転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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3388話

「絵を?」

「ええ。ティファが持ってきた絵を見て、カトックはかなり衝撃を受けていたみたいね」

 

 クリスの説明に疑問を抱く。

 何故絵を見て、カトックがそこまで衝撃を受けるのか、と。

 カトックは15年前の戦争も参加しているであろうベテランだ。

 それも漁師の振りをしてこっちの懐に入ってくるといった、大胆な行動をしてくる相手。

 そうである以上、絵を見たくらいでそこまで衝撃を受けるとは思えない。

 あるいは、ティファが実は歴史に残るくらいの画家とかならそういう事になってもおかしくはない。

 しかし、以前ティファの描いた絵……フォートセバーンや竜の形をした岩とか、そういうのを見てはいるが、15歳にしてはかなり上手いとは思うものの、見ている者に衝撃を与えるような絵ではない。

 そうなると……

 

「ニュータイプ能力を使って、何らかの絵を描いた?」

 

 具体的にそれがどういう絵なのかは、俺にも分からない。

 ただ、恐らくそういう絵なのではないかというくらいの予想をする事しか出来なかった。

 

「さぁ? 私が見た感じだと、親子……母親と子供の絵みたいだったけど。それで、どうする? もうティファはフリーデンに帰ったけど」

 

 このどうする? というのは、今からすぐにカトックの尋問をするか、あるいは少し時間を置いてから尋問するかという問いだ。

 さて、この場合は一体どうしたらいいのか。

 ここですぐカトックに会いに行き、ティファの絵を見て感激している……別の言い方をすると、精神が揺れやすくなっているだろうカトックの尋問をするか。

 それとも少し時間を置いて、それによって落ち着き、ティファの絵を見て色々と思うところがあるだろう時に尋問をするか。

 少し考え、やがて結論を出す。

 

「分かった。今すぐに行く」

 

 ティファの絵を見て動揺している今の方が、こちらとしても色々と事情を聞き出しやすいと判断した。

 もっとも、その程度の揺らぎでどうにかなるのかどうかは分からないので、そうである以上はこっちも多少本腰を入れて尋問する必要があるだろう。

 セインズアイランドで尋問した相手は、刈り取る者を見た瞬間に沈黙せず、全てを話した。

 そうである以上、カトックも同じような事には……うーん、どうだろうな。

 セインズアイランドで尋問したのは、MSパイロット。つまり、エリートと評しても間違いない相手だ。

 そして若い……15年前の戦争を経験していないという意味でも、やりやすい相手だった。

 それに比べると、カトックはそう簡単にこっちの質問に答えるような真似はしないだろう。

 なら、やっぱりここで一気に押すのがいいと思う。

 

「アクセルがそう判断したのなら、私からは特に何も言わないわ。実際、純粋に尋問として考えれば、それが正しいと思うし」

 

 クリスにしてみれば、尋問をするのならどちらでもいいという認識なのだろう。

 これで俺がカトックから情報を引き出せればそれでいいし、それが無理ならそれはそれで構わないといったように。

 もっとも、セインズアイランドでの一件を考えれば、素直にこっちの情報を奪おうとしているのは間違いないと思うが。

 

「じゃあ、話は決まりだな。早速行ってくる。……ちなみに、他の連中の尋問がどうなっているのかは分かるか?」

 

 敵のリーダー格のカトックだけは、俺が尋問するという事になった。

 だが、その部下達の尋問に関しては、俺ではなく他の面々がやる事になっている。

 具体的には、モニクとクスコ。

 ……うん。最初はモニクだけが尋問をするという話だったんだが、その時に色々と遭ったんだよな。

 具体的には『私の為に争わないで!』的な。

 正確には『俺の為に争わないで!』か?

 ともあれ、そんな感じになったのでカトック以外の連中の尋問は2人に任せる事になった。

 モニクもクスコも、一応軍人として訓練はしているのだろうが、それでも純粋な実力では男の軍人……それも歩兵には勝てないだろう。

 ただ、量産型Wやコバッタが一緒にいるので、向こうが妙な真似をしようものなら、即座に制圧することが出来るんだが。

 そういう意味で心配はしていない。

 問題なのは、モニクとクスコの2人が無事に尋問出来るかどうかだろう。

 とはいえ、モニクが優秀な人物なのは間違いないし、クスコも高いニュータイプ能力を持つ。

 上手くやれば、しっかりと兵士から情報を引き出せるだろう。

 そんな風に思いつつ、俺はカトックが軟禁されている部屋に向かうのだった。

 

 

 

 

 

「おう、あんたか」

 

 カトックが軟禁されている部屋に入ると、紙……恐らくあれがティファの描いた絵なんだろうが、それを折りたたむとそんな風に言ってくる。

 絵を折りたたむのはどうなんだ?

 一瞬そう思ったが、そのままにしておくよりもそっちの方がいいとカトックは判断したのだろう。

 

「どうやら落ち着いたみたいだな」

「あん? 俺は別に動揺したりはしてなかったぜ?」

「表面上ではそう思っても、内心はどう思っていたのか分からないと思うが? まぁ、それはいいとして、色々と話を聞かせて貰おうか」

 

 そう言うと、カトックは少し迷った様子を見せ……そして口を開く。

 

「あんたは魔法とか、そういうのを使えるんだってな? 何でそういうのを使えるようになったんだ?」

「この場は俺がお前から情報を聞き出す場所であって、お前が俺から情報を聞き出す場所じゃないんだがな。……まぁ、いい。別にこれは隠してる事じゃないし、これを知る事でお前が話しやすくなるのなら、こっちの事情を話す程度の事はしてもいい」

「頼む」

 

 短く、そして真剣な表情でカトックが言ってくる。

 こっちの情報を少しでも引き出して、それを政府再建委員会に持って帰りたいのか。

 それともティファの絵を見て、色々と思うところがあるのか。

 その辺は俺にも分からなかったが……ただ、ぶっちゃけ、もし俺の話を聞いてシャドウミラーがどういう存在なのかを知って、それを政府再建委員会に伝えても、とてもではないが信じて貰えないような気がする。

 シャドウミラーというのは、色々な意味で常識外の存在だし。

 

「まず、俺達の組織名……いや、正確には国の名前か。その国の名前は、シャドウミラーという」

「国だと? そんな国、聞いた事がねえ。いや、魔法なんて存在を使うんだ。隠されていたとしても無理はねえ……のか?」

「外れ。いや、正確には惜しいと言うべきか? 分かりやすく言えば、俺達シャドウミラーという国は、異世界からやって来た存在だ」

「異世界……だぁ?」

 

 見るからに胡散臭いといった様子のカトック。

 それでも実際に胡散臭いとか、信じられないとか、そういう風に口に出さないのは、実際に目の前で魔法を見た事が大きいのだろう。

 もし魔法のような、明らかにこの世界には存在しない――空想上はともかく――技術を見せられていなければ、即座に嘘だと言われていてもおかしくはない。

 

「ああ、異世界だ。カトックもこの世界……X世界と俺達は呼んでいるが、このX世界で15年前の戦争が始まる前には、映画とかそういうのを見ただろう? そんな映画の中には、異世界と接触するとか、そういうのがなかったか?」

 

 これで映画とかは知っていても、実は恋愛映画しか見ないとか言われたらどうしようかと思ったが、幸いにもカトックは俺の言葉に素直に頷く。

 

「ああ、そういうのがあったな。……つまり、そういう事なのか?」

「それで大体は間違っていないと思う。とはいえ、カトックがどういう映画を想像したのかは分からないが、俺達は別にこのX世界を侵略に来たとか、そういう訳じゃないがな」

 

 そもそも、このX世界を侵略する価値があるかと言われれば……正直微妙だろう。

 色々と興味深い技術があるのは間違いないが。

 具体的には、ニュータイプ関係の技術だろう。

 もっとも、そのニュータイプはあくまでもX世界のニュータイプである以上、UC世界のニュータイプについては関係がないだろうし。

 とはいえ、それでもニュータイプ関係の技術であるのは間違いない。

 シャドウミラーが持っていない技術である以上、その技術はシャドウミラーの技術班にとってそれなりに興味深いのは間違いないのだが。

 

「そういうものか」

「そういうものだな。ちなみにシャドウミラーが接触している世界はこのX世界だけではなく、他にも多数の世界がある」

「ならば、何故ここまでこの世界に関わる?」

 

 そうして疑問を口にするカトック。

 カトックの立場にしてみれば、そのように言うのは間違いないだろう。

 実際、俺達がその気になればX世界に関わらないといった選択肢もあるのだから。

 

「そうだな。成り行き……という表現はどうかと思うから、運命といったところか」

 

 ゲートを使ってランダムに転移した世界が、このX世界だった。

 それはつまり、運命が俺をこの世界に運んできたと言っても決して間違いではないだろう。

 運命を偶然と言い換えても、おかしくはないのかもしれないが。

 

「運命?」

「大袈裟に言えばだがな。けど、俺達の存在……シャドウミラーの存在は、多くの者に喜んで貰ってるぞ」

 

 これは事実だ。

 シャドウミラーの拠点であるアルカディアにおいて、新品のMSを製造して売る事が出来るようになっている。

 売る相手はシャドウミラーが……より正確にはエルフ達がバルチャーとして活動していて信用出来ると認識している相手達だけだが。

 盗賊のバルチャーにしてみれば、自分達が襲う相手が自分達よりも高性能なMSを持っているので、面白くないだろうが。

 

「政府再建委員会にしてみれば、面白くない話だろうがな」

「ふん」

 

 俺の言葉に鼻を鳴らすカトック。

 政府再建委員会は、恐らく力で現在の地球を支配しようとしている。

 そんな中で敵対する相手が新品のMSを持っているというのは面白くはないだろう。

 ただし、政府再建委員会の方でも新品のMSを作れる施設があるのは間違いないが。

 

「とにかく、そんな訳で北米は俺達の影響によって活発に動き出している。政府再建委員会が攻めて来ても、それを対抗する事が出来るくらいにはな」

「……ふん」

 

 再び鼻を鳴らすカトック。

 さて、今の説明で俺達の事情については十分に理解出来ていると思うが、これで素直にこちらに情報を流してくれるかどうかだな。

 

「俺達がどんな存在なのかは分かったな? そうである以上、政府再建委員会が正面から俺達に立ち向かっても勝てる筈がない。素直に情報を吐いた方がいいと思うけどな」

「……1つ聞かせてくれ」

 

 数秒の沈黙後に、カトックが口を開く。

 先程まで鼻を鳴らしていたのとは違う、真剣な表情。

 

「何だ?」

「あんた……アクセルは魔法を使えるんだってな?」

「そうだ」

「なら、魔法を使って死んだ奴を生き返らせるといった真似は出来るのか?」

「無理だな」

 

 カトックが何を望んでいるのかを理解しながらも、即座に首を横に振る。

 死者の蘇生。

 それは俺達シャドウミラーであっても出来ない事だ。

 ルチルの件は、ある意味で死者の蘇生と似たような感じだが、色々と特殊だ。

 コーティングされた状態とはいえ、ルチルの身体がきちんと残っていた事。

 また、精神崩壊してはいたが、それでもルチルは死んでいなかった。

 そして何より、ルチルがニュータイプだったからというのは大きいだろう。

 そのような様々な、そして特殊な状況があってこそ、ルチルの件はどうにか出来た。

 カトックの生き返らせたい相手がルチルと同じような状況……全く同じとはいかなくても、似たような状況であれば、もしかしたらもしかするかもしれない。

 だが、奇跡というのはそう簡単に起きないからこそ奇跡なのだ。

 ルチルのように色々な条件が揃うなんて事は、そう簡単な話ではない。

 

「何故だ?」

「魔法であっても、死人を生き返らせるような真似は出来ない。少なくても、俺はそんな魔法を知らないな」

 

 死にそうになっている者を助ける魔法や、回復出来るマジックアイテムなら存在する。

 あるいは、死んだばかりであっても死後数分とかなら……それこそ頭部を破壊されたとか、そういう致命的な状況でなければ助ける事も出来るかもしれない。

 だが……

 

「見たところ、お前が生き返らせたいと思っているのは15年前の戦争で死んだ奴だろう? あるいはその後の混乱で死んでしまった相手か。死体が新鮮な状態で残っている訳でもないし、何より魂が既に死んでいるような状態だ。まず不可能だろう」

「俺は……もうあいつらの顔を見る事は出来ないのか……」

 

 そう言いながら、カトックは折りたたんだティファの絵に視線を向ける。

 あの絵に描かれている相手ともう一回会いたかったのだろう。

 だが、そのような真似は出来ないのだ。

 そうである以上、諦めて貰うしかなかった。

 

「……ジャミル・ニート……いるんだろう? そいつに会わせてくれ。そうしたら俺が知ってる事を話すよ」

 

 たっぷりと数分沈黙した後で、カトックはそう告げるのだった。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:1965
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1761
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