「よし」
自分がどう行動するべきなのかを決めると、そう声を出す。
そして早速魔法を使う。
『我と盟約を結びし者よ、契約に従いその姿を現せ!』
その魔法と共に姿を現したのは狛治。
召喚されたのが驚きだったかのように、こちらの世界に姿を現すと周囲の様子を確認していた。
「アクセル、ここは?」
「ここは現在俺がいるX世界だ。その中でも、敵の基地……拠点だな」
「すると、俺がやるべきなのは暴れ回る事か?」
最後まで言わずとも、すぐに俺の望んでいる事を口にする辺り、狛治の鋭さはさすがだ。
いきなりこんな場所に召喚されたのを不満に思ったりといったような真似もしていないのは助かる。
この辺は狛治が自分が俺と召喚の契約を結んでいるからという認識からのものだろう。
「そうしてくれ。この世界の連中の攻撃は、狛治ならそこまで気にするような事はないと思う。ただ、ファンタジー世界の存在はこの世界だと空想上のものだけだからな。狛治の姿を見れば、どう反応してくるのかは分からない」
ドラゴンの翼を背に、額からは長い一本の角。
普通に見れば、狛治が一般的な人間とは到底思われないだろう。
……まさか、このX世界でコスプレをした人物といったように見られるという事はないだろうし。
「分かった。出来るだけ殺さない方がいいのか?」
「出来ればそうしてくれ。このX世界は人間の数が少ない。将来的に他の世界から移住してくる者達はいるのかもしれないが、それでもこの世界の人間は出来れば減らしたくない」
慈悲の心……というのもあるが、それ以上にX世界のニュータイプという存在がある。
具体的にどういう理由でX世界のニュータイプが生まれるのかは分からないが、UC世界のニュータイプとは似て非なる存在だ。
そうである以上、このX世界の住人が減れば、それだけX世界のニュータイプが生まれる可能性は低くなる。
……ノモアの開発した人工ニュータイプというのもいるのだが、シナップスシンドロームという欠点があったり、表向きは自然に生まれたニュータイプと同じように見えても、実は違うところが多数あるといったような事になってもおかしくはない。
そうである以上、ここはやはり出来れば自然と生まれるニュータイプの土台を確保しておきたい。
もっとも15年前の戦争中の人口であっても、ニュータイプの数は決して多くはなかったのだ。
人口が99%減ったと言われているこの状況で、ニュータイプが生まれるかと言われれば……正直、微妙なところだろう。
あるいは、人口が減った結果、人類絶滅の危機だから……という理由でニュータイプが生まれやすくなる可能性も否定は出来ないが。
とにかく、その辺りがどうなろうとも、出来るだけX世界の人間は殺さない方向で進めたい。
詳しい説明はしていないのだが、狛治は俺の言葉に素直に従ってくれる辺り、狛治はかなり頼りになる。
「じゃあ、頼む」
「うむ、任せろ」
こうして言葉を交わすと、俺と狛治は別行動を取るのだった。
さて、後はいつ騒動が起きるかだな。
俺は狛治と別行動をとってから、スライムで目星をつけておいたコンピュータのある部屋に影のゲートで転移してきていた。
ただし、まだ影のゲートから出るような事はしない。
今はまだ影のゲートの中にいる。
そうして影のゲートの中から狛治が騒動を起こすのを待っていたのだが……俺が思っているより、騒動が起きるのが遅いな。
狛治の性格を考えれば……そしてこのゾンダーエプタというのが新連邦の中でも諜報部の基地であった場合、狛治の存在はすぐに見つかって、取り押さえようとするだろう。
だが、ネギま世界の魔法界において拳闘士として名を馳せている狛治にしてみれば、例え銃火器で武装していてもX世界の人間が対処出来る筈もない。
そうなると、自然と騒動が大きくなってもおかしくはないのだが。
ましてや、俺は出来れば殺さないようにして欲しいと狛治に要望している。
狛治の性格を考えれば、俺の頼みを無視するといった事はまずないだろう。
勿論、それは相手を無傷でどうにかするといった訳ではない。
骨の1本や2本を折るといった程度はするだろう。
狛治と遭遇してその程度の怪我だというのなら、それは非常に幸運なのだが……その辺について何も知らない者達にしてみれば、悪鬼の所業と思ってもおかしくはない。
にしても、狛治を相手に悪鬼の所業か。狛治が元鬼という事を考えれば、実はそんなに間違っていなかったりするんだよな。
本人がどう思うのかは別として。
そんな風に暇潰しをしていると……
「おい、何かうるさくないか?」
「え? いや、俺は……」
部屋の中にいる者達のうち数人が、そんな会話を交わしているのが聞こえてくる。
だが、2人目の男が何かを言おうとしたその瞬間、パパパパ、というマシンガンの音が聞こえてきた。
「お、おい。今のって銃声……だよな?」
「正解」
「え?」
影の中から出ると、部屋の中にいる1人の言葉にそう答える。
すると男は自分の想像していなかった方向から聞こえてきた言葉に意表を突かれたような表情を浮かべてこっちを見るが、次の瞬間にはその男は俺が首に向かって放った一撃によって意識を失う。
同時に白炎による一撃で、部屋の中にある防犯カメラの類を破壊しておく。
「な……」
その男と話していた別の男が何かを言おうとするものの、その男も結局何も言えず気絶した。
「誰だ!」
部屋の中にいた他の男がそう叫ぶも、結局それ以上は何も言えず、他の者達同様に気絶する。
部屋にいたのはこの3人だけだったので、これで全員が気絶したことになるな。
狛治が騒動を起こすのは少し遅かったが……まぁ、狛治の方も何かあったのだろう。
実際にこうして騒動が起きている以上、特に何か問題があった訳ではない筈だ。
そんな風に考えつつ、空間倉庫からシャドウミラーの技術班謹製のハッキングツールの入っているポータブルディスクを取り出し、コンピュータに繋げる。
幸いなことに、俺が気絶させるまではコンピュータを使って仕事をしていたので、パスワードとかを解除したりする必要はない。
もっとも、もしそういうのが必要であってもハッキングツールがあればすぐにパスワードを突破出来るんだが。
コンピュータに接続すると、ハッキングツールによってすぐにデータが引き抜かれる。
ちなみに接続端子が世界によって違っていたりするが、その辺は技術班の技術があれば容易に対処出来るので問題がなかったりする。
「どうやら間に合ったか」
呟いたのは、狛治の騒動によってゾンダーエプタに侵入者がいると知られ、それによってコンピュータの類から情報を引き出せなくなったりする……あるいは強制的にネットワークを切断したりされるのではないかと、そんな心配があった為だ。
もっとも、もしネットワークが切断されてもハッキングツールがあればその辺もどうにかしてくれるだろうが。
ただし、物理的にネットワークを切断するといった真似をされると、どうしようもない。
ゾンダーエプタは新連邦の諜報部の拠点なので、当然情報の重要性は理解している筈だ。
そうである以上、何らかの対応手段があってもおかしくはないと思ったんだが……どうもそういうのはないらしい。
これはその辺について思いつかなかったのか、それともまさかゾンダーエプタに侵入してくる相手がいるとは思っていなかったのか。
何となく後者のような気がする。
そもそも、このゾンダーエプタの事を知ってる者がどれだけいるのかというのが、この場合は大きな問題だろう。
俺達もセインズアイランドでの尋問の結果、ゾンダーエプタについて知ったのだ。
そうなると、他にそれを知るとなると……それこそカトックが変装していた漁師やシーバルチャー、オルクといった面々が偶然ゾンダーエプタを見つけるといったような事にでもならないと、見つける事は出来ないだろう。
そして偶然それを見つけた者が近付いた場合は、それこそゾンダーエプタにいる戦力が攻撃をすると。
戦後世界のX世界だ。
そうである以上、海に出た漁師やシーバルチャー、オルクといった者達が帰ってこなくても、そのような事は珍しくないだろう。
そういう風に考えつつ、俺は別のコンピュータを使ってゾンダーエプタの様子を確認していく。
具体的には、ヴァサーゴやアシュタロン、DXがどこにあるのかを確認する。
一応カトックからその辺についての情報は聞いているものの、カトックが俺達に捕まってからMSの場所が動かされたという可能性も否定は出来ない。
そう思ったのだが……
「どうやらその辺についての心配はいらないみたいだな」
コンピュータで確認したところ、その辺の情報は更新されていない。
もっとも、情報が更新されていないからといって、MSが動かされていないとは限らないのだが。
実際にはコンピュータのデータを更新するよりも前に狛治の騒動が起きて、それによってコンピュータでは特に変わっていないという事も十分に有り得る。
「ん? どうやらこっちにも来たか」
データのコピーは8割くらい完了している。
だが、残り2割が終わるまではここを守る必要があった。
そんな中で、この部屋に向かって近付いてくる気配を感じると、それを迎撃する準備をする。
狛治の陽動によって、ゾンダーエプタの戦力はそちらに集まっていると思っていたのだが、どうやら上層部にも冷静な奴はいたらしい。
この部屋の防犯カメラが破壊されたのに気が付き、そして狛治が暴れているのと関係があると判断して、戦力を派遣してきたのだろう。
もっとも……狛治を相手にしているのなら、生身での戦いで自分達が勝てるとは到底思えない筈だ。
そうである以上、数人をこの部屋に送ってきても意味はないと思うんだが。
狛治とこの部屋の一件を繋げた者としては、ちょっと甘いな。
それとも狛治だけが特別で……だからこそ、狛治が陽動をしている間にこの部屋に侵入した俺は弱いと考えたのか?
なら、その甘い考えを正してやらないとな。
そのように考えた瞬間、扉が開く。
素早く数人の兵士が銃を構えて部屋の中に突入してくるが……って、おい!
部屋の中の様子をろくに確認するような事もせず、マシンガンに近い形状をしている銃のトリガーを引こうとした兵士を見ると、俺は瞬時にその男を殴り飛ばす。
もし俺が止めなければ、この男は間違いなくトリガーを引いていた。
トリガーが引かれれば、俺が気絶させた者達にも弾丸が当たっていた可能性があるだろう。
また、コンピュータが破壊されていた可能性も高い。
なるほど。その辺については全て承知の上で、冷静に……そして冷酷に判断した結果が、有無を言わさずの射撃だった訳か。
続けて入ってきた者達も同様に倒していく。
ゾンダーエプタのトップにいるアイムザットは、どうやら俺が予想していたよりも的確な判断が出来るらしい。
とはいえ、狛治を相手にマシンガンでも倒せないのに、俺をマシンガンで倒せる筈もない……というのは、向こうにも分からないか。
そもそも魔法とかそういう存在について何も知らないのだから。
こうなると、扉から誰も入ってこられないようにしておいた方がいいか?
俺が出入りするだけなら、それこそ影のゲートを使えばそれでいいのだから。
俺がこの部屋からいなくなっても、この部屋の中に俺がいるとアイムザットに思わせておけば、狛治の件と合わせて二重の陽動にもなるだろうし。
部屋の扉のすぐ前に、空間倉庫から取り出した岩を適当においておく。
扉を完全に塞いでいるこの岩は、それこそMSでも使わないと排除することは出来ないだろう。
扉よりも大きなこの岩を見た奴は、一体どうやってこの岩をここまで持ってきたという風に思うんだろうな。
これで魔法について思いついたら、それはそれで凄いと思う。
そう考えていると、やがてピピッという音が聞こえてくる。
俺が待ち望んでいたその音は、データのコピーが終わったという音だ。
ハッキングツールが仕込まれているポータブルディスクは、それこそ掌サイズ程度の大きさしかない。
そんなポータブルディスクの中に、ゾンダーエプタのコンピュータに保存されていたデータのほぼ全てをコピー出来るのだから、このポータブルディスクを作った技術班の実力がどれ程のものなのかが理解出来た。
素早くコンピュータを見て、データのコピーがしっかりと終わっているのを確認してから、ポータブルディスクを空間倉庫の中に収納する。
こうなると、後はここでやるべき事はない。
次に向かうべきは……DXかヴァサーゴやアシュタロンか、量産型MSか。
普通に考えればDXなのだが、そのDXはまだ開発中という事で、多くの技術者が近くにいる筈だ。
そうなると、やっぱりヴァサーゴとアシュタロンの方を優先した方がいいか。
量産型MSは、重要度的な意味ではやはり一番最後になる。
そんな風に思いながら、俺は影のゲートを展開するのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1965
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1761