「ビンゴ……って奴か?」
影のゲートから出た俺は、視線の先に存在する2機のMS……ヴァサーゴとアシュタロンを見て、笑みを浮かべる。
この2機はガンダムだ。
それもただのガンダムではなく、新連邦が戦後に開発したガンダム。
DXと違ってまだ開発中といった訳ではなく、普通に使っている……実戦証明がされているガンダムと考えれば分かりやすい。
そういう意味で、新連邦の中でも特別な扱いを受けるのはおかしくない。
だからこそ、一般的な量産型MSが置かれている場所とは違って、ここのように専門の場所が用意されているのだろう。
「っと、感心するよりも前に、まずは動かないとな。やるべき場所はここだけじゃないんだし」
自分に言い聞かせるようにしながら、離れた場所にあるヴァサーゴとアシュタロンに近付いていく。
幸いなことに、ヴァサーゴもアシュタロンもベルフェゴールの発展機だけあって、手持ちの武器はない。
いや、ビームサーベルとかはあるが、それは機体に装備されているのでGXのビームライフルのように別の場所にあったりする訳ではない。
つまり、機体をそのまま収容すればそれで問題はないのだ。
そんな訳で……ヴァサーゴとアシュタロンに触れ、次々と空間倉庫に収納していく。
よし、これでヴァサーゴとアシュタロンをゲットだ。
当然だが、この状況は基地側に認識されている筈だ。
先程のコンピュータがあった部屋なら、防犯カメラを破壊するのは難しくはなかった。
だが、この格納庫はMSを2機置いておける場所だし、何よりそのMS2機がガンダムである以上、新連邦側としても何かあったら大変だとしっかりと監視しているだろう。
……もっとも、現在ゾンダーエプタ内では狛治が暴れているので、それどころではない可能性もあるが。
何しろ狛治は普通の人間ではない。
銃を撃ってもそれを回避したり、場合によっては拳や蹴りで弾丸を叩き落としたりといった真似も出来る。
そういう感じである以上、ゾンダーエプタの司令官をしているアイムザットにしてみれば、対処のしようがないだろう。
MSを出すといった手段はあるかもしれないが、狛治が暴れているのは基地の外ではなく、その内部だ。
そうである以上、MSで攻撃をするなどといった真似をしたら、それはゾンダーエプタが大きな被害を受ける事になる。
そのような覚悟をしないと、それこそ狛治に対処するのは難しいのだが。
その辺の判断が出来るかどうか。
それにMSが出て来たら、狛治も別に真っ正面から戦う必要はない。
基地の中を隠れて移動するといった方法をとれば、MS側ではどうしようもない。
……あるいは割り切って、基地を破壊してもいいといったような感じで攻撃をするか。
もっとも、ゾンダーエプタ側にしてみればカトックがテンザン級やフリーデンを確保して戻ってくるかもしれないと考えている筈だ。
そうである以上、基地側にダメージを与えるといった真似は避けたいだろう。
出来ればその辺で色々と悩んでくれると、こっちとしては助かるんだが。
ともあれ、ヴァサーゴとアシュタロンを入手した以上、もうここに用はない。
それに狛治の件やコンピュータのあった部屋、そしてこの格納庫で俺についても知られていると考えてもいいだろう。
そうである以上、こちらとしては能力を隠す必要はない。
少しでも誤魔化せるのなら、こちらとしてはそれを逃すつもりはないが。
そんな訳で、格納庫の中でも隅……周囲が隠されていて、防犯カメラの類があってもその死角になってるだろう場所にやってくると、そこで影のゲートを使う。
向かう先は、当然DXが開発されている場所だ。
まだ入手していない量産型MSのバリエントとかも確保はしたいが、やっぱりそれよりも重要なのはDXだろう。
完成度が低く、まだ実戦に使うといった真似は出来ないらしいが。
それでもツインサテライトキャノンが厄介である以上、それを使わせる訳にはいかないので、確保しておく必要がある。
そうして影のゲートで侵入したのは、DXを開発している場所。
カトックから聞いた限りだと、このDXを開発している場所は厳しく出入りが制限されているらしい。
まぁ、その気持ちも分からないではないが。
DXというのは、新連邦の象徴として開発されているらしいし。
新連邦が戦後に作ったガンダムとなると、ヴァサーゴとアシュタロンもある。
だが、この2機は性能は高いものの、外見を見るとゲテモノガンダムと呼ばれてもおかしくはないように、ガンダムらしいガンダムではない。
どちらかと言えば敵が使っているガンダムといったところか。
実際にヴァサーゴやアシュタロンを使っているのはフロスト兄弟で、この世界の主人公であるガロードにしてみれば敵なのだから、敵役のガンダムという表現は間違っていないのだが。
新連邦も、ガンダムの外見については思うところがあり、だからこそ新連邦の象徴という意味でDXを開発したのだろう。
そんなDXだけに、出入りが厳しいのは当然だった。
影のゲートを使える俺にとっては意味がないが。
格納庫の中では、多くの技術者や軍人達が右往左往しているのが分かる。
また、格納庫の中には緊急事態を告げる警報もなっていた。
狛治は俺が思うよりも十分に陽動をしてくれているらしい。
ここまで混乱している状況なら、見知らぬ俺が格納庫の中を動き回っていても、そこまで目立たないだろう。
まずは……MS本体じゃなくて、ビームライフルだな。いや、離れた場所にシールドもある。
MS本体を確保するよりも前に、そちらを空間倉庫に収納しておいた方が手間取らないだろう。
最善の行動を考えつつ、混乱の中で敵の秘密兵器を奪うというのは、パトゥーリアの時もそうだったなと思い出す。
もっとも、パトゥーリアの場合は外に出る時はフォートセバーンを破壊して外に出るといった手段しかなかったのに対し、DXは普通のMSなので外に出る時に困るといった事はないのだが。
ついでにパトゥーリアの時と同じくするのなら、気配遮断を使っておいた方がいいと判断し、早速気配遮断を使う。
にしても……DXって普通のガンダムっぽいのは間違いないけど、何と言うか……こう、髭が生えているような風に見えるな。
GXからああいう風にしたという事は、恐らくあの髭っぽいのにも何らかの意味があっての事だとは思うんだが。
具体的にどういう風になってそうなったのか、生憎と俺には分からない。
分からないものの、その辺についてはX世界のMSに詳しいキッド辺りに聞くか、それともデータを解析したら技術班のマリューに聞くといった真似をすればいいだろう。
もしかしたら、機能とかは特にないのかもしれないが。
新連邦の象徴としてGXの後継機である事は必要であっても、GXそのままだと問題。
そういうのに備えて、髭を付けた可能性もある。
ビームライフルとシールドを奪う事に成功した以上、次に必要になるのはDX本体だ。
だが、ビームライフルとシールドとは違い、DX本体を奪うとなると絶対に隠す事は出来ない。
そうなると、DXを奪ったら即座にその場から移動して物陰に向かい、そこで影のゲートを使ってこの格納庫から脱出するといった真似をする必要があるだろう。
そして向かう先は、バリエントやドートレス・ネオが置いてある格納庫だ。
ゾンダーエプタにある戦力の中で最強のヴァサーゴとアシュタロンは既に確保してある。
フロスト兄弟がゾンダーエプタにいるのは間違いないが、もしここにいても乗るMSがない以上、戦力としてはどうしようもない。
フロスト兄弟が大きな戦力なのは間違いないが、それはあくまでもMSに乗ってこそだ。
シャドウミラーの実働班のように、生身での戦いでも人外の実力を持っている訳ではないのだから。
……もしフロスト兄弟がゾンダーエプタの中で狛治と遭遇したらどうなるか、ちょっと楽しみではあるな。
とはいえ、そういう可能性はまずないと思うけど。……これもフラグか?
そんな風に考えつつ、DXに近付いていく。
ただ、ちょっと問題なのはDXの機体には結構な数のケーブルが接続されているという事だろう。
まだ開発中という事もあり、データを取ったり設定を変更したり、プログラムを弄ったり……それ以外にも色々とやる為のケーブルなのだろう。
だが、このケーブルがDXを収納する時に邪魔になる。
切断するか。
そう判断し、DXに十分近付いたところでスライムを使ってDXに接続されていたケーブルを纏めて切断する。
狙い通りの結果だが、同時に攻撃をしたという行為によって気配遮断の効果も切れる。
「おい、ケーブルが……って、ちょっと待て! あそこにいるのは誰だ!?」
タイミングが悪いと言うべきか、ケーブルが切断された事に真っ先に気が付いた技術者が、DXの側にいる俺の姿を目にして叫ぶ。
DXの開発は、かなり秘密裏に進められていた。
そうである以上、当然ながらそこで働いている者達は否応なく顔見知りになる。
中には気が合わないような者もいるかもしれないが、それでも相手の顔は知っているのだろう。
だが、そんな中で俺という全く見知らぬ相手を見つければどうなるか。
当然ながら、俺の姿は不審者にしか見えないだろう。
だからこそ、俺を見つけた技術者は叫んだのだ。
そして、ただでさえ現在狛治が暴れ回っているという事で、ゾンダーエプタの中でも重要な場所であるここは警戒されており、兵士が配備されていた。
そんな兵士達は、技術者達の叫びに反応して銃口をこっちに向けるが……
「甘い」
DXを開発している格納庫にいる以上、ゾンダーエプタの中では相応に腕の立つ兵士達なのだろう。
だが、持っている銃を動かすのも遅ければ、狙いを定めるのも遅い。
それでいながら、焦っている為かトリガーを引くのは早い。
結果として、放たれた弾丸は俺に命中するような事はなく、あらぬ方向に飛んでいく。
……それどころか、技術者の数人が悲鳴を上げていたのを考えると、同士討ちをしてしまった者もいるのだろう。
だからこそ、そんな兵士達に向かって甘いと、そう口に出してしまったのだ。
新連邦の兵士として、厳しく鍛えられた連中だと思っていたのだが、どうやら違ったらしい。
これだとバルチャーの方が純粋な技量という点では上に思える。
呆れを抱きつつ、俺はDXに近付いていく。
そんな俺の行動に気が付いたのだろう。
兵士達は必死になってこっちを攻撃してくるが、その攻撃の多くは外れ……
「へぇ」
少しだけ感心したのは、最初の動揺から落ち着いた為か、何発か俺の身体に銃弾が命中した為だ。
だが、その銃弾は俺の身体に触れた瞬間に白炎によって消え去る。
「ばっ、おい……何だよあいつ!」
俺の身体の一部、銃弾の命中した場所が白炎となった光景に、兵士の1人が信じられないといった様子で叫ぶ。
その光景を目にしたのは1人や2人ではない。
だが、この世界において魔法というのは空想上の存在でしかなかった以上、今の俺の様子を見て、どのように認識してるのやら。
そんな兵士の様子を気にせず、俺はDXに近づき……そして触れる。
次の瞬間、俺の側に立っていたDXはどこにもなくなっていた。
しん、と。
先程までは激しい銃撃音が格納庫の中に広まっていたのに、その音は今はもう聞こえない。
騒いでいた者達の声も、まだ状況を理解していない奴は何かを怒鳴っていたりするのだが、DXが消えた光景を見ていた者達は沈黙していた。
俺の身体が白炎となって銃弾に対処したのもそうだが、DXがいきなり消えるというのは……手品とかイリュージョンとかマジックとか、そんな風にでも思ったのかもしれないな。
とはいえ、ここからはもう時間との勝負だ。
当初の予想通り、瞬動を使って監視カメラの死角に入ると、すぐに影のゲートに身体を沈めていく。
ぶっちゃけ、ここまで魔法を見せた以上は影のゲートを堂々と使ってもいいのでは? と思わないでもなかったが。
ただ、白炎とか空間倉庫と違って、転移魔法は非常に大きな意味を持つ。
白炎はともかく、空間倉庫は戦略的に見て圧倒的な能力を持っているかもしれないが、転移魔法はそんな空間倉庫以上に凶悪な性能を持っていた。
何しろ距離という存在を無視する事が出来るのだから。
色々な意味で凶悪な効果なのは間違いない。
そんな影のゲートを使って、次に俺が姿を現したのはゾンダーエプタのMS用格納庫。
ここはテンザン級やフリーデンがやって来るのを待ち構えているので、それこそいつ戦いになってもいいようにパイロット達が待機していたが……それはつまり、MSのコックピットに誰も乗っていないという事を意味する。
「後はバリエントだな」
そう呟き、俺はMS用格納庫にあるMSや武器の類を次々と空間倉庫に収納していくのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1965
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1761