結局カトックは俺の提案を受け入れた。
お互いの間にある圧倒的な実力差を目にしたというのもあるが、多分ティファの描いた絵であったり、ジャミルとの会話が理由だったりもするんだろう。
勿論、テンザン級にはガンダムが大量に配備されているのを見たりしたのも影響しているんだと思う。
そんな中で、俺が予想外だったのは……
「いいのか、お前等。俺と一緒に来るということは、政府再建委員会に……いや、新連邦に逆らうって事だぞ?」
「カトックの旦那がそっちにつくんだ。なのに、自分だけ向こうにつくなんて事はないですよ」
「そうそう、それにゾンダーエプタの連中、明らかに俺達を侮ってるし。特にフロスト兄弟の俺達を見る目。言葉ではそれなりに丁寧だけど、目は口程にものを言うって奴です」
その言葉に、他の兵士達も同意する。
うーん、こうして見るとフロスト兄弟って一般の兵士達に好かれてないんだな。
いやまぁ、フロスト兄弟との会話を思い出せば、エリート風を吹かせて、内心で自分達以外を見下しているのは十分に理解出来るんだが。
そういうのが一般の兵士達にもこうして知られる辺り、能力的にどうなんだろうな。
とはいえ、実際にはフロスト兄弟云々というのは、あくまでも理由の1つでしかなく、最終的にはカトックがそれだけ部下達に慕われているからというのが大きな理由なのだろうが。
「馬鹿野郎共が」
カトックの口から出たのは、その一言だけだ。
その言葉からして、多分感動しているんだろうが、表情には出さない。
今ここですぐに口を挟むのは野暮だろうし、とりあえず少しの間は待つか。
そうして10分程が経過し、カトックやその部下達はようやく落ち着いたらしい。
「すまないな、アクセル。待たせてしまった」
「別に構わない。ただ、1つ言っておくとお前達にはサポートとしてコバッタが一緒に行動する事になる。……まぁ、言わなくても分かると思うが、サポートというのはあくまでも表向きの話で、実際にはお前達の監視だ」
「別に構わねえよ。人なら気にくわないからという理由で報告する内容を変えたりするだろうが、ロボットならそういう事はないだろうし」
あっさりとそう言ってくるカトック。
多分だが、カトックが口にしたような事例について知っているのだろう。
あるいは自分がそういう風にしたのか。
いや、違うな。
カトックとの付き合いはまだ短いから何とも言えないが、それでもそういう事をするようには思えない。
つまり、カトックではなく別の奴がそういうのをしてるのを見た事があったのか?
そこまで気にする必要はないか。
とにかくコバッタがサポート兼監視として一緒に行動するというのを了承して貰えれば、それで問題はない。
「ああ、ちなみにお前達の部屋は全員個室だ」
「本当か?」
個室と言われたカトックは、コバッタが一緒に行動すると言った時よりも驚いて俺の方を見てくる。
いや、俺の方を見ているのはカトックだけではない。他の兵士達も同様の視線をこっちに向けていた。
この様子を見る限り、まさか自分達に個室を与えられるとは思っていなかったのだろう。
「ああ、本当だ。個室については心配するな、知っての通り……いや、あまり知らないのかもしれないが、このテンザン級のクルーは量産型Wやコバッタといった存在だ。一応他にもいるが、人数はそこまで多くないしな」
主に整備をしている中に、エルフ達がいる。
だが、そのエルフ達の数は全体的に見れば少ない。
なので、テンザン級の部屋の空き室はかなりの数になる。
それこそ、空き室の数が多いので、個室の壁を壊して2つで1部屋にしてもいいのではないかと思えるくらいに。
……ただ、当然ながらそういう壁もテンザン級の内部構造である以上、迂闊に壊したりといった真似をしたら、それはテンザン級が脆くなったりするかもしれないと言われて、諦めたが。
そんな訳で空き部屋は多いのだから、それを使わない訳がない。
「シャドウミラーってのは、凄いんだな。俺はてっきり雑魚寝でもさせられるかと思ってたんだが」
「わざわざ説得した奴に、そんな事をしても意味はないだろ? 部屋が足りなかったりしたら、そういう風にするかもしれないが……今は何度も言ってるように、部屋の数は余っている。なら、それを使わせない手はない」
「感謝する」
「な? アクセルに味方をしてよかっただろう? ちなみに、このテンザン級は食堂で食べる料理もかなり美味いぞ」
ガイアがそう言いながらカトックの肩を叩く。
実際、テンザン級の食堂で料理を作っているのは量産型Wだ。
色々な技術を習得しているだけに、その味は一流と言ってもいい。
……例によって例のごとく、一流ではあるが一流を超えた一流、超一流とまではいかないのだが。
それでも軍艦の中で料理を作る者としては、一流の技量があれば十分に料理を食べる人を満足させる事が出来る。
そういう意味では、軍としてはかなり恵まれているのは間違いないだろう。
「そんなにか?」
「ああ。その辺の店とは比べものにならないくらいだ」
ガイアがカトックに向け、そう断言する。
カトックも、そしてカトックの部下達もガイアの言葉に非常に興味深そうな様子を見せる。
X世界においても、ある程度の食料はある。
人口の99%が死んだ世界で、一体どうやって十分に食料を行き渡らせているのか、その辺は生憎と俺にも分からないが。
あるいはマブラヴ世界の場合はBETAによって地球が使い物にならなくされており、そこを畑として復興させるのも難しいのに対し、このX世界においてはコロニーの落ちた場所は色々と問題があっても、それ以外の場所なら問題なく畑を作る事が出来ているのが大きいのか?
あるいは、カトック達が変装していたように、漁業の方でもそれなりにやっている者が多いので、そちらも問題がないのか。
色々と理由はあれども、とにかく今の状況においては食事に困る……それこそ餓死したりといったことはないが、それでも美味い料理を食べられるかというのは、また別の話だという事なのだろう。
「カトックさん!」
1人が期待の視線を向けると、続けて他の者達もカトックに期待の視線を向ける。
そんな部下達を見たカトックは、呆れたように息を吐く。
とはいえ、カトックが本当に呆れているのかどうかは分からない。
元々自分の判断に一緒についてきてくれるという部下達が多いのだ。
そうである以上、表面上は呆れはしていても、本当に心の底から呆れるといったような事はない……と思う。
それはあくまでも俺がそう思っているだけで、実際にカトックがどう思っているのかは俺にも分からないが。
「しょうがねえか。美味い飯を食わせてくれるって相手の誘いを断る訳にもいかねえだろ」
「……よく言うぜ」
カトックに対してガイアがそう呟く声が聞こえてくるが、その辺については特に突っ込んだりといった事はしない方がいいだろう。
もしこの状況でそのような真似をすれば、また色々と面倒な事になるのは間違いないだろうし。
「さて、じゃあ……ここで改めて聞く。カトックを始めとする一行は、政府再建委員会を裏切って俺達に協力する事にする。それで間違いないな?」
「ああ、政府再建委員会の連中にも色々と思うところはあるしな。アクセル達に協力するのは問題ねえ。だが……一応言っておくが、もし異世界から来たっていうシャドウミラーがこの世界に危害を加えるような真似をしたりしたら、俺は裏切るかもしれねえぜ?」
「それならそれで構わない。俺達が意図的にX世界に危害を加えるといったような事をするとは思っていないが、もしカトックがそんな風に感じたら、好きなように行動しろ」
ざわり、と。
カトックの部下達は、俺の言葉を聞くとざわめく。
まさか俺がそんな風に言うとは思っていなかったのだろう。
実際に俺もそんな真似をしようとは思ってないので、カトックが裏切るような真似をするとは思っていない。
「ふん」
俺の言葉を気に入ったのか、それとも単純にそういう事にはならないだろうと思っているのか。
その辺りは俺にも分からない。
だがまぁ、今の状況を考えるとどっちでもいいというのが正直なところか。
実際にX世界に危害を加えるといったつもりはないし。
……ただ、どの辺の危害を加えるといったように認識するかってのもあるよな。
例えば政府再建委員会を倒すといった真似をしたら、それがこの世界に危害を加えたという風に認識されたら、こっちとしては堪ったものではない。
カトックの様子を見る限りでは、その辺については気にしなくてもよさそうだったが。
「じゃあ、これで話は決まりだな。ちょっと待ってろ」
そう言い、部屋の中にある通信機を使ってブリッジに通信を送る。
『アクセル? どうしたの?』
映像モニタに映し出されたマリューが、そんな風に尋ねてくる。
そんなマリューの姿を見たカトックの部下達がざわめく。
類い希なる美人なマリューだ。
カトックの部下達にしてみれば、そんなマリューを見て色々と思うところはあるのだろう。
もっとも、カトックの部下である以上は強引に言い寄ったりといった真似はしない筈だ。
……そういう真似をしても、それこそマリューの強さを考えると、このX世界の人間が対抗するのは難しいだろうが。
可能性があるとすれば、Wナンバーズの技術で新しい身体を手に入れたルチルくらいか?
「この連中を説得したら、こっちの仲間になってくれることになった」
『あら、そうなの?』
「もう少しは驚いてもいいと思うんだが?」
敵を味方に引き入れるというのは、そう簡単な話ではない。
それをやったのに、あっさりと流すのはどうかと思う。
『だって、アクセルだもの。今まで、何人の敵を味方にしてきたと思う? それだけに、追加で何人か引き入れても、そこまで驚きはしないわよ。……あ、でもそうね。モニクとクスコが尋問をするといった人達はどうだったの? そっちも大人しく味方になってくれるのかしら?』
その言葉に、そう言えば……と思い出す。
俺がカトックの尋問をするといった話をした時、モニクが手伝うと言ってきたのだ。
それにクスコが不満を抱き、結局モニクとクスコの2人もカトックの部下を尋問するといったような事になっていた筈だ。
「そう言えばそうだな。どうなったんだ? お前達の中で、モニクとクスコ……きつい顔立ちの美人と、桃色の髪の美人に尋問された奴はいるか?」
そう尋ねると、カトックの部下のうちの2人が困ったように手を挙げる。
どうやらこの2人がモニクとクスコの被害者となったらしい。
「で、どうだった?」
「あー……アクセルさんには悪いけど、あまり向いてないと思う。俺を担当したのはモニクって女だったけど、その……うん、そういう経験があまりないんだと思う」
「こっちも同じだな。ただ、俺が考えている事を読んだりして、それがちょっと怖かったけど」
どうやらモニクもクスコも、海千山千の歩兵達を相手にするのは少し甘かったらしい。
人生経験の違いと言えばそれまでだが、それでも何となく納得出来るように思うのは……きっと俺の気のせいって訳でもないだろう。
あの2人が優秀なのは間違いない。
だが、ここにいる連中は純粋な歩兵として考えればかなりの精鋭に近い。
カトックの部下であるのを考えると、それは当然なのかもしれないが。
これが、例えばシャドウミラーに所属している者なら、人生経験だけではどうしようもなく、相手から情報を引き出したりといった真似は出来るだろう。
「そうか。まぁ、あの2人ももっと経験を積めば、そのうちきっと能力は上がるだろうな。……そういう事らしい」
最後の言葉を、映像モニタに表示されているマリューに言う。
『なるほどね。……とにかくこっちの味方が増えるのは賛成よ。それで、この船で働くの? それともフリーデン?』
「この船だな。もっとも、フリーデンに遊びに行くとか、そういうのは構わないが」
そこでカトックを見る。
ティファに描いて貰った絵と、ジャミルと会話をした事によってカトックは寝返る事を約束した。
そうである以上、カトックとしてはフリーデンに遊びに行くといったような真似をしてもおかしくはない。
実際、俺に視線を向けられたカトックは微妙な表情を浮かべていたし。
本人がどう思っているのかは分からない。
だが、それでも俺が見た限りでは、カトックはフリーデンに行ってみたいと思っているように見える。
『まぁ、それならそれでいいと思うわ。それで、他には何かある?』
「いや、特にないな。……後は、ゾンダーエプタの情報とかを聞くくらいか」
ゾンダーエプタの情報は、侵入する上で必須だ。
一応セインズアイランドで捕虜を尋問した時に多少は聞いているが……それでも今の状況を思えば、少しでも詳しい情報が欲しいのは間違いなかった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1965
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1761