俺が空を飛び、狛治もまた翼を羽ばたかせて空を飛ぶ。
最初は狛治が虚空瞬動を使って空を飛ぶ……いや、走るといったような事を考えていたのだが、狛治には翼があるのでその辺についての心配は特にいらなかった。
もしかしたら空を飛ぶ俺達を狙ってゾンダーエプタから何らかの対空攻撃でもあるかもしれないと思ったのだが、どうやらその辺の心配はいらなかったらしい。
……本来なら、カトックが俺達を捕らえるなり、あるいは騙すなりして、テンザン級とフリーデンをゾンダーエプタまで連れていく筈だったんだが。
しかし、こちらにいるニュータイプの面々の能力によって、その辺は前もって把握され、結果としてカトック達は俺達に寝返った。
ゾンダーエプタにしてみれば、そういう状況で自分達が一方的に有利になるといった予定だったのだろうが……それはあっさりと破綻してしまう。
今頃は、新連邦の象徴として開発していたDXや、ヴァサーゴ、アシュタロンを奪われたという事で大きな騒動となっている筈だった。
とても空を飛んでいる俺と狛治を攻撃するといった真似は出来ない。
いやまぁ、もし万全な状態であっても、MSならともかく生身で空を飛んでいる2人をレーダーが捉えるかどかは、また別の話なのだが。
「見えてきたな」
「ふむ、あの2隻か」
空を飛び、10分少々。
やがて視線の先に見えてきたテンザン級とフリーデンに狛治は感心した様子を見せる。
鬼滅世界は勿論、ネギま世界でもああいうのは……いや、そうでもないのか?
鬼滅世界は海軍の軍艦とかがあった筈だし、ネギま世界にいたっては普通に軍艦が空を飛んだりしていた筈だ。
そういう意味では、テンザン級やフリーデンはそこまで驚くようなものではないと思うんだが……ただ、こうして見ると狛治が驚いているのは間違いない。
何故そこまで驚いているのかは、生憎と俺にも理解は出来ないが。
それでも狛治がテンザン級やフリーデンを見て、つまらなさそうにしたりしなかったのは、俺にとって悪い話ではなかった。
「そうなるな。取りあえずこっちを把握してるのかどうかは分からないが、攻撃してくる様子はないらしい」
「アクセルがいるからか?」
「あるいは、小さいからレーダーでも捉えていないのかもしれない。……いや、違うな」
テンザン級の方から発光信号……というか。ライトを何度も点灯させているのを見て、こっちに気が付いていないという選択肢をすぐに排除する。
わざわざああいう真似をする以上、当然だが俺の存在には気が付いているのだろう。
「あの光の点滅を見れば分かると思うが、どうやらこっちの存在をしっかりと把握したらしい。行くぞ」
そう言って俺がテンザン級に向かうと、狛治も追ってくる。
当然だが、テンザン級が俺達を認識している以上、攻撃をしてくるといったことはまずないだろう。
狛治の姿に驚く者もいるかもしれないが。エルフ達は狛治の存在を知ってる者はそれなりに多いしな。
なにしろ狛治は基本的にはネギま世界に入り浸っているものの、ホワイトスターにも普通にいる。
そしてエルフ達もホワイトスターで生活している以上、知り合い……とまではいかないが、それでも顔くらいは知っていてもおかしくはない。
シーマを始めとしてUC世界からやって来た者達の中には、狛治をあまり知らない奴もいるかもしれないが。
ただ、それなりにホワイトスターで行動してるので、狛治を見た事があってもおかしくはない……と思う。
そんな風に考えつつ、テンザン級の格納庫に入る。
そこにはエルフ達やシーマ達が待っていた。
エルフ達はメカニックとして、そしてシーマ達は何かがあったら即座に出撃出来るようにしてだろう。
「アクセル、無事に戻ったみたいだね。……さっきはいなかったお供がいるみたいだけど?」
シーマの言葉に、俺は狛治を一瞥してから口を開く。
「知ってる奴もいるかもしれないが、狛治だ。俺の召喚獣だな。ゾンダーエプタでの行動で、陽動が必要だったから召喚した」
「狛治だ。アクセルの召喚獣をしている。よろしく頼む」
紹介された狛治がそう言って短く自己紹介をする。
そんな狛治の様子に頷き、言葉を続ける。
「取りあえずゾンダーエプタでの目標はほぼ完璧にこなした。後はゾンダーエプタを攻略するだけだ。一応フリーデンにいるジャミルとかと相談をしてどうするかを決めるけど、この流れに変わりはないと思っていてくれ。まずはブリッジでマリュー達に報告をしてくるから、出撃準備をしていてくれ」
そう告げ、俺は狛治を連れてその場を後にする。
空間倉庫に入っているヴァサーゴとアシュタロン、DXは……今はまだ出す場所がないし、現状維持のままで十分だろう。
ただ、ヴァサーゴとアシュタロンはともかく、DXはまだ完成していないらしいから、出来れば早く使えるようにしたいんだがな。
その辺についても、ゾンダーエプタを攻略してからの話になるか。
そんな風に考えつつ、俺はその場を後にするのだった。
「アクセル、その様子だと問題なかったようね。……もっとも、アクセルの事だから余計な心配はいらなかったと思うんだけど」
ブリッジに入ってきた俺を見て、マリューがそう声を掛けてくる。
ミナトは俺を見て軽く笑みを浮かべていたが、こちらもまた気分的にはマリューと同じようなものだったらしい。
「ああ。当初の目的は全て果たせた。後はゾンダーエプタを攻略するだけだな。ちょっとフリーデンに通信を繋いでくれ。向こうでも少しは俺を心配しているだろうし」
「少しという辺りが、アクセルも自分の事をしっかりと理解してるわね。……繋がったわよ」
ミナトの言葉と同時に、映像モニタにジャミルが映し出された。
『アクセル、どうなった?』
ジャミルにしてみれば、少し性急な問い。
ゾンダーエプタに件については、色々と思うところがあったのだろう。
「問題はない。当初の目的は全て達成した。……ただ、ニュータイプ研究をしていた奴がいたのかどうかは分からなかったが」
出来ればルチルの一件についてもどうにかしたかったのだが、さすがにそこまでやっている余裕はなかった。
そもそも、いるかどうか分からない相手を見つけるというのが、無茶な話なのだから。
ゾンダーエプタにルチルをLシステムにした奴がいるというのも、その理由がLシステムを積んで沈没していた軍艦をサルベージする為にフロスト兄弟率いる新連邦の部隊がやって来たというのが理由だ。
だが、そもそもの話、フロスト兄弟の狙いが本当にLシステムだったのか、というのもある。
Lシステムを搭載していた軍艦には、他にもビットMSが搭載されていた。
そちらが狙いだったという可能性も、十分にある。
もしそうだった場合、ゾンダーエプタにLシステムの開発者がいる可能性は低いだろう。
勿論可能性が全くないとは言わない。
だが、それでもいない可能性の方が高いのは間違いなかった。
ルチルにこの件を話せば、やる気に水を差すようなものだから黙っていたが。
元々ルチルはテンザン級のクルーになる事は承知したものの、MSパイロットをやるとは決めていない。
戦いの中で精神崩壊をしたルチルに戦いを強要するような真似はさすがに出来ない。
しかし、そんな中でもルチルはゾンダーエプタに自分をLシステムにした者達の誰かがいるかもしれないと考え、自分でケジメをつける為にベルフェゴールに乗ってゾンダーエプタの戦いに参加する事にした。
そんなルチルだけに、迂闊にLシステムの開発者がいないとは言い切れない。
その辺については、実際にルチルが調べて、自分で納得するというのが最善だろう。
『そうか。残念だが、それは仕方がないだろう。それでこれからどうする?』
ジャミルもルチルの件については俺とそう意見が変わらなかったのか、あっさりとそう言ってくる。
それに俺が返す言葉は決まっていた。
「出来るだけすぐに攻め込むぞ。現在、ゾンダーエプタは大きく混乱している。ヴァサーゴやアシュタロン、そして開発中のDXも俺が奪ってきたし」
敵の戦力の中でも最高峰の性能を持つMSが、軒並み失われたのだ。
この状況で攻めないといった選択肢はない。
「とはいえ、ジャミルに言うまでもないと思うが油断は禁物だ」
ドートレス・ネオとバリエントは、俺が奪ってきた以外にもあるだろう。
そして戦後に開発されたMSだけあって、その性能は非常に高い。
戦前に開発されたドートレスというのは、基本的に空を飛べなかったのだ。
それが新型機では普通に空を飛んでいるのだから、それだけで新連邦の技術力の高さが分かりやすいだろう。
旧連邦が崩壊してMSの開発技術の類も大きく後退したのは間違いない。
それを15年も掛けてより高性能なMSを開発出来るようになったのは、素直に凄いと思う。
これで力による支配ではなく、交渉によって勢力圏を広げるといった真似をしているのなら、こっちも力でどうこうといった事にはならなかっただろうが。
『そうだな。こっちもすぐに準備をする』
ジャミルはそう断言すると、すぐに指示を出し始める。
とはいえ、ゾンダーエプタは既に大きなダメージを受けているし、普通に考えればこっちが圧倒的に有利になる。
『では、当初の予定通り攻めることにする』
「ああ。もっとも、ロアビィにはちょっと悪い事になるけどな」
ロアビィのレオパルドは空を飛ぶ事が出来ない。
テンザン級とフリーデンに所属するMSの中で、空を飛べないのはレオパルドだけだ。
そうである以上、ゾンダーエプタを攻める時に空を飛んで先行する事は出来ない。
まぁ、水中用に換装も出来るらしいんだが、それもまだ完全ではないし、移動砲台として使ったりするのが最善だとは思うんだよな。
そんな訳で、ゾンダーエプタを攻める際には、レオパルドはフリーデンに残る事になる。
実際にゾンダーエプタに上陸してからなら、レオパルドの本領発揮となるだろう。
とはいえ、実際にそこまで進むとレオパルドが活躍するよりも前に、既に戦いは終わってそうな気がするが。
ちなみにゾンダーエプタを攻める際、最初はテンザン級とフリーデンが2隻固まって動くのではなく、それぞれ別行動にして挟撃……あるいはどちらかが囮となって、その間にもう1隻がゾンダーエプタに上陸するといった方法も検討された。
だが……ぶっちゃけ、テンザン級とフリーデンでは戦力の違いが大きく、一緒に行動した方がいいという結論になってしまう。
フリーデンの方はGXとエアマスターしか戦力として数えられない。
一応フリーデンにも武装はされているものの、それはあくまでも自衛用……というか、攻撃力にはあまり期待出来ないような物だ。
そして何より、俺が侵入して行う破壊工作が上手くいけば、陽動とか挟撃とか、そういう真似をしなくても十分に勝算はあるという事で、下手にゾンダーエプタ側に時間を稼がせるよりは、2隻揃って最短距離で上陸してしまった方がいいと、そう判断したのだ。
とはいえ、カトックからの報告によると無駄に時間を掛けすぎれば他の拠点から援軍が来るかもしれないという事だったので、油断は出来ないが。
『その辺は気にしないで欲しい。レオパルドが有効な戦力であるというのは、間違いのない事実なのだ。今回は偶然戦場が悪かったというだけでな』
「だろうな」
そう言葉を返しながら、いっそダラニ辺りをレオパルドに貸し出すかと考える。
ダラニというのは、シャドウミラーが開発したSFSで、MSが乗って空を飛べる。
不思議な事に、X世界にはこの手のSFSが存在しない。
……無理矢理それに近いとなると、ディバイダーか?
ただ、あれは背中とかに装備し追加スラスターとして使ったりは出来るが、SFSとはちょっと違うしな。
X世界にこの手のSFSがないのは……多分、MSの中に空を飛べる機体が相応にあるからなんだろう。
旧連邦軍のドートレスや、宇宙革命軍のジェニスは基本的に空を飛べないので、そういう意味ではSFSがあってもおかしくはないと思うんだが。
とにかくダラニなら渡しても問題はないと思う。
ダラニは敵に奪取されても問題がないように、シャドウミラーの技術は極力使われてないし。
動力源はSEED世界のバッテリーなので、それがこのX世界でどういう扱いになるのかは俺にも分からないが。
ダラニは基本的に敵のいる場所まで移動する為の足で、戦場に到着したら敵にぶつけて爆発させるといった使い方も考えられている。
そうである以上、コスト的にもそこまで高くはなく、ダラニに乗ればレオパルドは空中から移動砲台としての役目もこなせる訳で……そういう意味では、後でロアビィにダラニを使わないかどうか、聞いてみてもいいかもしれないな。
とはいえ、このゾンダーエプタでの戦いが終われば、海での戦闘は終わりになって、陸上に戻るといった事になるのかもしれなかったが。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1965
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1761