちを見ているルチルの姿があった。

 いや、ルチルだけではなく、部屋の中にいる多くの者達がこちらに視線を向けている。

 

「悪い、ちょっとゾンダーエプタについて考えていた」

 

 まさか、この世界の原作について考えていたといったような事を口にすることも出来ず、そう誤魔化す。

 

「そう、ゾンダーエプタね。それまでに、出来ればこの身体でMSを操縦出来るようにしておきたいところだけど」

 

 いや、さっきと言ってる事が違ってないか?

 やる気満々といった様子のルチルにそう突っ込みたくなるものの、止めておく。

 ルチルの気持ちも分かるのだ。

 精神崩壊してしまった自分をLシステムに組み込むといった真似をした者達がゾンダーエプタにいるかもしれないのだから。

 また、これは絶対に口に出せないが、コーティングされたルチルは間違いなく美人だった。

 そんな美人が精神崩壊し、周囲の状況が理解出来ない状況になっていたとなれば……男の中には妙な考えを抱く者がいてもおかしくはない。

 個人的にはそういうのは趣味ではないが、世の中には色々な趣味の持ち主がいるというのも知っている。

 また、どの世界で見たのかは忘れたが、知能の高い者になる程、特殊な性癖を持つようになるというのを何かで見た事もあった。

 ……もっとも、もしその説が正しいのなら、シャドウミラーの技術班はどうなのかと思わないでもなかったが。

 ともあれ、ルチルは考えないようにしているようだし、他の者も思い当たっても決して口にするようなことはしないが、精神崩壊していた時のルチルの身体は研究者に悪戯された可能性がある。

 ルチルがゾンダーエプタの件にここまで燃えてるのは、考えないようにしていても心のどこかでそれを理解しているか……場合によっては、精神崩壊してきた時でもそういう記憶が微かに残っているのかもしれないな。

 とにかく、ルチルが十分にやる気なのは分かった。

 

「ゾンダーエプタの時、何のMSに乗る? まぁ、候補はやっぱり高機動型GXだけど。後は少し落ちてオクト・エイプか。一応エスペランサもあるけど、テンザン級でエスペランサ2機を運用するのはちょっと難しいしな」

「そう聞くと、やっぱり高機動型GXかしら」

 

 迷う様子もなく高機動型GXを選ぶルチル。

 とはいえ、それはそんなにおかしな話ではない。

 15年前の戦争において、ニュータイプのルチルは当然ながらガンダムに乗っていた筈だ。

 そんなルチルにしてみれば、わざわざ宇宙革命軍のオクト・エイプに乗るといった選択肢はないだろう。

 旧連邦軍と宇宙革命軍のMSでは、色々と操縦性に違うところとかあるだろうし。

 何よりも、純粋に性能として考えた場合、高機動型GXは非常に高い。

 まぁ、防御力という点ではGXに劣るが。

 ただし、攻撃力ではディバイダーを装備させればGXの上をいく。

 いやまぁ、GXのサテライトキャノンは抜きにしての攻撃力だが。

 あ、でもGXはディバイダーを装備している以上は、純粋に攻撃力として考えれば同等か?

 とはいえ、ビームライフルの威力は高機動型GXはGXに劣るんだよな。

 GXのビームライフルはサテライトキャノンが……そしてフラッシュシステムが影響しているし。

 高機動型GXにはフラッシュシステムやサテライトキャノンはないので、高機動型GXが使っているビームライフルはオクト・エイプの物を改修して使っている。

 

「高機動型GXか。そっちはすぐに用意させる。ルチルはMSを乗りこなす訓練をしておいてくれ。高機動型GXはGXとついてるが、違っている場所が複数あるからな」

「分かったわ。ゾンダーエプタの件を考えると、出来るだけ早く使いこなせるようになっておく必要があるし。この身体を十分に使いこなす必要もあるから、そっちの方もどうにかしないといけないでしょうし」

 

 こうして、ルチルの一件は無事に終わるのだった。

 

 

 

 

 

「アクセル、ちょっといい?」

 

 ルチルの件が終わり、それぞれが解散した後……エニルから不意に声を掛けられる。

 

「エニル? どうした?」

「ちょっと話をしたいのだけれど。時間はあるかしら?」

「今は特に何もやる事もないし、構わない」

 

 本当にやるべき事がない訳でもないのだが。

 ホワイトスターに戻って政治班の仕事場に顔を出せば、俺のサインが必要な書類とかはかなりある。

 普段はそれらをエザリア率いる政治班に完全に任せているのだが。

 それこそ、俺のサインが必要なものであっても、政治班の面々が問題ないと判断したのなら、そのまま処理出来るように。

 普通なら、そこまで他人を信頼してもいいのかといったように言われてもおかしくはない。

 おかしくはないのだが、レオンは鵬法璽で俺を裏切るような真似は出来ないし、あやかを始めとした恋人達なら問題はないと思っている。

 政治班を率いているエザリアには鵬法璽の縛りとかはないが、エザリアの性格を考えれば妙な真似をするとも思えない。

 あるいはもし何か後ろ暗い事を考えても、俺の場合は普通に1人でどうにか出来そうだし。

 何より、エザリアも現在の自分の状況に十分に満足している以上、下手に騒動を起こしたりとかはしない筈だ。

 そんな訳で、政治班を全面的に信頼しているし、俺がいない状況であっても問題ないようになっている。

 何しろ、俺は色々な世界に行く。

 今回はそんなに時間が経っていない状況でX世界にゲートを設置し、ホワイトスターに自由に戻ってくる事が出来るようになったが、基本的にゲートを設置するまでの間、ホワイトスターと他の世界では時差がある。

 下手をすれば、年単位で俺がホワイトスターにいない状況というのも有り得るのだ。

 だからこそ、政治班は俺がいなくても問題はないのだが……それでも、政治班にしてみれば本来なら俺がサインをする必要がある以上、その辺を任せられるのなら任せたいと思ってもおかしくはない。

 

「じゃあ、食堂にでも行きましょうか。この基地の食堂は、かなりメニューが豊富なんでしょう?」

 

 そう誘われ、俺はエニルと一緒に食堂に向かう。

 この光景をマイルズが見たら、どう思うんだろうな。

 幸いな事に、今日この基地にやって来たのはマイルズではなく、その同僚だ。

 昨日連れてきたのとはまた別の。

 マイルズにしてみれば、この機会に多くの者達に基地を見せて、シャドウミラーがどういう存在なのかをしっかりと認識させておきたいのだろう。

 実際、マイルズも当初はシャドウミラーがここまでの力を持っているとは思っていなかった筈だ。

 そしてセインズアイランドの人間は、自分達がこのX世界において最も発展している場所に住んでいるという自負がある。

 実際、それは間違っていない。

 俺が北米でフリーのMS乗りとして色々と活動していた中で、セインズアイランドが一番発展しているのは間違いないのだから。

 フォートセバーンもそれに負けてはいなかったが……雪国だしな。

 それを言えば、セインズアイランドは周囲を海に囲まれている島だが。

 サン・アンジェロ市のように、雪国でも島でもない、普通の場所にある街が何故そこまで栄えていないのか。

 あるいは雪国や周囲を海に覆われている島だからこそ、あまり敵に攻撃されるような事はなく、発展したのかもしれないが。

 そのようなセインズアイランドの住人……特に、実際に政庁に務めている役人にしてみれば、自分がセインズアイランドを発展させてきたという自負があるだけに、他の場所を一段下に見るといったような真似をしてもおかしくはない。

 だからこそ、基地を見せておいて自分達よりも上……とまではいかないが、それに迫る勢いの勢力がいるというのを教えておきたかったのだろう。

 

「随分と混んでるわね。……しかも見た顔が幾つかあるし」

 

 基地の食堂に到着すると、エニルが食堂にいる面々……バルチャー達を見て、そう告げる。

 この基地の食堂は美味い料理を出すと、基地にやって来た者達にも好評だ。

 若干値段は高めだが、それでも驚く程の高額という訳ではない。

 少し奮発した食事……俺の感覚だと、普段1食1000円くらいの食事をしている者が、1食1500円くらいの食事をするといったくらいの金額の差だ。

 

「繁盛してくれて、俺としては嬉しい限りだよ。ああ、あそこのテーブルが空いてるし、あそこに行くか」

 

 そんな俺の言葉にエニルは頷くのだった。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:1965
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1761
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